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コアレスモータ対応鉄道模型用コントローラの開発~その3・KATO KC-1改の試作~ [模型]

2017年2月17日の日記

前回でKATOのKC-1の解析を終えました。低周波と高周波の2周波数のPWM制御回路となっていて,また,鉄道模型用に安全な遮断タイプの保護回路を搭載しているのが特長です。高度なアナログ技術を投入し,設計した人は非常にアナログ回路に詳しい人だろうなと思わず脱帽しました。iruchanなんて足許にも及びません。

さて,KATOのKC-1は原設計は20年ほど前だと思いますが,現在はspiceなどの回路シミュレータもありますので,新たに現代風に改良したものを開発したいと思います。

大変おこがましいですが,新たに改良する点としては,

☆ 低周波の最大デューティは100%とする

KATOのKC-1はPWM波生成にNECのμPC494Cというスイッチング電源用ICを使っています。モータ制御などの純粋なPWM波制御回路だと最大デューティは100%となるようにしたいところですが,μPC494Cは本来,スイッチング電源用のため,デッドタイムが設けられていて,最大でも95%にしかなりません。 iruchanはデューティ100%にしたいので,その点,改良したいと思います。なお,μPC494Cはまだ入手可能ですが,意外に部品屋さんを探すとないので,テキサスの現行品TL494を使いました。と言うよりこちらがオリジナルなんですけどね......(^^;)。 

☆ 高周波側の最大デューティを10%程度にする

KATOの原設計では高周波側の最大デューティはほぼ100%であり,本来は調光用なので,こんなに最大デューティは大きくなくてもよく,10%程度でよいと思われます。100%にしちゃうと調光用のパルスだけで模型が走行しちゃいますので。もともと,KATOのKC-1は調光用の高周波パルスのデューティを決めるボリウムは半固定になっているんですが,半固定抵抗というのはあくまでも調整用なので0~100%まで変化するような使い方をしないのが普通です。

☆ 電流遮断式保護回路を採用する

出力ショート時に保護回路が働いて,出力の電圧を完全に0Vにします。従来,安定化電源などの保護回路には電流制限型の保護回路が用いられていて,iruchanも長年使っていますが,これだと最大の電流がいつまでも流れます。安全のため,KC-1同様,完全に電流を遮断する回路とします。

ただ,KATOの回路はサイリスタを使った非常に複雑な回路のため,従来の抵抗とTrによる検出回路とフリップフロップを用いた簡素な回路としたいと思います。

もっとも,これでも回路が複雑なので,従来通り電流制限型やポリスイッチでよい,と言う方は最後に回路を示しますので,そちらをご採用ください。 

☆MOS-FETを用いた主回路にする

KC-1はサイリスタを用いた保護回路を使っていますが,そのせいか,出力段はPNP Trを使った回路になっています。また,高周波と低周波で別々の出力段を持っていて,普通の電車でいうと主回路? の部分はかなり複雑な回路です。

今回,MOS-FETを用いて簡単な主回路とします。MOS-FETは損失が小さく,高周波特性もバイポーラTrより数段よいので最近はMOS-FETを使うことが多いと思います。また,出力段も高周波,低周波共用とします。

最後に,

☆ 電源内蔵式にする

KATOのKC-1は電源ユニットKM-1とのセットで売られていました。当時はまだACアダプタやスイッチング電源が一般的ではなかった時代なので仕方ないのですが,別付けの電源は不便だし,KM-1はトランス仕様なので重いです。おそらく,KM-1はポイント用の交流出力も備えていたので,トランス式にせざるを得なかったのでしょう。スイッチング電源は交流出力が苦手で,ポイント用にスイッチング電源を使って直流で使用するには新たな回路が必要となります。

ただ,トランスを使った非安定化電源は出力電圧が負荷により一定ではないので注意が必要です。よく,パワーパックで最大電圧15Vとか書いたものがありますが,これはトランス式のためです。さすがにNゲージで15Vは危険です。KATOのKC-1も専用の電源装置KM-1が販売されていましたが,容量は15V,2Aです。ただ,15Vがもろに出てくるわけではなく,制御TrのVCEsatや保護回路の検出抵抗による電圧降下がありますので,実際に出力されている電圧は13Vくらいのようです。

iruchanはスイッチング電源は嫌いなのですが,やはり軽くて,しかもフィードバック機能もあって出力が一定電圧になる安定化電源の機能もありますので,スイッチング電源仕様としたいと思います。 

☆ 

と言う次第で,前回,spiceでシミュレーションして設計を終えましたが,プリント基板を作る前に若干,修正しました。

困ったことにプリント基板用の可変抵抗が10kΩ以上のものしか手に入らない,と言うことがわかりました。KATOの原設計だと1kΩや2kΩが使われていて,iruchanも最初,spiceでのシミュレーションにこういう値のVRを使っていましたが,いざ,プリント基板を作ろうと部品を集め出したらこのことに気づきました。

と言う次第で,可変抵抗は10kΩで再度,設計し直しました。もちろん,プリント基板用じゃなくて普通のパネル取付用の可変抵抗を使えば,1kΩや2kΩなんて簡単に手に入るのですけどね.......。

でも,パワーパックを自作した人ならおわかりになると思いますが,可変抵抗の配線が非常にめんどくさいんですよね。おまけに調整中にハンダづけをしたところで電線が切れたり,イライラするのでいつもiruchanはプリント基板用を使って,プリント基板に一緒にボリウムも載せちゃうことにしています。

と言う次第で,設計を終えた回路を▼に示します。まだ改良点があると思いますので,動作確認はしましたが,現時点での回路図ということでお願いします。

KATO KC-1 mod 回路1.jpgクリックすると拡大します 

プリント基板は33mm×70mmという大きさです。昔から何でも小さいものが好きという性格のため,相変わらず小さく作り過ぎちゃうのが困ったものですけど,非常にコンパクトにできました。

プリント基板.jpg 完成した基板

プリント基板2.jpg 部品配置

さて,とりあえずプリント基板ができたら十分チェックしてから通電します。

調光用とモータ用のボリウムを回して出力モニター用に設けたLEDの明るさが変化すれば成功です。調光用のボリウムは最大デューティが10%くらいなので,それほど明るくはならないはずですが,最近のLEDは非常に輝度が高いのでこれくらいのデューティでも明るく点灯すると思います。

さっそく,うまくいったらオシロで波形を確認してみます。

高周波パルス+低周波パルス.jpg 低周波+高周波混合パルス

通常使用時はこのように低周波のパルスの隙間に高周波のパルスが出ます。 高周波(調光用)のボリウムを左に回すと高周波パルスが停止し,低周波のパルスのみとなります。周波数は58Hzでした。ちなみに高周波は21kHzでした。

低周波パルス.jpg 低周波のみのとき 

低周波はOKで,ちゃんと0%から100%までスムーズにデューティが変化します。ギリギリ100%になっていませんが,波形を見る限り,ほぼ100%と言ってもよいと思います。 

低周波パルス(100%).jpg ほぼ100%となります。

KATOのオリジナルのKC-1は最大デューティは90~95%くらいですが,本機はほぼ100%となります......(^^;)/

ところが......。 う~~ん,予想してはいたんですけど......。

高周波パルス(ドライバなし).jpg 高周波パルスはこんなに太いです。 

調光用の高周波パルスが予想より太く,最低デューティは25%くらいです。設計値としては最大で10%だったので,こんなに太くなるはずはありません。もっと細くできるはずなんですけどね.....。 

原因は出力(終段)のMOS-FETの入力容量です。使用した2SK2412は最近のMOS-FETではなく,20年ほど前の開発なので入力容量は小さめですが,それでも860pFもあります。最近のものだと2000pFを超えるものもが多いので,もっと悪くなります。

MOS-FETをスイッチング回路に使用した場合,この入力容量が邪魔をしてなかなかonにならないし,いったん,onになったあと,今度はoffにするのに時間がかかっちゃいます。つまり,ゲートしきい値電圧VGS_thに達するまで充電するのに時間がかかるし,onになったあと,今度はゲートに溜まった電荷を逃がさないとなかなかゲート電位が下がらないのでoffになりません。

これじゃ,いくらMOS-FETがスイッチング速度が速いといっても,意味ないんですけど....。

むしろ,バイポーラTrはスイッチング速度がMOS-FETより遅いんですが,入力容量が非常に小さいのでこのような問題は生じません。そもそもベースに電流を流して制御する素子なので,電荷が逃げるのも速いんですね。また,同じ電圧制御素子である真空管はグリッドとカソードが離れているし,入力容量は小さいのでこの問題は高周波のときだけで,低周波だと気にしなくてもよいです。だからiruchanはアンプ作るときはバイポーラか真空管なんですよね......(^^;)。

そういうわけで,MOS-FETは電圧制御素子なので電圧だけでいいや,と考えて設計してはいけません。

やはりバイポーラTr同様,電流を流してドライブするように設計する必要があります。だから,今をさかのぼること40年前,日立が最初のオーディオ用MOS-FET2SJ49K134などのシリーズを発表したとき,ドライバ段を省いて電圧増幅段に直結する回路がよく使われましたけど,やはりバイポーラ同様,プッシュプルのエミッタフォロアを入れてドライブした方がよいと思います。

と言う次第で,今回のドライブ回路をどうするか考えて結局,PNPトランジスタによるエミッタフォロアを入れました。本当だとPNP-NPNのコンプリメンタリによるプッシュプルエミッタフォロアにしたいんですけど,さすがに大げさですからね。 

最近はPICやAVR,ArduinoなどのマイコンでMOS-FETをドライブしてモータを制御することが多いと思います。この場合,マイコンとMOS-FETのゲートを直結するだけで普通はOKなんですが,MOS-FETの入力容量のせいであまり低いデューティにできません。携帯電話やラジコンなど,それほど低速を必要としないモータ制御の場合はこれでもよいのだと思いますが,鉄道模型の場合はデューティが10%以下の部分が重要ですから,下記の配慮が必要だと思います。

実は,ここまで研究してきて,コアレスモータを使用している模型がうまく運転できないのはひとつはこのせいではないかと思っています。コントローラの最低出力デューティが10%くらいになっていて,コントローラからパルスが出力された時点ですでにデューティが大きすぎ,前照灯が点灯すると同時に模型が走り出してしまうのではないかと思います。

もちろん,こういう場合についてはすでに研究されていて,本などに▼のようなドライブ回路が載っています。

MOS-FETによるスイッチングに際して,出力されたパルスの幅が広い場合,コンプリメンタリのTrを▼のように接続すると高速でドライブできるので非常に狭いパルスを出力することができます。 C-MOSのロジックICには出力がこのようになっているものがあります。もちろん,その場合は出力はP ch.とN ch.のMOS-FETのコンプリですけどね。 

マイコン出力回路.jpg プッシュプルドライブ回路 

もっとも,プッシュプルにするのは面倒なので,上側のNPN TrをスイッチングDiで代用することが多いです。今回,この回路を採用させていただきました。実際,今回使用したTL494は出力にNPN Trを持っていて,エミッタから出力を取っているので,上側のNPN Trはもとから不要です。 

マイコン出力回路1.jpg 変形版です。

なお,蛇足ですが,この回路の出力電圧はマイコンのほぼ出力電圧そのものとなり,増幅作用はありません。最近のマイコンは3V出力のものが多いので,MOS-FETがonしないことがあります。その場合はプッシュプルドライブか,別のドライブ回路が必要となります。  

では,以上のドライブ回路を挿入してシミュレーションしてみます。さすがに低周波側のパルスにはドライバを入れませんでした。 20msもパルス幅があるのに,数μsの応答時間は問題になりませんので。やはり問題は高周波のパルスです。

KATO KC-1 mod. driver simulation.jpg 最終シミュレーション回路 

ドライブ回路なし(MOS-FET).jpg 

     終段MOS-FET(ドライブ回路なし)のとき

ドライブ回路なし(BPT).jpg 

     終段がバイポーラ(ドライブ回路なし)のとき

終段の制御TrをダーリントンTrにしたときです。バイポーラトランジスタなので,ベースに電流を流して使用しますし,入力容量はごく小さいのでパルス幅はかなり狭くなります。ただ,MOS-FETに比べれば狭いですけど,まだ少し幅が広く, やはりドライバが必要な感じです。

と言う次第で,ゲートドライブ用にもう1個,Trを追加してドライバを挿入すると, 

ドライブ回路あり.jpg 

     ドライブ回路あり(終段MOS-FET)

ドライブ回路あり(拡大).jpg 波形の拡大

高周波パルスoffと同時にQ5の2SA1020がonし,終段のMOS-FETのゲートに蓄積された電荷を放出していることがわかります。

出力の高周波パルスもほぼTL494の出力と同じくらいの幅になることもわかりますね。

2SA1020によるドライバ回路を挿入して最低デューティは1%以下となりました。 本当は2SA1015にしたかったのですが,若干,コレクタ電流が大きくて少し発熱したのでひとつ大きめのTrにしました。

高周波パルス(ドライバあり).jpg 高周波パルスの最小デューティです。

思い切りオーバーシュートしてますけどね.....。MOS-FETなのでスイッチングが高速なためです。 

☆ 

【保護回路について】

なお,今回,保護回路は電流遮断式として,過電流を検知したら完全に出力電流を0とする回路としました。こちらの方がはるかに安全です。通常の電流制限型の回路はショートした場合でも設定した値の電流を流し続けますので,放置すると危険です。

一方,このせいでリセットボタンを押さない限り,再度,電流が出力されませんのでご注意ください。まあ,実物の電車も又入れスイッチを押さない限り,再起動しないんで同じですけどね。

iruchanもいつかはこういう安全な回路を設計したいと思っていましたが,R-Sフリップフロップを使ったらずいぶん簡単にできました。

R-Sフリップフロップはセット(S)信号が入ると出力がhighとなり,以後,いくらS信号が入ってもlowとはなりません。一方,リセット(R) 信号で解除できます。以後,同様にR信号が入ってもセットされません。最初に入った信号を保持できるので,メモリ回路として使用されるのはご存じの通りです。

     _  
出力はQとQの2つがありますが,これらは常に反対の動作をするので,今回,利用するのはQ出力のみです。

R-Sフリップフロップはメモリのほか,実際の応用としてよく使われるのはチャタリング防止です。

プッシュボタンやリレーなど,機械的な接点は必ず接点がバウンドし,多数のパルスを生じます。これをチャタリングと言いますが,これをデジタル回路につかうといくつものビットが発生してしまうため,これを防ぐため,R-Sフリップフロップが使われます。一度,onになっちゃうとずっとonのまま,と言う風にできますので。

ただ,実際にチャタリング防止は今はシュミットトリガを使うことが多いですし,そもそもこういう機械的なスイッチを使うようなICは入力にこういう回路を持っているのが普通で,R-Sフリップフロップを使うことはほとんどありません。

それに,74シリーズなどTTLのICではTフリップフロップやDフリップフロップ,J-Kフリップフロップはあるのに,R-Sフリップフロップだけありません。 

....と,iruchanはずっと思っていました。実際,iruchanが電子回路に興味を持って勉強し始めた中学生の頃,本にもそう書いてありました。

ところが,今探してみるとあるんですね~~~!!

