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コアレスモータ対応鉄道模型用コントローラの開発~その5・PICの利用~ [模型]

2017年3月25日の日記

前回,PICマイコンを使ってコアレスモータにも対応した鉄道模型コントローラを設計しました。

どうにもコアレスモータは性能がよすぎて,従来のコントローラを使うとつまみをほんの少し回しただけでスタートしてしまい,あまり低速では運転できないし,前照灯が点灯すると同時に走り出してしまうので,停車中に点灯させることができない,という感じです。

原因はいろいろ調べたところ,今まで作ってきたPWM式のコントローラの最低デューティが大きく,10%前後もあるため,性能のよいコアレスモータだとパルスが出始めた時点ですぐに回転してしまうため,と判断しました。実際,第4回に書きましたが,コアレスモータ機はデューティが5%くらいでも走り出してしまうようで,これでは従来のPWM式では対応できないものがあると思います。

なお,この最低デューティの問題は市販のPWM式コントローラでも同様のようで,実際,ネットを見ても皆さん,苦情を書いておられますね。

では,なぜ,PWM式コントローラの最低デューティが0%じゃなくて数%とか,ひどい場合には10%以上になってしまうのでしょうか。

ひとつはスイッチング周波数が高すぎるためです。

PWM式のコントローラは1回目に書いておきましたように,スイッチング周波数が高いほどモータや制御素子の損失が小さいためです。また,電圧をパルス状にしているため,モータが瞬間的に起動と停止を繰り返すため,電磁的な音が発生し,唸ります。ちょうど,チョッパ電車やインバータ電車と同じです。

特に,昔のチョッパ電車や初期のインバータ電車はサイリスタを制御素子に使っていて,スイッチング速度が遅いため,スイッチング周波数も300Hzとか,1kHzとか低かったため,かなりの電磁音を出しました。プーッと甲高い音を出して走っていましたよね......(^^;)。

最近はスイッチング周波数を上げて音が小さくなっているのはご存じの通りです。これは素子が高速のIGBT(ゲート絶縁型バイポーラトランジスタ)を使っていたり,電圧が2段(0→1/2→1)になっている3レベルインバータを使っているためです。

ついでに,今は小型のIGBTも作られていて,秋月電子さんなどで売られています。東芝のGT20J34なんて,250円です。600V,80Aの高性能ですが,同じTO-220のパッケージです。驚いちゃいますね。 

鉄道模型も全く同じで,スイッチング周波数は普通,20kHzくらいにして,人間の耳に聞こえないようにしてあります。市販のPWM式コントローラもこのような高い周波数となっています。 

ところが,こんなに高い周波数にしちゃうと,あまり低いデューティのパルスは出力できなくなってしまいます。iruchanは20kHzなんて,半導体じゃ,スイッチングは楽勝じゃん,と思っていたのですが,さすがに20kHzでデューティ1%とするとパルス幅は0.5μsになりますが,そんな狭い幅のパルスを出力するのは困難です。 

原因は出力の半導体にあります。また,使用している素子により原因は異なります。

まず,現在,広くモータやLEDの制御に用いられているMOS-FETの場合は前回も書いていますように,入力にキャパシタンス分(入力容量)があり,このコンデンサが入力信号が来てもその電圧を食いつぶしてしまい,なかなかMOS-FETがonする電圧(ゲートしきい値電圧VGS_th)に達しないためです。

MOS-FET入力容量1.jpg MOS-FETの各電極間容量

なお,真空管同様,MOS-FETには各電極間に3つのキャパシタンス分があり,これらのうち,入力容量CissはCg-dとCg-sの和です。 また,帰還容量Crssも要注意で,これはCg-dそのものです。

ちょっと,Spiceでシミュレーションしてみました。20kHzで,デューティ1%でドライブしてみます。 

2SK2466出力段.jpgMOS-FETの場合

2SK2466 入出力波形(20kHz, duty 1%).jpg やはり太いです。

もとのパルスがですが,実際にMOS-FETが出力する電圧はのように,幅が広くなってしまっています。

これは,ゲートの入力容量Cissと,ゲート抵抗RG10Ωが時定数を形成し,のように,ゲートの電圧が変化するためです。斜めに立ち上がっていますね。もし,Rgが100ΩだとMOS-FETはonすらしなくなってしまいます。

MOS-FETはいろいろありますが,VGSは大体,2~4Vくらいかけないとonしません。 バイポーラTrは0.6Vですから,大きな値です。簡単にPICでonできない場合もあり,とくに,最近のPICは3Vで動作するものが多いので,下手するとドライブできませんのでご注意ください。また,仮にドライブできていたとしてもMOS-FETが非飽和領域で動作していて,MOS-FETが発熱することもありますので,注意が必要です。▼の回路図で,ドライバ段の電源を12Vから取っているのもそのためです。PIC用の5Vラインから取るとドライバ段の出力は5V以下になってしまい,終段のMOS-FETのドライブ電圧が下がります。 

もし,RGを0Ωにできれば,もっと高速にできるし,実際,PWMコントローラの場合,この抵抗を入れずにPICと直結している場合も多いと思います。

ただ,オーディオ用のアンプなどの場合はこの抵抗は必須です。なぜかというと寄生発振と言って数MHzくらいで発振してしまうことがあるのと,スイッチング回路の場合はさきほどの帰還容量Crssのせいで大きなサージ電圧が発生し,MOS-FETを破壊することがあるためです。

と言う次第で,できればこの抵抗を入れておいた方がいいのですが,大きな値だとスイッチングが遅くなっちゃいますので注意が必要です。

一方,つい最近まで,電力制御の主役だったバイポーラTrは,と言うとこちらはスイッチング速度が遅いためです。

バイポーラTrはスイッチング速度がMOS-FETの1/10以下のため,信号の立ち上がり,立ち下がりにうまく追随できません。

2SD794 出力段.jpgバイポーラTr回路

2SD794 入出力波形(20kHz, duty 1%).jpg ありゃ?

▲のMOS-FETのときとはちょっと様子が異なります。一応,スイッチングはできるのですが,立ち下がりが遅いですね......。

バイポーラTrはスイッチング時には立ち上がり時間 ton, 蓄積時間 tstg, 立ち下がり時間 toff の3つの速度があり,規格表にも書いてあります。

といって,スイッチング用と称しているTrでないとあまり規格表に書いていないのが困ったものなんですけど....。 

ton と toff はほぼ同じで,大体,0.5μs~1μsくらいです。一方,tstg は2~3μsもあって遅いのです。

tstg はP-N接合面付近で,キャリア(電子と正孔)が中和している領域があり,そこが完全に元の状態に戻るまでの時間です。元の状態に戻ると電流を遮断し始めます。 

MOS-FETはキャリアの蓄積効果がなく,この tstg の部分がないので,やはり速いです。もとから ton やtoff は10倍くらい速いのですしね。

というのが実際に教科書に書いてある話なのですが,▲のシミュレーション結果を見ると,立ち上がりの部分が非常に小さく,蓄積時間 tstg は入力パルスがoffになってから,少しまだ出力が水平となっている部分があって,その時間のことですが,ここも短いです。

 

Tr switching waveform.jpg 

  トランジスタのスイッチング時間測定条件(NECの2SD560規格表から引用) 

問題は立ち下がりの toff の部分のように思います。

なんか,実を言うと,iruchanもちょっとこのシミュレーションは少しおかしいという気がしているのですが.....。もっと立ち上がりは遅いはずだし,立ち下がりは逆に遅すぎると思います。

原因は負荷電流で,今回,100mAくらいなんですが,1Aも流すともっと立ち下がりは速いし,バイポーラTrと言っても意外に速いと言うことがわかりました。負荷が大きいと,キャリアの中和領域が早く消えるようです。

しかし,やはりパルス幅はMOS-FETの約2倍となってしまいます。

なお,スイッチングを高速化するには,MOS-FETの場合はこの入力容量の充放電を速くすればよいわけですから,短時間に大量の充放電電流を流してやればよく,そのため,プッシュプルドライバを入れてやれば解決する,と言うのが前回までの話でした。

