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遠距離受信用鉱石ラジオの製作~その2~ [ラジオ]

2019年5月25日の日記

さて,前回,ちょっとご紹介しましたが,iruchanは何を今,作っているかというと.....こんなものを作っています。

ハワイ在住のMike Tuggle氏が設計・製作したLyonodyne 17という遠距離受信用のゲルマニウム・ラジオです。

バスケットコイルがとても美しく,最初に見たのは,10年ほど前,iruchanも入っている,米Antique Wireless Association(AWA)の会報に載ったときです。なんて美しいんだろう,と思いました。

小林健二氏の "ぼくらの鉱石ラジオ" というすばらしい本がありますね。カラーの写真を見ても,氏の鉱石ラジオはとても美しく,魅了されますが,ちょっと工作レベルが高すぎ,素人には難しい感じです。でも,Lyonodyne17なら何とかなりそう,と思いました。なにより,遠距離受信用,とうたっていることからもわかるとおり,かなりの高感度ラジオで,米国でよくやってる,遠距離受信コンテストで2位になったそうです。

これを作ってやろう,と思った人は世界中にいるようで,結構,WEB上にも作った人がいるようです。

と言う次第で,iruchanもこれを10年ほど前から部品を集めて作っています。

なんで,10年もかかんだよ,と思われちゃいそうですけど.......実はこのラジオ,部品集めが大変なのです。

なお,Tuggle氏は感度最優先で最新の設計と称していて,鉱石検波器は使っていません。そういう意味で,本機を鉱石ラジオというのは誤りなのですが,英語ではGermanium radioとは言いません。普通はCrystal RadioまたはCrystal Setという用語を使います。なんか,ゲルマニウム・ラジオとか,ゲルマ・ラジオというのは日本だけ,という気がします。iruchanは方鉛鉱なんかの鉱石検波器もテストしてみるつもりなので,鉱石ラジオと称します。それに,ゲルマニウム・ダイオード・ラジオというのだったらわかりますが,ゲルマニウム・ラジオってなんか変,という気がします。でも,鉱石ラジオ,と言うのも変ですね~。鉱石検波器ラジオと言うべきでしょう。そういや,電気機関車でシリコン整流器って変じゃない,と言う人がいました.....(^^;)。

☆リッツ線について

なにより,印象的なバスケットコイルは昔からリッツ線を使うのが高級品で,特に1920年代,ラジオ放送が始まったばかりの頃,やはり真空管式は高いので,鉱石ラジオで我慢した人が多かったのですが,それだと感度が足りないので,リッツ線でコイルを作ったものが多いのです。と言って,いくら真空管式より安いと言っても,リッツ線を使ったものは高級品だったと思います。実際,後で書きますけど,リッツ線は今でも非常に高いのです。

で,なんでAMラジオのコイルにリッツ線を使うのか,というと.....そこが問題なのです。

もちろん,鉱石ラジオやゲルマニウム・ラジオは真空管やトランジスタなど,一切の能動素子を使わないので,高感度なラジオを作ろうとすると,大きなアンテナが必要なのは当然なんですが,米国ならともかく,日本ではそんな長いアンテナは張れないので,やはりコイルのQが問題となります。Qが高いほど,高感度なわけです。

と言う次第で,Qってなんや? っていうことなんですけど.....。

ラジオマニアの皆さんはよくご存じでしょうが,QはQuality Factorの略で,文字通り,コイルの品質を表す指標で,コイルの抵抗分とリアクタンスの比です。具体的には,

              Q.jpg

となります。つまり,Qが高いコイル,というのは抵抗分が低く,リアクタンスが大きい,つまりインダクタンスが大きなコイル,と言うことになります。

インダクタンス自体は使用するバリコンの容量で一意に決まっちゃうので,結局,いかに抵抗分の小さなコイルを作るか,と言うことにつきます。

ところが,やっかいなのはこの抵抗分R。実は周波数により変動するので,直流抵抗分とは異なります。実際,単に直流抵抗が低いコイル,と言うことだったら太い電線でコイルを作ったらええやん,と言うことになるのですが....。

ここで出てくるのがあの嫌らしい表皮効果というやつで,電線内部の電流密度は周波数が高くなるほど,電線の表面に移動し,1MHzくらいになると大部分の電流が表面だけで流れています。

なんでか,と言うと結構,物理的な説明は定性的にも難しく,iruchanもMaxwellの方程式を解くとこのような解が出てくるということくらいしか理解していませんけどね......orz。

でも,そのおかげか,表皮効果については割に古くからよく知られていて,ラジオの黎明期からリッツ線が使われている訳です。

ということで,できるだけR分の小さな電線と言うことになると.....とにかく断面積よりも表面積の大きな電線と言うことになります。まあ,断面積は直径の2乗に比例しますが,表面積は1乗に比例するので,表面積を増やそうとするとどんどん太い電線が必要になるわけです。

これでようやくリッツ線が登場します。

リッツ線は非常に細いエナメル線を束ねて絹で外被した電線のことです。非常に細い電線の集合体なので,表面積が非常に大きくなります。

普通は交流抵抗は周波数に比例するので,高周波ほど表皮効果が顕著に影響が出てくるのですが,オーディオ帯域でも多少は影響が出るので,たまにオーディオ用ケーブルと称して,リッツ線を使ったものが販売されますが,まあ,オーディオ帯域だったらLC-OFC電線なんかを使う方が音が良いでしょう。

高周波回路ではリッツ線が重要で,戦前は対欧無線通信基地として,戦時中は潜水艦への通信設備として使われた愛知県の依佐美送信所のコイル類にもリッツ線が使われていました。

で,このLyonodyneですけど,なんと,660/46というリッツ線と,100/44というリッツ線を使っています。iruchanはこの数字を見たとき,絶句しました.....[雨][雨][雨]

Litz wire 660/44.jpg 660/46リッツ線です。

    実際,実物はこんな感じです......。

米国の規格らしく,これらの番号はAWG46の電線の660本撚り,AWG44番の100本撚りと言うことを意味します。

AWGはAmerican Wire Gaugeの略で,よくAWG何番,と言う言い方をします。番号が大きいほど電線径は細くなります。

iruchanはオーディオのアンプなんかを作るときはたいてい,AWG20かAWG22を使います。これくらいがアンプの配線に適しています。ちなみにBS何番という表記もありますが,これは英国規格(British Standard)です。

AWG46番とか44番というと....。

なんと,0.03984mmと0.05023mmという細さです!!

まあ,米国なのでもとの単位がインチですから,こんな半端な数字になりますけど,ものすごく細い電線ですね~。ちなみにJISなどの言い方だと,0.04mm,660本撚りと0.05mm,100本撚りと言うことになりますね。

こんなリッツ線は見たことがありません。普通,日本で売られているものは0.1mm8本撚りくらいのもので,バーアンテナに使われているものはこれくらいのリッツ線です。

しかも,こんなリッツ線でも数mで1,000円くらいの値段で秋葉原では売られていますから,Lyonodyneで使っているリッツ線はいったい,いくらするのでしょうか。

Tuggle氏は値段のことは書いていませんが,米国ではリッツ線はKerrigan-Lewisというメーカのが有名で,ここのを使っていると思います。同社はイリノイ州にあり,1920年代の鉱石ラジオなどでも有名なブランドです。

ところが.....。

この会社,WEBはないし,電子メールもありません。手紙でしか注文受け付けないらしく,当然カード支払いやPayPalは使えません。いまどき郵便為替(Postal Money Order),と言うのもな~という感じです。ちなみに,郵政民営化で銀行協会からクレームがついたのか,米国向けだと郵便為替は手数料500円だったのに,今は2,000円以上の手数料を取られますので,iruchanはもう使っていません。10年前の時点ですが,もう,ネットは当たり前の時代でしたから,iruchanは困ってしまいました。

まあ,10年経って検索してみると,今はコロラドのRubadue Wireという会社に買収されちゃっているようですし,この会社のリッツ線がネットで買えるようです。

とはいえ,たぶん,純粋な米国製のリッツ線は高いと思います。

一応,iruchanも当時,入手に結構困ったのですが,なんと,eBayでは今もリッツ線が大量に売られていて,当時,結局,eBayで買いました。

もっとも,売られているのは中国製のものです。値段は安く,660/46のリッツ線が長さ120フィートで〒込86ドルという値段でした。それに,売り手は米加州在住でしたが,やはり中国系の名前でした。

今も売られているので,もし,Lyonodyneを作りたい,と思った方はeBayで買えばいいと思ったのですけど,eBayはやはり10年くらい前にポンと送料が高くなり,小さなものでも30ドルくらいは当たり前になっちゃいました。

なんでや,と思ったのですが,セキュリティのため,一度,北米各地の売り手の荷物はeBayのセンターに集荷され,そこから,UPSなどの民間宅配業者を使って航空便で送られてくるためのようです。一度,親切な売り手に送料まけてんか? もちろん,英語ですけど と聞いて判明しました。

ということで,Ali Expressをお薦めします。Aliだと日本向けの送料はタダか,せいぜい数ドルくらいです。中国なのでいろいろと心配なことが多いのですが,iruchanは今まで詐欺に遭ったことも,ものの品質が悪いこともありませんでした。これらのリッツ線も安くて便利だと思います。

実際,将来作る予定のバスケットコイル用に,追加で0.1mm 45本撚りというリッツ線を100m買いましたけど.....,送料込みでもたった30ドルほどでした。秋葉で買えば,何万円もすると思います。

litz wire 0.1×45.jpg 一度,巻で買ってみたかったんですよね.....。

さあ,リッツ線が届いたらコイルを巻きたいと思います。

普通はソレノイドコイルですが,これはどうしてもQが低くなってしまいます。

どうしてか,と言うと今度は近接効果というまたいやな効果があるせいです。ええ加減にせい!

