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コアレスモータ対応PWM式鉄道模型用コントローラの開発~その6・TL494を用いた単一周波数PWM式~ [模型]

2017年4月9日の日記

先月,PICを使用したPWM式鉄道模型コントローラの基板を作りましたが,ついでにもう1枚,TL494を使ったPWM式コントローラの基板も作りました。これは,KATOのKC-1型コントローラで使われているNECのμPC494Cのオリジナルです。iruchanもKC-1を現代によみがえらせるべく,自作しています。詳しくは,iruchan版KC-1改をご覧ください。

ただ,やはり,PICは嫌だ,と言う方もおられると思います。なによりソフトの組み込みが必要ですし,いろいろと道具も必要ですから。こちらはハードウェア方式なので,そういう方におすすめします。もちろん,コアレスモータにも対応するべく,高速応答タイプにして低デューティのパルスが出力できるようにしています。

TL494は米Texas Instruments社が開発したスイッチング電源用ICのひとつですが,おそらくそれらの最初のものだと思います。よほど売れたのか,日本でもセカンドソースとして,NECや富士通,東芝が作ったようです。そのひとつがKATOのKC-1で使われていたμPC494Cです。富士通のはMB3759,東芝のはTA76494と言う型番のようです。ほかにも,Fairchildやオンセミなども作っているようです。

まあ,NECや東芝などはすでに製造中止で入手は難しいですが,オリジナルのテキサスがまだ現行品ですので,入手は容易です。ちょっと東芝のTA76494は入手して使ってみたい気がしますけどね。

内部は鋸歯状波を発生する発振器と,コンパレータです。iruchanがいつも作っているPWM式コントローラはタイマIC555と,コンパレータLM393を使ったもので,別々のICとなっていますが,TL494を使うと1個で済んじゃいます。

また,コアレスモータに対応するためには回路を高速化する必要がありますが,TL494で使用されているコンパレータは高速で,20kHzでデューティ1%という非常に狭いパルスも容易に出力できます。残念ながら,iruchanが使っていたLM393は鈍足で,コアレスモータ用には適してない,と言うことがわかりました。

なお,TL494は少し残念ですが,本来はスイッチング電源用のICのため,2個の出力のTrが同時にonしないよう,デッドタイムコントロール機能がついていて,最低5%のデッドタイムが設けられるようになっています。そのため,デューティ100%にすることができません。KATOのKC-1も同様で,最大デューティは90%くらいのようです。

今回は回路を簡単にするため,KC-1改では調光用と走行用で別々のつまみを設け,またスイッチング周波数も調光用は高周波,走行用は低周波と分けていましたが,今回は周波数は20kHz固定で,つまみも1個にしました。

さて,まずは回路です。

PWM式コントローラ(TL494).jpg全回路図

KC-1改同様,高周波の低デューティパルスを出力するため,出力のMOS-FETにドライバ回路を追加しています。2SA10201SS133がそれです。また,出力のMOS-FETにはCissの小さなNECの2SK2412を使います。

ドライバ回路はTL494のソース(吐き出し)電流がmax.250mAもあるため,本来ならNPNのTrを使うところをDi(1SS133)で代用しています。 シンク(吸込み)側のみ,PNP Tr(2SA1020)を使って,これでMOS-FETのゲートに溜まった電荷をGNDに高速で逃がします。 

保護回路は電流制限型で,出力の2SK2412のソースに入っている0.56Ωと2SC1815がそれです。これで最大1A程度となるようにしています。面倒でしたら,0.56Ωの代わりにポリヒューズでも構いません。その場合,2SC1815は不要です。

また,出力にはスナバ回路(100Ω+0.01μF)とモニタ用のLEDがつけられていますが,特にこれも不要です。ただ,フリーホイーリングDiの11EQS06は必須ですので,つけてください。

回路は複雑に見えますが,TL494のピンはVccかGNDにつなぐ配線が多く,また,ピン配置が非常に合理的にできていて,プリント基板の設計は容易でした。やはりTL494は名石だな~と思いました。末永く作ってくれることを願います。