74LS279がそれですので,あまり売っていませんが,見つけたら買っておかれるとよいと思います。また,C-MOSだと今回使用した,CD4043がそれです。もとからC-MOSはR-SフリップフロップのICがあったようです。

でも,どちらもやはり入手は意外に難しいようで,昔,iruchanが勉強したように,入手できない場合はNORゲートを使って自分で作るのがよいと思います。

でも......,実はR-Sフリップフロップは2種類あって,NANDでも作れちゃうのです。本も書いてあるのが2種類あるようで,どっちが正しいんだ!? って思っておられる方も多いかと思います。

実は,正論理のR-SフリップフロップがNORゲートで,負論理版がNANDなのです。

どういうことかというと,セットSがhighのとき,出力QがhighになるのがNORで,逆にSがlowになったとき,QがhighになるのがNANDです。

普通,highを1と考えるのが正論理で,この場合のR-SフリップフロップがNORです。反対にhighを0と考えるとNOR版というわけです。 

  R-Sフリップフロップ.jpg R-Sフリップフロップ1.jpg

別に働きとしてはどちらも同じですが,本機では2SA1015が過電流を検知するとSがhighになるように設計しましたので,使用するのはNOR版です。

もし,CD4043が入手できない場合,CD4001を使って上図のように配線すると正論理版のR-Sフリップフロップが作れますので,ご利用ください。

ちなみにC-MOSは負論理版のR-Sフリップフロップがあり,型番はCD4044です。TTLには負論理版はありません。

                               _  _

本当いうと,これは区別しないといけないし,親切な本には負論理版はR - Sフリップフロップと書いていますが,半導体メーカの規格表を見るとテキサスや東芝の規格表には "Quad R-S latches" などと書いてあり,R-Sフリップフロップと同じ表現です。

なお,やはりR-Sフリップフロップを使った回路を使用したくない,と言う方は従来どおり,ポリヒューズを使う回路をおすすめします。

Littel FuseのRXEF050がいいかと思います。あれ,レイケムじゃなかったの? と思ったら昨年3月に買収されちゃったようです......orz。

トリップ電流が1Aで,保持電流が0.5Aというものです。0.5~1Aの間のどこかでトリップし,以後,0.5Aをずっと流し続ける,と解釈してください。それに,トリップする電流は必ずしもこの間とは限りません。室温が低いと2~3Aくらい流さないと飛ばないこともあります。このあたり,どうもポリヒューズって信用できないんですよね。うっかり,IC=2AというTrを使うとポリヒューズが動作する前にTrが飛んじゃいます。そういうわけなので,今回,使用するTrやFETはICなりIDが3~5A以上のものを使ってください。今回使った2SK2412はID=20Aなので余裕ですけど。

PWM式LED調光器回路MOS-FET出力回路2.jpg MOS-FET使用時

なお,出力の制御素子はダーリントンTrであれば置き換え可能です。iruchanはバイポーラTrが好きなので,いずれ2SD560(なつかし~~!)なんかに交換したいと思います。

RSはパルスoff時にゲートの電位が0Vとなるようにするものです。なくてもいいのですが,ゲートに溜まった電荷を逃がす経路が必要ですので,入れておいた方がよいです。

RGは寄生発振防止用です。MOS-FETは高入力インピーダンスなので数MHzのオーダーで発振することがあります。その対策用です。オーディオのアンプの場合,必ず入れますが,パワーパックの場合はなくてもOKです。

ダーリントンTr出力回路.jpgダーリントンTr使用時

MOS-FETが高価で,品種も少なかった頃はダーリントンTrが使われていました。今じゃ,MOS-FETの方が安いくらいなので,出番が少なくなってしまいました。

ただ,▲にも書きましたとおり,ダーリントンTrの場合は1W以上の損失が発生しますから,放熱器が必要です。 MOS-FETだと1/10以下になるので放熱器は不要ですが,最大出力を2Aなどとする場合はMOS-FETでも放熱器をつけてください。また,ベース抵抗RBはTrの場合は必ず必要ですので,忘れずに入れてください。

そのほか,フリーホイーリングDiは今回のように高周波でスイッチングする場合,普通のシリコンDiではダメで,高速でスイッチング可能なショットキータイプが必要です。 

蛇足ですけど,フリーホイーリングDiと言うのが正しく,フライホイールDiというのは間違いです。米電気学会IEEEでもFree Wheeling Diodeと書いてあります。といって,規格表に思いっきりフライホイールDiと書いているメーカーさんが多いのですけどね.....(^^;)。

☆ 

さて,いよいよバラックの状態で試運転してみます。電源は簡単に9VのACアダプタを使用しました。

KATO D51ギースルエジェクタ.jpg KATO D51ギースル機

まずは調光用の高周波のボリウムを少し回転させ,前照灯や出力のモニター用LEDが点灯するくらいで止めておきます。回しすぎるとやはり機関車が走行しちゃいます。

次に,走行用の低周波ボリウムを回すと,機関車が走り始めます。やはり,予想どおり,モータのうなりは少なく,かすかにジ,ジーッと音がするくらいです。300Hzだと盛大にプーッという音を出しますが,低周波の方がよいようです。また,本機は高周波のパルスを出力するのでモータには循環電流が流れてモータの電流は途切れないのでうなりは少ないはずです。

さて,走行テストをしてみます。

まずは作った本人が驚いちゃいました......(^^;)。

     [晴れ][晴れ][晴れ] 驚くほど スロー で動きます [晴れ][晴れ][晴れ]

実測してみると,1周3.24mのエンドレスを123秒かかって一周しました。計算すると,2.6cm/sと言うことですね!

とはいえ,もちろんこれはやはりKATOのコアレスモータの性能によるところが大きいと思います。比較のため,先日購入したKATOのEF70で試験してみるとやはり低速が倍くらいで,一周するのに63秒,5.1cm/sでした。やはりコアレスモータ恐るべし!!! 

しかし,実際,非常に遅いです。普通のコントローラではこんな低速では走らないと思います。iruchan現用のTomix 5001PWM改造コントローラではこんなスピードでは走りません。

また,最初の目的である,常点灯への対応についてですが,非常にクリティカルですけど,調光用ボリウムを走行しないギリギリに設定すれば,走行用のボリウムを回転させて,機関車が起動するまでの "遊び" を確保することできて,無事に常点灯に対応しました。

KATO D51ギースルエジェクタ1.jpg ちゃんと常点灯にも対応します。

▲のD51や▼のEF70は停止中の状況です。走行用のボリウムを左に絞って機関車が停止しても前照灯がついたまま,という状況を実現できるのはちょっと感動しちゃいました。 

それに,若干,高周波パルスのせいで,停止するときにすこし走行距離が伸びます。若干,惰行しているような感じがするのもいい感じです。もっとも,高周波パルスのデューティが大きすぎるとそのまま走行してしまって某JRが天王寺駅に突っ込んだり,某私鉄が新岐阜駅に突っ込んだりしたような事故を起こしますのでご注意ください.....。 

KATO EF70-1.jpg EF70もOKです。

次回はちゃんとケースに入れて最終調整したいと思います。また,残念ながら保護回路がやはり頻繁に誤動作するので,対策を検討したいと思います。 


コアレスモータ対応鉄道模型用コントローラの開発~その2・KATO KC-1の研究~ [模型]

2017年2月8日の日記

前回,コアレスモータを使った鉄道模型のコントローラとして,PFMまたは2周波PWM式コントローラがよいのではないかと推測しました。

PFMはパルス周波数変調(pulse frequency modulation)の略で,すでにスイッチング電源のコントローラで高効率化のため使用されています。 パルス幅を固定とし,off期間を可変してモータの速度を可変するものです。

回路をハードウェアで実現するのはちょっと難しそうなのでこちらは後回しです。PICを使えば簡単,と言う気もするんですけどね。

一方,自作した201系用のPWM式コントローラTomixの5001パワーユニットを改造したPWM式コントローラは出力のパルスの周波数を201系同様の300Hzにできますが,これで運転すると常点灯に対応することがわかりましたので,低周波のPWMがよいのでは,と推測できました。

ただ,これは要注意で,まず,かなりの騒音を発します。モータの電流がパルスごとに途切れ,モータがステッピングモータみたいに起動と停止を繰り返している状態です。次に,PWMは前回書きましたが,低周波ほど損失が増え,モータが発熱することが予想されます。

これを解決するため,モータ用の低周波PWM波と前照灯&室内灯制御用の高周波のPWM波を組み合わせることを考えました。

もちろん,これはiruchanのアイデアではなく,すでに過去,KATOがこのようなコントローラを発売していました。KC-1がそれですね。

KC-1は低周波に50Hz,高周波に20kHzの発振器を用い,それぞれを出力で合成して模型用のコントローラとして使っています。低周波のパルスの隙間に高周波のパルスが出ていて,これが前照灯を制御するようになっています。

今でもKC-1は低速が効くコントローラとして人気があり,某掲示板などでも評価が高いですし,Yahoo!でも結構高価で落札されます。

iruchanはコントローラは自作するので,メーカ製のコントローラを買うことはないんですけど,このコントローラは昔から気になっていました。

KC-1がいつ製造中止になったのか,わかりませんが,もう10年以上前だと思います。PWM波生成にはスイッチング電源用の制御ICである,NECのμPC494Cが使われています。

μPC494Cの規格表がネットに出ているので見てみますと,NECのものとルネサスのものがあり, NECのは1987年版で,ルネサスのは2007年版となっています。おそらく,1987年頃に製造が始まり,ルネサスのはすでに新規採用非推奨となっているので,その頃には製造中止になったものと思います。

と言う次第で,μPC494Cを使って作りたいのですが,秋葉などでまだ手に入るんですけど,製造中止から10年くらい経っているようですので,入手が難しくなりつつあり,結構探さないといけません。でも,そもそもμPC494CはNECがオリジナルではなく,テキサスのTL494のセカンドソースなのですから,オリジナルのTL494を使えばいいんですね。

μPC494C, TL494IN.jpg NECのμPC494CとテキサスTL494 

何のことはない,秋月電子でTL494INがたった50円でした。なぜか,もう1種類販売されていて,TL494CNだと60円です。何が違うの?,と思ったら使用温度で,INが-40℃~85℃なのに対し, CNが0℃~70℃です。これならINの方が高くてもおかしくないんですけどね~。

おそらく,製造工程はどちらも同じで,INの方は選別品だと思います。手間がかかっている分,本来はINの方がはるかに高いはずなんですけど,意外に秋葉などの部品屋さんではこういうことがあります。新日本無線のOPアンプNJM4580も低雑音の選別品NJM4580DDの方が安かったりしますね。

と言うことで,iruchanは-40℃から使えるTL494INを買いました。まさか,厳寒の朱鞠内湖で野外鉄道模型運転会なんてする気はないんですけどね.......(^^;)。 

それにしても,日本のメーカは需要がなくなるとさっさと製造中止しちゃうので昔から非常に困ったものなんですが,米国の半導体メーカはこういう古いICでも製造してくれるので助かります。今どき,DIPのICというのも貴重ですしね。TL494もテキサスのホームページを見るとステータスが "ACTIVE" となっていて,今も製造中のようです。米国だと軍とか宇宙用とかで今も何か需要があるのでしょうか....。

さて,TL494は中のブロック図を見ると,iruchanが今まで作ってきた,PWM式コントローラと同じで,三角波の発振器とコンパレータの組み合わせとなっています。もっとも,TL494の場合は三角波じゃなくて,鋸歯状波ですけどね。そのほか,デッドタイムコントローラがついていたり,出力段が2組あるのが特徴です。CTとRTの端子に接続したCとRで発振周波数が決まります。発振周波数 fs は 1/C・R です。

ただ,どうも仕上がってみると周波数は高めで,20kHzのつもりだったのに,24kHzです。まあ,誤差かなと気にしていなかったのですが,富士通の互換品MB3759の規格表を見たら 1.2/C・R と書いてあります。なあんだ,やっぱり高めに出るんですね。 

TL494 block diagram.jpg TL494内部ブロック図 

今ではもっと新しい,スイッチング電源用のPWMコントローラICもあるのですが,TL494がいいのは低い周波数のスイッチングができること。▼のグラフでは10Hzまで表示されています。ほかのICだと縦軸の単位はkHzです。

TL494 switching frequency.jpg TL494のスイッチング周波数

と言うことはTL494だとKATOのKC-1みたいに50Hz近辺で発振させることも可能だと思います。

と言う次第で,組み立てていきます,と行きたいところですが,いきなり組み立ててもうまく動作するかどうかわかりませんので,事前にSpiceで動作を確認しておきたいと思います。

iruchanが使っているLTspiceはリニア・テクノロジー社のICしかないのでTL494のモデルは苦労しそうですが,幸い,ネットを探すとSpiceモデルがありましたので,活用させていただきます。残念ながらシンボルファイルがおかしくて,ピン配置がでたらめだったので,シンボルファイルを編集して正規のDIP版のTL494と同じに修正しました。

これさえあれば百人力ですね!! さっそくシミュレーションしてみます。オリジナルの回路についてはいわたさんがブログで報告しておられますので,参考にさせていただきました。どうもありがとうございました。

KATO KC-1 original simulation circuit.jpgKC-1オリジナルシミュレーション回路 

うまくシミュレーションも動作しました!