近接効果とは電線が近接しているとお互いの磁界が邪魔をして,電流を減らす,すなわち抵抗が増える効果を指します。

ソレノイドコイルだと,隣接した電線の電流の向きが同じですが,こうなると電流が発生する磁界が反対向きとなり,電流を減じる方向に作用して抵抗となります。

それに,電線が近接しているので,浮遊容量が増え,これはインダクタンスを減らす方向に作用します。

と言う次第で,本当にラジオ用コイルは矛盾だらけになってしまいます。

要は,いかに密に巻いてインダクタンスを稼ぎつつ,お互いの電線を疎に巻くか,と言うことが必要になっちゃいます。

これを解決するための手段がバスケットコイルやスパイダーコイルです。隣り合った電線をできるだけ離すための巻き方です。Lyonodyneはバスケットコイルを使っています。

もっとも,ソレノイドコイルでもリッツ線を使って,できるだけ巻き径を大きくする,というのがQの高いコイルを巻くコツなんて言われていますね。昔から,コイルを横から見たとき,巻き径とコイルの長さの比が1くらいになると良いとか言われています。

さて,ようやくリッツ線が届いたら巻き枠を作ります。幸い,Tuggle氏は詳細にコイルの径などを書いていますから,何とかなりそうです。もちろん,単位はインチなのでmmに換算しましたけど.....。

巻き枠を作るのは大変で,花子でまず,図面を描いて,それをA4の紙に印刷して,t5mmのポリカ板に穴開けしました。支柱はφ5mmのベーク丸棒にしましたけど,やはり金属製がよいです。あとでφ5mmの真鍮製のものを作りました。

basket coil巻き枠図面.jpg巻き枠図面

完成するとこんな感じです。支柱はやはり金属製の方がよいです。

basket coil巻き枠.jpg バスケットコイル巻き枠です。

あとはこの巻き枠に巻いていきます。

Litz wire 660/44巻き.jpg 手袋をして巻いていきます。

すぐ気づきましたが,手袋をしないと手が切れますので,手袋をしました....(^^;)。

テンションを加えながら巻かないとコイルがユルユルになっちゃいますが,どうしても巻きはじめがユルユルになっちゃってなかなか難しいです。

さて,できあがったらインダクタンスを測定します。もちろん,コイルの共振周波数は

               LC共振.jpg

ですから,仮にバリコンが430pFのものだと205μH,360pFのものだと245μHくらいとなります。

Litz wire 660/44 inductance.jpg インダクタンス測定中。

☆バリコンについて

バリコンについては,2連のものと単連のものが3つ必要です。もっとも,Tuggle氏の設計では単連は2つはトラップ用なので,とりあえず1個あればラジオを聞くことができます。

Tuggle氏はC1は470pF,C2は495pFのものを使っています。C2は周波数直線形となっています。また,なぜか,非常に絶縁抵抗にこだわっていて,どちらも銀メッキで,絶縁抵抗20MΩ以上,なんて指定があります。また,バリコンの固定もセラミック製のインシュレータを介して台に取り付ける,なんて書いてあります。

まあ,周波数直線形のものは非常に入手が難しいですので,iruchanは通常の360pFの単連のものを使いますし,絶縁抵抗についても,通常はこれくらいはあります。また,絶縁も直接,木製の台に固定しました。それに銀メッキって? 感じですけど....。日本製のバリコンの場合は普通はクロームメッキされています。銀メッキだとすぐに硫化銀を生じて黒くなってしまいますから,今まで見かけたことはありません。

lyonodyne variable capacitor.jpg 使用予定のバリコンです。

トラップ用には米国製の安いものにする予定でしたが,CCW(反時計回り)のものだったので,クビにして,国産のものにする予定です。それに,等容量タイプだったのでダメです。

なぜか,20年ほど前,羽根が真鍮でできたとてもきれいな2連バリコンを見つけたので買いました。あまりにもきれいだったので,今回,採用しました。もう何個か,買っておけばよかった......。

☆マッチングトランスについて

コイルのQをダンプしないよう,できるだけハイインピーダンスで受ける必要があります。通常はここにクリスタルイヤホンを使いますが,これはあまりに音が悪いので,鉱石ラジオのマニアの人はハイインピーダンスのマグネチックヘッドホンを使います。これはバランスドアーマチュア形ともいい,通常のスピーカと違って,静止型のコイルに音声電流を流し,中の鉄片が振動して音を出します。

真空管時代はよく使われていて,タイタニック号の無線室や,東京裁判で東条英機などA級戦犯が耳につけていたものです。

iruchanもWEのヘッドホンを1個,持っているんですけど,ヘッドホンは聴きにくいし,非常にクリスタルイヤホンに比べれば音も大きいし,音もいいのですが,今回はオーディオアンプにつないでスピーカで聞くことにします。

なんか,鉱石ラジオなのに,オーディオアンプを使っちゃうなんて,反則! って言われそうですけど.....。

でも,スピーカで聞くと非常に聞きやすいですし,鉱石ラジオの音がよさがよくわかると思います。You Tubeでもゲルマニウムラジオをきちんとしたアンプとスピーカにつないで再生している動画が出ていますが,音が良いですよね~。

といって,このようにアンプをつなぐ場合にしろ,ヘッドホンをつなぐ場合にしろ,やはりインピーダンスは10kΩ程度ですので,コイルのQを完全にダンプしちゃいますから,マッチングトランスをつなぐ必要があります。

Tuggle氏はUTCのA-27を使っています。

これ,1次側は100kΩで,2次側はタップがついていて,50,125,200,333,600Ωとなっています。f特は30~20kHz(-2dB)というトランスです。

UTCのカタログを見ると,もとはクリスタルピックアップを600Ωラインにつなぐためのトランスです。

eBayで探しましたが,結構高く,何のことはない,日本のオーディオショップで見つけました。特殊なトランスなので,日本では売れないようです。2次側が50Ωという出力もあるので,通常のヘッドホンも使えそうです。

ただ.....,なんと取付ねじが付属していませんでした[雨][雨][雨]

こんなくらい,つけとけよ.....と思いました。ただでさえ,面倒なインチねじなのですから.....。中古品なので,何かの機器から取り外して売っているはずですが,取り外したときにねじを捨ててしまっているのでしょう。

仕方ないので,UTCのカタログを見ると,UTCのAシリーズのトランスはユニファイねじの#40-4という規格のねじを使っているようです。長さ5mmくらいのを買って取りつけました。amazonでも手に入ります。

UTC A-27.jpg ねじはUNC #40-4というねじです。

もっとも,こんな高級品使わなくても山水のST-14(500k:1k)なんかをつかったらどうか,と言う話もあるかとは思いますが......。

ということで,次回はこれらの部品を使って組み立てていきたいと思います。


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LEDデスクライトのDCジャック追加 [電子工作]

2019年5月19日の日記

ANBURT LED desk light.jpg

とうとう,娘が小学校に入学したときに買った蛍光灯のデスクライトを買い替えることにしました。まあ,10年も使っているし,単に蛍光管が寿命が来ただけなんですけど,LEDタイプのものに買い替えました。

ただ,娘もそれなりに大人なので,好きなのをamazonで選ばせたのですが.....。

残念ながら,選んだのは安物の中国製。充電式でコードが不要で,割に明るいし,明るさも3段階,色も5段階変えられる,というものなんですけど.....。

ただ,充電式というのが曲者。おまけに,ACアダプタがついていませんでした.......[雷][雷]

つまり,USB接続なので,スマホの充電器が使えます,というのが売りなんですけど,単にACアダプタを省いて低コストにしただけ,という感じです。そもそも充電式で持ち運び可能ですって言っても,持続時間はほんの数時間だし,結局はACアダプタをつなぎっぱなし,と言う使い方にならざるを得ないはずです。それなのに,ACアダプタは付属していません[雨]

と言う次第で,まあ,スマホの充電器を使えばいいんでしょうけど,スマホの充電器はほとんど連日,スマホの充電に使わないといけないわけで,あまり空いてはいないわけですし,もう1台買うと1500円くらいはするのでもったいない!

そこで,iruchanは普通の5VのACアダプタが使えるよう,改造しちゃいました[晴れ]

5VのACアダプタはパソコン周辺機器なんかでよく使いますから,iruchanも余っちゃっています。

まあ,こんなことはiruchanは朝飯前(実際には昼飯までかかっちゃいましたけど[雨])なので,やっちゃいました。

まずは裏蓋を外します。

といって,簡単には外れません。どこかにねじがあるはずですが,見えないようになっています。

まあ,慌てず,底蓋に貼ってある,滑り止めのウレタンシートを指で押さえると引っ込むところがあるので,そこにねじが隠れていますから,カッターで丸くシートを切り取ってねじを外しました。

あとは簡単。φ5.5mmのDCジャックを取り付けます。ボディにφ7.5mmの穴を開ければOKですけど,ボディのプラは柔らかくてペナペナ。たぶん,安物のPET樹脂だと思います。日本製だと高級なABS樹脂を使っていると思いますけど......。ジャックの接続はUSBコネクタの#1と#4ピンが電源コネクタで,そこにパラにハンダ付けするだけです。ご丁寧にも,基板上に+5V,GNDと書いてありましたので簡単です。

ANBURT LED desk light  コネクタ基板.jpg DCジャックを取り付けます。
φ5.5mmの普通のDCジャックですけど,内側のピンの径がφ2.1mmと2.5mmのものと2種類ありますのでご注意ください。

ANBURT LED desk light 底部.jpg 底部の基板です。

充電池はNiCdではないかと思います。こんな小さいのじゃ,大した時間は点灯しませんね。

コネクタ部の基板には充電制御用のICがついています。スマホの普及で,いろんな種類のICが開発されています。スイッチング電源と同じ,DC/DCコンバータと制御回路がセットになったものです。DC/DCコンバータは昇圧スイッチング電源として動作していると思いますが,損失が多いので,充電開始時はかなり熱くなります。だから,底板が鉄板でできていて,放熱するようになっていますが,肝心のICと接触していません。これじゃ,放熱にならんやろ!!!!


ANBURT LED desk light 背面.jpg 充電中。

充電中はコネクタ基板の赤色チップLEDが点灯します。

最初,コネクタの基板についているICは単なるDC/DCコンバータで,充電池は常時接続となっていて,浮動充電になっているのか,と心配しましたが,3時間くらいするとLEDが消灯したので,一応,満充電を検知して,充電を停止するようです。なお,鉛蓄電池以外は浮動充電は原則禁止です。

          ☆          ☆          ☆

まあ,それなりにフレームはアルミでできているし,照度も十分で,明るいし,タッチスイッチになって色温度も変化できて電球色にしたりできて,割にいいデザインでした。

ただ,ACアダプタはついてないし,機械的にもすごくチャチ。そもそも,箱を開けて使い始めの状態でヒンジのねじがユルユルで,重力でLEDランプがお辞儀しちゃう始末。さすがの中華クォリティに呆れます。ヒンジ部にカバーがあって,ねじを締め付けてOKですけど,普通のお宅じゃ,それすらできないんじゃ,と思いました。



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遠距離受信用鉱石ラジオの製作~その1~ [ラジオ]

2019年5月12日の日記

けふはiruchanの家は1日中,シンナー臭かったです.......orz。

バリコン板塗装.jpg ただいま塗装中。

最近はiruchanも模型工作で塗装をしなくなりました。iruchanも年取ってすっかり根気がなくなり,面倒くさくなっちゃいましたしね......(^^;)。

まあ,最近はそういう方も多いのか,鉄道模型どころか,プラモでも塗装済というのが増え,最近は塗装しなくても組み立てられるものが増えているそうです。鉄道模型も実車があまりにも複雑な塗装をするようになり,手作業じゃもう塗れない車ばかりですしね......。

さて,この前の10連休は子供連れて田舎に帰ったと思ったら,今度はとうとう嫁はんに愛想尽かされて んなことねぇって 実家に帰ってしまい,子供の世話で追いまくられて何もできませんでした......orz。

今週は何とか嫁はんも機嫌直して帰ってきてくれたので工作再開です。やれやれ。

で,何を塗装していたか,というと,こういうものを作りたかったのです。

バリコン板.jpg バリコン固定板です。

単連と2連のエアバリコンを固定するための板を作っていました。アルミの板のままじゃ,錆びちゃったり,傷がついてみっともないので,グレーに塗装しました。

バリコンの固定板はラジオ作るときには重要なのですが,本当にめんどくさいですよね~。厄介なバーニヤダイヤルの穴は "花子" で図面描いてボール盤で穴開けしました。なんの修正もなしで取り付けられてホッとしました。トランスの4つの穴もなかなか一発では開けられませんが,きちんと図面を描いて紙に印刷してけがきするとうまくいきます。便利な時代になったものです。