ところが,バイポーラTrの場合は素子そのものの物理的な現象のため,打つ手がありません。 高速化コンデンサと称して,10~100pFくらいのコンデンサをRBにパラにすると速くなりますが,これとてやってみると大して速くはなりません。

だから,結局のところ,やはり鉄道模型のコントローラにはMOS-FETが適していると判断せざるを得ません。

と言う次第で,今回,設計をやり直し,下記の通りとしました。

PWM式コントローラ(PIC・調光)1.jpg 回路

さすがに結構,大規模な回路変更なのでプリント基板も一から作り直しました........orz。

なお,今回,過電流保護は0.6Ωの抵抗と2SC1815で構成しています。1A以上の電流が流れると2SC1815がonし,2SK2382のゲート電位を下げるので,電流を絞ってくれます。面倒でしたら,抵抗1本だけでもOKです。そのときは抵抗値は1.6Ωくらいにしてください。ただし,この場合,この抵抗による電圧降下が大きく,1A流したときは最大出力電圧は10Vくらいに下がりますのでご注意ください。 それはちょっと困るな,と言う方はこの抵抗の代わりにポリヒュースを入れてください。

PIC controller & driver PCB.jpg 最終的な基板です。

従来型との比較.jpg 従来型(左)との比較です。

従来型はタイマIC555とコンパレータNJM2903DLM393互換)との組み合わせです。 

プリント基板(PIC).jpg プリント基板図(パターン面) 

プリント基板(PIC)1.jpg 部品配置(部品面から見た図) 

基板サイズは55mm×30mmです。 

ピンクのLEDはパイロット用,オレンジは出力のモニター用です。つけておくと何かと便利だと思います。 出力のMOS-FETのドレインにスナバ回路(100Ω+0.01μF)も入っていますが,どちらも特に不要なので,フリーホイーリングDiの11EQS06以外はつけなくても構いません。

また,ソフトは前回と同じものです。 

最低デューティ(PP driver).jpg デューティは1.6%となりました。

残念ながら,最低デューティは最初,基板を作り直した時点では2.6%くらいで目標に到達しなかったので,多少,回路定数を変更しました。

でも,結局,1%以下にすることはできず,▲のように1.6%となりました。時間的にはパルス幅0.83μsと言ったところです。0.5μs以下にしたかったんですけどね.....。

波形が途中から斜めになっているのは負荷がLEDのためです。2V以下ではほとんど電流が流れず,自然放電しているだけです。 

原因はやはりMOS-FETの入力容量です。

今回,出力には東芝の2SK2382を使いました。もうじき東芝の半導体も身売りされて消えちゃいますので.....。

第2回に現行のMOS-FETの特性をまとめていますが,2SK2382はCissが2000pFもあり,最近のMOS-FETなので非常に大きいです。やはり,KATOのKC-1改で使用したNECの2SK2412(Ciss=860pF)の方がよかったと思います。今回は素子の選択ミスです。 おそらく,2SK2412だったら最低デューティは1%以下にできたと思います。

ドライバ&出力段.jpg さようなら......。

今回,ドライバの2SA10202SC2235と出力の2SK2382,レギュレータのTA78L05は東芝製を使いました。いずれも手持ちです。本当は2SA1020のコンプリは2SC2655ですけどね....。

最近はTO-92型のTrも数が減り,2SA1020も秋葉じゃ台湾UTC社のものが幅を利かせています。あまり外国製は使いたくないのでパスです。真空管時代からの名門東芝も半導体部門の売却が決まり,とうとう消えていきます。それこそiruchanは2SB54の時代から東芝のトランジスタを使ってきたので残念です。北陸の田舎じゃ,ソニーや日立はもちろん,NECだって部品屋さんでは売っていませんでしたから.....。

まあ,2SK2382でも最低デューティは1.6%ですから,モータは回転しませんし,LEDも非常に小さく,チップの表面がうっすらと点灯するくらいですので,十分,常点灯には対応しますけど......。

調光つまみmaxデューティ.jpg 調光つまみmax.の状態です。

今回,走行用と調光用でKC-1みたいにつまみを分離しました。こうしておくと,別個に調整できて便利です。

調光用は最大デューティ10%となるようにソフトを組みましたが,実際には最大12.0%でした。まあ,こんなものでしょう。おそらく,調光用つまみを最大にすると模型も走り出してしまう,と思いますので,前照灯は点灯しても走行はしない,というレベルで固定しておきます。

無事に動作しましたので,近日中にケースに入れてみたいと思います。   

2017年7月9日追記

ケースに入れました。こちらで紹介しています。よろしければご覧ください。

2017年8月13日追記

驚いたことに,6月に発売されたKATOのC12は想定より最低デューティを小さくしないと停車しないことがわかりました。D51と同じソフトじゃ,動いてしまうんです[雨]

しかたないのでソフトを書き換え,最低デューティを1.5%としました。ようやくこれでC12が止まるようになりました[晴れ]

最低デューティ(2SD409, C12対応版).jpg C12対応版の最低デューティ波形です。

ソフトは下記の通りです。so-netはhexファイルをupできないのでテキストファイルにしておきます。.txtを.hexにして書き込んでください。

PWM controller.txt


コアレスモータ対応鉄道模型用コントローラの開発~その4・PICの利用~ [模型]

2017年3月12日の日記

さて,このところ,KATOのリニューアルされたD51用のコントローラを作っています。このD51は動力も刷新され,新たにC62で採用されたコアレスモータを採用しています。

ただ,いろんな人が書いておられるように,どうもコアレスモータは従来のコントローラとの相性が悪く,低速がスムーズだと人気の高いPWM式のもので運転しても少しラピッドスタート気味だし,また,常点灯にも対応せず,停止しているときには前照灯が点灯しなくて,走り出すと同時に点灯する,という感じです。

これを解決するべく,iruchanはこのところ研究しています。前回までで往年のKATOの名コントローラKC-1を復活させ,この問題を解決することができました。

さて,今回はPICマイコンを使ったPWM式コントローラを製作したいと思います。

遅まきながらiruchanも去年からPICに取り組んでいます。前回はLEDをチカチカ点灯させるマーカーを作りました。

今までやらなかったのは何より道具をそろえるのが大変だと言うこと。内部のROMにプログラムを書き込むためのライターや言語などの開発環境の準備が必要です。おまけにライターは古いものはRS-232Cしか対応していないので,USB→RS-232C変換器なんかも準備しないといけません。結局,なんだかんだ言って1万円くらい投資も必要です。

なお,道具としてはまずはMicrochip社が出している,ライターのPICkit3が必要です。

ただ,これはあくまでもライターで,PICに書き込むには基板上に通信用のヘッダーを設けないといけません。デバッグするのに便利なんですが,いちいちプリント基板にヘッダーを設けるのも困りもの。やはりPIC単体で書き込みをして,装着するプリント基板には何もない方がよいと思います。

ということで,マルツが売っているPICマイコンプログラミングアダプタも必要です。

PICkit3 & MPIC-DPPA.jpg PICkit3と変換アダプタ

変換アダプタは秋月などでも売られていますが,マルツのが一番使いやすいと思います。

なお,書き込みソフトはPICkit3の場合はやはりMicrochip社の統合開発環境MPLAB IDEを使いますが,開発言語はiruchanは別のソフトなので,MPLAB IDEをインストールすると一緒にインストールされる書き込みソフトMPLAB IPEのみ使います。

ま,それにしてもMPLAB IDEは無料なので助かりますけど。 

ただ,GUIは英語しかないし,このIPEと言うソフトもクセがあって非常に使いにくいです。まずは12F1822と接続できず,一歩も先に進みません。

原因はUSB経由でPICkit3から装着したPICに電源を供給しないといけないのですが,デフォルトで非供給となっているためです。また,この電源の設定が基本モードじゃだめで,Advancedモードにしないと出てこない,という困ったものです。

これに気づくのにずいぶん時間がかかっちゃいました。

IPE-2.0'.jpg Advancedモードに移行します。

IPE-2.4'.jpg

   電源のチェックが必要です。このあと,Operateをクリックします。

と言う次第ですが,なんとか道具もそろってようやく書き込みもできるようになったので,いろいろとPICをいじっています。

それで,昔からやりたかったのはPICで模型を制御しよう,と言うことなんです。

もとよりPICというのは自動車や,各種センサを用いた自動計測などに利用されていることもあり,モータやセンサの接続が簡単にできるようになっています。特に,モータの制御に関してはPWMの機能を持つPICがあります。