出力波形はこんなで,低周波のパルスとその隙間に高周波のパルスが出ています。となっている部分は高周波パルス部分です。

それに,KC-1はTL494のソフトスタート機能を使っているようで,低周波のパルスは徐々にデューティが上がっていくのがわかります。スイッチング電源は立ち上がりから大きなデューティで動作すると誤動作することがあるので,ゆっくり起動するようになっています。

KATO KC-1 original 波形.jpg t=0sec.からの状態

低周波のパルスはこのように,最初,狭くはじまって徐々に設定値に落ち着いていくようになっています。 

KATO KC-1 original 波形拡大.jpg 波形の拡大です。

波形を拡大するとこういう感じで,24kHzのパルスが48Hzの低周波パルスの隙間を埋めている感じです。

なお,この高周波パルスと低周波パルスの間には電圧差があり,大体,1V程度,高周波パルスの方が高いようです。実物も同じ状況のようです。まあ,これはたいした問題じゃなく,おそらく過電流検出用の抵抗など,回路の違いによるものです。

また,KC-1は低周波パルスの最大デューティは95%くらいです。100%にはならない,と言うのが特徴です。これはKATOの原設計が発振電圧(CT)を,基準電圧であるデッドタイムコントロール(DTC)と比較してPWM波を作っているためで,テキサスの規格表を見るとわかるとおり,CTには0.1Vの "げた" が履かせてあり,DTCは決してCTより大きくならないようになっているからです。こうやってコンパレータのoff期間が最低でも5%くらいになるようしてあります。このため,KC-1では最大デューティは95%くらいです。この理由はスイッチング電源だと出力段の2つのNPN Tr を同時に使ってプッシュプル動作をさせることがあるのですが, これらが同時にonすると電源をショートして過大電流が流れるため,一瞬,offにするようになっているためです。このDTCはテキサスの規格表を見ると5~100%の間で設定できるようです。

iruchanはパワーパックなら最大デューティ100%としたいと思うので,自作する際には改良するつもりです。Tomixの5001パワーユニットをPWM化するときも最初の設計では100%にならず,結構苦労しましたので。

実際,シミュレーションでも最大デューティは約90%となりました。の線がDTCの端子電圧で,の線が発振器の出力(CT)です。これをコンパレータで比較してCT>DTCの間だけ,出力にパルスが出るようになっています。

このようなスイッチング電源用ICを使ってPWM波を作る場合,普通はDTCではなく,FB端子を使うはずですが,何らかの理由があったのかもしれません。 

KATO KC-1 duty max.jpg KC-1の最大デューティ

また,▼のモータの電流波形を見てみると,予想どおり,低周波のデューティが低い状態でも0にならず,連続して流れています。これでKC-1はモータが唸らない,という特長がありますが,その理由がわかりました。 

KATO KC-1 iruchan mod. 波形拡大.jpg 拡大波形 

     ☆    ☆    ☆ 

さて,次はiruchanバージョンを作っていきたいと思います。

仕様としては,低周波のデューティは0~100%,高周波のデューティは0~5%くらいとしたいと思います。もちろん,最大出力電圧は12Vにしますので,電源は安定化電源とします。といって,今どきトランスを使った安定化電源だと重いので,スイッチング電源を使います。

また,KATOのKC-1は非常に凝った過電流保護回路がついています。過電流が流れると自動的に電流を遮断し,ALARMのLEDが点灯するようになっています。

簡単に実現するにはブレーカを使うことですけど,これは高いし,応答速度も遅いのでうっかりすると制御Trを飛ばしてしまうので,純粋に電子式にしたいと思います。

でも,これは意外に難問なんです。 

よく,安定化電源などの保護回路に使われるのは電流制限型と呼ばれるもので,Tr1石と抵抗を1本使うものです。iruchanもいつも使っているタイプです。

電流制限型保護回路.jpg 電流制限型保護回路

これは,抵抗Rの両端に生じる電圧が0.6Vを超えるとQ2がonし,Q1のベース~エミッタ間電圧VBEを小さくするので,電流を絞ることができます。

非常に高速で応答するので,制御Trが飛ぶのを防ぐことができます。そのため,安定化電源では必須の回路で,iruchanもいつも挿入しています。

ただ,この方法の問題点は,確かに設定された電流値以上の電流は流れないようになっているのですが,ショートしても設定された値の電流がずっと流れ続ける,と言うことにあります。たとえば,imax を1Aと設定したとすると,ずっと1Aの電流を流し続けてしまいます。

Nゲージの模型に1Aも流し続けるとモータが発熱し,ボディが変形してしまうことが考えられます。もちろん,短時間なら問題ないし,我々マニアは機関車が停止したらすぐにボリウムを絞るクセが身についているので大丈夫だと思いますが,長時間,過電流保護回路が動作した状態でフルノッチにしておかないことが肝要です。

定電圧電源でこのようなことを防ぐために考案されたのがホールドバック型保護回路で,過電流を検出すると自動的に電流を絞ってくれます。グラフがカタカナの "フ" に似ているのでフの字型保護回路とも言います。

ホールドバック型保護回路.jpg ホールドバック型保護回路

これだと安心で,実際,金田式DCアンプのシリーズレギュレータなどに使用されていました。

ただ,この回路の問題は抵抗が3つあり,それぞれ計算して決めますが,Nゲージのパワーパックなんで最大電流 imax を1A,最小電流 imin を0.1Aくらいにしたいのですが, このとき,3つの抵抗値を決めることができません。解がないんですね。どれか,抵抗が負になっちゃいます。

ということでこの回路をNゲージのコントローラに使うことはできません。 

そのほか,最近はポリヒューズ(ポリスイッチとか,PTCサーミスタの名称があります) を使う人が多いと思います。単に負荷に直列に挿入するだけだし,セラミックコンデンサみたいに小さな部品なので実装上も簡単です。

ただ,これもヒューズの名前があるくせに電流を遮断してくれるわけじゃないのが問題で,▲の電流制限型同様,トリップ電流以上の電流が流れない,と言うだけの素子ですし,その上,トリップ電流を上回ったら直ちにトリップするものじゃなく,実際にトリップするまでに電流差と時間差があり,実際に動作する電流はもっと大きいですし,時間的にも高速で電流制限してくれるものではありません。それにしばらくすると勝手に復帰しちゃってまた過電流が流れる,と言う問題があります。 

ということで,いったん過電流を検知したら回路をしゃ断して,完全に電流が0になるようにする回路,というのは結構難しいのです。

そこで,KATOのKC-1はサイリスタを使った凝った回路になっていて,過電流を検知するとリセットボタンを押さない限り,電流が二度と流れないようになっています。

本来,鉄道模型の過電流制限にはこういう回路が必要だと思いますので,今回,取り組んでみます。

しかし,KATOの原設計の回路は非常に複雑だし,いまどきサイリスタを使うのもなんだよな~という気がするので,もっと簡単な回路にしたいと思います。

今回,▲の電流制限型回路に使われているのと同様,抵抗で電流を検知して,R-Sフリップフロップでその状態を保持するようにしました。 過電流が流れるとQ3がonし,R-Sフリップフロップをセットして,そのQ出力が high となります。こうなるとQ2がonしますので,制御FET Q1のゲート電位をほぼ0にして制御FETがカットオフします。リセットするにはR-Sフリップフロップのリセット端子を high にすればよいのです。ちょっと複雑に見えますけど,かなり簡単な回路だと思います。

と言う次第で,出力部の回路は次の通りとしました。

R-Sフリップフロップ過電流保護回路3.jpg  出力部および保護回路 

KATOのKC-1の回路では出力段はPNP Trを使っていて,出力もエミッタから取っていますが,今回,もっと一般的なNチャンネルのMOS-FETを使うことにし,出力もドレインから取ることにします。マイコンを使った回路ではこちらの方が便利ですし,最近のパワーパックはこのようになっていると思います。iruchanも前回作った,LEDライトの調光器で採用しました。MOS-FETを使うと非常に高速だし,何より損失が小さく,放熱器が不要となることも期待できそうです。

なお,CD4043のS入力にパラに入っているコンデンサ(0.1μF程度)はノイズによる誤動作防止用です。これがないと頻繁に誤動作しますし,リセットもできなくなりますのでご注意ください。特に,電源投入直後に保護回路が動作して,起動するたびにリセットSWを押さなきゃいけない,というコントローラはこのノイズ対策がないものです。 

EKI04047, 2SK2382, 2SK2412.jpg MOS-FET

  左からEKI04047(サンケン), 2SK2382(東芝), 2SK2412(NEC) 

いずれも秋月電子で売られているものです。今回,使用したのは右のNEC 2SK2412です。

VDS(V) ID(A) PD(W) VGS-th(V) RDSon(mΩ) Ciss(pF)

EKI04047 40 80 90 2.0  4.1 2410

2SK2382 200 15 45 1.5~3.5 130 2000

2SK2412 60 20 30 1.6 50 860

2SK2412はゲートしきい値電圧 VGS_th が小さく,2Vくらいで on します。MOS-FETは VGS_th が大きいのが多く,4Vくらいになるものありますし,外国製だともっと高いです。TL494はVccに9Vをかけますので出力電圧が高くていいですが,TTLやPICを使うと5~3Vほどなので,下手すると on しないMOS-FETもあるので,VGS_th の小さなMOS-FETを使う必要があります。また,2SK2412は入力容量 Ciss が小さく,860pFほどなのもいいです。

最近は小さくても100A程度の大電流が流せるMOS-FETが発売されていますが,Ciss が2000pFを超えるものが多いので困ったものです。 iruchanはオーディオマニアなんですけど,入力容量はローパスフィルタとして作用しますから,これは小さい方がいいに決まっています。真空管やバイポーラTrはごく小さな値ですからね。だから,2000pFなんてiruchanにとっちゃ,天文学的数字なんですけど......。

いくらMOS-FETはスイッチング速度が速いといってもこんなに入力容量が大きいと溜まった電荷を抜くスピードを速くしないとスイッチングが遅くなっちゃいますので,ドライブ回路の工夫が必要になります。2SK2412 は20年ほど前の開発なので,Ciss は小さいのですが,その代わり,あまり大電流は流せません。

ドライブ電圧はKC-1はμPC494Cのコレクタ出力C1,C2から取っていて,出力のTrもPNP Trを使っていますが,E1,E2から取ることにしました。 こうすれば,出力段はMOS-FETのドレイン出力にできます。2SD560などのNPNのダーリントンTrを使うことも可能です。むしろ,バイポーラTrの方が入力容量ははるかに小さいので,先ほどの問題は生じません。

また,KC-1は高周波,低周波でそれぞれ別々の出力回路を持っていますが,PWM信号をOR回路で和を取れば1個の出力回路で済みますので,そうしました。といって,わざわざ74LS32などのOR回路を使うのはスペース的にもったいないので,単にDiと抵抗のネットワークにしました。 

保護回路はR-SフリップフロップCD4043を使いました。TTLだと7402NORゲートを使ったICで配線しないと作れませんが,C-MOSには最初からR-Sフリップフロップがあるので便利です。それに,#4000シリーズのC-MOSは電源電圧が3~15Vと広いので,TTLのように5Vの3端子レギュレータが不要です。今回,直接,12Vで動作させています。#4000シリーズの開発は真空管の雄RCAですが,非常に便利なICを作ってくれたものだと感心します。

なお,TTLのR-Sフリップフロップというのは7400NANDゲートでも作れますが,この場合は負論理となり,論理が反転しちゃいますので,今回の回路には使えません。 

KATO KC-1 iruchan mod. simulation circuit.jpg 

     KATO KC-1iruchan改シミュレーション回路

低周波パルスのデューティを最大100%にするのはかなり苦労しましたが,DTCとFBを接続すると可能であることがわかりました。

KATO KC-1 iruchan mod. 波形.jpg t=0 sec.からの波形です。 

高周波パルスの立ち上がりは遅く,ゆっくりと立ち上がります。といって,ほんの数msec. の間のことなので,人間の目にはわかりませんけどね。 

KC-1同様,高周波パルスとのミックスになっています。また,高周波と低周波パルスの波高値をできるだけそろえました。

KATO KC-1 mod. test.jpg 完成した基板。

基板も作りました。ちょっと長くなっちゃいましたので,工作についてはまた次回です。どうも申し訳ありません。 

テスト出力波形.jpg 出力波形です。

ちゃんと高周波と低周波の2波PWMとなっています。使用しているアダプタが9V出力のものなので,パルスのピーク値も9Vくらいになっています。


コアレスモータ対応鉄道模型用コントローラの開発~その1~ [模型]

2017年1月21日の日記

3年前の年末,KATOからD51がリニューアル発売され,iruchanもギースルエジェクター装備機を購入しました。

門デフ同様,ギースルエジェクターはとてもかっこよいし,何より北海道用の機関車なのでキャブは乗務員扉がついているし,スノープラウもいかめしくてなかなかいいスタイルをしていて,お気に入りの機関車になりました。

また,動力の性能も素晴らしく,低速からスムーズに起動するのは感動的です。

ただ,少し困った問題に気づきました。

iruchanはPWM式のコントローラを昔から自作していますが,PWM式のコントローラを使って低いデューティでパルスを出力すると,モータが回転しない状態で前照灯が点灯する,いわゆる常点灯を実現することができます。

このとき,うまくやらないと反対側の前照灯や尾灯まで点灯してしまうので,iruchanはスナバ回路を考案していつも改造しています。この回路を使うと,無事に所定の向きの前照灯のみ点灯させることができます。

ところが,このKATOのギースル機は前照灯が点灯すると同時に機関車が起動してしまい,停車中に前照灯を点灯させることができませんでした。詳しい改造状況は前回のブログをご参照ください。

原因は使用されているコアレスモータのせいだと思います。

コアレスモータは従来,星形の鉄芯を用いて,その出っ張った凸極にコイルを巻いていたのをやめて,コイルをハニカム巻きにしてコイル自体を回転子としたもので,鉄芯(コア)がないのでコアレスモータと呼ばれます。

回転子がコイルと軸だけなので非常に軽くて機械的な時定数が小さい上,普通のモータはフェライト磁石を使っていますが,コアレスモータは磁力の強い希土類磁石を使うため高磁束密度となり,きわめてハイトルクです。また,凸極の部分は磁石に吸いつくし,谷間(スロット)の部分はトルクを生じないのでどうしてもコアつきモータはカクカクと動きます。軸を手で回してもそういう抵抗を感じますよね。コアレスモータはトルクムラが非常に小さく,ブラシ付DCモータとしては最高の性能を持つモータです。

それにコアつきモータの場合は界磁は回転子の外側に配置するのに,コアレスモータは回転子の内側に配置するのでサイズも小さく,鉄道模型にはぴったりだと思います。もっとも,外側界磁のコアレスモータというのも存在しますが,それじゃ回転子の内側ががらんどうになっちゃってスペースがムダなので,省スペース化を図るため内側界磁にしているので小型になる,という理由もありますけど.....。

まあ,こうやって書くといいことばかりなんですけど,何より最大の問題はコスト。巻線構造が複雑なのと,希土類磁石が高いので,今までは鉄道模型に使用することは考えられませんでした。

ところが,近年はスマホの普及などで小型のコアレスモータが大量生産されるようになり,コスト低減も進んで,徐々に鉄道模型にも使用されるようになってきています。特に蒸機ではいままで,日本の蒸機のボイラが細すぎることも相まってキャブ部分にモータを収納せざるを得ず,さらにはキャブをはみ出して炭水車ギリギリにおしりが来る,なんてのが普通で,いったい,乗務員はどこに乗るんだ? と言いたくなるような状態でしたけど,KATOの新D51では見事にボイラ内にモータが収まっており,キャブ内に焚火口や圧力計などのディティールまで施してあります。

と言う次第で,いいことばかりなんですけど,iruchanを含めて模型屋にはちょっと困った事象が出ています。

それが,常点灯に対応しない,と言う問題です。モータがハイトルクになったのはいいのですが,少しでもコントローラからパルスが出力されるとモータが回転してしまうようです。また,このせいで少々,ラピッドスタート気味で,超低速状態で走行させると言うことが難しくなっているようにも思われます。

でも,前回,常点灯については少し,解決策がありました。

実は,iruchanは201系電車のファンなので,201系用のPWM式コントローラを300Hz/20kHzでスイッチング周波数切替式で作ってあり,201系を運転するときは300Hzで運転して,実車同様のチョッパ音を楽しんでいます....(^^;)。

結構,これ,笑っちゃうんですよね。本物そっくりにプーッという音を出して201系が走ります....!!