ついでにコイルを巻きました。これも "花子" で図面描いて巻き枠を作りました。

basket coil1.jpg バスケットコイルです。

リッツ線を使ってバスケットコイルを巻きました。朝から丸1日がかりでした。疲れた~~[雨]

        ☆          ☆          ☆

詳しくはまた次回です。乞うご期待[晴れ] 誰も期待なんかしてへんやろって。


 

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さようなら平成時代 [紀行]

平成最後の日の日記

今日で平成の時代が終わります。iruchanも生まれてからこれで2回目の改元となりました。

けふは昭和最後の日の写真をお届けしたいと思います。

1989年1月7日,まだ大学の冬休みだったので,iruchanはその日,朝から車をとばして新疋田に出撃していました。北陸に住んでいるので新疋田は割に近いところです。

しらさぎ1号.jpg しらさぎ2号

クハ489先頭のしらさぎ2号です。9両編成ですが,1985年3月のダイヤ改正で食堂車が廃止されていますので食堂車は入っていません。EF63との併結用に,連結器が露出しているのがかっこわるく,クハ489が来ると嫌でした。今から思えば,なに贅沢言ってるんや? って感じですけど.....。

雷鳥.jpg 雷鳥

485系の雷鳥もまだまだ全盛期です。681系の登場は試作車が1992年からです。ゆぅトピア和倉の併結もはじまっていましたが,スカートの切欠きがまだない頃のものです。その後,全編成が併結対応になってちょっと不格好になっちゃいます。

ゆぅトピア和倉.jpg ゆぅトピア和倉併結の雷鳥9号

和倉温泉への誘客のため,非電化の七尾線に乗り入れるためにキハ65形を改造した車両です。どうみても北海道のアルファコンチネンタルにそっくりですが,やはり改造計画自体は国鉄の頃にはじまっていて,苗穂工場や国鉄本社の車両課が設計を支援したそうです。電化区間は非動力車で,トレーラーとして牽引されています。北海道のキハ201系や大雪やサロベツなどはこのような車両にして,小樽以南や旭川以南は電車に併結でいいんじゃない,と思っています。それに,和倉温泉も電化されちゃったわけですけど,小樽~ニセコ間は電化してもいいのでは,と思います。

日本海1.jpg 本命の日本海

まだトワイライトエクスプレスは登場していません。登場はこの夏からでした。日本海も2往復体制で,一時は函館まで足を伸ばしていたのに,廃止になってしまったのが残念です。やはり分割民営化の弊害のひとつだと思っています。北海道や東北の日本海側,北陸から関西への交流が衰退する原因にもなっていると思います。

DD51団臨.jpg なぜかDD51牽引の団臨

全くノーマークでしたが,この日,偶然,DD51牽引の団臨が走ってきました。14系座席車とDD51の写真はとてもきれいです。今はこの右側に直流の変電所ができています。

雷鳥・新潟.jpg 新潟行き雷鳥5号

485系1500番台による運転が多かったです。すでに上沼垂色と言われるツートンカラーになっていますが,なかなか485系に似合っていたと思います。iruchanも好きな塗色で,マイクロエースの模型も持っています.....(^^;)。

新潟行き雷鳥は2往復ありましたが,2001年3月のダイヤ改正で廃止になりました。

そういえば,新潟~大阪の移動には白鳥も使えたので,実質,新潟~大阪間の昼行特急は3往復あったわけですね。北陸新幹線の開通で金沢~直江津間が第3セクターとなり,北越も廃止されたので,大阪~新潟は金沢と上越妙高で2回乗り換えとなりました。Yahoo!路線情報では東京で上越新幹線に乗り換えするルートが出てくる始末ですし,大阪や金沢と新潟は非常に不便になりました。別に北越を第3セクター経由で残してもよいと思うのですけどね.....。これじゃ,みんな飛行機か,高速バスで行くよな~。欧州でやっているように,設備と列車運行を別にし,列車の運行を自由にいろんな会社ができれば,不便は解消されると思うのですけど.....。国鉄民営化はまだ未完だと思います。国鉄の分割民営化は便利なところはより便利に,不便なところはより不便になったただけ,と思います。おまけに株式を上場しちゃって,海外のもの言う株主が増え,西や九州などは非採算路線の廃止を迫られる,と言うことになっています。それってなんのための民営化だったの? って思いますけどね......。

白鳥.jpg 白鳥

同じく1500番台での運転ですが,こちらは国鉄色です。残念ながら後追い写真ですけどね.....。1500番台はもちろん,北海道電化用だったんですが,全然雪対策が追いつかず,冬期のトラブル続出で,結局,北海道には新製781系を投入することにし,1500番台は泣く泣く本州に舞い戻ってきたというわけです。

1997年3月から,電車の所属が変わり,JR西日本・京都総合運転所(旧向日町運転所)となって,雷鳥と共通運用となり,ボンネット車が入るようになりますが,新潟行き雷鳥と同時に廃止になりました。

きらめき.jpg きらめき

前年から走り始めたきらめきです。金沢発7:25→米原着9:19ですから,表定速度92.9km/hです。途中,福井のみ停車でした。iruchanは停車駅じゃなかったので,一度も乗っていないのが残念です。

キハ48.jpg キハ48

交流電化区間は交直接続が面倒なため,気動車の普通列車が多かったのは北陸だけじゃなく,東北や九州でも多かったのですが,正直言って,せっかく電化されているのに,何で気動車なんや!?と思ってました。おまけに非冷房なので,夏は暑く,うるさいし,しかものろいので大嫌いでした。今もキハ40は嫌いなのですが,おそらく子供の頃のトラウマが原因だと思います。もっとも,子供の頃,北陸線で使用されていたのはキハ20で,iruchanもキハ20が3両だった時代を覚えています。その後,キハ48になりましたが,2両になって混むので参りました。塗色はもちろん,首都圏色と言われる朱色5号で朱色一色でしたけど,後に民営化前にこのような青地に白帯となりました。

北陸線でも米原~敦賀,近江今津間は気動車の運転が多く,特に湖西線の各停は気動車のみで1日3往復しかなかったのは今じゃ,考えられませんが,鉄道で琵琶湖の西に行くのはきわめて大変でした。

22-1.jpg 475系普通電車と

帰りのきらめきと各停がすれ違いました。赤地に白帯の旧北陸色ですね~。国鉄時代に各地で塗装合理化と民営化に向けて,新塗色に変わりましたけど,結局は各JRでまた新しい塗色に塗り替えられたりして,そのまま継承したところは少なかったと思います。それに,これじゃ,北陸線も身延線と同じ塗り分けで,嫌いでした。419系共々,模型が出ていますけど,この塗色のものは買っていません。JRが発足して,白地に青帯の新北陸色に塗り替えられてしまい,意外に期間としては短かったです。

     ☆          ☆          ☆

この日,昭和天皇が崩御されました。撮影を終えて,カーラジオで訃報を聞きました。翌日から平成元年となりました。あれから30年も経つのか,と感慨深いです。電車もすっかり変わってしまいましたし,夜行列車もなくなってしまいました。それどころか,ここを223系が走り回っていたり,のみならず,EF65の団臨が走ったりするので驚いちゃいます。正直言って,お前なんか,ここじゃ見たくない,と思いますけどね.....。

残念ながら昭和は戦争の時代,平成は震災や豪雨災害など,あまりにも自然災害の多い時代でした。次の時代が平穏な時代であることを願います。そういえば,戦後,高度成長期に昭和元禄という言葉がありましたけど,元禄の次は宝永だったわけで,宝永4(1707)年,南海トラフ地震(宝永地震)の49日後に富士山が大噴火したのは有名です。繁栄の後で災害の多い時代,というのは江戸時代と同じような気がします。次の時代は何も起こらないことを祈っています。


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Windows10の完全シャットダウン [パソコン]

2019年4月15日の日記

けふは久しぶりにパソコンネタです......(^^;)。

Windows10をWindows8からアップグレードして使っています。本当にクソだった8に比べれば,非常に使いやすくなり,特に,復活したスタートボタンがなかなか使いやすく,スタートボタンの上で右クリックするとタスクマネジャーやデバイスマネージャ,イベントビューアーが簡単に起動できるのは非常に便利です。パソコン自作マニアなので,インストール時やトラブル対応のため,これらを起動することが多いのですけど,今までのOSは結構,これらの起動が大変でしたが,Windows10からは簡単になり,助かっています。ひょっとして,Microsoftのエンジニアたちも面倒だから簡単に起動するようにした? と思っています。

iruchanはWindows7はすっ飛ばしてXPから8→8.1→10と移行したのですが,10は7よりも完成度が高く,使いやすいOSだと思います。

ただ......。

いくつか面倒なことがあります。

せっかくスタートボタンが復活したのに,いろんないらないタイルと呼ばれるものが表示されて幅が広くて邪魔で困っちゃうとか,Windows Updateは強制になっていて,手動でやることができず,自動でしかできないとか,いくつか不満があります。

まあ,タイルは面倒だけど,1個ずつ,ピン留めを外して最後に全部なくなったら狭くできるのでいいですけど,Windows Updateはどうしようもありませんね~。ある朝,パソコンを起動してみたらインストール中です,と出て1時間くらい放っておかれるとか,特にiruchanは古いPCなので,うっかりUpdateがはじまってしまうと非常に遅いとか,下手するとハードウェアが対応してなくて,Update後はエラー出まくり,なんてこともあるので困ったものです。

windows10 desktop-1.jpg iruchanはタイルを全部はがして使っています。

   iruchanのPCのデスクトップは2年前に行った襟裳岬です!

それと.....。

もうひとつ,気に入らないのがシャットダウン。

Windowsは昔から起動が遅い! と文句言われるので,とうとう,Windows10は完全にシャットダウンするのじゃなく,実際にはスリープしている状態になっていて,電源ボタンを押すと,スリープを解除しているだけ,という状態になっています。

まあ,そのせいで,結構,Windows10は起動が速いのでいいのですけど.....。

でも,これはこれで困ったもの。

なにより,パソコンを使っている間に何かがエラーを出して以後,その機能が使えない,と言うような状況になったら,今までは再起動するか,電源を切れば元に戻ったのに,Windows10はスリープから解除するだけなので,このエラーがリセットできない,と言うことになります。

iruchanが困っているのは,Chromeを閉じずにパソコンをシャットダウンすると,次回起動時にまたChromeが立ち上がっちゃう,ということ。まあ,さっき見たWEBをすぐに見られる,というメリットもありますけど,やばいWEBを見たあと,次に起動した人に見られちゃ,具合が悪いですよね~~~~。

shutdown2.jpg
 再起動してもまた開いちゃいます。なんでこうなるんだ~~...orz

それに,最近はなぜかUSB接続のキーボードがたまにエラーを出して認識しなくなるのですが,再起動してもキーボードが使えないので困ったもの。これも完全シャットダウンしないと直りません!