と言うことで鉄道模型のコントローラに応用したいと思っていました。また,世の中にはたくさんの先輩がいて,すでに鉄道模型用のコントローラを作っておられますね。

と言うことでiruchanも去年から取り組んでいました.......。

ところが,結構やはり大変です。よくわからない不具合連発で,なんとかようやくPIC使用のコントローラができるようになったので報告したいと思います。

また,ついでに今回のコアレスモータ対応コントローラにしたいと思います。もちろん,PICに取り組み始めたときはそんなつもりはなかったんですけどね......(^^;)。

さて,まずはPICに何を使うか,と言うことになります。

少なくとも,鉄道模型のコントローラはボリウムで指令電圧を作り,その電圧に比例したPWM信号を作らないといけないので,アナログ入力ポートを持ったPICが必要です。

また,当然のことながらPWM機能のあるPICでないといけませんね。

ただ,実は最初,iruchanは知らなかったのですが,PICはPWMはどんなPICでも使えるようになっているので,特にPWM機能のあるPICでなくてもよかったんですね。

PICが発生させるPWM波はソフト的に発生させるソフトPWMと,PIC内部にPWM波発生回路を持っていて,それにPWM波を発生させる,ハードウェアPWMの2種類があります。後者の機能を持っているPICは限られますが,前者はどのPICでも出力可能です。

と言う次第で,単に指令電圧を入力できるアナログ入力ポートのあるPICなら何でもいいんですが,iruchanは12F1822を選択しちゃいました。

12F1822はアナログ入力ポートを3つ,ハードウェアPWMの出力ポートを2つ持った,8ピンのDIPになっています。わずか8本しかピンがないのに,これだけの機能を持っているのに驚きます。でも,これはトラブルのもとで,当たり前ですけど,プログラム中でどのピンを何で使うか,宣言しないと思った動作をしませんのでご注意ください。

これをこんな風に接続すれば,鉄道模型のコントローラの配線ができちゃいます。 

PWM式コントローラ(PIC・最簡略版)1.jpg一番簡単な回路

ついでに,せっかくアナログ入力ポートが3つもあるんだから,調光用と走行用で指令電圧をわけ,2つのボリウムを使ってそれぞれ調整できるようにしたいと思います。PWM式のコントローラなんだから,若干,つまみを回した状態で停めておけば,前照灯も点灯して常点灯になるんですけど,調光用のつまみを別に設ければ,走行用のメインのボリウムを完全に絞った状態でも前照灯や室内灯が点灯したままになるので使いやすいです。製作中のKATOのKC-1改コントローラもそうしました。

ということで,調光用にボリウムをもう1個設けた場合はこのような回路となります。

PWM式コントローラ(PIC・調光).jpg 調光機能を持たせた回路

それにしても簡単だな,と思います。PICが5Vのパルスを発生させるので,その電圧でMOS-FETをon-offすればいいだけのことです。

また,PICを使うとMOS-FETのドライブ電圧が5Vで固定されるのを利用して保護回路を構成することができます。MOS-FETのソースに入っている1.6Ωの抵抗がそれで,たった1本の抵抗で電流制限型の保護回路となります。

ソフトは前回と同じ,Great Cow Basicを使いました。PIC用のフリーのBASIC言語です。本当だったらPICはマシン語か,C言語なんでしょうけど,今から覚えるのも大変だし,と言うことでiruchanはBASICです。

ソフトは上記の単一調整のタイプと,調光&走行が別になっているものと共通ですので,12F1822に書き込めば,どちらの回路でも使用できます。

☆ 

ということで,ソフトを書き込んでOKなんですけど,ここからが大苦労でした。

やっぱりPICが動きません......orz。

今回,内蔵クロックを使うことにし,そのようにソフトを組んだのがまず問題でした。

通常,PICはセラミックレゾネータを使って外部クロックとすることが多いのですが,レゾネータの部品が意外に高いので,もとからついている内蔵クロックを使おうと思ったのですが,なかなかそれが動きません。いろいろwebや本を調べてもよくわかりません。

ようやく,Great Cow Basicで指定の方法がわかりました。#config FOSC=INTOSC と宣言するだけだったのですが。PICにより,この宣言しているところが違うんですね。

ほかに,PWMを出力するのにも苦労しましたし,最後までA/D変換がおかしく,まいりました。今回,A/Dを2チャンネル使っているのですが,どうにもどちらを動かしても変な動作となります。調光用に最大10%のデューティしか出力しないようにしたのに,調光用も100%となったり,と言う具合で,非常に苦労しました。

ようやく,このところ,うまく想定したとおりに動くようになりました。

一応,ソフトをupしておきます。直接,hexファイルをupすることはできないのでテキストファイルにしておきました。このまま,拡張子を.txtから.hexとして,ライターで書き込めばPICにソフトが転送できます。ご利用ください。

    ソフトは改訂版にしました。こちらをご参照ください。  2017年8月13日

さて,テストをしてみます。

ところが....。 

PWMコントローラ試作基板.jpg 試作基板です。LEDでテスト中。 

出力にLEDをつないでテストしてみますと,どうにもやはりまだおかしい。

調光用は最大10%のデューティにしたので,そんなに明るくないし,また,LEDも割にスムーズに点灯するような感じですが,走行用のボリウムを回すとどうにも変で,なかなかLEDが点灯しません。かと思うと,ある程度回したところで,パッと言う感じでLEDが点灯します。

もし,モータを回しているんだったら,しばらく,ボリウムを回転しても全くモータが回らないのに,あるところで突然回り出す,という感じです。これじゃラピッドスタートですね。

ソフトは間違っていませんし,最初は回路の不具合かとプリント基板をチェックしますが,どこもおかしくありません。

でも,前回のKATOのKC-1改を作ったときに経験したのですぐに原因が判明しました。オシロをつなげば文字通り,一目瞭然でした。

やはり,予想どおり,かなりボリウムを回したところで,突然パルスが出力され,しかもそのパルスがいきなりかなり太い!

実際,最低デューティは8%くらいです。こんなはずはないんですけどね。KATOのKC-1改の場合は回路を改良して最低デューティは1%以下となるようにしました。本機も回路を見直さないといけません。

最低デューティ(試作機)1.jpg これで最低デューティです。 

これは,例によって制御用のMOS-FETの入力容量のせいです。また,offしたあと,配線のインダクタンスと共振して若干,波形が波打ってしまっています.....orz。 

MOS-FETは真空管同様,電圧制御素子で,ゲートに加えられる電圧でドレイン電流を制御できる,という大変な優れもので,スイッチング速度もバイポーラTrのようにキャリアの中和などの現象がないので非常に速いし,なによりゲート電流はないので制御電力も不要なのが大きなメリットです。

でも,ここに落とし穴があります。

実際にはMOS-FETの制御にはちゃんと電流を流す必要があり,もちろん,ゲートの消費電力は0じゃありません。

なんでか,というとゲート~ソース間に非常に大きな静電容量があり,昔は400pFくらいで,それでも巨大な容量だったのですが,最近のものは2000pFを超える容量となっています。この容量に十分に電荷が溜まらない限り,MOS-FETはonしないのです。また,いったんonしちゃうと,offするときはこの容量に溜まった電荷を抜かないとoffにならないので,offにするまでの時間もかかっちゃいます。なんか,ものすごくアホな話だな~と思います。

その点,真空管は同じ電圧制御素子なのに入力容量は小さく,ミラー効果がある3極管でも100pFを超えることは少ないです。5極管だと1pF以下で,むしろ配線やソケットなど,浮遊容量の方が大きいくらいです。また,バイポーラTrはベース~エミッタ間がもとから導通していて,電流を流して使うのでインピーダンスが低く,この入力容量はもとから小さいし,問題になりません。 