半固定抵抗1kΩはKC-1にもあるもので,パルスの出力開始位置を調整できます。ボリウムを回し始めてしばらくはパルスが出力されない,いわゆる "遊び" の調整です。 

プリント基板2.jpg 製作したプリント基板

プリント基板図をupしておきます。これを 34mm×50mmで感光基板に焼き付けるとプリント基板ができます。

プリント基板.jpg プリント基板図(銅箔面から見た図)

PWMコントローラ(TL494)基板部品配置.jpg 部品配置図(部品面から見た図) 

なお,ピンク色の部品はプッシュプルドライバを実験しようと準備工事したものです。今回,変形プッシュプルドライバとしましたので,不要です。 

最低デューティ1.jpg 最低デューティです。

最低デューティは0.89%で1%以下にすることができました! この状態ではモニター用LEDは点灯しません。 

ただ,TL494は先ほども書きましたように,最大デューティは95%くらいです。FBとDTCを接続すると,ほぼ100%にでき,iruchanもKC-1改でそのように配線してほぼデューティは100%にできましたが,どうしても本機は95%どまりでした。いろいろ調べているのですが,原因がわかりません。

最大デューティ.jpg 最大デューティです。 

従来型との比較1.jpg 従来型との比較

従来型はタイマIC555とコンパレータNJM2903Dを組み合わせたものです。 LEDの調光器に使っているものですが,鉄道模型のコントローラとしても使えます。それほど基板の大きさは変わりません。

TL494+KATO D51.jpg ただいまテスト中。

KATO D51 241.jpg 無事に常点灯にも対応します。ただいま停車中。 

やはりコアレスモータ搭載機は第4回にも書いておきましたが,LEDの点灯デューティが3%くらいで,モータの起動開始デューティが5%くらいなのであまり余裕がなく,点灯させた状態で停めておくことは難しいですが,本機は対応可能でした。 


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iTads

はじめまして
電子工作やったことない小生、いつも「こういう設計まで出来る人、うらやましいなぁ」と思いながら拝見していました。
うちにも「常灯化しても前照灯点灯しながら走り始める」KatoのC12という困ったちゃんがおります。 
今回こちらの記事を拝見して一念発起、組み立ててみました。
といっても、基板は起こせないしユニバーサル基板を使うのも失敗は目に見えてます。 なのでブレッドボードを試してみました。
結果、お陰様で C12 も停車中の前照灯成功しました。 
とてもよろこんでいます。 大変有り難うございました。
ただ、1VR だとどうしても停止時に前照灯を消してしまうことが多く、常灯化系と運転系の 2VR 化したいと考えています。
素人考えでは、
1. もう一つ TL494 周りの回路を追加
2. その CT, RT の C/R を変えてパルスの周波数を低周波にする
って思いつくのですが、これで正しいでしょうか?
また、追加した TL494 周りのE1+E2 をFET Gate から出ているせんのどのへんに接続すればよろしいでしょうか? 100Ωでよろしいでしょうか?
お忙しいところ誠に恐れ入りますが、よろしくお願い致します。
by iTads (2017-04-22 10:29) 

iruchan

iTadsさん,どうもコメントありがとうございます。また,無事に動作したようでよかったです。

すでに2VRタイプのものは作っております。下記をご参照ください。

ご検討いただいたように,TL494は2個必要です。

http://iruchan.blog.so-net.ne.jp/2017-02-11

ただ,少々複雑すぎるので,今回,VRを1個にしたものを紹介した,という次第です。また,保護回路も複雑なので,ポリヒューズでOKです。詳細はそのブログのコメント欄をご覧ください。
by iruchan (2017-04-22 20:43) 

iTads

ポリヒューズ案有り難うございました。
ブレッドボード一枚で収まりました。
ただ、最初電源を入れると「運転系」はちゃんとパルスが出ていたのですが「照明系」はVRをどこにしてもパルスが出ませんでした。
で、ボリュームとGND の間にある R (47k)を 30k に変更したら動くようになりました。単なる思いつきでやったので、このまま使っていても大丈夫かどうかアドバイス戴けますでしょうか?
動作の方は、kato蒸気(C12, 新C11)も停車中の常灯化も出来ましたし、あんまり評判のよくない C62 東海型もスムーズにスロースタートが出来るようになりました。
by iTads (2017-04-26 15:50) 

iruchan

iTadsさん,

どうも失礼しました。そこの抵抗は最初,47kΩにしておいたのですが,あとで30kΩにしました。Spiceでシミュレーションしたときは47kΩです。上の方の回路図は30kΩになっていると思います。