で,Windows10を完全シャットダウンするには,よく言われるのはSHIFTキーを押しながらシャットダウンする,と言うことなんですが.....これはダメで,▲と同じ結果です。
 
でも,shutdownコマンドを使うと,完全にシャットダウンできる,と言うのがネットに出ています。
 
これ,iruchanもよく使っています。特に,リモートデスクトップを使っているときに,相手のPCをシャットダウンしようとして,普通に画面中のスタートボタンを押してシャットダウンすると自分のパソコンがシャットダウンしちゃって,間抜けなことになっちゃいますが,リモートのPCをシャットダウンするにはこれが便利です。
 
さっきのスタートボタン上で右クリックし,"ファイル名を指定して実行" を選択して,▼のようにコマンドを打つとOKです。
 
shutdown.jpg shutdownコマンドです。

/sだとシャットダウンで,/rとすると再起動します。また,/tはシャットダウン(再起動)までの時間(秒)で,しばらくパソコンを動作させたままにしておいて,一定時間後にシャットダウンする,と言うときに使えます。/t 0だと直ちにシャットダウンします。たまにiruchanも会社早く帰るときなんか,/t 3600とかしてアリバイを作っています.......。

      ☆          ☆          ☆

とはいえ,毎回こんなことやるのは面倒! ですよね~。

何かいい方法はないかと考えてみたら,バッチファイルにしちゃえばいい,と思いつきました。

さっきのコマンドをメモ帳に書き,適当にfull-shutdown.bat などという名前で保存し,デスクトップにでも保存しておけば,バッチファイルになるので,そのアイコンをダブルクリックするだけでシャットダウンできます。

shutdown4.jpg デスクトップにでも置いておきます。

shutdown3.jpg 完全シャットダウンします。

なお,このコマンドは中止できません。バッチファイルにコマンドを組み込んで,キャンセルするように組むことも可能ですけどね....。

面倒なので,一応,/t 60とかにしておいて,1分間はシャットダウンしない,と言うことにしておけば,"サインアウトしています" の横にある "閉じる" を押せばもとのデスクトップ画面に戻りますので,うっかり文書作成中だったりしたら,急いでファイルを閉じればセーフです。▲の画面もそうやって保存したものです。/t 0にはしない方がいいと思います。

まあ,デスクトップじゃ,うっかりダブルクリックしちゃう,ということもあり得るので,マイドキュメントとか,何か別の場所にバッチファイルを保管しておいた方が無難だと思います。


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ACE 6石スーパートランジスタラジオキットAR-606~ゲルマニウムTr版~の音質改善・NFBの利用 [ラジオ]

2019年4月6日の日記

先週,OPTを交換して高域のf特を改善しました。カットオフは2.5kHzから6kHzに改善でき,かなり音質もよくなりました。

もうひとがんばりして,高域を改善したいと思います。それに,低域も少し悪くなってしまったので,改善したいと思います。実際,聞いてみても,まだ音質は悪く,アナウンサーの声も少しひずんでいます。

もう,ドライバ段のトランスもOPTも交換してしまったので,あと,打つ手としてはNFBくらいしかありません。

前回,6dBほどのNFBをかけてやれば,80Hz~20kHz(-3dB)くらいになりそう,と予想したので,取り組んでみます。

☆LTspiceによるシミュレーション

まずは,回路シミュレーションソフトで確認してみたいと思います。

トランス類は今回使用したものをLCRメータで測定したインダクタンスなどを入力しました。残念ながら,ゲルマニウムTrのSpiceモデルは非常に少ないので,iruchanが以前作成した,2SB542SB56で代用します。

AM Tr super radio LF circuit.jpgNFBなし

f特はこんな風になりました。

AM Tr super radio LF f特 0NFB.jpg やはりかなり悪いです。

1kHzを基準として,帯域幅は-3dBで824Hz~1.34kHzと言ったところです。

OPTの2次側から,LFの2SB54のエミッタに帰還します。

AM Tr super radio LF circuit-1.jpgNFBをかけてみます。

AM Tr super radio LF f特 NFB.jpg かなり改善されます。

25dBものNFB量になってしまいますが,かなりf特は改善され,74Hz~5.4kHzとなります。

こんなに大量のNFBをかけることなんてできひんやろ,と思ったのですが,とりあえず,この定数で実験してみようと思いました。

☆実験結果

ただ,シミュレーションではちょっとNFB量が過大で,間に2つもトランスが入っているのに,こんな大量のNFBをかけることは実際には絶対無理,と思ったので,最初はもとのAR-606の回路のとおり,R5=1kΩのままとし,付加したNFループ内の抵抗はR10=1.6kΩ,R11=2.2kΩにしてみました。NFB量は▼から,7dBほどです。

ACE AR-606 NFB結果.jpg実測結果です。

かなりf特は改善され,-3dBで,180Hz~90kHzとなりました!!

ただ,残念ながら,SPの代わりに8.2Ωのダミー抵抗をつないで,両端の電圧をオシロで観測してみると,100Hz以下の周波数では▼のように発振しており,残念ながら,この定数はNGのようです。

低周波発振.jpg あちゃ~~[雨][雨]

こんな風に,100Hz以下の信号を入力すると,寄生発振しています。これだとNF量は過大で,減らさないといけません。

その後,いろいろ定数を変えて実験してみました。

やはり定数はかなりシビアで,驚いたことに,チューニング用のダイヤルを回すと所々で発振したり,放送を受信すると発振が止まったりする現象が出ます。それどころか,ボリウムを大きくすると発振する,なんて現象もあります。音量が小さいときはOKだけど,音量を大きくするとSPからビ~~ッと発振音が聞こえます.....。

また,実際に使用しているLFの2SB175のエミッタ抵抗は1kΩくらいでないとまずいようで,これまでの定数だと2kΩを超えるのですが,こうなるとコレクタ電流が小さすぎ,かなりひずむようです。

結局,あれやこれや変更してみて,ようやく▲のLTspiceの回路の定数としました。

ACE AR-606 NFB結果1.jpg最終f特です。

最終的に,このグラフで決着です。が実際の低周波部のゲインで, は1kHzを0dBとした相対レベルです。

NF量は5dBほどで,帯域幅は-3dBで300Hz~20kHzくらいとなりました。低周波の発振も消えましたし,今回はチューニングダイヤルの全帯域で発振するところはありません。まあ,40kHzにピークがありますが,やはりこのあたりの周波数は不安定のようですが,可聴帯域外なので問題ありません。

さて,実装の方は大変でした。AR-606は比較的基板も大きいし,部品も余裕をもって取り付けられているので楽そうなんですけど.....。ただ,低周波部は混み合っていて,CR類を取り付けるスペースはあまりありません。結局,基板の裏表を使い分けて実装しました。

ACE AR-606 NFB回路実装.jpg NFB回路の実装状況

ACE AR-606 NFB回路実装1.jpg 基板の表側です。

 写真では,抵抗は1.6kΩですが,あとで470Ωに交換しています。

OPT2次側から負帰還しますが,OPTの接続によっては正帰還になって,思いっきり発振しちゃいますので,気をつけないといけません。

残念ながら,オリジナルのOPTの接続状態では正帰還となってしまい,SPをつないでスイッチオンしたら,大音量でビ~~ッと発振しちゃいました。

慌てず落ち着いて,OPTの2次側の配線を逆にします。OPTの2次側のGNDを逆に配線しないといけないので,パターンを切って,▲の写真のように,ジャンパ線で2次側の配線を逆にしました。もちろん,2次側の電線を入れ替えてハンダ付けしてもOKです。

こうして発振音もせず,きれいに放送が聞こえればまずは成功です。▲の写真のチューブラ電解コンデンサ100μFをつけたり外したりしてみて,つけたときにSPの音量が小さくなれば,NFBがかかっています。オシロがあると,実際に波形が小さくなるのを観測できれば,ひとまず成功です。

あとはf特を測って検証しますが,今回,iruchanはチューニングダイヤルやボリウムの位置によっては発振したりしたので,その点も注意してチェックします。

1kHz(NFB 5dB).jpg1kHzの波形です。

低周波~高周波で全帯域に渡って発振しなければOKです。ひずみも改善され,きれいな正弦波が観測できました。

なお,NFBをかけると低周波部のゲインがその分,低下し,音量が小さくなります。AR-606は低周波のゲインには余裕があり,ボリウムを一番小さく絞ってもかなりの音量なので,前回まで,アッテネータ抵抗を入れていたくらいですから,NFBをかけても十分なゲインがありました。今回,その抵抗を撤去しましたが,一番絞っても音が聞こえないくらいになったので,逆に使いやすくなったと思っています。

         ☆          ☆          ☆

やはり,SPをつないでみると,非常に自然な音になり,HiFiとなりました。さすがにSPの口径が小さいので,低音があまり出ないので,やはりAMラジオだな,という音ではありますが,非常に音がよくなりました。オリジナルの状態とは劇的に改善され,聞きやすいです。いくら小型ラジオとは言っても,少なくともこれくらいの音質でなきゃ,という感じです。これなら長時間聞いていても疲れないし,自然な音で聞きやすいと思います。

小型Trスーパーラジオの音質改善にはやはりNFBが有効であると実感できます。今後,iruchanが作るTrラジオにはNFBをかけることにしたいと思います。

実際,AMラジオでも低周波部にNFBを使う,というのは古くからあり,iruchanが持っている,奥沢清吉著 "新しいトランジスタ製作集" (誠文堂新光社'67.3)では,7石スーパーの回路にNFBをかけています。TrラジオではNFBを使った記事は少ないようで,iruchanが持っている資料でもNFをかけたラジオの製作記事は見たことがありません。そもそも,Trのスーパーの製作記事はほとんどないし,あってもキットの製作記事であることが多いので,なかなか資料探しも大変なんですけどね。

そのほか,真空管時代のラジオもLPレコードが登場してHiFiがキーワードとなる1950年代末にはNFBをかけることが盛んに行われました。もっとも,5球スーパーでは検波に6Z-DH3A6AV6と言った球を使うのですが,これらは2極部と3極部のカソードが共通になっていて,NFBをかけると2極部の動作点が変わってひずみを生じてまずいので,これらのカソードを独立させた,6W-DH3S6AV6Sが発売されています。6Wとなっているのはカソードを分離してピンが1本増えてためですが,Sってなんや? という気がしますけど......。separateの略でしょうか? A電池の消耗を減らすため,フィラメント電流を小さくした,電池管の1T4-SFなどのSFも昔からイミフなんですが....。こちらのほうは,save filamentの略のようです。

もう,大昔の話ですし,こんなこと知っている人も少ないと思いますけどね.....。

    ☆          ☆          ☆

最後に,ACEのAR-606形トランジスタラジオキットの回路を載せておきます。残念ながら,オクで入手したAR-606キットは未組み立て品でしたけど,説明書がなかったので,回路は推定です。標準的な6石スーパーの回路なので簡単です。