ということで,実はMOS-FETもうまく使ってやらないと全然スイッチングは速くないのです。

その意味で,KATOのKC-1は出力にPNPのバイポーラTrを使っていますが,まだMOS-FETが一般的じゃない頃の設計なので,こうなっているんでしょうけど,無事にこの問題を回避しています。バイポーラはスイッチング速度がMOS-FETの1/10以下なのですが,入力容量が小さく,意外に高速でパルスをon-offできます。実際,KC-1だときれいに低デューティの高周波のパルスが出力されるようです。  

したがって,MOS-FETをドライブするにはこの静電容量をいかに高速で充電したり,放電したりするか,という点が問題で,対策として,ドライバ回路が必要となってしまいます。結局,バイポーラTr同様,MOS-FETといえども電流でドライブする必要があるし,ドライバ段が必要なんですね。

でも,市販のPICを用いた鉄道模型のコントローラにはこのドライブ回路はついていません。だから市販のPWM式コントローラとコアレスモータの相性が悪い,なんてことになるんじゃないでしょうか。もっとも,模型のコントローラばかりじゃなく,ごく普通のモータ制御回路でもドライバ段はついていない場合がほとんどです。部品が増えちゃって,コスト増要因ですからね。

で,なんでつけていないのかというと,パルスが十分広いとき,つまりデューティが高いときは全く不要だからです。

普通のモータ制御の場合はデューティが数十%以上のところで使用しますし,起動時にラピッドスタートになったって,問題になることはないでしょう。

でも,鉄道模型は起動時が命ですし,それこそ,運転時には起動をいかにゆっくりするか,と言うことにをかけている模型マニアの皆さんも多いと思います.....(^^;)。

まあ,命ほどじゃなくても指先を神経を集中している,と言う人は多いと思います。

と言う次第ですが,鉄道模型のコントローラは最低デューティ付近の制御が重要であることに気づきました。この点,通常の自動車や産業用モータのPWM制御とは大きく異なります。これらは数%のデューティで回転させる,と言うことはないでしょう。もし,そういう状況ならもっと定格回転数の低いモータに替えるとか,ギヤードモータならギヤ比を変える,と言う話でしょう。iruchanはTomixの5001パワーユニット改PWM式コントローラやKATOのKC-1改コントローラで最大出力デューティを100%とするのに苦労しましたが,意外に問題は最低デューティにあったんですね。

"敵は最低デューティーにあり!!" 

   (明智光秀の声で!...........ほんなもん知らんて!) 

まずは鉄道模型のモータが回転し始めるデューティについて考えてみたいと思います。

大体,10%以上のところで回転しはじめる,と言うのが普通だと思います。LEDはデューティで言うと,もう少し小さく,5~8%くらいの値です。

ところが,コアレスモータはインダクタンスが小さく,トルクも大きいことから,数%のデューティでも起動してしまうと思います。

となると,従来のPWM式コントローラでは,ボリウムを回していってパルスが出始める位置に来たときにはパルスのデューティが高すぎ,LEDが点灯すると同時にモータも回転してしまって,いわゆるラピッドスタートになっちゃうんじゃないかと考えています。

実際,今回,オシロをストレージモードにして,LEDの点灯開始およびモータの起動開始時点のデューティを測定してみました。

TL494+KATO EF70.jpg 測定中。

メーカ     車両   LED点灯開始(%)  モータ起動開始(%)  モータ

KATO D51ギースル   3.38 4.60~8.04 コアレス 

KATO EF70  11.2 12.7~14.9 コアつき

KATO DD51 10.3 34.0~45.7 コアつき

Tomix   ED61 6.7 34.5~62.3 コアつき,電球色LED化

Tomix EF510  10.3 34.0~59.9 コアつき,電球色LED化

残念ながら,コアレスモータ機は1両しか持っていないのですべてのコアレス機で本当にこうなのか,はっきり言えませんが,やはり,かなり低いデューティでモータが起動してしまうことがわかります。コアつきモータ機で12%~40%くらいなのに対し,ほんの数%で起動してしまうことがわかります。

コアレス機はLEDの点灯デューティとモータの起動開始デューティの差が小さく,やはり常点灯にも対応しにくい,と言うことがわかります。

また,古い機種ほどデューティが高いことがわかりますね。Tomixの機関車はいずれもかなり古いものです。それに,モータの起動開始はかなりばらついてしまいます。オシロも通常のモートでは測定不可で,ストレージモードにしてなんとか測定できる,と言うレベルでした。 

PWM デューティ解説.jpgコントローラのPWM出力

以上の結果から,実際の鉄道模型のPWM式コントローラの出力をグラフにしてみるとこんな感じではないかと思います。

本来は ━ の線のように,デューティは0~100%で直線状に変化するのが理想です。 若干,ボリウムの0゜付近には遊びを設けておかないとつまみをちょっと回しただけで模型が走り出しちゃいますので,通常は少し余裕が設けてあります。

ところが,▼の理由で,通常のPWM式コントローラは最低デューティは0%ではなく,  のように数%程度のところから急に立ち上がります。

昔のようにコアつきモータの場合はモータの起動デューティはこれより高かったので問題なかったのですが,どうもコアレスモータはこれより低い位置で起動してしまうようです。 

一方,コントローラのスイッチング周波数が低い場合は,最低デューティも小さくすることができ,▲のグラフでパルスの出力開始地点はもっと原点に近いところとなるはずで,うまくすればコアレスモータの起動デューティより低くできるはずです。 

ということから以前は,低周波のPWMがこの対策となると考えていました。

確かに,KATOのKC-1では50Hzくらいのスイッチング周波数ですし,iruchanも以前から300Hz/20kHzの切替式で作っておいて,たまに300Hzで運転しているんですが,確かに300Hzだとコアレスモータでもスムーズに起動します。

それじゃ,そのような低周波のPWM式コントローラを作ればいいじゃん,と思っちゃいますけど,これをやるとモータが瞬間的に,起動,停止を繰り返すため,モータが振動し,大きな音を立てます。D51なのに,チョッパ電車みたいにプーッと音を出して走るのはまずいな,と思います。

そこで,KATOのKC-1では高周波のPWMを追加し,モータが唸らないようになっています。KC-1は低周波50Hz,高周波20kHzの2周波PWMとなっていて,高周波パルスを出しているため,モータの振動が抑えられ,実際に運転してみても,かすかにモータが唸る程度です。

では,どうして低周波のPWMだとスムーズに起動するのか,と言うと,これは時間が関連しています。

もし,仮に1%のPWM波を作ったとして,そのパルス幅は20kHzでは0.5μsですが,50Hzでは0.2msもあります。

実は,いくらMOS-FETが高速だからと言っても,0.5μsのパルス幅を作るのは入力容量のせいで結構,難しいことなのです。

一方,0.2msもあるパルス幅を作るのなら簡単で,立ち上がり,立ち下がりに遅れがあっても,幅が0.2msもあるのなら大差ないですしね。要は1%のデューティのパルスを作るにはやはり(パルスの継続)時間が関連しているのです。

では,ちょっとシミュレーションしてみませう。いつものようにLTspiceでシミュレーションしてみました。

MOS-FET simulation circuit.jpg シミュレーション回路 

2SK2466(ton=0.5μs)-1.jpg 2SK2466のとき

   あちゃ~~!! 予想どおり,2SK2466はonしません。こりゃ,あかんわ。

ゲートの電位をみてみますと,静電容量のせいでゲート電位の立ち上がりがゆっくりで,ゲートしきい値電圧VGS_thに到達する前にパルスが終了してしまい,結局,2SK2466はonしないのです。

ですから,もっとパルス幅が広くならないと2SK2466はonしないし,そのため最低デューティが高くなってしまうのです。

実は,MOS-FETの立ち上がりが遅くなるのは入力容量ばかりでなく,ゲートに挿入される抵抗も原因で,これが時定数になり,MOS-FETの起動が遅くなります。これをなくしてしまってPICと直結してもよいのですが,これがないと寄生発振を起こしたり,off時にサージ電圧が発生してMOS-FETを壊すことがあります。