で,前回のKATO D51ギースル機ではスイッチング周波数を300Hzにしたら,前照灯が点灯している状態で停止することができたので,それでよいと思いました。

ただ,猛烈にモータが唸ります。まあ,機関車のスピードが上がってくるとうなり音が止まりますけどね....。それに蒸機なのにチョッパ電車みたいな音を出して走る,と言うのも何だかな~という感じです。なんとか,常点灯にも対応して静かに発車できるようにしたいと思いました。

でも,これ,難しいんですね。しばらく研究してみたいと思いました。いずれ,電車にもコアレスモータが使われるようになると思いますしね。今のうちにコアレスモータ対応のコントローラを開発しておきたいと思います。

まずは,PWM式コントローラのスイッチング周波数について検討してみます。

一般に,スイッチング時の電磁音を聞こえないようにするため,DCモータの制御用のPWM制御コントローラではスイッチング周波数を人間の可聴帯域外にすることが普通です。実際,KATOやTomixのPWM式コントローラは20kHzくらいの周波数でスイッチングしています。

iruchanは最初,10kHzで作っていました。多少,ピーッという音がするんですけど,気にならないくらいですし,むしろ,レイアウトの途中で機関車が停車した場合,導通不良でそこに電気が来ているか,来ていないかを判断することもできたので,10kHzでもよいと思っていました。機関車が停車してもピーッという音がしていれば,原因は軌道ではなく,機関車だとわかりますからね。

でもやはりピーッという音がするのも何だなぁ,と言うことで最近は20kHzで設計しています。ついでに300Hz切替もできるようにしていますけどね。

一方,純粋に電気的な性能で考えるとスイッチング周波数は高い方がよく,損失も低下しますし,実際,PWM制御の教科書にもそのように書いてあります。

えぇ~~っ,そうなの? という感じでした。むしろ,iruchanは低周波のスイッチングの方が今まで,損失は少ないと思っていました。高周波だとスイッチング回路の応答特性が悪くなってきて,損失が増えてくるはずです。スイッチング周波数を20kHzなんかにするのは,音のせいだけじゃない,と思っていました。

と思ったのですが,一度,Spiceでシミュレーションして調べてみました。モータは20Ωの抵抗と1mHのインダクタンスで模擬しています。

PWM simulation circuit.jpg シミュレーション回路

今まで,ずっとiruchanが作ってきたPWM式コントローラの基本回路です。タイマIC555で三角波を作り,コンパレータで基準電圧と比較してPWM波を作っています。

20kHz(duty=11%、1mH).jpg 20kHzのとき

300Hz(duty=11%).jpg 300Hzのとき

同じ低いデューティで比較してみます。

モータの電流にご注目ください。fs=20kHzのときはモータ電流は三角波みたいになっていますが,連続しています。一方,300Hzだとパルスの幅だけ電流が流れていていて,制御Trがoffのときは電流が流れていません。

これですね,モータが唸る原因は。制御Trがonしているときだけモータの電流が流れ,offの時はモータの電流は0となっています。つまり,回転と停止をきわめて短時間に繰り返している状態で,それでモータが振動して音が出ます。よく,PWM制御というのはON-OFF制御をきわめて高速でやっている,と説明することが多いですけど(iruchanもそんな説明をしていました。どうもすみません),実は間違いで,高周波でスイッチングするとモータを流れる電流は連続していて切れ目がありません。もっとも,低周波でスイッチングしてもデューティが高くなってくると電流は切れなくなります。300Hzで模型を運転していて高速になるとモータが静かになる,というのはこのためです。

PWM循環電流.jpg モータの循環電流

  → の実線の時が制御TrなりFETがonの時で,点線の時はoffの時です。

スイッチング周波数が20kHzのときはモータのインダクタンス分で逆起電力が発生し,フリーホイールDi(FWD)を介して電流が逆流してモータの電流は切れていません。

このダイオードは結構重要で,今まで,直流用のスナバ回路の一種だと思っていましたし,実際,そうなんですけど,モータを負荷にした場合はモータの電流を切らない,という重要な役割もあるのですね。ただ,iruchanはTomixの5001パワーユニットをPWM化していますが,これに使ったHブリッジドライバは機能上,FWDをつけることができません。モータを流れる電流が逆転するので,ダイオードは両方向につけないといけないのですが,そうするとモータを短絡することになっちゃうからです。Hブリッジはマイコンでモータの正逆転を制御できるので広く使われますが,これもどちらかと言えば高めのデューティ固定で使われ,この電流が切れない領域で使用されることが多いと思います。

この電流を循環電流と言います。なんか,昔は還流電流と言った気もしますけどね....。

PWM制御の教科書を読むと,この循環電流が切れない領域でモータを制御するのがよい状態で,このとき,モータは静かに回転します。一方,この循環電流が切れてしまうとモータは発停を繰り返すため,振動してしまいます。こういう領域でモータを使用しない,というのがPWM制御方式の条件のようです。

スイッチング周波数が低いとこの循環電流が切れてしまう領域が広いので,スイッチング周波数は高い方がよいのです。

とはいえ,鉄道模型はデューティが0%から起動しますし,ごく低いデューティで低速運転することも多く,循環電流が切れる領域を使うのは当たり前だと思います。工作機械や自動車用のモータなんかだったらある程度,一定の速度で使用するから循環電流が切れない領域で使えるんでしょうけど,鉄道模型はそういうわけにはいきません。

次に,モータ電流の値を見てみると,スイッチング周波数が300Hzのときはモータを流れる平均電流は20kHzの時の倍くらいですし,ピーク電流に至っては10倍くらい大きな値となっています。トルクはモータ電流に比例しますので,つまり,同じデューティではスイッチング周波数が低いほどモータのトルクが大きい,と言うことがわかります。

また,損失についても,Spiceは回路の損失を計算してくれますので,こちらもシミュレーションしてみました。

損失(duty30%).jpgモータと制御Trの損失

出力のパルスのデューティは33%くらいでシミュレーションした結果です。555ICはR1とR2で周波数を可変できますが,同時にデューティも変わっちゃうので,デューティのグラフは少し変化します。

やはり高周波ほどモータの損失は小さくなり,低周波のPWMはよくないことがわかります。100HzくらいでPWM制御すると最大損失は2W近くまで上がっちゃいます。このまま走行させるとモータが発熱してきます。

もっとも,今回のシミュレーションはモータの逆起電力を考慮していない結果なので,実際の走行状態ではもっと損失は小さくなるのでそんなに大きな問題ではないと思います。ただ,うっかり脱線したりして機関車が停車した状態で放置するとこの熱が発生しますので,脱線したらすぐにボリウムは絞る必要があります。

それにしても,スイッチング周波数が20kHzというのは根拠がある数値,と言うことがわかりますね。

でも,なぜか,一度,損失が20kHzくらいを底にして上がってきたり,また急激に下がっちゃう理由がわかりませんけど。

ただ,iruchanの設計した回路では50kHzくらいが限度で,ここまでスイッチング周波数を上げちゃうとパルスの波形が崩れてしまいました。

コアレスモータのメーカのホームページなどを見ると100~200kHzくらいでスイッチングするのがよい,なんて書いてあるところもありますけど,そんな高い周波数で方形波を扱うのは困難です。iruchanの回路だと全く無理で,三角波の発振は555だと日本無線のNJM555の規格表を見ても発振周波数が100kHzまでのグラフしか出ていなくて,無理そうです。コンパレータももっと高速のコンパレータを使わないといけません。制御TrもfTの高いものが必要ですし,MOS-FETを使うと高速スイッチングができますけど,入力容量が大きいため,ドライバ回路の工夫が必要です。

iruchanはオーディオマニアなのでわかりますけど,方形波は10倍以上の周波数領域が必要なので,仮に100kHzでスイッチングすると考えると1MHzくらいまで応答性能が必要です。これはちょっと難しい話です。

と言う次第で,100kHzを超えるPWMコントローラは自作は難しそうです。一度,やってみたい気はしますけどね。

それで,コアレスモータの場合はどうなるか,考えてみます。

コアレスモータはインダクタンスが小さいことが特徴です。インダクタンス分を仮に1/5としてみるとこんな感じです。

20kHz(duty=11%、0.2mH).jpg インダクタンスが小さいとき

やはりスイッチング周波数20kHzの時でも,モータのインダクタンスが小さくなると循環電流が切れる領域となってしまいます。

一方,電流値の方は平均電流は1.2倍,ピーク電流は4倍になっていて,インダクタンスが小さい方がトルクは大きい,と言うことがわかります。コアレスモータがハイトルクなのはインダクタンスが小さいことにも起因しているようです。

そんな解析結果ですが,どうも300Hzの方がハイトルクだし,モータが唸ることをのぞけばコアレスモータの制御に適している感じがします。

また,LEDが点灯しているのに,機関車が起動しないのは回転子が微妙に動いてもスイッチング周波数が低いと電流の休止期間が長いため,すぐに停止してしまうため,と考えられます。

こう考えてくると,コアレスモータ式鉄道模型のPWM制御は低周波のスイッチングの方がよさそうです。あとはどうやってモータが唸るのを抑えるか,なんですけどね......。

ということで,ひとつの対策としてはPWMの代わりにPFMを使う,と言うのが考えられます。

PFMとはPWMがパルス幅変調(pulse width modulation)なのに対し,パルス周波数変調(pulse frequency modulation)の略で,要はパルスの幅は一定値で固定して,offの期間を可変して制御するものです。見方を変えると周波数を変化させるのでPFM,と言うわけです。

具体的にはたとえば,パルスの幅を300Hzと同じ,3.33msec. 固定とし,休止期間を∞~0 sec.としてやればPFMができます。実際には休止期間が無限大だとボリウムが作れませんし,ある程度,休止期間を小さくしてやらないとボリウムを右にいっぱい回した状態でモータが回る,と言うことになっちゃうので,実験で最大休止期間を決めないといけません。まあ,1sec.くらいのものか,と思いますけど。

応用例としては,スイッチング電源の制御方法で,低いデューティの時はPFMの方が有利で,スイッチング電源のコントローラICには最初,起動時はPFMでスタートし,後でPWMに移行する,というICが増えてきています。

PWM原理.jpg PWMの原理。パルス周期が固定です。

PFM原理.jpg PFMの原理。パルス幅が固定です。

いずれ,iruchanもPFM式のコントローラを作ってみたいと思っていますが,これがひとつの解決策かもしれません。もっとも,やってみないことにはうまくいくかどうかわからないので,なんとも言えないんですけど。

もう一つはPWMで,低周波と高周波の2つのPWMコントローラを組み合わせる,と言うやり方だと思います。低周波をモータ制御に使い,高周波を前照灯&室内灯の制御に使うわけです。低周波パルスの間隙に高周波のパルスが出ているので,循環電流が切れる領域を小さくすることができるはずです。

これって......,もしかしてKATOのKC-1と同じじゃない?

と思われた方も多いと思います。そうです,実際,KATOのKC-1はこういうパワーパックでした。それに,今でも超低速はKC-1がよいと思っている方が多いようで,某掲示板にもそう書き込みがあります。また,コアレスモータとの相性もよい,という情報も耳にします。

と言う次第で,iruchanはKATOのKC-1を研究することとしました。続きはまたその2で。


KATO EF70 1000番台入線 [模型]

2016年12月10日の日記

EF70 1007.jpg 整備後の姿です。 

今日は久しぶりに模型ネタです........(^^;)。

KATOのEF70 1000番台をようやく入手しました。本当は10月に発売になっているんですけど,うっかり予約を忘れてしまい,Joshin webを見てみたら在庫切れになっていて,ちょっとあわてました。

まあ,KATOの製品だし,十分な数量を作ってあるはずですから,すぐに市場から消えてしまうとは考えにくいので,地元のJoshinの実体店? で取り寄せをお願いしてゲットできました。webの方は何のことはない,一時的に品切れだけだっただけで,今も在庫はあるようです。

EF70は地元の機関車だし,昔からなじみのある機関車なので何台も持っています。KATOも最初の電機ですしね。

実物は北陸本線福井電化を控え,1961年から製造されました。

ここでいつも話題になるのはED74ですね。

北陸本線は敦賀がネックで,この街の出入りに急勾配のトンネルができてしまいます。有名な米原方の鳩原(はつはら)ループも複線化する際に新設する上り線を急勾配緩和のために1957年から建設がはじまって63年に完成したものですし,北陸トンネルも従来の杉津回りの旧本線の最急勾配25‰を緩和する目的で建設され,延長13kmと1962年の完成当時,日本最長でした。

しかし,緩和されたと言っても最急勾配11.5‰で,下り列車に対して延々11.4kmも勾配が続く片勾配のトンネルのため,従来のD形機では出力が不足するため,F形機としてEF70が計画されました。

iruchanは電気のエンジニアなのでわかりますが,モータの出力というのはもちろん,最高速度で決められるのですが,もう一つ,温度上昇でも決まります。 だから,ED74は国鉄の電機標準型のMT52形主電動機を使っていますが,D形機だとモータの温度上昇が375kwのMT52を上回ってしまうためF形機にした,と言うわけです。

実を言うとモータや変圧器など,電気機械は温度上昇を考えないと定格以上に大きな出力が出るもので,その点,エンジンとは異なります。モータの最大出力というのは温度上昇で決められ,1時間定格とか15分定格というのはこれらの時間の間に温度上昇が限度内に収まる,と言う意味です。

といって,北陸トンネルで問題になったのは11.5‰の勾配途中で1,000tの貨物を牽引し,2回引き出しをする,という条件だったようで,これは過酷な条件じゃない? という気もするのですが.....。 

ただ,今庄から先は北陸線はすでに勾配緩和されていた倶利伽羅峠を含めてほぼ糸魚川まで平坦であるため,福井以遠はED74で牽引することが考えられていました。蒸機時代も今庄まではD51なのに,そこから先はC57でしたよね。