ACE AR-606トランジスタラジオキット回路.jpgAR-606回路

丁寧に2段あるIFに中和がしてあるのに感心します。後期のTrラジオは中和してないことが多いのですが,本機は中学の技術家庭の教材としても使われることが多かったため,中学生が組み立てても,無事に動作するように設計されているのだと思います。

赤字部分が今回の改造部分です。オリジナルを尊重するのがiruchanの主義なんですけど,今回は大幅に改造しちゃいました.....(^^;)。

アンテナコイルとバリコンに直列に挿入されている5.6ΩはQダンプ用です。こうするとHiFiになりますし,同調もやりやすくなります。逆に,感度が下がってしまうので,低感度のラジオじゃNGですが,ACEのキットはとても高感度なので,十分利用できます。


以上で,ACEの6石スーパートランジスタラジオキットAR-606の記事は終わりです。どうもありがとうございました。


☆おまけ‥‥‥‥LTspiceによるトランスのシミュレーション

LTspiceにはトランスという部品はありません。

トランスのシミュレーションには,2つのコイルを用い,インダクタンスを設定するとともに,2つのコイル間の結合係数を追加します。結合係数は,LTspiceでは,ツールバーのEditメニューから,Textを選択すると追加できます。

1次巻線が発生した磁束が漏れることなく,2次側コイルに入れば結合係数は1です。実際には漏れや損失がありますので,若干小さくします。

と言うことなんですけど.....。

iruchanは今回ドはまりでした.......orz。

今回,NFBの効果を見ようかと,6石スーパーの低周波回路をシミュレーションしようとしたのですが,何度シミュレーションをチェックしても,出力は0です。

最初は初段のLFの2SB54の定数が悪くてカットオフしちゃって出力が0なのかと思いましたが,そうでもないし,いくら調べても原因がわかりません。

困ったな......。

結局,原因がわかるのに2ヶ月もかかっちゃいました。なんでそんなにかかるのか!

頭にきて,トランス単体にして,AC電圧源をつないでみて気がつきました。

やっぱり出力は0なのです....。

結合係数の設定・誤.jpg Commentになっていました。

ようやく,トランスの結合係数をきめる,コメントがフツーに,Commentとなっていて,単なるメモになっちゃってて,LTspiceは結合係数とは理解していないため,と言うことに気がつきました。なぁんだ,という原因なんですけど....。

結合係数の設定・誤1.jpg 出力は0です。

まるでこれじゃ,心停止!! 出力は直線のままです......。

先ほどの,結合係数の定義のテキストをCommentから,SPICE directiveに変更します。

トランステスト回路.jpg ようやく成功です。

ちゃんと,高校の物理でならったように,2次側は90゜位相のずれた波形が表示されればOKです。

こういうミスのないよう,最初から,ちゃんとトランスの部品が用意してあれば,問題なかったと思います。

こんなことに気がつくのに,かなり時間がかかっちゃいました。皆さんお気をつけてください。


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ACE 6石スーパートランジスタラジオキットAR-606~ゲルマニウムTr版~の音質改善・つづき  [ラジオ]

2019年3月31日の日記

このところ,オクで入手したACEの6石スーパーラジオキットに取り組んでいます。非常に感度もよく,近所のすべての民放も入りますし,夜になるとSTVラジオ(札幌)や大陸や朝鮮半島の局も入るので,なかなかよいラジオです。

ただ,どうにもポケット形スーパー特有のキンキンというかん高い音で,あまり音質はよくありません。もっとも,これはACEのこのラジオだけが悪いわけでなく,小型のTrスーパーラジオは全部,こんな音ですよね......orz。

その点,真空管式のものは結構音がよいし,iruchanも普段はオールロクタル管5球スーパーで放送を聞いています。FM同等とまでは言いませんけど,かなり聞きやすく,いい音で鳴ります。

で,Trラジオの音が悪い原因は,やはりスピーカの口径が小さいし,筐体も小さいので仕方ない,と思ってはいました。

ただ,以前作った,英Mullardの初期のTrを使った6石スーパーが音がよいので,ひょっとしてSPのせいばかりではないのでは,と思って調べてみたら,何のことはない,電気的な特性もかなりひどく,低周波部のf特は前回書きましたとおり,高域のカットオフ周波数(-3dB)が2kHz程度でした。これじゃ,音が悪いわけです。

前回はとりあえず,ドライバ段のf特を改善しましたが,今回は終段も改善したいと思います。実際,f特はOPTが決めてしまいますので,OPTを改良したいと思います。せめて,目標としてはカットオフを5kHz程度にしたいと思います。

じゃ,どうするんだ,と言うことなのですが......。

低周波部のf特が悪いのは,どうやらOPTのせいのようです。漏れインダクタンスも大きい上,線間の分布容量が大きく,カットオフが下がっているため,と考えられます。

そこで,改めて,6石スーパーTrラジオのOPTについて調べてみると....。

奥沢清吉氏の "新版 図解ラジオの作り方" を見ると,氏の設計した6石スーパーはなんとOPTが200Ω:8Ωとなっているではないですか!! 山水のST41です。

普通,ゲルマニウムTrの出力段の負荷インピーダンスは1kΩくらいが普通で,iruchanもいつも,ST-32(1.2kΩ:8Ω)を使っています。もし,1次インピーダンスが200Ωなら,巻数は平方根に比例しますので,1.2kΩのものの1/2.5になっているはずですから,分布容量も小さく,高域のカットオフ周波数も高くなっているはずです。

奥沢氏の他の記事を見るとやはり1kΩ程度のOPTを使っている記事もあるので,氏は高音の問題点をすでにご存じだったのかもしれません。

と言う次第で,もっと1次インピーダンスの低いOPTにしたいと思います。

現行品だと,ST-62が120Ω:8Ωと低いのですが,残念ながらコアのサイズが大きすぎ,ボツです。

小型のものだと,ST-83が400Ω:8Ωですので,比較的,1次インピーダンスが低いです。

山水ST-83-1.jpg 山水のST-83です。400Ω:8Ωです。

UT-32, ST-83 opt f特.jpg周波数特性です。

1次:2次の周波数特性を実測してみました。ST-83のf特は発表されていないので貴重だと思います。

ただ,実際にはドライバトランスと同じ,互換品がありましたので,そちらにしました。インピーダンスは600Ω:10Ωのものです。こっちの方が値段は半額ですし....。また,▲のf特を見ても,ST-83より広帯域です。UT-32は前回までのものです。

600Ω:10ΩOPT交換.jpg トランス周辺です。

OPTは600Ω:10Ωのものに交換しました。

600Ω:10ΩOPT10kHz.jpg 10kHzの出力波形です。

さすがに,レベルも低くなっていますが,きちんと正弦波を保っていますし,良好な波形です。

600Ω:10ΩOPT1kHz clip.jpg 1kHzクリップ時の波形

ちなみに最大出力は150mWとなりました。上側が先にクリップしちゃうので,プッシュプルのTrの特性にばらつきがあるようです。本来ならペアの石を使うべきですね~。

ACE AR-606 600Ω:10ΩOPTf特.jpg改良後のf特です。

-3dBで180Hz~6kHzというところで,前回だと60Hz~2.5kHzと言うところでしたから,ずいぶん改善できました。

それにしても全然フラットじゃないし,低音はほとんど出ませんね~。まあ,口径が50mmほどのSPを使っているので,これでも問題ないと思いますけど.....。

実際,放送を受信してみますと,非常に音質が改善され,自然な音質になりました。You TubeにAR-606や他の6石スーパーTrラジオの動画が出ていますが,残念ながら,やはり音が非常に悪いので,それに比べれば,大きく改善されています。

無帰還のB級トランス結合プッシュプル出力段のf特なんて,こんなものなのでしょう。▲のf特を見ると,6dBほどの負帰還をかけてやると80Hz~20kHzくらいになりそうですから,負帰還をかけてみる,と言うのも手だと思います。

ということで,今回のACEのAR-606形6石スーパーTrラジオの話はここまでとしたいと思ったのですが,前回までの特性だとNFBをかけてもむだ,という感じでしたが,今回は効果ありそう,なのでテストしてみたいと思います。

2019年4月7日追記

NFBをかけて実験してみました。こちらをご覧ください。

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北海道縦断&ラッセルツアーのはず,だったんですけど..... [紀行]

2019年3月3日の日記

61D サロベツ1号.jpg サロベツ1号(東恵橋にて)

今日,北海道から帰ってきました。先週の28日の木曜から年休取って北海道に行っていました。

目的は乗りつぶしと撮り鉄です。ようやく今回でJR北海道を乗りつぶす計画です。

実は,2年前に乗りつぶし目的で渡道しているんですが,本当だったらそのときに終わっているはずなんですけど......。

室蘭本線の洞爺と有珠駅の間にある,北入江信号場で貨物列車が脱線し,室蘭本線が不通となり,乗りつぶし予定だった,東室蘭~室蘭間に乗りに行けなかったのです。今日はリベンジです。

それにしても,室蘭本線の特急が走る区間は全部複線だと思っていました。複線だったら代用閉塞で早期に復旧できたと思いますけど。ごくわずかに単線区間が残っているんですね......。

と言う次第で,今回は前回の計画のやり直しです。

また,あとiruchanは未乗区間として,宗谷本線の音威子府~幌延間が残っています。何でこんな真ん中の中途半端な区間が残っているんだ?

実は,30年前,iruchanは稚内へ行っているのですけど,そのときは羽幌線~天北線経由で行って帰ってきたので,宗谷本線のこの区間には乗っていないのです.....(爆)。

あ~,あの頃は本当によかったな~~[晴れ]

まだ北海道にはたくさんローカル線が残っていて,鉄道でいろんなところに行くことができました。こちらで書きましたけど,iruchanが乗れたのは羽幌線,天北線の他,標津線,士幌線,幌内線,歌志内線,瀬棚線,函館本線上砂川支線,湧網線,名寄本線,といったところで,広尾線や渚滑線,池北線,美幸線,興浜南北線には乗れませんでした。すでに,iruchanが渡道したときには渚滑線や興浜南北線,広尾線,胆振線は直前に廃止になっていました。もう少し早く行けていればよかったのですけどね。湧網線には乗ったのに,湧別~中湧別間の枝線に乗っていないのも残念です。乗っていたら,また,ついでに時刻表にも載っていなかった四号線という仮乗降場で降りたりしていたら,今,相当,自慢できると思うのですけどね.....[雨][雨]

深名線は当時,並行道路が未整備,と言うことから廃止対象から外れ,存続していたのですが,時間の問題,と考えて乗りました。ホームがあるだけの湖畔駅など,ものすごい雪に驚いた記憶があります。あれから8年も存続したのはちょっと驚きです。池北線は長すぎて,片道3時間もかかるし,第3セクター化が決まっていたので乗らなかったのが残念です。

と言う次第ですが,とりあえず,室蘭へ行くことにします。電化してあっても,枝線区間なので行きにくく,美濃赤坂とか,和田岬なんかと同様,乗りつぶしの最後にする人もいると思います。

羽田から,Air Do 57便で函館空港へ.....。早朝,6:55発,8:15着です。五稜郭駅8:59発の "スーパー北斗" 5号に乗るので,大慌てです。

でも,羽田のゲートは500番。なんか変! 普通はゲートは2桁の番号のはず....。

なんと,久しぶりのバス接続でした.....[雨]

500番ゲート.jpg バス接続でした....