最低デューティ(試作機・PIC~MOS-FET直結).jpg PICと直結したとき

先ほどのオシロの写真と比較していただきたいのですが,確かに最低デューティは1.3%ほどと非常に狭くなりましたが,これ以上,小さくはできませんし,パルスがoffしたあと,はね返りがあります。これがサージ電圧で,ひどい場合にはVDSの耐圧を超えてMOS-FETを破壊することがあります。まあ,今回,試作基板で使用した2SK975はVDS=60Vなので壊れることはありませんけど。 

一方, 往年の東芝製のMOS-FET 2SK442だとこうなります。

2SK442(ton=0.5μs).jpg あれ? ちゃんと動作します。

ちなみに2SK442はCissが330pFと,2SK2466(3250pF)の1/10です。 2SK442はCissが小さいので,ゲート電位もすぐに立ち上がっているのがおわかりいただけると思います。

2SK442は古いMOS-FETで,おそらく1980年代の製造です。この頃のMOS-FETはまだ電流的に大容量でなく,ID=10Aですが,2SK2466は30Aです。最近ではサンケンのEKI-04027だと85Aです。これで同じTO-220パッケージなんですからね。驚いちゃいます。

その代わり,最近のMOS-FETは入力容量が増えており,2000pFを超えるのが普通です。そんなので20kHzのスイッチングをやって0.5μsのパルスを出させよう,なんて無理です。半導体メーカさんにお願いしたいのですが,もっとCissの小さなMOS-FETを作ってもらえないでしょうか。たとえば,VDS=30V,ID=5Aで,Ciss=50pFにして,3VのPICでもドライブできるよう,VGS_th=1.5Vなんてのを作り,鉄道模型スイッチング用なんてどうでしょうか.............無理。

一方,最近ではほとんど大電力回路に使われなくなっているバイポーラTrはどうかというと,

2SD794(ton=0.5μs).jpg 

     ちゃんと出力できるようですけど....。

2SD794(ton=0.5μs)-1.jpg 

     よく見ると立ち下がりが悪いです。

バイポーラTrはonするときは入力容量の問題がないので高速ですが,offにするときはP-N接合面付近のキャリアが中和されている領域がなくなるまでon状態となります。シミュレーションしてみるとデューティは倍くらいになっちゃいます。これでもonしないMOS-FETよりマシ35という気がします。 

う~~ん,とゆ~ことで,なんかいつも思っているんですけど......。

iruchanはいつも, コンデンサと女房は新しいほどよい,と思っています.....(^^;)。

真空管アンプのカップリングコンデンサには最新のフィルムコンを使うことにしていますが,これは古いオイルコンやペーパーコンは吸湿してリークするため,出力管を傷めてしまうからです。嫁はんも結婚したら数年で絶縁破壊し,ちょっとした過電圧で爆発して危険物に変化してしまいますからね.....。

ただ,iruchanは昔から 半導体と真空管は古いほどよい,と思っていました。2A3より45300Bより205Dの方が音がよいし,MOS-FETよりV-FETや2SA627/D188なんかのバイポーラTrの方が音がよいですからね。最近はSiC半導体がオーディオマニアで受けていますけど,iruchanは全く興味ありません。

鉄道模型のコントローラも古い半導体の方がよさそうです。MOS-FETは古い方がCissが小さいですからね。

と言う次第で,対策としては出力のMOS-FETのドライブ用に新たにドライバ回路を挿入する必要があります。前回のKATOのKC-1改でもドライバを挿入して回路を高速化しています。

前回,KATOのKC-1改の場合も,調光用の24kHzのパルスがやはり最低デューティが25%にもなっていて,ドライバ回路を挿入しています。

ただ,ドライバというとよく使われるのがエミッタフォロアなんですが,シングルでは問題を生じます。

PWM MOS-FET single driver simulation circuit.jpg シングルドライバ 

2SK2466(ton=0.5μs single driver).jpg 2SK2466をドライブしたとき 

MOS-FETの入力容量を充電するときは速いのですが,放電するときは1kΩの抵抗を介してGNDに放電されますので,遅く,いつまでもMOS-FETがonしたままです。これじゃ最低デューティは20%以上となってしまいます。 

以上から,やはりシングルのドライバはダメで,MOS-FETの入力容量を充放電するにはプッシュプルドライバにする必要がありますが,KC-1改のときに使用したテキサスのTL494は出力回路がエミッタフォロアになっていて,規格表を見ても出力電流は250mAもあるので,充電側はTL494に任せ,シンク側のみTrを使い,変形プッシュプルドライブ回路としました。回路が簡単で済みますしね。

MOS-FET single driver simulation circuit.jpg 変形プッシュプルドライブ回路 

今回,最初は同じ回路で考えたのですが,改めてMicrochip社の12F1822の規格表を見ると,ソース・シンク電流25mAと記載されています。 ちなみにこの場合,ソース電流がMOS-FETの入力容量の充電電流で,シンク電流が放電電流と言うことになります。なお,ソース電流をはき出し電流,シンク電流を吸い込み電流と書いてある場合もあります。

これは,本来ならとても大きな値なのですが,▲のシミュレーション回路で調べてみると,不足していることがわかりました。放電側は若干小さめですが,充電側は100mA以上流さないと0.5μsのパルスを出力できません。

と言う次第で,結局,プッシュプルドライバとしないといけませんでした。また,使用する素子も定番の2SA1015/2SC1815のような小型Trじゃダメで,ひとつ上の2SA965/2SC2235などの出力用のものが必要となります。う~~ん,なんかこれじゃ半導体アンプだな~~。 その割に出力の半導体はシングルアンプかよ~って感じですけどね......orz。

MOS-FET PP driver simulation circuit.jpg プッシュプルドライブ回路

MOS-FET PP driver 波形.jpg 各部の電流,電圧

2SK2466+driver(ton=0.5μs).jpg 見事に出力できます。

これでようやく20kHzでデューティ1%のパルスを出力できることがわかります。

せっかく,プリント基板を作ったのですけど,残念ながらこれで ボツです。来週は新たにドライバを搭載した基板を作ってテストしてみたいと思います。 

 

2017年3月20日追記

ドライバを追加した基板を作りました。

3連休なので無事に完成するか,と思ったのですが意外にトラブって土曜に基板を作ったのに,ようやく今日,正常に動作するのを確認できた程度でした。

一応,最低デューティは2%ほどにできたので,非常に低くできましたが,目標としていた1%を下回りませんでした。もうすこし回路を調整します。詳しくはまた次回です。どうも申し訳ありません。

PWM contoller PCB driver1.jpg ドライバを追加した基板

2017年5月20日追記

PWMコントローラの出力パルスのデューティ比の検証をしてみました。

本当だと実機のデータをお示しするべきでしょうが,▲にもあるとおり,あるところで突然パルスが出力される,と言う現象を確認できたのはいいのですが,実際に測定するのはこういう現象のため,とらえにくく,結局,やはりSpiceで確認しました。

PWM simulation schematic (fs=20kHz).jpg シミュレーション回路です。

これは従来,iruchanが使っている回路です。このうち,可変抵抗の値(R5, R6)を変化させて調べてみます。 

まずはスイッチング周波数を20kHzにしてやってみました。なお,出力電圧は方形波なので,ピーク値を示します。

simulation 20kHz.jpg

う~~ん,やはり予想したとおりで,正規に最大電圧(本機はTr出力のため,12Vより低くなっちゃいますが)を出力する最低デューティは18%くらいにもなります。一応,それ以下のデューティも出力できるのですが,出力電圧が下がってしまっており, 最低デューティ付近だとこんな風に三角波みたいになってしまっています。

PWM出力波形(fs=20kHz, VR=1.2kΩ).jpg 最低デューティ付近の波形

しかし,スイッチング周波数を300Hzとしてみるとこんな感じです。

simulation 300Hz.jpg これなら問題ありません。

スムーズに低デューティからスタートしますし,出力電圧も最初から12VP出ています。 

ということで,iruchanは自作のPWMコントローラは20kHz/300Hz切替式で作っているのですが,300Hzにするとコアレスモータ搭載車もスムーズに動く,という理由がわかりました。20kHzだと最低デューティは10%くらいにもなり,そのときにはコアレスモータはとうに回転してしまうデューティのため,ラピッドスタートになっちゃうんですね。もっとも,20kHzの時でも従来のコアつきモータの場合は起動するデューティは30%以上なので問題なかったわけです。

と言う次第で,コアレスモータ用に専用のコントローラを開発したいと思います。 


冬のタウシュベツ&襟裳岬ツアー [紀行]

2017年3月4日の日記

寒いところ大好きなゐるちやんはまたまた性懲りもなくかやうなところへ行つてをりました。

襟裳岬.jpg すげ~~っ!!