もっとも,北陸線は重要な線区で,貨物列車も将来,1,100t牽引することが考えられていましたし,途中で機関車の付け替えをするよりも大出力の機関車で通し運転をした方がよいと考えられ,ED74の量産は6両で打ち切られました。 余剰となったED74は1968年には九州に異動となりますが,九州は客車はSG仕様のため,SGを搭載していないED74は20系客車&貨物専用となりましたが,6両じゃ面倒がられ,九州で活躍したのは5,6年という感じのようです。

う~ん,それにしても国鉄時代ってDD54とか1両しかないDE50とかそうですけど,こういうムダな投資をよくやっていますね~。

EF70 1000番台はご存じ,ヨンサントオの改正で特急 "日本海" が登場するため,20系固定客車用にもと空気だめ管の引通しや電磁弁用の引通し線を増設したものです。と言う次第で,新造ではなく,22号機から28号機の7両を改造したものです。

ブレーキは鉄道は列車分離時に,双方の車両に自動的にブレーキがかかるよう,自動ブレーキを長年使用していました。米国のウェスティングハウスが発明したものですね。それまで,列車分離して残った車両が暴走して事故となることが多かったのですが,これで解決できました。引通しもブレーキ管(BP)のみで済むので簡単でした。

ところが,自動ブレーキはブレーキ指令はブレーキ管の排気によって行いますが,どれだけ速くても音速より速くはできないため,200mくらいの列車だと最後尾の車両にブレーキがかかるまで1秒弱かかることになります。おまけに,客車や気動車などで,床下からシューと音がしたと思うとしばらくしてゴーッとブレーキがかかる音がしますけど,自動ブレーキはこのように,もともとブレーキ指令が来てもブレーキ弁(三動弁)が応答するのに1秒くらい時間がかかりますから,応答性が低いのです。それで各車両に排気用の電磁弁を設け,電気でブレーキを指令するようにし,さらに,ブレーキ距離を短縮するため増圧ブレーキを採用して,もと空気だめ管(MR)を追加したのが20系のCLE自動ブレーキです。 あと,応荷重装置なんかもついています。結局,ブレーキの指令線とMR管が追加になっちゃったわけですね。

まあ,自動ブレーキは応答速度が低いし,ブレーキの強弱はハンドル角度ではなく,ブレーキ弁を開けている時間に比例するため,操作性も悪いので電車ではより操作性のよい電磁直通ブレーキが採用されましたが,列車分離時にはノーブレーキとなってしまうため,自動ブレーキをバックアップとして持っています。

いまじゃ全電気指令ブレーキが主流になりましたので,列車分離時も電気で検知して非常ブレーキをかける仕組みになっていますけどね。 

こういった改造をした機関車がEF70の1000番台です。EF58もP型改造といって,CLEブレーキに対応していますね。EF65も500番台がそうです。 

その後,1974年には湖西線が開業し, "日本海" も湖西線まわりになるとEF81の方が効率がよく,1000番台も通常の仕業に就くようになります。1000番台だけではなく,田村~糸魚川間に運用が限られるEF70自体,余剰となって敦賀や田村に留置されていたのを思い出します。

そもそも,北陸線自体,なんで入口も出口も直流電化なのに交流電化したのか......新幹線開業の人身御供? のためだったようですが,ムダな投資だった気がします。いまじゃ,敦賀まで直流電化しているくらいですからね。もっとも,直流化の費用は車両代も含めて地元が全額負担したので,日本で一番古い交流電化設備を地元負担で交換できた1,000億円も経常利益があるのにビンボーを装っているどっかのJRさんはウハウハだったと思いますけど......。

また,とうとう,例の整備新幹線のおきまりで北陸本線も第3セクター化されていますが,交流区間しか運用がないのに3セク各社に521系が入っているのもムダな気がします。まあ,インバータ式になったので,交直流電車と言ってもそんなにムダじゃないのかもしれませんが。

残念ながらiruchanは地元だけれど,大阪に行くときなんか,途中の米原にいたEF58やEH10の方が興味があって,そっちばかり見ていました。北陸線を走る機関車はあまり興味がなく,EF70はよく覚えていますが,1000番台はあまりよく覚えていません。 ちょっと残念に思っています。

模型の方はすでにマイクロエースが発売していて,iruchanも持っています。でも,今回はKATOだし,純粋に日本製なのでとても楽しみにしていました。

さて,ようやくEF70を引き取ってきたのでさっそく,改造します。

いつもの通り,まずはスナバ回路の設置です。

スナバ回路はインダクタンス分を含む回路で電流を遮断するときなど,逆起電力を抑えるためのもので,iruchanがNゲージに応用することを思いついたものです。これを使うと,停車中にも前照灯が点灯する,いわゆる常点灯に対応します。ただ,残念ながらコントローラはPWM(パルス)式のものが必要なんですけど。 詳しくはこのブログをご参考にしてください。

まずはボディをばらします。乗務員扉近くでつまようじを使ってボディを広げるとうまくボディが外れます。

停車中に前照灯が点灯しない原因である,コンデンサをまずは撤去します。このコンデンサは低速時に反対側の前照灯が点灯しないように挿入されているものですが,これがあるため,停車中に点灯しなくなってしまいます。これを撤去し,その後,モータの端子間すなわちレールをまたぐようにスナバ回路を挿入します。

snubber circuit.jpg スナバ回路の設置状況

なお,いつも書いていますが,スナバ回路のCとRの値は,もちろんモータのインダクタンス分のほか,使用しているコントローラのスイッチング周波数によって変わりますので,毎回テストが必要です。今回,10Ω+0.47μFとしました。損失を考えると抵抗値はもっと大きくないとまずいのですが,今回は結構厄介で,なかなか反対側のLEDが消えませんでした。

昔は表面実装の部品も大きかったので途中にリード線はいらなかったのですが,最近のは小さいのでリード線でCとRをつなぎます。今回,ロジックICの配線なんかに使われるラッピングワイヤを使いました。絶縁被覆がありますし,使いやすいです。 

flux.jpg フラックスを塗ります。

表面実装(SMD)の抵抗とコンデンサをはんだづけするにはフラックスがあるときれいに行きます。普通,電子工作ではフラックスははんだの中に含まれているので使わないのですが,表面実装の部品の場合はフラックスを塗るのが常識だそうです。使っているフラックスは金属模型をはんだづけするときに使うものですが,うまくいきます。なお,フラックスを塗るとはんだがその部分までさーっと広がっちゃいますので,必要最小限の範囲にとどめてください。 

全点灯(スナバ回路なし).jpg スナバ回路なし

単に,左側の前照灯のすぐ後ろにあるコンデンサを撤去しただけでも常点灯になるのですが,この場合,▲のように反対側の前照灯も点灯しちゃいます。電車の場合は尾灯が点灯します。 

片側点灯(スナバ回路あり).jpg スナバ回路あり

スナバ回路をつけるとこのように,反対側のLEDは点灯しなくなります。スナバ回路を設置したら,必ずこのようにボディを外した状態でチェックしてください。

次はナックルカプラーを取り付けます。

実は,これ,非常にやりにくいんですけど,このようにボディを外してカプラーセットごと外しちゃうと楽です。スナバ回路を設置するのでボディを外すので,一緒にやっちゃいます。 

ナックルカプラー取付.jpg ナックルカプラー取付

KATOの電機に付属してくるナックルカプラーは毎回,首が長すぎて普通のナックルカプラーに取り替えていましたけど,今回は首が短いのでそのまま付属品を使いました。

ナックルカプラー取付1.jpg こんな感じです。

EF70 1007-1.jpg とてもいい感じです。

どうもデジカメのホワイトバランスが悪いのか,かなりオレンジ色になっちゃいましたが,実物はきれいな電球色です。もう少し明るいといいのですけどね.....。 といって,これを明るくするのは困難で,KATOの基板には電流制限用として560Ωの抵抗が載っていますが,これだとLEDの電流は20mAくらいになってほぼ最大定格だと思います。と言う次第で,この抵抗を小さくすることはできません。

EF70 1007-2.jpg サイドビュー

残念ながら,EF70の1000番台はiruchanの嫌いなH社しか製造していないため,製造銘板はH社のものがすでにプリントされています......orz。 

屋上機器.jpg 精密な屋上配管 

以前,KATOのEF81で屋上配管が金属線となり,なかなかディテールがアップしましたが,残念ながらパンタからの引出線だけプラのモールドだったため,金属線に交換していますが,今回はすべて金属線になっていて,非常に素晴らしいです。走行もKATOの動力は素晴らしく,低速からスムーズに起動します。さあ,次は "日本海" でも引っ張らせてみましょうか。 来年にはED70も発売されるようですし,楽しみです......(^^)。

 

おまけ

iruchanは先週まで,かやうなところに行つてをりました。

高岡大仏1.jpg ハンサムな高岡の大仏様

仕事で久しぶりに高岡へ行っておりました。

高岡は何度も来ていて,前回は5年前ですが,まだ大仏様を拝んだことがなく,仕事に行く前に拝んできました。日本で一番男前との評判の高い仏様です。1933年建立だそうですが,よく戦時中に供出されなかったな,と思います。朝日を浴びて神々しいお姿に感動しました。雪が降ったお姿も素晴らしいようなので,また雪が降ったらお参りしたいと思います。

瑞龍寺.jpg 国宝の山門

帰りは新高岡の駅まで歩いて行きました。Googleでは旧高岡? の駅から(旧白滝じゃないってば)1.6kmと出るのでまあ,30分も歩けば着きますね。途中で瑞龍寺にお参りしてきました。立派なお寺に驚き。仏殿,法堂,山門が国宝に指定されています。 

533D.jpg 氷見線533D

キハ40も貴重です。あまり旧国鉄色のものはないのですが,旧国鉄色のが来ました。

2091レ.jpg 2091レ

残念ながら,城端線・二塚までの貨物は廃止になってしまい,高岡発の貨物列車は氷見線の2往復だけになってしまいました。 

3095レ('16.12.3)s.jpg 3095レ

さすがに16:00過ぎの通過なのでもう夕日も沈みかけている時間ですけどね.....。青色の506号機が来ました。 


KATO D51北海道形ギースルエジェクター入線 [模型]

2016年4月19日の日記

D51 241.jpg 

一昨年11月にKATOからD51のシリーズがリニューアル発売されました。標準形,北海道形,東北形などあるうち1種がこの北海道形ギースルエジェクター装備車です。

ギースルエジェクターは煙突が進行方向に長くなっていて,断面は長円形になっているものです。横から見ると逆台形のようになっていて,とてもかっこよく,昔から九州の門デフ同様,大好きなやつでした。

wikipediaを見ると,オリジナルは1903年オーストリアに生まれたアドルフ・ギーズル=ギースリンゲン(Adolph Giesl-Gieslingen)が1951年に発明しました。煙突からの排気抵抗を抑えることによりボイラの通風が改善されるため,燃費は6~12%向上し,出力も20%増を期待できるとのことでした。彼はウィーン工科大で学んだあと,フローリッヅドルファー(Floridsdorfer Lokomotivfabrik)社に就職し,機関車の設計をしたようです。戦前,一時,米国に派遣されてニューヨーク・セントラル鉄道で働き,第2次世界大戦勃発前に帰国したのち,戦後は同社の技師長を務めたあと,母校で名誉教授を務めました。ニューヨークで結婚しているので,妻は米国人かもしれませんが,もしそうだとしたら大戦中は大変だったでしょう。ゲシュタポに監視されていたりしたんじゃないでしょうか。没年は1992年なので,つい最近まで生きていた人なんですね。

ギースルエジェクターは彼が発明した後,同国のシェーラー・ブレックマン(Schoeller-Bleckmann)社に独占使用権を与え,同社からライセンス供与されたようです。そのためか,オーストリア,東独,チェコスロヴァキアなど東欧圏ばかりじゃなく,英国やアフリカ,中国,日本などで使用されました。確か,ペンシルヴェニア鉄道とか米国でも使用例があったような気がしますが.....。

ただ,名称は日本ではごっちゃになっていて,ギーゼル,ギースル,ギーセル,ジーセル,ジーゼルなど,ごちゃごちゃです。Googleが賢いのでどれもうまく検索してくれるので助かりますけど.....。もとはドイツ語なのでギーズルが正しいかと思います。KATOはギースルと表記しています。 "s" はドイツ語では普通,ズと濁りますが,ミュンヘンなど南部ではスと濁らないらしいので,オーストリアも濁らないのでしょうか。電機メーカのSiemensも本来のドイツ語ならジーメンス(山本権兵衛が連座したジーメンス事件なんてありましたね)なのに本社がミュンヘンのせいか,それとも世界的には英語読みの方が通りがよいのか,シーメンスと名乗っています。

もっとも,英語圏ではジーズルと発音するんじゃないかと思います。dieselも英語ではディーズルと発音しますね。"きかんしゃトーマス" でも憎まれ役のdieselはディーズルと呼ばれていますね。 ただ,"きかんしゃトーマス" は最近,CGアニメになってからうちの子も見なくなっちゃいました。昔のストップモーションアニメの方がよかった。そういや最近は日本のD51みたいなヒロなんても出てますけどね。ミョーに口数が少なく,まじめなのはいいけどおとなしく目立たないのが気になりますけど......。まぁ,ちびで出っ歯で眼鏡かけていないだけマシ35かもしれませんけど.....(^^;)。

昔からとてもかっこよい煙突だし,好きな北海道の機関車なのでKATOから出ると聞いて速攻で予約しました。その割に1年も放っておいちゃったんですけどね~。ちょっと蒸機というといじるのが怖い,と言うのもありました。北海道の蒸機なので,キャブが密閉式になっていて,ちゃんと乗務員扉がついているのもかっこうよく,私は本州の機関車など,ここが扉がないのはかえって妙な感じがします。 

さて,例によって入線に伴い,わが機関車工場で整備します。

まずは停車中に前照灯が点灯しないのが気持ち悪いので常点灯のための改造をします。

まずは慎重にボディをばらしますが,本当に蒸機は繊細なので十分気をつけてやります。

分解.jpg デッキからばらします。

まずはキャブを外しちゃうのが簡単だと思います。キャブ部分を指で挟んで上に引っ張れば簡単に外れます。

次は,デッキ部分を挟んでゆっくりボディと走り装置を上下に離します。前位シリンダ部分に出っ張りがあって,そこにボディが引っかかっていますので,慎重にその引っかかりを外します。なお,▲の写真の反対側に逆転棒がキャブに差さっていますので,事前にピンセットで外しておいてください。