以前にも,バンコクへ行く夜行便がこうだった記憶があり,これで2回目ですけど,ちょっといやな予感がします.....。

予想通り,定刻の6:55になっても飛行機のドアが閉まりません。そのうち,スッチーのおばさんお姉さんから,"ただいま,ご搭乗のお客様をお待ちしておりますので,離陸がしばらく遅れます....." とのこと.....orz。

こうやって,よく遅れますよね~。特にバス接続の場合はバスが往復するだけ時間がかかりますし,そもそもバス接続のゲートがわからなくて迷っているお客さんもいますから余計です。

結局,離陸は10分遅れ。皆さんに迷惑がかかりますから,空港には早めに到着してゲートで待ちましょう。

しかも,普通はこれくらいの遅れだと取り戻してくれて,というよりだいたいは定刻より早めに着くのでチャラになるかと思ったのですけど....。やはり定刻+10分遅れでした......orz。

こうなると大慌て。"スーパー北斗" 5号は五稜郭発で8:59ですから,空港からタクシー飛ばして3分前に着きました。やれやれ。

それに.....。
 
函館空港に着いてみて,やはりいやな予感がします。全然雪がないんです!
 
暖冬とは聞いていましたけど,道南はほとんど雪が消えていて,特に道路はアスファルトが露出していて,普通に走れる状況です。大沼のあたりは少し雪がありましたけど,東室蘭のあたりはもう,除雪してないところに少し雪が残っているくらいでほとんど雪が消えています。これじゃラッセルは走らんな.....[雨][雨][雨]

それにしても函館空港~五稜郭駅間は意外に距離があるのですね~。Googleマップじゃ,近くにみえましたけど....。距離は10kmほどです。それに,今よく見てみるとなんと,函館駅の方が近いんですね~。驚きました。函館駅の方が8.5kmと2kmほど近いんですね。五稜郭へまっすぐ行く道がないためのようです。そういえば,タクシーは狭い道をくねくねと走っていました。しまった~~。皆さん,函館空港からは函館駅の方が近くて早いです。

それにしても何とか "スーパー北斗" 5号に乗れて,安心。

スーパー北斗5号.jpg スーパー北斗5号(五稜郭)

走り出してすぐに気がつきました。あれ,なんと,藤城線の細い高架橋が見えるじゃないですか!!

これ,事故で藤城線が不通でもない限り,絶対に見られない光景なのを忘れていました。下りの "北斗" は藤城線を通る(正確には通っていた,ですけど)ので,高架が見えるわけがないのです。

藤城線はこちらで書きましたけど,函館本線の複線化と勾配緩和を兼ねて,1966年に国鉄が建設した線路で,開通後,下りの優等列車はこの線を通るようになり,旧本線は通りません。しかし,2016年3月26日のダイヤ改正で北海道新幹線が開業したため,途中の渡島大野駅が新函館北斗と改称し,新在連絡のため,"北斗" は旧本線経由となりました。実に,50年ぶりに特急が復活したわけですね~。このことをiruchanは忘れていました。藤城線自体,特急が通らなくなると廃止との噂もありましたが,今も貨物が通るので残っています。

ただ,新幹線が全線開業すると "北斗" も廃止となり,ダイヤ的には旧本線だけで余裕でしょうし,藤城線を第3セクターの鉄道会社が引き継ぐとは思えません。JR貨物の第1種営業線となるかもしれませんけど....,貨物列車の存続自体が青函トンネルでの貨物,新幹線共用の観点から連絡船復活(おそらくは本当に連絡船じゃなくて,苫小牧あたりから本州への貨物船利用だと思いますけど),という話もありますので,どうなるかわかりませんから,また廃止の議論が起こるでしょう。"スーパー北斗" の車窓から見える藤城線の写真を撮っておけばよかった.....。

とはいえ,北海道新幹線の開業のおかげか,藤城線経由のローカル列車が3本でき,今も乗りつぶしができるのがよかったと思います。おそらく,"北斗" が旧本線経由となり,ローカルをこちらに移動させてダイヤを空けたのだと思います。

函館本線時刻表.jpg

    ローカルも藤城線経由のものがあります

少しスーパー北斗5号は遅れましたけど,無事にキハ40に乗り換えて室蘭着。ここで9分あるので,室蘭駅名物の母恋めしを買って昼飯にしようと思っていたのに,お店は休業中。

事前にGoogleで調べて知ってはいたのですが,お店はシャッターが降りています。

本当は室蘭で1泊して焼き肉食べて地球岬へ行ってみたいのですけど,また次回です。

また,実を言うと,2月28日はJR北海道の車内販売が最後の日で,前回も電話をして予約して長万部のかにめしを頼んでいたので今度も,と思っていたのですが,すでに大幅に車内販売は縮小され,"スーパー北斗" 6, 8, 10, 13, 15, 17号のみとなっています。5号じゃ,車販はないんですね~~。

全国的に車内販売が縮小されていますけど,コンビニのせいですね~。といって,弁当買う間もなかったりしたら困るんですけど....。JRさんも経費がかかると言うことでしょうが,そもそも直営でやる必要なんて全くないのでは? どこか,やる気のある業者さんに任せるだけのことだと思いますけどね....。車内でゆっくり弁当食べたり,コーヒー飲んだりすることができるのがクルマやバスと違って列車のよいところだと思います。

室蘭駅で母恋めしが買えなかったので,折り返しの列車に乗って苫小牧へ。ここでまるい弁当さんのほっきめし弁当を買おうと思います。前回,南千歳の駅で買ったら非常においしかったので....。

でも,今回はちょっと我慢して,ホタテ弁当にしました。滅多に来れないのに,前回と同じなのも芸がないので。

ホタテ弁当.jpg これもとてもおいしかった.....。

苫小牧での接続は12分なので駅員さんに売り場を聞いたら,改札横の喫茶店の窓口だそうです。無事に駅弁をゲットできてよかったです。ほっきめしも非常に気に入りましたけど,このホタテ弁当もとてもおいしく,結構ボリュームもあって気に入りました。また新千歳空港に着いたら駅で買いたいと思います。

それにしても昨年9月6日の胆振東部地震から半年経ちますが,40人を超える方がお亡くなりになり,今も多くの方が仮設住宅で生活されています。謹んでお悔やみ申し上げますとともに,お見舞い申し上げます。

さて,ここからは特急で札幌に行き,旭川まで "ライラック" (ィは大きい。なんのこっちゃ!?)で行ってもよかったのですが,どうにも室蘭本線の沼ノ端~追分間を乗った記憶が曖昧です。DD51牽引の51系客車で乗りつぶした記憶があるのですけど....。

一応,時間はあるので,室蘭本線のローカルで岩見沢へ行くことにしました。これから1時間半ほど,キハ40に乗ります。

さすがに,沼ノ端から北海道の原野を走りますが,周りの雪は結構,あります。ただ,といって,ラッセルで雪かきするほどか,と言うと普通に列車が走れる状況だし,晴れて雪解けも進みそうで,やはり望み薄のようです.....orz。

ただ,どうにも列車が遅い! 追分までの速度は最高30km/hくらいか,という気がします。おそらく,空転を警戒しているのだと思いますが.....。

予想通り,岩見沢着は13分遅れ。"ライラック" 21号に乗る予定でしたが,完全に乗り遅れました。仕方ないので30分遅れの23号にしました。

何にもこの日は予定がないのでよかったですけど,運転士さんはひと言も放送せず,ちょっと驚きました。何で遅れたのか,説明もないし,ひと言,"列車が遅れましてお詫びします" くらい,言えないのか,と思っていたら親切な方からご教示いただきました。地震の影響で徐行しているそうです。実際,JR北海道のWEBに情報が載っていますが,Yahoo!路線情報や駅から時刻表などのネットの時刻表は所定のままになっています。室蘭本線は遠浅~三川間で徐行していて,10~15分程度遅れています。皆さんお気をつけください。

    ☆          ☆          ☆

さて,旭川の駅レンさんでレンタカーを借りて,15kmほど先の当麻駅へ向かいます。今日のお宿は当麻駅すぐのまさ屋旅館さんです。昔ながらの駅前旅館です。とても部屋も風呂もきれいだし,BSも映るし,WiFiも使えるので助かります。なにより炊きたてご飯で心のこもった温かい夕食がありがたかったです。特に,魚の好きなiruchanは自家製のサケの西京漬けやニシンの煮付けがとてもうれしかったです。ニシンって,焼魚,と思っていたのですが,北海道では煮付けもあるのですね。とてもおいしかったです。そういえば,最近,BSでやっていましたけど,稚内港ではリールでニシンが釣れるんですね。一度,やってみたい~。

で,なぜ当麻かというと.....,やはり旭川の中心部よりも離れた方が宗谷と石北本線の撮影に便利だからです。特に,旭川~比布,伊香牛くらいの間は両線が並行しているので,両線で撮影するには便利です。

さすがに夕方なので,両線ともラッセルの運転はずっと先に行っちゃっていますので,特に鉄をすることはないのですけど,当麻駅でローカルと8074レを撮りました。

8074レ.jpg 8074レ(当麻)

翌朝は朝5時起きで,石北本線の北日ノ出の撮影ポイントへ。6:15頃,雪552レが通過するはずなんですけど.....。

やっぱり,来ませんでした。当麻周辺では結構積もっているんですが,肝腎の線路はほぼ除雪不要,と言うレベルですから,石北峠などで除雪が必要なくらい積もっていない限り,運休だと思います。

仕方ないので,宗谷ラッセル狙いで,音威子府まで,120kmほど,道央道や名寄・美深道路を走って行ってみますが,やはり運休でした.......[雨][雨][雨]
 
おまけに,ぜひ,音威子府ではそばを,と思ったのですが,駅の常磐軒さんはやはり休業中。Googleでわかっていましたけど,どうも半年くらい休業されているようです。他にそばを食べに来たお客さんがいましたが,残念そうでした。
 
音威子府駅.jpg 音威子府駅
 
天北線資料室.jpg 構内の天北線資料室
 
音威子府そば.jpg おそば屋さんは休業です。
 
仕方ないので,近くのお店で食べましたけど.......TVがガンガンかかっていてうるさいし,隣のおっさんはそば待っている間にタバコふかしているし,ちょっと感じ悪かったです。そば食う前にタバコ吸うんかい,って思いますけどね....。なんか,悪いんですけど店はうるさくてラーメン屋みたいな印象でした。
 
ラッセルは動いていないようなので定期列車を撮りながら当麻に戻りました。それにしても途中で立ち寄った東恵橋は有名撮影地ですが,すごいですね~。ラッセル走るときは数十人集まるらしいですし,地元の警察が交通整理するくらいだそうですけど,きれいな写真が撮れる場所ですね。
 
4328D.jpg 4328D
仕方ないので,翌日は石北本線の定期列車を撮りました。"オホーツク" もキハ183系の0番台での運転は終了し,500番台ばかりとなりました。 

4527Ds.jpg 4527D(北日ノ出~桜岡)