襟裳岬へ一度,行ってみたいと思っておりました。ただ,実を言うと,どんなところか,全く知りませんでした。道内でも全国的な知名度では一,二を争うくらい有名だと思いますけど,有名な割にTVで見たりすることはないのではないでしょうか。こんな素晴らしい絶景を見られるとは思いもしませんでした。岩肌に雪が積もってとてもきれいでした。天気も快晴だったし,風が強くてとても寒かったけど,本当に行ってよかったです。

そして,今回,ぜひ,リベンジしたいと思っていたところがあります。

タウシュベツ1.jpg 本当に美しいですね

昨年8月に一度,来ているのですが,夏は糠平湖はほぼ満水で,文字通り,港内で触雷して着底,という状況でした。

冬だと渇水期でほぼ全景を表しますし,凍った湖面に美しい姿が映え,とても美しいので,今度は冬に来てみたいと思っていました。

と言う次第で,今回,冬にタウシュベツ川橋梁と襟裳岬を訪ねることにしました。ついでに今度のダイヤ改正で廃止になる,千歳線・美々駅と根室本線・稲士別駅を訪ねてみたいと思います。

出発は2月24日(金)と決めました。

ところが.......。

前日の午前4時頃,室蘭本線・洞爺~有珠間を走行中の隅田川発札幌タ行きの3055レの機関車が脱線し,室蘭本線が不通となってしまいました。

朝,ネットでニュースを見て仰天。

機関車は赤スカの8号。おまけに重連で,"おっ,先頭赤スカで重連じゃん" なんて思っちゃいましたけど.....。ちなみに次位の機関車は回送だったようです。

まあ,画像を見ると複線区間だし,機関車の1台車が脱線していますが,それほど線路が傷んでいるように見えませんし,複線だったら最悪,単線で開通するかも,と思いました。実際,JR北海道のホームページを見ても,最初は14時頃開通予定,と出ていました。これなら何とかなるかもしれません。

ところが,じきにその表示は訂正され, "再開の見込みはたっておりません" となりました。NHKもそのようにニュースで伝えています。おそらく,事故も続いているし,国交省の調査が入るのでしょう......orz。

それに,複線区間に見えたのは北入江信号場で,先頭の機関車が分岐器を超えたところで脱線したようで,後続の貨車が本線を支障しているので,単線運転もできるわけがありません。そもそも,札幌~函館間のいわゆる海線の区間はほとんど単線区間がないのに,ごくわずかに残った単線区間で脱線しています.....。 

いままで,実を言うとiruchanが行くところ,必ず事故が起こる,というのがジンクスになっていて,家族からも恐れられています。

最近では,一昨年,旧白滝へ行ったときには翌日,旭川に近いトンネルが漏水による火災で函館本線が不通となっているし,瀬野八へ行った後も大雨で崖崩れが起き,通りがかった普通電車が脱線して山陽本線が不通になっています。どちらも帰りに通ったところなんですけど.....。

さすがに今回は行く前だったので焦りました。この分では,明日も不通となるのは間違いなさそうです。 

残念ながら,今回,室蘭本線の東室蘭~室蘭間が未乗だったので,函館空港へ飛んで,そこからスーパー北斗7号→室蘭→スーパー北斗9号と乗り継いで,この区間を乗りつぶす予定でしたが,あきらめました。

とりあえず,飛行機を探しますが,函館~札幌間は全滅。しかたないので,早割で買っていた函館便をあきらめて速攻で新千歳の便を予約しました。当日中に決済すればよいので,ギリギリまで待ちましたが,夜8時になってJR北海道のwebに明日の運休が出て,飛行機で新千歳へ直行するしかなくなりました。

と言うわけで,予定よりずっと早く,新千歳に着いちゃいました。

早すぎるんですけど,まずは美々駅へ。ここで1時間ほど撮影しました。残念ながら,室蘭本線が不通なので,貨物は来ないし,特急も走っていません。

南千歳駅名標.jpg この駅名標も修正ですね.....。 

新千歳空港から快速エアポートで一駅,地上に出たら南千歳駅で乗り換えます。ここも一駅で美々に着きます。

美々駅4.jpg 

     美々駅。kitacaの読み取り機があります。

まだ札幌都市圏だし,すぐ西側は新千歳空港の滑走路があるし,頻繁に上空を飛行機が飛んで,割りに賑やかなところなんですが,駅前にはなにもなく,人家もありません。まあ,飛行場のすぐ近くだから高い建物は建てられないし,農場ばかりなので人もそれほど住んでない,と言うのもわかりますが,通勤電車が走るようなところで駅が廃止になる,というのはちょっと驚きです。

だから,いくら廃止になるといっても,電子カード式乗車券が使えるし,周囲も人家が少ないと言うだけで,”秘境駅” なんてわけはなく,このカテゴリーに入れちゃって紹介している人がいるのは変な気がするんですけどね.....。でも,廃止になっちゃうくらいなんで,やはり秘境駅なんでしょうか。

美々駅2.jpg  後ろは航空用のレーダー?

美々駅1.jpg 下り本線と中線です。

ここは撮影地としても知られていて,"北斗星" 廃止の頃はすごかったでしょう。上り列車をきれいに撮れる場所のようです。 

美々駅3.jpg 時刻表

秘境駅というなら1日に2,3本しか停まらない駅,と思いますけど,ほぼ1時間に1本の割合で列車が来ます。 ただ,下手すると普通列車も通過するので,ちゃんと時間を調べておかないと鉄ができません。

やはり待っていても貨物列車や特急は来ませんので,改札機でまたピッとやって南千歳に戻りました。

ここからはスーパーおおぞら5号で帯広へ向かいます。 

お昼は本当はスーパー北斗9号の車内で長万部のかにめしを食べる予定で,JR北海道の客室乗務員事務所に電話して予約しておいたのですが,これもキャンセルとなっちゃいました。久しぶりに長万部のかにめしが食べられると思ったのに......。

ほっきめし.jpg 南千歳駅のほっきめし

でも,南千歳の駅ホームの売店でおいしそうな駅弁をゲットしてスーパーおおぞら車内で食べました。ほっきめしって初めて食べましたけど,おいしいですね~(^^)。いつも,回転寿司の店でホッキ貝サラダを食べてるんですけど,ホッキ貝の炊き込みご飯なんてあるのは知りませんでした。また買お~っと!! 

さて,石勝線内はやはり大雪。1時間以上かかるトマムまでは大雪で,外は吹雪いていました。

しかし,山を下りてくると快晴。やはり十勝地方は冬はよく晴れているようです。

帯広の駅レンさんで車を借りて大成駅へ。ほんとうはこの駅と芽室駅の間のカーブで撮りたかったんですけど,除雪してなくて車を停められそうにないし,うっかりスタックすると大変なので駅撮りです。 

2552D('17.2.24 大成).jpg 後ろはキハ40 777。

2両目は旧首都圏色の777号。前後が逆だったらよかったのに.....。

さすがにもう5時近いし,これから山道を走るので早めに糠平へ向かいました。それほど雪は積もっていないとは言っても,所々強風で雪が道路に流れ込み,それが凍ってアイスバーンになっていますから,慎重に車を運転します。大成駅から糠平までは70kmほどで,1時間半ほどでした。 

今夜のお宿は糠平温泉郷のペンション森のふくろうさん。とても親切な奥さんが迎えてくださいました。部屋もとてもきれいで,食事も豆乳鍋や蠣の炊き込みご飯がとても美味でした。 

翌朝は9時集合で,タウシュベツへ行きます。昨年夏同様,ひがし大雪ガイドセンターのツアーに参加します。冬なので凍った湖面をかんじき履いて渡っていきますが,滑るのはもちろんのこと,春近くなると氷が割れたりしますし,陸地も温泉地帯なのでメタンガスが噴出して空洞になっている場合があるらしく,うっかりすると胸までズボッとはまってしまうことがあるので,単独行動は危険です。かんじきを無料で借りられますし,ツアーに参加する方が安全です。 