内部.jpg ようやくここまでばらせました。ホッ。

煙突部分のウェイトが前後ありますので,再組み立て時にはご注意ください。この写真の向きが正しいです。

前照灯基板'.jpg 前照灯基板です。

停車中に前照灯が点灯しないのは,前照灯のLEDにパラに入っているコンデンサが電流制限抵抗(KATOの場合は560Ω)とローパスフィルタを形成し,PWM式コントローラのパルス出力を平滑化してしまうのと,モータの性能が向上し,LEDの順方向電圧(3V程度)より低い電圧で起動してしまうからです。そのため,このコンデンサを撤去します。これを撤去するとPWMのパルスが瞬間的に12VフルにかかるのでLEDが点灯します。前照灯には透明な導光材が入っていますので,なくさないようにしてください。

なお,ここでいつもだとスナバ回路を挿入するのですが,さすがに基板が小さく,しかもフライホイールが邪魔するので基板を外しにくく,無理に外すとほかの部分を壊してしまいそうなのであきらめました。今回は炭水車にスナバ回路を組み込みます。 

点灯テスト.jpg 点灯テスト

さて,コンデンサを撤去したらボディを外した状態でレールに載せて点灯テストをします。ここで前照灯が点灯しないようならやり直しです。

さて,この次は炭水車を改造します。これにスナバ回路を組み込みますが,ついでに,炭水車側の前照灯を点灯させたいと思います。昔,やマイクロエースのC11E10でやっています。KATOのC11はもとから後位側の前照灯が点灯しますのでいいのですがマイクロエースは点灯しないので改造しています。

もっとも,C11やE10は後ろ向きに走ることが多いわけですし,E10なんて,そもそも石炭庫側が前位なので石炭庫側の前照灯が点灯しないのはおかしいくらいですが,D51だと入換時くらいしか点灯しないので必要はないと思います。

と言う次第ですが,一応,スナバ回路組み込みついでにやっちゃいます。普通だと簡単なんですが......。 

端梁.jpg 台車端梁から外します

結構,このD51の炭水車のばらしは大変です。うっかり,台車を思い切り引っ張って外す,と言うことをしないようにしてください。床下はATS車上子まで表現されていて驚きます。

KATOの説明書を見ると,台車前後の端梁を先に外すと,台車を前後方向にずらして外せるようになっているようです。

と言う次第で,先に▲の写真のように台車端梁をピンセットで外したあと,台車を前後にずらして外します。

ナックルカプラー.jpg ナックルカプラーをつけました。

こうしてようやくナックルカプラーに交換できます。結構ここまで来るのに苦労します。台枠部分を外すと集電板が見えます。

炭水車前照灯.jpg  スナバ回路とLEDを組み込みます。

炭水車内部のスペースは結構ありますので,アキシャルリードタイプの部品でOKです。ボディにある梁の部分にφ0.8mmのドリルで穴を開け,そこからリード線を通して集電板にはんだづけしました。回路は▼の通りとなります。ウェイトが導体なのでショートしないよう,絶縁テープを貼っておきました。

kato D51 ギースルエジェクター炭水車回路.jpg炭水車の回路です。

なお,実は非常にうっかりして,LEDの保護用のシリコンDiを入れ忘れてしまいました。本当は入れておかないとヤバいです。ただ,こんなこと設計者が言ってはいけませんが,実を言うと,なくても大体問題ありません。ただ,LEDの逆耐圧をオーバーしちゃっていますので,出力電圧が12Vを超える昔のパワーパックなどをお使いの場合は必ず入れてください。私のはスイッチング電源使用なので12Vを超えることはありませんが,昔のはトランス式で非安定化電源となっていると無負荷時は15V以上となっていますのでご注意ください。

さて,あとはナンバーを入れて完成です。 

ギースルエジェクタの装備車の車番についてはsuzuran6さんのブログを参考にさせていただきました。さすが北海道ご出身なだけあって,とても詳細な記録があります。モノクロームのすごい写真もあります。ぜひご覧ください。

番号は追分機関区の241号にしました。追分機関区だから室蘭本線や夕張線の運用が主体だったでしょう。 本当はたまねぎ列車を追いかけているので,常紋越えのD51にしたかったですが,石北本線での運用があったかどうだか.....。旭川機関区や遠軽機関区にギースル機はいなかったようです。 

D51 241-1.jpg  無事に完成しました。

なお,補助灯まで点灯させることは可能ですが,補助灯は通常は点灯しないのが正規なので放置プレイです。交流電化区間では前照灯の電球が切れたとき,乗務員が架線下で電球を交換するのは危険なため,そのときは補助灯をつけて運転することになっています。だから両方とも点灯させるのはおかしいのです。とはいえ,私も補助灯は北海道では吹雪のため前が見にくいのでついているのだとずっと思っていました。そういえば,常磐線のC62など,北海道以外でも補助灯のついている蒸機は多いですね。 

D51 241-3.jpg 炭水車側も点灯します......(^^)。

ただ,それにしても今回のD51に採用されたコアレスモータはすごい!!!

普通のモータ(有鉄芯モータとかコアモータと言いますが,昔はこんなこと言わなかったと思います。そもそもこれしかなかったので)は断面が星形になった鉄芯の凸部に電線を巻いてコイルにするのですが,コアがあるとコアの間の溝(スロットと言います)はトルクを生じないので,どうしてもトルクにムラができます。鉄道模型用には3スロットや5スロットのものが使われ,KATOのも昔は3スロットでしたが,ずいぶん前に5スロットになっています。スロットが多いほど低回転となり,安定して走行します。トルクムラを減らすため,スロットを若干,ねじって斜めにしてあるものもあり,スキュー巻きと言いますが,スロットがある以上,トルクムラは避けられません。これを改良したのが,スロットレスモータと呼ばれるもので,これは鉄芯の断面が円形になっていてその上にコイルを巻いてあります。

ただ,これでもどうしても鉄芯の慣性モーメントが残り,応答性が悪いのでさらに改良して鉄芯がなく,単にコイルのみとしてしまったのがコアレスモータです。さすがにコイルは宙を浮いているわけにはいかないので,コイル自体はカップみたいな形状になっていて,樹脂で固められ,シャフトに固定されています。界磁となる磁石は普通は回転子の外に取りつけられていますが,コアレスモータの場合,内側にある場合が多く,モータを小型にできます。もっとも,サイズに限度があるため,サマリウムコバルトやネオジムなど希土類磁石を使うことが多いです。そのため,トルクもとても強力です。

コアレスモータ.jpg 評判のコアレスモータです。他にも使用されるといいですね! 

詳しい内部構造はシチズンマイクロさんのWEBがわかりやすいと思います。 HOゲージなどでは12V用のを購入して載せ替えている人もいらっしゃるかと思いますが,何せコスト高なのでメーカ製品,特にNゲージでは採用は難しかったのだと思います。 HOだと多少高くても売れますからね~。

もっとも,携帯電話のバイブレータ用に大量に生産されるようになり,量産効果で安くなってきているようです。そういえば,トロイダルトランスなんて昔は手が出ませんでしたが,最近はEIコアやRコアのものより安いくらいで,私もよく使います。エアコンや冷蔵庫もインバータ式になって久しいですが,これも従来のコンデンサ始動式のON-OFF制御のタイプより安く作れるからのようです。 

それに,コアレスモータは鉄芯がない分,当然のことながら小型にできるので,普通,Nゲージの蒸機と言えば,キャブからモータがはみ出しておしりが見えている,と言うのが普通でしたが,KATOのこのコアレスモータはボディ内部に収まり,圧力計や焚火口などもちゃんと表現されています。 

焚火口.jpg運転台です。すごい!! 

それだけでも驚きなんですが,もっと驚きなのはやはりその性能!! 噂は聞いていましたが,あまりにも低速からスムーズに動くのと,低いデューティから発進するのにびっくりです。なんと,常点灯にすら対応しないのです。コントローラのツマミをほんのちょっと動かしただけで機関車が動いちゃいますから。まあ,常点灯対応の回路にしたので起動と同時に前照灯も点灯するので買ったままの状態に比べればずいぶんとましなのですが....。

とはいえ,やはり停車中に前照灯が点灯しないと写真が撮れないし,駅に停まっているときに前照灯が消えているのは嫌なので,デューティの低い部分だけ微妙に変化できるようなコントローラに改造しようかなとか思ったらいるちゃん現用のTomix5001パワーユニット改PWM式コントローラには大好きな201系運転用に300Hzに変更できるようにしてありますので,300Hzにしたら見事に停止しました。普段は20kHzで運転してます。どうも何でかよくわかりませんが,スイッチング周波数が低い方がよいようです。

ただ,やはりきわめて低いデューティでの状態なので,プーッと猛烈にモータがうなります。おまえはチョッパ式機関車かよって......(^^;)。 

もちろん,デューティが上がってきてモータが回転するとこの音は小さくなりますけどね。 

それにしても動力性能はもちろんですが,ボディのディテールもすごい!。まるで工芸品のような出来で,お世辞じゃなくNゲージの最高傑作だと思います。 


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KATO ED76 500番台入線 [模型]

2016年4月9日の日記

試運転2.jpg 整備後の姿です。 

KATOから昨年10月,ED76 500番台と50系51形客車が発売されました。北海道の旅客列車用のセットですね。北海道ファンの私としては必須アイテムです。どちらも好きな車両なので速攻でゲットしました。

さて,今週はED76を整備します。

1968年8月28日の函館本線・小樽~滝川間電化に向けて製造され,501~522の22両が製造されています。実質的にED75 501が試作機ですが,ED75 501は新幹線の200系のようなフル位相制御なのに,ED76 500は低圧タップ切替+タップ間位相制御となっていますので,かなり異なります。また,九州用のED76は制御方式がED75同様の磁気増幅器ですが,500番台はこのようにサイリスタ位相制御となっているため,整流器も0番台がシリコン整流器なのに対し,500番台はサイリスタを使っているなどかなり異なるのに九州用のED76の続きとされ,500番台を名乗っています。

本来なら新形式を名乗るべきだったと思いますが,当時は新形式導入の際は組合との事前協議が必要なため,番台区分の変更と言うことでお茶を濁したのだと思います。EF64の1000番台なんかもそうですね。 

デザインも0番台と全く異なり,0番台が非貫通なのに500番台は貫通扉がついています。同じく客車用なのでSGを搭載するため,普通のD形機より長いのですが,500番台はさらに1mも長く18.4mもあり,わが北陸のEF70(16.75m)より長いんですね。模型を買ってびっくりしました。そもそも北海道も九州も交流電化区間なので北陸線みたいにEG(電暖)でよかったと思いますが,客車は非電化線区へ乗り入れる都合上,SGの装備が必要だったようです。でも,札幌から延々と釧路までとか,函館までとか,長距離の普通列車は当時は普通だったでしょうけど,今じゃありません。非電化区間に乗り入れできる,と鳴り物入りで開発されたキハ201系も結局,小樽以遠に乗り入れるのは3往復だけ,と言う現状ですしね。電化したのに客車,と言うのもどうか,という気が当時でもしていました。どうにも昔から北海道向けの車両というとちぐはぐな印象を受けます。本州に泣く泣く出戻った485系1500番台というのもありましたね.....。

それに,北海道の電化区間が短いのも気になりますね。国鉄は第2期で千歳線経由東室蘭までと,未だに非電化の室蘭本線の岩見沢~沼ノ端間の電化を計画し,第3期で函館本線の海線経由函館までの電化を計画していました。これが実現していたらいろんな意味でずいぶんと変わっていたのではないかと思います。札幌ターミナルまでの貨物列車なら電気機関車だけでOKですし,"北斗" も電車化されていたらもっと速く走れるでしょう。経営的にも電気運転だったらずいぶんとコスト削減できたはずです。新幹線もできますから,この区間が電化されることは永遠にないと思います。

さて,ED76 500番台はED75の700番台同様,当然ですが北海道用と言うことで耐寒・耐雪構造となっており,前面もつららきりのついたいかめしい顔立ちになっています。ABBや避雷器など屋根上機器も極力,車体内に納められており,普通の交流機関車のような賑やかな屋根になっていません。

私はどうもEF60以降の国鉄F形機で非貫通タイプの顔がどうも好きではなく,パノラミックウィンドウが幅が長すぎて間が抜けている感じがして,貫通タイプの方が好きです。ED76 500番台はなかなかいい顔をしていると思います。 

と言う次第ですが,実車も写真を撮っているはず,と思ったのですが,見つかりませんでした。今は高架となって大丸百貨店があるすぐ横の札幌駅西側の踏切でED76牽引の50系客車の通過を待っていた記憶があるのですけど.....。ありふれた顔の機関車だし,当時は興味なかったのだと思います。

さて,今日は模型の整備をしました。

まずはボディを外しておきまりのスナバ回路を挿入します。

内部.jpg 内部です。 

スナバ回路は,常点灯と言われる,停車中に前照灯を点灯させるために必要な回路で,これがないと反対側の前照灯も点灯してしまうための対策として思いついたもので,結構うまくいきます。詳しい解説については,この記事をご覧ください。

スナバ回路というのはインダクタンスを含む回路中に生じる逆起電力を吸収するための回路で,インバータやリレーのスイッチング回路などで使用されます。特に,インバータやチョッパなど,パルスを発生させる回路ではスナバ回路がないとうまく電流を切れないため,必須でした。もっとも,スナバ損失という熱が発生しますし,大電力回路では使用するコンデンサや抵抗の大きさもバカにならないため,最近ではスナバレス回路となっているのが普通となっています。

オリジナル基板1.jpg オリジナルの状態の基板です。

ここで,問題になるのが左側のLEDの後ろに入っているコンデンサです。これも逆起電力の吸収用ですが,挿入されている回路中の位置が悪く,これがあると停車中に前照灯が点灯しません。

スナバ回路組み込み基板.jpg スナバ回路組み込み後

そこで,このコンデンサを撤去すると停車中にも点灯するようになりますが,困ったことにモータのインダクタンス分から生じる逆起電力により両側のLEDが点灯してしまいます。

これを解決するのが私の考案したスナバ回路です。モータとパラ(つまり2つのレールを接続する形で)にCとRを接続します。Cの値は0.1~1μF,Rの値は20~100Ωくらいですが,使用するモータやコントローラの周波数などにより最適値は異なりますので,実験により決定する必要があります。

最近はチップ部品が小さくなり,スナバ回路を挿入するのも一苦労です。もう少し大きいと楽なんですけどね.....。CとRの間にリード線を入れないとうまく接続できません。

なお,LEDの電流制限抵抗はKATOのオリジナルだと560Ωとなっていますが,これだとLEDの定格電流が普通20mAくらいなのでぎりぎりです。それにこの値だとPWM式のコントローラでは明るすぎると思います。それでいつも1kΩに変更しています。 

フラックス.jpg 事前にフラックスを塗っておきます。

なお,チップ部品はハンダが載る部分の面積が非常に小さく,ハンダがくっつく前に芯に入っているヤニがくっついてしまうので,フラックスを事前に塗っておきます。こうするとハンダが載りやすいです。むしろ,チップ部品だとヤニなしハンダの方がよいと思います。ステンレス用ハンダと称して売られているハンダがヤニなしです。ちなみに鉄道模型の真鍮板工作に使うのはヤニなしです。なお,フラックスを塗ると塗った面だけバーッとハンダが広がってしまいますので,必要最小限にとどめてください。

点灯テスト.jpg 反対側は点灯しません。

ハンダ付けが終わったら,ボディを載せる前に必ず▲のような状態でテストしてください。両側のLEDが点灯するようだとスナバ回路が機能していませんのでハンダ付けをやり直してください。たいていはくっついているように見えて,ハンダの中のヤニでくっついているだけで,電気的に導通していません。私も今回,うまくいかなくてやり直しをしました。また,何回もハンダ付けしていると,チップ部品が熱で破損しますので,そのときは部品の交換が必要です。

カプラー交換.jpg カプラーの交換

ついでに,ボディを外しちゃったのでこの間にカプラーも交換しちゃいます。

KATOのカプラー交換は非常に面倒で,どうしても板バネが外れちゃったり,スノープラウ部分がうまく入らなかったりしますが,このようにボディを外してスカートごと外してやると楽です。スナバ回路を挿入する関係でボディを外しちゃいますので,ついでに交換すると楽です。

なお,カプラーはナックルカプラーにしますが,同封されているナックルカプラーは首が長すぎるので,いつも短軸のナックルカプラーに交換しています。▲の写真だと中間のが同封されているもので,一番下が今回使用した短軸のものです。

試運転.jpg いよいよ試運転です!!