4526D.jpg 4526D

キハ40の勇姿を見るのももうしばらくかもしれません。

82D 大雪2号s.jpg 82D 大雪2号(伊香牛~愛別)

さて,土曜日の夜に "サロベツ" 3号で稚内に向かいました。これで,音威子府~幌延間の未乗区間を乗りつぶしします。本当は昼間にのんびりとローカルで乗りつぶしたいですが,日程上,やむを得ません。

それにしても,"サロベツ" 3号は稚内行きの最終の特急ですが,ガラガラ。iruchanが乗った1号車指定席は4人しか乗っていませんし,自由席を見ても数人で,列車全体でもせいぜい20人くらい,といった感じです。

63D サロベツ3号.jpg サロベツ3号(旭川)

宗谷本線高速化事業により,2000年3月から "スーパー宗谷" が登場し,特急3往復体制になったのですが,どうも聞くところによると高速化前の急行3往復時代の方がたくさん乗っていた,というので心配していましたが,どうやら本当のようです。

確かに,釧路や帯広,網走,北見と言ったところだと高速バスの方が便利なので,特に "オホーツク" もガラガラだったりするのですが,稚内だとまだ高速道路は士別までなのでそれほど影響はないのでは,と思いましたが,稚内~札幌間の高速バスの方が時間もそれほど変わらないし,本数は倍だし,料金は4割安くらいなので,バスの方が安くて便利,と言うことなのでしょう。実際,iruchanも道内の移動に何度も高速バスを利用しましたが,バスの方が安いし,時間も早くて便利と思いました。だから結構,バスも混んでいるんですよね。

とうとう,JR北海道も去年のダイヤ改正から "オホーツク" と "宗谷" のダイヤを改正し,半分は旭川止まりとなり(札幌直通の "宗谷" は1本だけ),はっきり言ってだと思います。一応,料金は通しでいい,と言うことになっていますが,乗り換えは不便。せっかく座ったのに,途中で乗り換え,その上,座れない,というんじゃ,バスの方が便利でしょう。切符を買うにも,指定を取るにも別々の列車じゃ,めんどくさいですしね。

これはやはり元に戻していただきたいと思います。それに,確かに札幌直通じゃ,車両がギリギリ,と言うことなんでしょうが,それだったら "オホーツク" と "サロベツ" は2両編成とし,旭川~札幌間は電車特急に併結でいいと思います。すでに電車と併結する技術は "オランダ村特急" (古~~っ!)とか,JR北海道ではキハ201系で実現しているし,そもそも2両だったらエンジンは停めて,"ゆぅとぴあ和倉"(もっと古~~っ!)みたいにブレーキ変換器だけ積んで,トレーラーでいいと思います。

なんか,JR北海道は車両に投資しすぎ。高性能な車両はいいけれど,投資対効果をよく考えていないようだし,ローカルはキハ40ばかりでサービスはひどいです。ようやく新車を投入するか,と思ったらH100形は量産しない様子。今さら電気式ディーゼルカーはないでしょう。気動車じゃ,どうしてもエンジンの冷却系が必要だし,冬期は凍結しちゃうので夜間でもアイドリングしないといけないし,トルコンが廃止できても大してメンテは減らないでしょう。ここはJR九州みたいにバッテリーカーにすべきです。むだに高度な技術開発に投資をせず,こういう風に柔軟に他社や過去の技術を使って,合理的な輸送を心がけてサービス向上を図っていただきたいと思いました。

また,ダイヤも大いに疑問。最終の特急 "サロベツ" 3号の5分後に快速 "なよろ" 7号が出て,乗車時間は30分違うんですけど,そう大して時間は変わらないんじゃ,名寄までのお客さんは車内で一杯やって快速でいいや,と言うことになると思います。同じように地元からカネもらって高速化した本州の西の方のケチな会社はさすがに西商人らしくがめつくて,特急と快速が1時間おきに交互に出る,と言うことになっていて,さすがに1時間は待てんよな,というダイヤになっていますが,ちょっとは見習った方がいいんじゃ,と思いました。

    ☆          ☆          ☆

結局,23:47定刻に稚内に着きましたけど,降りてきたお客さんはiruchanを含めて6人。こんな夜中に降りる人は少ないと思いますけど,札幌の出発は18時半くらいなので,ビジネスには便利な時間帯のはず。もっと乗っていてもよいですよね~。

あとでホテルマンから聞きましたけど,線路に入り込んだ鹿のせいで20~30分程度遅れることが多いそうです。そういや,鹿って,線路に沿ってず~っと逃げていく,なんて話を聞きましたけど,北海道だとラッセルで除雪されていて,雪の壁があるので,線路の外に逃げようがないそうで,驚きました。やっぱ,北海道は大変です。

稚内駅1.jpg とうとう着きました......。

今夜は駅前のサフィールホテル稚内。豪華な部屋と朝食で満足でした。さすがに午前0時を回っているので風呂入ってすぐ寝ました。

翌朝は本当だったら雪371レ,372レを撮りに行きたいところですが,運休なので軽く市内観光。

30年前は宗谷岬まで行っています。当時は北海道ワイド周遊券だったので,一度,天北線で南稚内駅まで行き,そこからバスに乗ってバス代を節約したのを覚えています。

でも,今回はそれほど時間もないし,もう宗谷岬は行ったので,ドーム桟橋を見てからノシャップ岬へ。

ノシャップ岬1.jpg ノシャップ岬

宗谷岬ほどじゃないですけど,晴れていればサハリンも見えるし,壮大な広い景色がよかったです。

帰りは一度,稚内駅へ寄ってそこで駅弁を買いました。稚内空港は空弁がないらしいので.....。

もちろん,稚内駅では有名な四大かに弁当をゲット。TVでも見ました。一度,食べてみたいと思っていました。稚内からは1日1往復しかない東京便のNH572便で帰りました。空弁もないし,稚内空港はやはりちょっと寂しかったです。

機内で昼飯。稚内空港発は13:15ですから,結構,お弁当広げてるお客さんがいました。

機内で食べる四大かに弁当はサイコ~[晴れ]

四大かに弁当.jpg 稚内立売さんの四大かに弁当

iruchanは北陸の人間だから,ズワイガニが一番と思っていましたが,このお弁当だと毛ガニが一番おいしかったです。

ふと窓の下を見てみると.....,

シューパロ湖.jpg

雄大な大雪山の景色が美しかったです。この湖はシューパロ湖ですね~~。

ようやくこれでJR北海道も乗りつぶしができました。残念ながら,毎年くらい,北海道に冬に行っていますが,今年は暖冬でラッセルが走らず,残念でした。2月末~3月に遠軽で待っていると,必ずラッセルが来ましたから,今年は異常です。親切な当麻のまさ屋旅館の女将さんに伺いましたが,2月の3連休にどかっと降ったけど,翌週からどんどん解けて雪が消えた,とのことです。実際,ラッセルも2月第4週までは動いていたようなので,来年はリベンジしたいと思います。

道新.jpg こりゃ,あかん.....

当麻のまさ屋旅館さんで読んだ3月2日付の北海道新聞によると,札幌で平年の35%など,2月の道内の降雪量は過去最小だったようです。

北海道縦断ツアー切符2.jpgこれで無事にJR北海道完乗です[雪]

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ACE 6石スーパートランジスタラジオキットAR-606~ゲルマニウムTr版~の音質改善 [ラジオ]

2019年2月10日の日記

今日は先日,完成したACEの6石トランジスタラジオの音質について書いてみたいと思います。

残念ながら,せっかく完成したのに,音質はキン,キンと高音ばかり出て,また,かなりひずんでいて,聞きにくい音質でした。

とはいえ,これはACEのラジオが悪いわけじゃなく,Trラジオ全般に言えることですよね。そりゃ,Trラジオは何より小型なのが最大のメリットで,そのため,スピーカが小さいし,また箱も小さいので低音なんて出るわけがなく,音が悪いのも当たり前,という気がします。

ただ,そうは思っていたのですけど.....。

実を言いますと,以前作った,英Mullard社の最初期のOC70などのガラス製ケースに入ったTrを使ったラジオの音質が意外にいいのです。

これ,作った本人がびっくりするくらい音がよく,低音も豊かだし,Trラジオ特有のひずみっぽいキン,キンという音じゃありません。

スピーカだってφ57mmのアルニコSPですし,ACEとほとんど同じ口径です。何か,MullardのTrを使ったラジオはいい点があるようです。とはいえ,ごく普通の6石スーパーで変わったところはありませんが,まあ,ひょっとして例のBlack Bulletと呼ばれるガラス封止の黒いTrのせいかな,と言う気もするのですが....。

とはいえ,ACEのAR-606もごく標準的な6石スーパーの回路で,何も変わったところはないのですけど.....。

ということで,チョッとACEのラジオのf特を調べてみました。

オーディオ初段の2SB175のベースにテストオシレータをつなぎ,また,SPの代わりに8.2Ωの抵抗をつないで,オシロで観察してみました。

AR-606 低周波部f特測定.jpg f特を測定します。

すると....。

まずは驚いたのは100Hzの正弦波ですら満足に増幅していません。非常にひずんだ波形で,ACEの回路はごく標準的なものですから,標準の6石スーパーってこんなものなんでしょう。これじゃ,低音が出ないわけです。

100Hz.jpg 100Hzの出力波形

で,これは何が原因かというとおそらくアイドリング電流が不足しているためと思います。もともと,Trラジオは電池で動くわけですから,電池の寿命を延ばすため,極端に電流を絞った設計となっています。

一番に疑うのはB級の出力段です。HiFiオーディオアンプでも出力段のアイドリング電流はきわめて重要なファクターで,iruchanは100mA以上流すことにしています。もっとも,ラジオじゃ,そんなに流せませんけどね.....。

ところが,今回は出力段じゃなく,ドライバ段のアイドリング不足でした。

オシロで,出力の2SB172およびドライバの2SB175のコレクタの波形を観察してみると,▲のように波形がひずんでいるのはドライバ段でした。

う~~ん,ちょっと意外。

確かに,出力段は1mA程度のアイドリング電流が流れていますが,なんと,ドライバ段は測ってみると0.038mAと極端に小さいです。もう少し電流を流してやらないとやはりひずんでしまいます。

ということで,ドライバ段のバイアス回路を変更し,アイドリングを少し増やしてやります。

ACEのAR-606に限らず,Trラジオは電流帰還型バイアス回路となっています。ゲルマの時代は特にそうで,本機もこの回路になっていますから,少しいじって電流を増やしてやります。

この30kΩを8.2kΩに減少させました。ドライバの2SB175のアイドル電流は1.32mAと大幅増量です。

おそらく,Trラジオは,電池の消耗を防ぐため,ギリギリまで電流を下げる設計がしてあるため,ひずみが生じやすいのだと思います。当時の電池は性能も低いですしね~。今はアルカリ電池もありますから,ある程度,電流を消費する回路でもいいと思います。