往復5kmの道のりをかんじき履いて凍った湖面を歩きます。こんなこと経験したことないので,素晴らしい経験でした。

国道からしばらく林の中を歩くと湖岸に出ます。はるか遠くにタウシュベツ橋梁が見えてきます。

タウシュベツ2s.jpg タウシュベツ橋梁を望む

キタキツネ.jpg キタキツネも出てきました。

なぜかキタキツネが1匹,我々の前に現れ,そのまま橋をくぐって湖面の方へ歩いて行きました。人間をちっとも恐れている感じじゃなかったです。

それにしても近くで見るとタウシュベツ橋梁は傷みがひどく,アーチも所々崩れかかっています。いつまでこの姿が拝めるかわかりませんが,美しい滅び行く橋を間近に見られてよかったです。

タウシュベツ4.jpg 

どういうわけか,なぜか廃墟に惹かれます.......。

さて,昼過ぎにツアーを終わって帯広へ。レンタカーの返却期限が4時半なので,早めに帰ります。

西帯広~大成間の直線区間へ。 貨物列車も撮影できました。

2070レ('17.2.25  西帯広~大成).jpg 2070レ 

Sおおぞら7号(大成~西帯広 '17.2.25).jpg スーパーおおぞら5号 

さて,本当は日中にレンタカーで稲士別駅へ行きたかったのですが,時刻表を見ると帯広発17:55の列車で行くと15分ほどで折り返し帰ってくることができます。すでに日は没していますけど,列車で行くことができるなら,そっちの方がよいと思いました。 

残念ながら,近くでは上厚内駅も廃止になりますが,池田の向こうの山の中の駅のため,あきらめました。ちょっと残念に思っています。 

函館~稲士別切符.jpg 目的地までの切符です

もちろん,脱線事故のため,払い戻しになっちゃいました。カード決済なので新千歳の駅で払い戻しを申し出たら親切な駅員さんが不使用証明をしてくださり,購入元のJRで払い戻ししました。 

稲士別駅.jpg 稲士別駅

稲士別駅は駅舎もなく,今回,同時に廃止になる函館本線の東山駅同様,単線の軌道にホームが1面あるだけの駅です。 

稲士別駅1.jpg 帯広駅方向を望む

今日の泊まりは帯広駅のプレミアホテルCABINさん。とてもきれいなレストランと露天風呂もついた温泉の大浴場がよかったです。  

翌朝は7:15発の十勝バス広尾行きに乗ります。さすがに広尾まで乗り通したのはiruchan1人でした.....。 

広尾駅.jpg 広尾駅に着きました。

広尾駅到着時刻.jpg 今も時刻の記載があります。

広尾駅は十勝バスの営業所として活用され,今も中は暖房の効いた待合室がありますし,広尾線の資料室も設けられていて,見学することができます。駅ホームも残っていて,信号設備も転換てこなどが残っています。ただ,レールは埋め立てられ,駐車場となっています。 

30年前,学生だったiruchanは日高本線との組み合わせで広尾線を乗りつぶそう,と思っていましたが,試験があって廃止までに行くことができませんでした。廃止は1987年2月2日のことですが,理科系の学生は3月まで試験がありましたからね......。

結局,日高本線も含めて,バスで乗りつぶし,と言うことになりました。 

広尾駅で休憩した後,10:00発のJR北海道バス日勝線に乗ります。襟裳岬までは1時間です。 結局,この間,ずっとiruchan1人でした......。

それにしても広尾駅って意外に海のすぐそばなんですね。時刻表の地図だと結構,内陸,という感じだったのですが,駅前を出てすぐに国道に出るともう海の横を走っていました。 

襟裳岬バス停.jpg 襟裳岬バス停

北海道でよく見かける休憩室つきのバス停です。もちろん,暖房などはないのですが,扉を閉めると結構暖かいです。

ここから襟裳岬を見学します。次のバスまで2時間半あります。平日だと次のバスは40分ほど早いのですが,今日は日曜なので休日ダイヤです。でもあっという間でした。 

襟裳岬1.jpg ごつごつした岩肌

ゼニガタアザラシの北海道有数の営巣地らしいですが,普段は一番▲の写真の岩が飛び飛びで海に並んでいるところにいるくらいらしく,この岩肌の海岸まで来ることは滅多にないそうです。

それにしても寒い!!! やはり風が強く,あとでアメダス見たらこの時間,気温は-1.8℃ですが,風は9.4m/sも吹いていたようです。

さて,先ほどのバス停でまたバスに乗って様似へ。襟裳岬のバス停から乗ったのはまたiruchan1人でしたが,途中で何人か乗降がありました。

様似駅.jpg 様似駅

     本当は列車で来たかったのですけどね......。 

様似駅駅名標.jpg

様似駅入場券.jpg様似駅入場券

観光記念入場券がありました。通常の硬券もセットで売られていて,いいお土産になりました。

様似~美々切符.jpg様似~美々切符

様似駅から各駅の切符が買えます。新千歳までの運賃も表示されていたので,窓口の女性に聞いてみると,美々までも売れます,と言うことで切符を買いました。驚いたことに手書きの補充券。どうも大変ありがとうございました。 

日高本線はiruchanは未乗でした。広尾線と一緒に乗りつぶそうと思っていたら広尾線が廃止になっちゃいましたし,折り返して帰ってくるのは大変だし,ということでなかなか乗りに行くことができませんでした。

そうかと思っていたら2年前の1月に厚賀~大狩部間で線路が高波で流失し,以後,鵡川以遠はバス代行となってしまいました。いまだに復旧のめどは立たず,それどころか,廃止という話も聞こえてくるので代行バスで乗りつぶしをすることにしました。

静内駅.jpg 静内駅

様似から15:50発の静内行き代行バスに乗ります。このまま,静内から乗り継げば苫小牧で泊まれますが,苫小牧は工業都市だし,途中の静内で泊まりました。結果は大正解。駅から少し歩いてエクリプスホテルに泊まりましたが,レストランがすごくよかったです。夜景がとてもきれいでしたし,朝は太平洋が望めて最高でした。夜はホエー豚のしゃぶしゃぶ,朝食のバイキングはシシャモやベーコンをその場であぶったものがいただけましたし,昼用に,と手作りの昆布と梅のおにぎりがいただけてとてもよかったです。 

静内駅構内.jpg 静内駅構内

入場券を買うと駅の中に入れます。広々とした構内がいいですね。札幌から直通のグルメ列車とか,観光列車を走らせれば結構,乗るのではないかと思いますけど。 今度,JR東日本の四季島が走り始めますけど,北海道にも来るようなので,接続して観光列車でも走らせられれば,と思いました。

静内駅にしやそば.jpg 構内のそば屋さん

静内駅そば.jpg わかめそば。ウマ~!!