使用しているパワーパックは昔懐かしいTOMIXの5001パワーユニットですが,実は中身はごっそり撤去し,PWM式に改造してあります。電源もスイッチング電源に交換しているので非常に軽いです。詳しくは改造記事をご覧ください。回路はとても複雑ですが,オリジナルの5001コントローラ同様,つまみを左右に回すだけで前後進切り替えができる優れものです。PWM式なので止まるか止まらないか,と言うくらいのスロー運転も可能です。

実を言うとこのコントローラはスイッチング周波数切替式で作ってあり,fs=300Hz/20kHzと切り替えができます。通常は20kHzにしています。これだとスイッチング音は聞こえません。300Hzだと201系と同じ周波数で,プーッというチョッパ音を響かせながら電車が走ります......(^^;)。

なお,スナバ回路はスイッチング周波数に依存しますので,コントローラのスイッチング周波数によっては効果が出ないことがあります。今回のスナバ回路の定数でも,このコントローラを使ってfs=300Hzにしたらあまり効果がなく,うっすらと反対側のLEDが点灯してしまいました。 

ED76 508.jpg 無事に完成しました。 

なかなか前照灯も明るくかっこよいです。ただ,やっぱまだ明るすぎるかと....。電流制限抵抗は2~3kΩくらいでもよさそうです。

車番は503,508,517,522とついていますが,503,517号は粉飾決算やって大幅社員リストラ中の某社製です。某社の経営者は責任を社員に押しつけて全くけしからんと思いますので三菱電機製の508号にしました。522号も三菱製です。

ちなみに本ブログで載せている車両の写真は停車中に撮影したものです。オリジナルの状態だと停車中には点灯しませんのでこんな写真は撮れません。 


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ただいま軍備増強中!! [模型]

2016年3月26日の日記

デフォルメ連合艦隊.jpg 

昨今の北朝鮮の核開発やミサイル発射,中国による南シナ海進出,北方領土でのロシアの海軍基地建設など周辺海域がとてもきな臭いので対抗するべくわが家でも軍備の増強を進めています.....(^^;)。

きっかけは先日,上京したときに立ち寄った秋葉の模型屋さんで,入り口に置いてあるガチャガチャに軍艦があるのを愚息がめざとく見つけ,オヤジにならって軍事マニアの道? を歩んでいる愚息がほしいというので1個やってみたら出てきたものはなかなかいい感じで,愚息もとても気に入ってます。

デフォルメ連合艦隊というシリーズもので,私は知らなかったのですが,もうVol.2になっています。戦艦「長門」や「陸奥」,空母「赤城」,重巡「摩耶」,「愛宕」がそろっています。愚息がひいたのは「長門」でした。連合艦隊旗艦ですね。愚息をさっそく,連合艦隊司令長官に任命しました。

さすが作ったのはプラモデルの名門ブランド・アオシマで知られる青島文化教材社の製品だけあって,美しいフォルムと力強い印象をよくとらえ,近くで見るとなかなかの大迫力です。

それにしても実物の「長門」は戦後まで生き残ったので,どこかの港で保存してほしかった,と思います。ビキニ環礁でアメリカの原爆による艦隊攻撃のシミュレーションに使用され,至近距離で2回,原爆が炸裂したにもかかわらず,数日間浮かんでいて,日本の造艦技術の素晴らしさを実証して,ある朝,人知れず沈んでいたというのは残念です。 

と言う次第で,軍令部総長(オヤジ)としてはこの艦隊をそろえて国防力の向上を計りたいと思いました。

一方,大蔵大臣(嫁はん)の軍事支出拡大反対にあいましたが,そこは

            統帥権干犯!!

と強硬に主張し,無事に切り抜けました。文民統治とかワシントン海軍軍縮条約なんてくそ食らえですね。反対すると高橋蔵相みたいに殺されるぞと思ったのですが,それじゃご飯が食べられなくなるのでやめました。それに,Nゲージや,真空管,ラジオ,アンプも統帥権の管轄下だったらいいのですけど。こちらは一般会計だから予算縮減を求められています.......(>_<)。 

と言う次第ですが,いちいち秋葉までガチャガチャをしに行くのも交通費がかかるし,ガチャガチャなので何度も挑戦していると軍事費の支出がかさむので,結局,Amazonで全部買いしちゃいました.....。

やはり「大和」がないのは寂しいので,Vol.1を全部買い。2,000円+送料なので安いと思いました。とりあえず,Vol.2は「長門」があるし,あとほしいのは空母「赤城」だけなので全部買いしませんでした。それにVol.1は空母「翔鶴」と「瑞鶴」も含まれていますしね。私は「翔鶴」のファンでした。中学の頃,プラモを作ったな~~。

大和・武蔵.jpg

     巨大戦艦「大和」,「武蔵」の威容です。

赤城・翔鶴.jpg 

   やっぱ「赤城」はでかいです。「翔鶴」と比べてみてください。

「赤城」は大戦突入時の1941年版もあります。「赤城」はミッドウェー海戦で沈んでいます。そもそも暗号が解読され,待ち受けていたのですから大変です。でも,最初,アメリカも次の日本艦隊の作戦期日はわかっていましたが,攻撃目標まではさすがにわかりませんでした。日本側の電文も場所についてはAFという隠語になっていたためです。

それで,アメリカもどこかわからないから,ためしにミッドウェーの基地から米本土に "水を送れ" という連絡を平文で打ったところ, "AFは水が足りないらしい" との情報を入手した大本営がご丁寧にも各艦船に打電したものだからAFがどこかわかっちゃった,というのは有名な話ですね....。 

どんなに綿密な計画・作戦を立てても思わぬところから破綻する,という現代にも通じる教訓ですね。福島の原発事故もそうじゃないでしょうか。浸水の恐れのある地下室にディーゼル発電機を設置したりして,津波じゃなくても大雨や排水管の故障なんかで浸水するとは思わなかったのでしょうか。もっとも,こっちのほうは立地が崖になっているのでその崖の上に建てておけば何の問題もなかったのに,機材の荷下ろしに不便,ということでわざわざ崖を削って海岸近くに原子炉を設けた,という点で最初から破綻する設計になっていた気がします。

それにしても,大本営も最後まで自軍の暗号が解読されているとは思わなかったし,敵の暗号を解読することにも強く関心を持ちませんでした。そもそも暗号を解読するなんて軍人のやることじゃない,と考えていたようにも思われます。 それに反し,開戦と同時に日本語のわかる兵士を養成し,情報収集に当たらせたり,暗号の解読を進めていた米軍は戦争に勝つというのはどういうことか,よくわかっていました。

さて,話は変わって,昨今の国際情勢に鑑み,わが国民の食糧確保を図るため,今日,じゃがいもをわが家の小さな畑に植えました。

本当言うと,うちの地域では3月初旬が植え頃で,こんな時期だともう遅いのです。ただ,先日から近くのホームセンターへ種芋を買いに行っていたのですが,いつもの場所に置いてなく,まだ入荷してないんだ,と思ってました。さすがにおかしいと思って店内をよく見てみたら全然違う場所に在庫処分で安く売っていました。もう在庫処分なくらいですから遅いようです。 

インカルージュ・ピルカ.jpg 切ったあと,しばらく干しておきます。

網袋に入っていたのを2つ買ってきました。半分に切って使います。切り口から腐ることがあるので,数日干しておくとよいそうです。

芋はインカルージュという赤い芋と,ピルカという種類です。インカルージュは北海道で開発された品種で,皮は赤いんですが,身は黄色く,とても甘くておいしい芋だそうです。

じゃっがいも植えつけ.jpg 種芋を植えました。

15cmくらいの深さに溝を掘って30cm間隔で切り口を下にして植えました。間には化成肥料をまいておきました。

こうして国民の食糧を確保したいと思います。昨年はカレー3回分くらいはじゃがいもが穫れたので,また今年の夏も楽しみです。やっぱ海軍カレーだな~~。

シロバナタンポポ.jpg シロバナタンポポも咲きました。 

日本の固有種である,シロバナタンポポは滅多なことじゃ野生の状態で見つけることができませんが,近くの河原でたくさん咲いていたのを植木鉢に植えて育てています。冬の間はほとんど葉がなくなって枯れたような状態になってしまいますが,肥料をやって毎日水をやっていたらぐんぐん葉が伸びて今年もきれいに咲きました。どうも春しか咲かないようなのですが,うちのは毎年,秋にも咲いてくれます。敵米英の侵略の手先セイヨウタンポポなんかに負けるな~~っ!!

閑話休題。 

最近は若い人が戦争について知らなくて,"昔,日本はアメリカと戦争したんだ",と話をするとびっくりするという話を聞いたことがあります。こっちがびっくりしちゃいますね。"で,どっちが勝ったの?" って真顔で聞くやつがいるそうで呆れますが,本当の話だそうです。ところが,そんなアホな,とは思っていたのですが,ロンドンへ行ったときに戦争博物館で買った▼の写真のマグネットをパソコンに貼っていたら会社の部下が,"そのマグネットの人は誰ですか?" って聞いてきてびっくり。私はこの人物を大変尊敬しているのでマグネットを貼っています。そいつは関西の某有名国立大卒(自称)でした。それでいつも鼻高々のやつでしたけど,中身はそんなものです。よくこれでその大学受かったな~。ゆとり教育のせいなんだろうけど,この人を知らないようじゃ困ったもの。だったらその大学出たなんて威張んな!! ほかの卒業生が迷惑だな~。

どうも若い人が戦争のことをよく知らないのは当たり前のようですし,うちの会社もこんなやつを採るようじゃおしまいだ,と思いました。

churchill1.jpg これが誰やわからへんのか~~っ!!!!

ってゆ~ことは▼の写真なんか,絶対にどれが誰かわからんわけですね~。そいつをテストしてやればよかった。もし私が新採の面接官ならこの写真を見せて,3人全員わからなかったら落としますね。 

yalta conference.jpg 左から順番にだれ? 

こんなことがないよう,息子にはきちんと戦争のことを伝えておきたいと思います。ちなみにうちの息子(小四)はこの3人が誰かちゃんとわかります.....(^^)。  


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Tomix ED61へのスナバ回路組み込み [模型]

2015年11月22日の日記

先週,TomixのEF510にスナバ回路を組み込みました。もう1両,ED61がありますのでこれにスナバ回路を組み込んでみます。

模型は古いもので,2011年にボディおよび動力が改良され,リニューアルされていますが,私のはその前のものです。おそらく,10年ほど前に購入したものと思います。

実車は中央線で使用されていた戦前の輸入機など雑多な古い機関車を淘汰する目的で1958年から国鉄が製造した出力1,590kWのD型機です。直接,ED61を見た記憶はないのですが,非回生ブレーキの同系ED60や飯田線転属のため改造された後のED62は見たことがあります。

早速ばらしてみます。ボディは裾の中央部分に指をかけてギュッと広げるとボディが落っこちてきますので,簡単にばらせます。

内部.jpg 内部

う~~む,と思わずうなってしまいました。このウェイトの光沢や基板のデザインはどこかで見たような気がします......。おそらく,某社の中国委託先と同じところの製造だと思います。

前照灯の基板はKATOと違って,前後で2枚に分かれています。これは意外に面倒で,基板が小さく,スナバ回路を組み込む余地が少ないし,お互いに逆の極性になるので保護用のシリコンDiを省略できる2つの前照灯用LEDが分かれてしまうので,別途,個別にLEDごとに保護用のシリコンDiを組み込む必要があります。

original基板.jpg オリジナルの基板

何より前照灯が暗くてこの点も改良したいと思います。実は,▲の写真は電池をつないでLEDが点灯している状態なのですが,全然点灯しているとは思えないほどの暗さです。

おまけに電流制限抵抗は330Ωを使っていて,これだとLEDに流れる電流は30mAくらいになっていて,LEDの定格オーバーだと思います。 これだけ電流を流しても非常に暗いので,ここ10年ほどのLEDの技術の進歩には驚かされます。最近のやつはまぶしくてしかたないくらいですが,10年前はこんなものだったのですね~~。

前照灯基板(改良後,スナバなし).jpg スナバ回路なしの基板

スナバ回路はどちらか一方の基板だけ設置すればよいので,まずはスナバ回路なしで組み込んでみます。

LEDは電球色のφ3mmのものに交換しました。また,電流制限抵抗も1kΩに変更します。これだとLEDには約10mA流れることになります。▲の写真では同じ電池を使っているのですが,このように明るく点灯します。

なお,オリジナルの基板にはなんと保護用のダイオードが入っていませんでした。LEDの逆耐圧は6Vほどなので,これを入れておかないと後進時にこのLEDに逆向きに12Vがかかることになります。まあ,これくらいの電圧でもLEDは耐えられるようなのですが,LEDのメーカは保証しないでしょう。ちゃんと保護用のダイオードを入れておきます。使ったのはロームの1SS133です。非常に小さく,重宝しています。このダイオードは写真にもあるように,LEDとは逆向きに取り付けます。なお,よく製作記事やブログなどでシリコンDiをLEDと直列にした回路を見かけますが,これは誤りで,逆耐圧保護の場合,LEDと逆向きにパラ接続します。