100Hz-1.jpg 100Hzの波形です。

少しノイズが乗っちゃっていますが,きれいな正弦波になりました。ラジオなので,局発を止めて測定しないとこういう風に高周波のノイズが乗っかっちゃいます。

ここまで来て,f特を計り直してみます。

低周波部f特.jpg

    低周波部のf特です。1kHz=0dBとしました。

低周波が大幅に改善されて,3dBほど改善です。70Hzくらいまではフラットなので,まあ,こんなものかと思います。

ただ,やはり気になるのは2kHzからダダ下がりな特性ですね~。

それに,AMラジオの高音が出ず,HiFiじゃない,と言う問題は皆さんもご存じの通り,昔から議論されていて,それはIFTなど,高周波部分の通過帯域幅が狭く高音が出ない,と言う問題がもとからあるのですが,これは低周波回路のf特なので,高周波部分の問題じゃありません。

とりあえず,考えられるのはドライバのトランスのL分と,パラに入っているCが共振し,高周波にピークを持っていることですね。

実際,AR-606のOPT1次側には0.02μFのセラミックコンデンサが入っています。また,ドライバトランスにも同じ容量のコンデンサが入っています。

AR-606 低周波部回路.jpgAR-606の低周波部回路

これは工藤利夫著 "初等トランジスタラジオ教科書" (オーム社,1971年)によると,高音の改善のためらしいです。ただ,本の図は20kHzくらいにピークがあるので,本機は低すぎます。

結局,これらのコンデンサを撤去しました。

低周波部f特3.jpg修正後です。

若干,高音域が改善され,-3dBで高域カットオフが2.5kHzだったのが4kHzくらいとなりました。

これでもまだiruchanは不満で,もっと改善したいと思います。SP端で計測したらほぼ重なるので,高周波はドライバ段で決まっているようです。次なる手はドライバの2SB175を交換してみようかと考えています。CQ出版社のトランジスタ規格表にはfTの記載がないのですが,ネットには750kHzという値が出ています。もとはOC75なので,こんなはずはなく,もっと低いのでは,という気がします。

低域のピークも気になりますけど,まあ,こちらの方はスピーカが小さいので,低音の改善になるかと思います。

また,本機は感度がよすぎて,ボリウムを最小に絞っても結構な音量で鳴ります。夜中に1人で聞くには音が大きすぎ,という感じがしますので,▲の回路図のように,VRの前に2.7kΩを挿入して,音を小さくしました。

      ☆          ☆          ☆

それにしても,トランジスタラジオの周波数特性って,こんなものなのですね。これじゃ,音がよいわけありません。トランス結合増幅回路なのでしかたないか,と言う気もします。6dBくらいのNFBをかけてやればフラットになるのに,という気がしますが,一応,オリジナルを尊重してやめておきます。


まだつづきがあります。読んでみようという奇特な方はこちらへ.....。


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ACE 6石スーパートランジスタラジオキットAR-606~ゲルマニウムTr版~の調整 [ラジオ]

2019年1月28日の日記

さて,今週の休みは先週組み立てたACEの6石スーパートランジスタラジオキットの調整を行いました。

実を言うと,組み立てたままの状態でもほとんど調整なんてしなくてもよいくらい,高感度だったのですけど.....。

一応,iruchanもラジオマニアなので,無調整のまま放っておくわけにはいかないので,調整します。

スーパーのラジオは何カ所も調整する箇所があります。まずはIFTから調整をはじめます。

☆IFTの調整

スーパーのラジオの中間周波増幅回路は回路的には 同調増幅器+バンドパスフィルタ の組み合わせです。

Trラジオの場合はIFTの1次側が同調回路になっていて,2次側には同調用のコンデンサはなく,非同調となっています。真空管の場合は両方とも同調回路となっていて,複同調となっています。

Trラジオの場合は,Trの入力インピーダンスが低く,せっかく2次側を同調回路にしておいてもQが低くなって同調回路にしておく意味がないから,ですけど,初期のTrラジオは真空管ラジオ同様,複同調となっているものがあります。

複同調回路となっている場合は調整が面倒で,1次,2次ともに同じ周波数に同調させちゃうと,単峰特性と言って,通過帯域が狭くなっちゃうので適度に1次,2次の同調周波数をずらして,いわゆる双峰特性にする必要があります。

Trラジオの場合はそもそも同調回路が1次側にしかないので,単峰特性になっちゃいますが,もともとTrラジオ用のIFTのQは低いので普通は問題になりません。

調整は,3個あるIFTの同調周波数をIFに合わせればOKです。

で,問題はIFの周波数なんですけど.....。

一応,JISでは455kHzと決められているんですけど,iruchanはTrラジオの場合は450kHzで調整することにしています。

というのはPLLシンセサイザ式のラジオの場合は450kHzとなっていることが多いですし,AMステレオのラジオは450kHzで調整されているからです。昔のIFTは当然,455kHzで作られていますが,これくらいの同調周波数の変更は可能です。

さて,調整法ですけど,まずはテストオシレータに1mくらいの電線をつないで,アンテナにしちゃいます。ラジオと数十pFのコンデンサをつないで直結する人も多いようですけど,面倒なので横着しています。

テストオシレータを1kHzくらいで変調しておけば,スピーカからピーッと言う音がするので,それが最大になるように調整すればOKです。

一応,iruchanはオシロを持っているので,検波出力をモニターして最大になる位置に調整しました。▼の写真のように,検波用DiのカソードにプローブをつなげばOKです。IFTのコアは局発側から,,黒という順に並んでいて,最後の黒は検波用Diにつながっていて,これはインピーダンスが低いのでいちばんQが低く,逆に言うと帯域がブロードすぎて調整しにくいので,色のコアから調整します。

IFT調整.jpg IFTの調整

☆トラッキング調整

これが大変面倒です。真空管の時代は3点調整とか,単一調整なんて言いましたけど,要は,指定された帯域の電波がきちんと受信できるように調整することです。

日本を含むアジア地域では中波の放送波帯は531kHz~1602kHzと決められていますから,この周波数の範囲をきちんと受信できるようにします。

真空管の時代はバリコンがアンテナ側と局発側で等容量の430pFなり360pFなりの容量のものが用いられていて,この場合,局発側のバリコンにパディングコンデンサと呼ばれるトリマーコンデンサを直列につないでいます。このとき,きちんと 受信周波数-中間周波数 が455kHzとなるのは3点しかなく,この3点をきちんと合わせることから,3点調整と呼ばれました。普通は600,1000,1400kHzで一致するようにあわせます。

まあ,真空管の時代でも中波専用のものなどは親子バリコンと言って,アンテナ側と局発側で容量が異なるものを用いましたので,うまく調整すればほぼ全帯域に渡って455kHzとすることができます。

Trラジオではもう今じゃ,短波と組み合わせたラジオというのはほとんどありませんから,大部分,このようなバリコンを使っているし,さすがにTrラジオはエアバリコンなんて使わず,ポリバリコンを使いますので,そうなるとバリコンの羽根の数や大きさがパッと見,まったくわからないので,親子バリコンとは言わず,トラッキングレスバリコンと言います。ポリバリコンじゃ,等容量のものを見つけるのが難しいくらいで,2連のものはほとんどトラッキングレスだと考えてよいと思います。

と言う次第なので,結局,Trのスーパーラジオのトラッキング調整は,まず,局発を531+450で986kHzから,1602+450=2052kHzまで発振させればよいことになります。今だとオシロや周波数カウンタが手に入りますから,これらを使って調整するのが簡単です。

superheterodyne同調曲線.jpgAMスーパーラジオの局発

真空管ラジオや短波付ラジオの場合,アンテナ側と局発側で同じ羽根の大きさの等容量バリコンを使っているときはパディングコンデンサが必要となり,また,  の曲線は湾曲し,3点でしか同調周波数と局発周波数の差は455kHzとなりません。

Trスーパーラジオ局発周辺.jpgAMスーパーラジオの局発回路周辺

ただ,直接,局発コイル(LOSC:コア赤)の両端にプローブをつけるとプローブの容量が邪魔をして周波数が変化しちゃいますから,iruchanは局発のTrのコレクタにつなぎます。予め,ここにプローブをつなげるよう,テストポイント(T.P. ピン端子)を設けておきました。

osc, antコイル調整1.jpg トラッキング調整

まずはダイヤル(バリコン)をいちばん低い位置に合わせ,ここで986kHzくらいで発振するよう,色のコアを回します。次にダイヤルを高い位置に合わせて今度はバリコン背面にある2つのトリマのうち,局発コイルとパラに入っているCtOSCを回して2052kHzになるようにします。

これを何度も繰り返して986kHzと2052kHzで発振するようにあわせるのですけど,結構,周波数カウンタの表示はばらつきますし,コアやバリコンの種類によってはどうしても調整しきれないこともありますので,ある程度で妥協することも多いです。特に自作する場合は局発コイルもバリコンもバラバラに買ってくるのですからなおさらです。

ACEのCK-606は本当によくできていて,どちらもきちんとあわせることができました。

☆アンテナコイルの調整

さて,この次はバーアンテナについているアンテナコイルを調整します。

これをやらない人も多いですし,放っておいてもたいていはきちんと鳴るので,あきらめてもいいのですけれど,これをきちんと調整すると非常に高感度になりますので,きちんとやっておきましょう。

さて,先ほどのトラッキング調整で,一応,局発は指定された周波数範囲で発振するので一応,カバレージは合っているはずなんですけど,肝心のアンテナコイルとバリコンの同調曲線がうまく中間周波分だけ局発とずれていないとうまく受信できません。▲のグラフで言うと,  と の線が平行になっていないといけません。

よく,高い方の周波数の局はうまく受信できるけど,低い方はダメ,とか,その逆という現象がありますけど,これはこのアンテナコイルの調整がうまくいってないラジオです。高感度のラジオは全帯域に渡って非常に高感度です。

この調整はバリコンのアンテナコイル側トリマと,バーアンテナの外周に巻かれているコイルの位置です。指ではさんでずらすとボディエフェクトで調整がうまくいきませんので,セラミック製の調整ドライバなんかでずらします。

ANTコイル調整.jpg
  ボディエフェクトに注意してANTコイルをずらします。

テストオシレータで600kHzくらいの周波数を発振させ,ダイヤルも600kHzくらいにあわせます。

このとき,アンテナコイルを左右にずらしてみて,ピーッと言う音が最大になる位置に止めます。マスキングテープなんかで仮止めするとよいでしょう。


今度はダイヤルを高い方にして,1400~1500kHzくらいの周波数を出して,それがきちんと受信できるよう,バリコンのアンテナコイル側のトリマを回したり,アンテナコイル自体をまたずらしたりします。

これをまた何回も繰り返して,どちらもいちばん大きな音がする位置で固定します。

位置が決まったら接着剤で固定します。iruchanはセメダインの透明エポキシで固定しました。

こうするとようやくスーパーのラジオの調整が終わりです。

       ☆          ☆          ☆

改めて放送を受信してみると,やはり少し下側に移動しています。NHKもきちんと正規の位置で受信できるようになりました。低周波,高周波ともに感度がよく,こういうラジオの場合はノイズも多い傾向がありますが,本機はノイズは少なく,とてもいいラジオだと思いました。

続いて,f特を測定してみました。ご興味のある方はこちらへ。


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