残念ながら,もう列車は来ていないのですが,道南バスなどの交通の結節点になっているし,旅行会社の営業所もあったりして,意外に駅に人がいます。

驚いたのは駅そば屋さんがあること。

駅のそばが大好きなiruchanは事前に知っていたのでホテルの朝食を軽く摂ってここでわかめそばを食べてまた代行バスに乗りました。出汁の利いたおそばがとてもうまかったです。それに北海道は何でも量が少し多めなのもいいですが,このおそばも結構量が多くてよかったです。朝だというのに入れ替わり立ち替わりお客さんがきてそばを食べているのもなかなかよいと思いました。最近は,朝,営業してない駅そば屋さんも多いんですよね.....。

さて,最終日は静内発9:07のバスで鵡川へ。ようやく気動車に乗ることができます。

途中の厚賀から,窓の横から線路を眺めてみますが,それほどひどい被害のようには思えませんでした。実際,よく,新聞で見る,厚賀~大狩部間の線路流出部分はこれくらいなら復旧できるんじゃないの,と思えるくらいです。

ところが.......。

実際には被害状況はもっとひどく,盛土が流失している箇所はさらに長いようです。豊郷から北にもかなり長距離に渡って線路がないところがあったので,どうも変だと思ってネットで調べてみると,こちらの方は去年の台風被害のようです。復旧には双方あわせて60億円近い金額が必要なようですし,恒久対策をするとなるともっとかかるわけです。

路盤流失箇所.jpg 被災箇所(清畠付近)

線路が完全に中に浮いちゃってます。ほかのところは完全に線路ごと流されて完全な砂浜に戻ってしまっているところもありました。 

復旧には多額の費用がかかることからJR北海道は昨年,12月に社長が廃止を表明し,以後,地元との協議が続いています。この前日にも社長と地元自治体の町長と話し合いがもたれたようです。

いろいろ報道を見ると鵡川~様似間の廃止が提案されていますが,比較的被害の軽い,日高門別までの再開を望む声も上がっていますし,確かに門別町は大きな病院もあったりしてここまで再開できれば利便性は高いと思います。

いずれにしろ,様似駅まで列車が復活することはよほどのことがない限り,なさそうな風向きになってしまっています。

もともと,鉄道というのはJRで言えば,新幹線とか,山手線とかそういう黒字のところの儲けで赤字のローカル線を維持する,と言う構造的な問題がどの鉄道会社でもあるわけですから,そういう意味で国鉄の分割民営化が正しかったのか,というのは感じます。北海道だけで自立できるわけがない,と思うのですが....。

やはり,北海道の鉄道維持に向けては過疎化が進む中,地元が負担するのも限度があるでしょうし,国費の投入,すなわち鉄道設備の維持は国が行い,列車の運営だけ民間が行う,上下分離が必要だと思います。道路や空港は税金で維持しているのに,鉄道だけ民間が自前でやっている,というのは矛盾を感じます。

それに,今後,どんどん日本は人口が減り,鉄道の廃止は北海道だけの問題ではなく,日本全体の問題になっていきます。北海道は過疎化のため,顕在化が少し早いだけです。早急に,赤字ローカル線をどう維持するか,あらたな政策の検討が望まれます。  

鵡川からようやく日高本線のディーゼルカーに乗ることができました。

日高本線(鵡川).jpg 鵡川

鵡川駅にはたくさんのお客さんがこの列車を待っていました。代行バスは途中,何人か乗降がありましたけど,最高でも4人ほどでしたからガラガラでしたけど....。

やはり鉄道というものが大切だ,と言うことがよくわかります。鉄道を廃止して,路線バスに転換すると急激に利用者が減る,というのはよく見られる現象です。 おまけに,路線バスはずいぶん前から届出制になってしまい,廃止するにも届出1本で済んじゃうことになり,ずいぶんと廃止のハードルが低くなっています。鉄道の廃止によって公共交通機関の喪失につながるのは事実なので,iruchanは鉄道の廃止には反対です。早急に日高本線の復旧を望みます。 

さて,鵡川から予定どおり,11:28に苫小牧に到着しました。

またまたところが.....。

どうにも様子がおかしい。ホームに上り北斗8号が停まったままになっています。これは苫小牧発10:18なので1時間以上,停まっていることになります。

どうやらこの先,糸井駅で人身事故があったらしく,室蘭本線が運転見合わせになっているようです。駅の放送も,札幌方面は代行交通機関をご利用ください,と放送しています。あちゃ~~。

なんとか,苫小牧で折り返す普通列車は動いているようなので新千歳へ行くことができるようです。 そういえば,JR北海道は経営立て直しのため,札幌都市圏の普通列車も見直しとなり,以前は小樽~室蘭間で運転されていた普通列車は2013年のダイヤ改正からすべて苫小牧折り返しとなり,苫小牧~室蘭間は気動車による運転となっています。このため,なんとか新千歳へ行けそうです。

余談ですけど,そういえば,スーパーカムイの新千歳乗り入れもとうに取りやめになっていますね。だったら,最初からもっと編成を少なくできたはずだし,どうもJR北海道の施策はムダが多すぎる,という気がしますね。 

ついでに,新千歳空港まで線路を延ばしたのはいいけど,単線でホームも1面2線というのはどうかと思います。快速エアポートが着くとすぐに反対列車が出て行くので危ない,と言うのもありますけど,それほど線路に余裕がないんですね。それに地下というのもどうかと。これじゃディーゼルは入れませんからね。観光客向けに新千歳~ニセコなんて観光列車を走らせれば儲かると思うんですけど,新千歳空港駅には入れませんね。それに,そもそも地下だからエスカレータを使わないと発着ロビーにも行けませんしね。その点,中部空港はホームからロビーまでエスカレータや階段はなしですから素晴らしいです。もっとも,これが最近の国際空港のデフォルトなんですけどね。新しい香港国際空港もこうです。こういう風に考えて造っておけば,ホームも地上だし,ディーゼルも入れたのに,と思います。 ついでに,線路を美々くらいまで伸ばして千歳線に接続し,スーパー北斗が新千歳空港駅に寄ってもよかったんじゃないかと思います。ついでに,石勝線も新千歳空港へ伸ばして,南千歳~新千歳~追分で三角線を構成し,スーパーとかちなんかも乗り入れできるんじゃないでしょうか。

ちょっと脱線しちゃいました(本当にマジでつい昨日まで脱線してたんですけどね......)。 

12:00頃には運転再開となりましたが,特急すずらんやスーパー北斗などが数珠つなぎになっていて,どんどん,走って行きます。 

DF200(美々).jpg 

  DF200牽引貨物列車。残念ながら事故のため,何列車かわかりません(美々にて)

再び美々へ。切符は美々までですので。

ここで1時間ほど待っている間に多少,写真が撮れました。3日前は何も通過しませんでしたので.....。 

美々駅でまたピッとやって,電車に乗り,新千歳空港にはなんとか間に合いました。無事に飛行機に乗って帰途につきました。

ホッキごはん.jpg 新千歳空港の空弁

南千歳駅のほっきめしが気に入っちゃったiruchanはまた新千歳空港の空弁でホッキごはんを買って機内で食べました。これもおいしかった。北海道限定のとうきび茶もいつも飲んでますけど,少しクセがあるけど,なかなか美味です。

弁当食っていると,親切なスッチーの おばさん お姉さんがおしぼりを持ってきてくれました。最近,よく新幹線みたいに機内で弁当食べてます.......(^^;)。

無事に帰りの飛行場に着きました。

最後まで,ところが.....。

なんと,自宅に帰ってみたら,「おとーさん,よく帰ってきたね~。」と娘が言います。なんと,今,乗ってきたばかりの鉄道路線が人身事故で全線運転見合わせになっているとのこと。

あとで調べてみたら方向は逆でしたけど,さっき通過したばかりのすぐ近くの駅で,私が乗っていた電車が通過した20分ほど後に飛び込みがあったようです。

本当に最後まで,いろいろと大変な旅でした.......。 

 

2017年3月19日追記

庭の畑にじゃがいもを植えました。

今回,十勝地方を旅行したので,"十勝こがね" という品種を植えました。昨年の台風でじゃがいもを始め,農作物には多大な被害が出ています。この種芋は北海道産と書いてありました。少しでも応援になれば,と思いました。収穫が楽しみです。

十勝こがね.jpg 十勝こがねを植えました。

植えつけ状態.jpg うまく育つといいな~~。 

畝を作って,間に溝を掘り,20~30cm間隔で種芋を植えました。間に化成肥料を少し撒きました。 

 

2017年5月23日追記 

もうこんなに大きくなって花も咲きました。十勝の皆さん,どうもありがとうございました。

十勝こがね'17.5.23.jpg  白くて可憐な花が咲きました[晴れ]

 

2017年6月2日追記

今日の朝日新聞に "幻の橋、本当の幻に?タウシュベツ川橋梁" という記事が出ていました。

写真を見てびっくり。大きく,側面が崩壊し,路盤の砂利が見えています。私が行ったときはまだこんなにはなっていませんでした。確かに,右側の崩落は私が行ったときもこうでしたけど,中央部分はこうはなっていませんでした。

記事を見るとどうやら今年限りで見納め,という状況です。とても残念です。見に行きたい,と言う方は早めに行かれることをおすすめします。