前照灯基板(改良後,スナバ付).jpg スナバ回路付の基板

こちらはもっと厄介で,チップタイプのシリコンDiをはんだづけした後,CとRを直列にしたものを基板の根元に取りつけないといけません。まずはシリコンDiをLEDとは逆向きにはんだづけしたあと,33Ωと0.1μFを直列にしたものを基板の端子部にはんだづけします。その後,LEDをシリコンDiとパラにはんだづけする,と言う作業をします。

はんだづけしたあとはこのように点灯テストをしてください。

点灯テスト.jpg 点灯テスト

カメラの露出の関係でわかりにくいですけど,スナバ回路のおかげで後ろ側(右)の前照灯は点灯しません。スナバ回路がないと,コントローラの回路や周波数にもよりますが,どっちが前だ? と言いたいくらい明るく点灯してしまいます。 

ED61.jpg 完成です。

ED61-1.jpg 前照灯も非常に明るくなりました。 


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Tomix EF510再入場~Tomix製電機へのスナバ回路組み込み~ [模型]

2015年11月15日の日記

今週もスナバ回路ネタです.........(^^;)。

以前,TomixのEF510を買いました。横浜の六角橋にあっただるまやさんが閉店するときに買ったものです。長年,模型を買っていました。大変お世話になりました。 

購入時に整備していますが,再び入場して整備します。

購入したときにオレンジ色の前照灯を交換し,KATOのナックルカプラーを取り付けています。そのときの整備内容はこのブログをご覧ください。また,あとから出たKATOのも持っています。そのときの整備状況はこちらをご覧ください。KATOのは初回入場時? にスナバ回路も設置しています。

さて,久しぶりに取り出して走らせてみるといくつか不満な点が出てきました。

何より前照灯が白すぎるし,暗いです。前回,当時は電球色のLEDが品種が少なく,小さなものがなかったので,白色のチップLEDを使い,ポスカのうすだいだいを塗ってごまかしたのですが,やはり多少黄色くなっているとはいえ,色が白すぎます。

3099レ('15.5.9).jpg 実車の前照灯は黄色いです。

それに,どうにも前照灯が暗い! 特におでこの部分のランプが暗いです。実車はメタルハライドランプを使っていると思いますが,従来のシールドビーム電球より明るいので,EF81よりも明るく,模型の方も明るくないとおかしいです。これはKATOのEF510もそうですけど,おでこの部分にも前照灯がついていて,導光材がうまく光源の光を拾ってくれないためで,光源が相当明るくないとダメなためです。まあ,実車はそれぞれにランプをつけているので明るいですけど,模型だとこれだけ位置が離れていると均等に明るくするのはとても難しいと思います。

また,その割に運転席の天井部分が明るく光ってしまいます。貨物だと夜間走行が多いので,この点,目立っちゃいます。部屋を暗くすると天井が光ってるんですよね~。 

最後に,スナバ回路を入れていないので,レールのギャップ通過や接触の悪い箇所を通るときは後ろ側の前照灯が点灯してしまいます。

と言う次第で,スナバ回路を組み込むとともにこれらの点を改良します。Tomixの機関車にスナバ回路を組み込むのも初めてですので,定数を調べてみたいと思います。

さて,再びばらします。どうもTomixのEF510はボディの固定が甘く,簡単に外れちゃうので前回,両面テープで貼り付けていますが,簡単にばらせました。

Tomixの機関車の基板はKATOと違って前後の前照灯が別々の基板になっています。前回のKATOのED19は珍しく,Tomixみたいに別々になっていました。

オリジナル基板.jpg 基板の状況。保護DiはLEDと逆向きです。

前後の前照灯を別の基板にする場合,保護用のシリコンDiが必要で,Tomixのもちゃんと入っています。LEDのすぐ後ろにあるチップのダイオードがそれで,LEDとは逆向きに入っています。

LEDの電流制限抵抗はKATOのと同じで560Ωになっています。計算するとLEDの電流は定格いっぱいの20mAくらいですから,前照灯が暗いからと言ってこの抵抗を小さくしてはいけません

スナバ回路はモータの端子間にパラに入るようにしますので,この560Ωの抵抗に入る前に接続します。

Tomix EF510前照灯回路1.jpg 今回の回路です。 

いつもならチップの抵抗とコンデンサを使いますが,今回,抵抗は1/4Wのアキシャルリードタイプカーボン抵抗を使いました。 チップ抵抗だと小さすぎるんですよね~。

コンデンサはいつもどおり0.1μFです。コンデンサは0.1~1μF,抵抗は22~100Ωくらいの値にしてください。抵抗とコンデンサの位置は図中,上下どちらでも結構です。抵抗は小さい方が効果が大きいですが,損失が大きくなるため,22Ω以下にしないようにしてください。 特に,私のようにPWM式コントローラのチョッピング周波数が高い場合は要注意です。ちなみに自作のPWMコントローラは20kHzです。

ちょっとハンダ付けに苦労しますが,無事にスナバ回路をつけられました。ただ,やっぱ1個,コンデンサをお釈迦にしてしまいました.....orz。小さすぎるので熱で壊れちゃうんですよね~。

EF510前照灯基板(改良後).jpg スナバ回路搭載状況

LEDは最初,元のオリジナル基板と同じチップタイプの電球色LEDにしましたが,あとで砲弾型LEDに変更しました。

前照灯基板(砲弾型LED).jpg 反対側の前照灯基板

スナバ回路はどちらか一方の基板のみに搭載するだけでOKです。

さて,前照灯が暗い原因を考えてみます。やはり,車体内部のウェイトに隠れるような構造になってしまうのが原因のようです。最初,スナバ回路を搭載した基板のように,チップタイプのLEDを使ってみたら同じでやはり暗い!

しかたないので,リードタイプの砲弾型形状をしたφ3mmのLEDに変更します。ただ,この場合,厚みが大きすぎますし,何よりウェイトの隙間から顔をのぞかせるようにしないといけないので,樹脂を削りました。

ルーター.jpg ルーターで削ります。 

砲弾型LED形状1.jpg こんな形状にしました.....。

搭載状況.jpg LEDが顔をのぞかせます.....(^^;)。

そのあと,車体内部を黒く塗りました。鉄コレだとよくこのトラブルがあって,LEDのある車体部分が光っちゃったりしますが,このTomixのEF510も同じで運転台の天井部分が光ましたので,黒く塗りました。 

車体内部塗装状況.jpg 一部,黒く塗りました。

前照灯の導光材周囲はもとから黒く塗られていましたが,一部はげていたので加筆しました。 

こうやるとかなり前照灯が明るくなりました。

Tomix EF510(再整備後).jpg 竣工です。

Tomix EF510(再整備後)1.jpg 明るい~~!!!

でも,結局,おでこの部分はあまり明るくなりませんでした......orz。 

 

【おまけ‥‥‥ハンダゴテ買い替えました】

長年愛用していた基板用の小型ハンダゴテのヒータが切れてしまいました。セラミックヒータ仕様のものでしたので,うっかり軸に力がかかってセラミックが割れてしまったようです。

部品屋さんを探してみるとすでに交換用ヒータはありませんし,メーカに聞いてみてもすでに在庫なしで,おまけに現行品とは互換性がないとのこと。 

う~ん,しょうがないな~, と言うことで思い切ってコテごと買い換えました。

HOZAN HS-11.jpg HOZAN HS-11

買い直してみて正解! 今度,買ったのはホーザンのHS-11というハンダゴテですが,最近,電子工作マニアの間で評判がよいものです。さすがに温度調節機能はないので,最近はやりの無鉛ハンダには難しいですが,普通の有鉛ハンダを使った電子工作にはぴったりです。

驚いたことに無鉛ハンダの方が音がよいとかいう話があって,ギターのエフェクタを作る人なんかで無鉛ハンダを使う人が多いようです。無鉛ハンダは融点が有鉛ハンダより40℃ほど高く,温度調節機能のついた専用ハンダゴテが必要です。また,融点が高い関係でハンダがテンプラになりやすく,回路が動作しない原因にもなります。アマチュアの方は有鉛ハンダの方がよいと思います。当然,私も昔ながらの有鉛ハンダです。 

容量は11Wと小さく,精密なハンダづけにぴったりです。おまけに先端部分が普通のハンダゴテより短いし,軽いので作業がやりやすいです。 


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KATO ED19の整備~常点灯化対応,反対側前照灯点灯防止~ [模型]

2015年11月8日の日記

KATO ED19-1.jpg 改造後の姿です。 

今日は久しぶりに "スナバ回路" ネタです。どうも長期間,空いてしまい申し訳ありませんでした。

KATOのED19を改造します。模型自体は今年3月の発売です。

実車は1926年の東京~国府津間電化に際して米BaldwinとWestinghouseで6両製造された6010形ですが,1928年には称号規程の改正によりED53形に改められています。形式からもわかるとおり,もとは旅客用です。

ただ,東海道線用としては出力840kWと容量が小さく,結局,1937年,貨物用に改造の上,3~6はED19形として電化されたばかりの仙山線へ転属します。 すでに旅客用はEF53が登場していましたし,貨物用としてもEF10が登場していたので不要になったのでしょう。戦前はもちろん直流電化しかなかったのですが,仙山線は途中に面白山トンネルという長大トンネルがあり,蒸機では重量貨物の牽引は難しいため,トンネル前後の区間のみ電化されました。上越線の清水トンネルもそうですね。結局,日本では戦前の電化区間というのは東海道線や都市部の通勤電車区間をのぞけば電化区間というのはこういった山岳トンネルに限られました。

残った1と2も1941年にはED19形へ改造の上,甲府へ転属となり,全車ED19形となりました。

戦後は全機,飯田線に集結し,ED62に置き換えられるまで活躍しました。現在,1号機が長野県箕輪町の郷土博物館に美しい状態で保存されています。

車体や台車など機械部分はBaldwinで,モータや制御器などの電気品がWestinghouseですが,GE製のED14と異なり, 同じ会社の組み合わせのED10と同じく,丸みを帯びた美しい形状はとても好きです。

さて,模型を改造します。例によって,模型の前照灯がLED化されて久しいですが,モータの高性能化もあいまって,停止中に前照灯が点灯せず,動き出してから点灯するので,どうにも気に入りません。 まあ,昔の電球式のばあいはもとからこうでしたし,電球だと暗いので,そんなに気にならなかったのですが,LEDになると明るいので,気になります。

もっとも,この場合,コントローラ(パワーパック)はPWM(パルス)式のものでないとダメで,昔ながらのレオスタット式やトラコンでは常点灯には対応しませんのでご注意ください。 

そのため,停止中にコントローラのツマミをほんの少し動かしてモータが回転する前に前照灯を点灯するように改造したいのですが,これが意外に難しく,単純に基板上に乗っかっているコンデンサを撤去する,と言う方法だけでは走行中に反対側の前照灯のLEDがチラチラと点灯するという困った問題が生じます。 これは,モータのインダクタンス分が邪魔をして,PWM式コントローラがパルスをoffにした瞬間,逆向きの電圧が発生するからです。電球の場合は熱的な時定数が大きいので,逆起電流により点灯することはないのですが,LEDはこの瞬間的な電流でも点灯してしまうのが問題です。

この対策として,私は交流回路用のC-Rスナバ回路の挿入を思いつき,うまくいっています。スナバ回路の原理については私のこの記事をご覧ください。

スナバ回路とは,モータやリレーなど,インダクタンス分を含む回路のon,offをする場合に逆起電力を抑えるためのもので,Nゲージでも有効であることがわかりました。

回路としてはコンデンサと抵抗を直列にしたものをモータにパラに入れればよく,KATOのものの場合,最近はC=0.1μF,R=22Ωとしています。なお,スナバ回路も損失を生じますので,抵抗の値は小さい方が効果が高いのですが,損失を考えるともっと大きい方がよいので,これより小さくしないでください。

さて,今回のED19をまずはばらします。

ところが......。

今回のED19はボディが小さいのが災いし,なかなかボディが外せません。

分解状況.jpg こんな風にボディを外します。

結局,集電板が邪魔をしているのでこれをピンセットでずらせば,そこからつまようじを▲のように差し込んで,ガラスについているツメを外します。

ボディ内部.jpg ボディ内部

基板の外し方.jpg ここを押して基板を外します。 

普通,KATOの電機やディーゼルは前後の前照灯を一体にした基板1枚ですが,今回のED19はTOMIXみたいに前後に基板が分かれていました。このため,基板が小さく,工作は厄介です。

なお,スナバ回路はどちらかの基板に1カ所,取り付ければよく,両方の基板に設置する必要はありません。 

基板(改造前).jpg コンデンサの撤去

まずは常点灯にならない原因である,コンデンサを撤去します。このコンデンサは2つの基板の両方とも撤去してください。このコンデンサはLEDの電流制限抵抗(▲の写真では560Ω)とローパスフィルタを構成するため,PWM式パワーパックを使用してもデューティが上がってこないとLEDが点灯しません。このとき,すでにモータは回転してしまっています。

なお,写真中,←→で示したところに導通があります。特に,上側の矢印のランドにご注意ください。スナバ回路はこの2つの矢印の間を結ぶように挿入します。 

基板(改良後)1'.jpg 最初のスナバ回路

残念ながら,最近のチップ部品は本当に小さくなり,こういう回路に使うと便利なように見えて不便です。もう少し大きい方がうまく基板のランドを利用できて便利です。これだとあまりに小さくてランドに届かず,リード線を付け足さないといけません。

何とかハンダ付けしたのですが,これはダメで,ボディに差し込んだら導通不良になり,前照灯がついたり消えたりしてしまいました。基板をボディに差し込む部分にハンダが流れ込んだためのようです。

基板(改良後)2.jpg 結局,こうしました。

しかたないので抵抗はアキシャルリードタイプに変更しました。この前,北海道の梅沢無線さんで買ったものです。昔なら1/8Wとか,1/16Wなどのサイズで,非常に小さなものです。秋葉でも売られています。

基板とレールの導通箇所がありますのでハンダ付けする部分には十分ご注意ください。あくまでもスナバ回路がモータの端子にパラに入るようにします。

なお,こうやってもコンデンサがボディ内部の遮光板? と干渉しましたので,▲の写真のように遮光板の内部を一部,ルータで削りました。

点灯テスト.jpg 点灯テストです。

一応,配線ができたらレールに載せてテストします。今回,リードタイプの抵抗が100Ωしかなかったので,コンデンサの容量は少しUPしないとダメです。従来通り,0.1μFのままだと反対側のLEDが多少点灯しました。そこで,コンデンサは1μFとしたら,完全に消えました。

ようやくこれでスナバ回路の設置が完了しました。おかげで停止中にも前照灯が点灯するようになり,ご機嫌です。カプラーもナックルカプラーに交換し,ナンバーを貼り付けて整備完了です。本当に小さな古典電機が手に入ってうれしいです。

KATO ED19.jpg 車号は2番にしました。 


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