調光用のVRはデューティ比が最大でも10%位にしかならないよう設計してあるので,ちょっと点灯ギリギリの設計なのは事実です。

VRの中点の電圧を基準電圧DTCとし,TL494のCT(#5ピン)に鋸歯状波がでているので,それを比較し,DTC>CTの時だけ,PWMがonするようになっています。

場合によっては,部品のばらつきなどで調光用の方はギリギリなのでonしないかもしれません。

きちんとデューティが0%~10%くらいになっていればOKです。 もっとも,オシロをお持ちでないとデューティはわかりませんので(テスターで測定できるものがありますけど),とりあえず,調光用ボリウムを一杯に絞ったときに非点灯で,全開にしたときに明るく光る(実際は薄暗いはずなのですが,最近のLEDは輝度が高いので明るく光ります)ようでしたらOKです。そのとき,機関車が走り出してしまってもしかたありません。 調光用のVRはもちろん,前照灯が点灯するが,機関車は動かない,と言う位置に止める必要があります。
by iruchan (2017-04-26 21:35) 

斉藤逸朗

電子工作には超初心者です。netから得た情報で、ブレッドボードで組んだpwmのコントローラーがちゃんと作動して感激し、もっといいものはないかと検索していたところ、ここにたどり着きました。すごいです、本当に参考になります。で、さっそく試してみたくて回路図から部品調達を開始したのですが、「製作したプリント基板」と「部品配置図」を見ていて、写真には0.1μFのコンデンサーらしきものがあるのに、回路図にはないことに気が付きました。確認のため、KC-1改の回路図を見たところ、前照灯・室内灯のところに0.1μFが入っています。回路図から漏れているのでしょうか、それとも必要ないのでしょうか。「そんなこと、「聞かなくでも分かるだろ!」的な低レベルの質問でごめんなさい。お答えいただければ幸いです。
by 斉藤逸朗 (2017-04-26 21:44) 

iruchan

斉藤様,どうもコメントをありがとうございます。

その0.1μFは大変失礼しました。KATOのKC-1の原設計には入っています。私も実際に製作したものには入れていますが,なくても構いません。

これは,調光用のパルスが20kHzと高周波のため,ノイズ対策だと思います。

特に誤動作したりすることはなかったので,回路図から省略してしまいました。最終版では訂正します。
by iruchan (2017-04-26 22:08) 

斉藤逸朗

早速のご返答ありがとうございます。了解しました。部品がそろい次第作成してみます。また何かあったら質問するかもしれません、よろしくお願いいたします。
by 斉藤逸朗 (2017-04-27 08:34) 

iTads

iruchan さん
実はこの工作を始める前に「テスターだけじゃパルスがどうてているかわからないな」と考えオシロ買いました。と言っても電子工作ほぼ初めての初心者がちゃんとしたのを買うのは無駄なので一万円しないおもちゃのようなやつです。デューティ比は表示されないのですが波形を見ると10%以内に収まっています。 ケースも作って愛用しています。
次はpicに挑戦してみます。 今度はiruchanさんの完コピではなくオリジナルな部分も作りこもうと考えています。
by iTads (2017-04-30 11:53) 

iruchan

iTadさん,オシロを買われましたか。それはよかったです。

私も昔,社会人になって最初のボーナスで5万円のオシロを買いました。ただ,ストレージがついてるどころか,強制掃引式でトリガ掃引式じゃないし,今から思えばお粗末なものでした。iTadさんが購入されたものの方がはるかに高性能です。

また何かありましたらコメントいただければ幸いです。
by iruchan (2017-04-30 15:47) 

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