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デジタルアンプLepy(旧Lepai) LP-2024A+の改造~ヘッドホン端子の取り付け・つづき~ [オーディオ]

2016年12月31日の日記 
 
LP-2024A+ head phone1.jpg
 
とうとう,今年も今日で最後です。一年,ご愛読ありがとうございました。今年,最後の投稿です。
 
今日は前回の続きで,Lepy(旧Lepai)のデジタルアンプLP-2024A+のヘッドホン端子追加についてです。前回はいつもお世話になっている方からの依頼でした。今回は自分のを改造します。
 
まず,前回で課題になったのは,少し改造が大変だと言うことです。回路自体は簡単なんですけど,アンプの出力とスピーカ端子の間にスイッチを挿入しなければならないので,一度,スピーカ端子を外す,と言う大工事が必要でした。
 
回路は簡単なんだけれど,実際にやるのは大変,ということが結構ありますね。
 
今回,もっと簡単にできないかと考えました。
 
また,前回はスピーカ⇔ヘッドホンの切り替えをできるように考えていたため,スイッチは双極双投(DPDT)のスイッチが必要で,その配線が結構面倒でした。
 
でも,よく考えてみると,スピーカとヘッドホンの切り替えが必ずしも必要ではなく,あくまでもスピーカをOFFにできればよいのでは,と思いました。ヘッドホンがつなぎっぱなしで,ヘッドホンから音が出ている状態でも音量が小さければ問題ないし,普通はちゃんとヘッドホンを抜いておけばよいだけの話です。つまり,ヘッドホンを使っているときはスピーカをOFFにすればよいのです。
 
と言う次第で,今回はヘッドホンを使えるようにすると同時に,スピーカをOFFにする回路を追加することにします。
 
スピーカをOFFにする回路,というのはもちろん,ミューティング回路なんですが,もとからLepyのアンプにはミューティング回路がついていて,リレーでスピーカをON/OFFしています。
 
と言うことはこのリレーを別途,制御できればスピーカをOFFにすることができますね! 
 
これを使わない手はありません。 
 
ということから,改めてLP-2020の回路を検討します。LP-2020の回路については,以前も紹介したHamlinさんが発表しておられるので参考にさせていただきました。LP-2024A+も本体のTA2024周辺の回路をのぞけば,ほぼ同じと考えられます。
 
アンプの電源投入時にスピーカからボコッと言う不快な音がするので,その音をシャットダウンするため,アンプにはミューティング回路が入っています。真空管のアンプだともとからスロースタートなので問題になることはないのですが,半導体のアンプは立ち上がりが早いため,この問題が出ます。特にACアンプだと至る所にカップリングコンデンサやデカップリングコンデンサが入っているので過渡特性が悪く,ポップノイズが出ます。デジタル時代になってから,逆にアナログ部分はACアンプになっていることが多く,困ったものです。
 
特にデジタルアンプの時代になるとPWM信号プロセッサの立ち上がり時にノイズが出ることもあり,ミューティングが必要です。LP-2020も初期の頃,このノイズが問題となり,後期のものはかなり改善されています。LP-2024A+はLP-2020の後継機なので,改良点が継承されています。
 
アンプのミューティング回路は次のようなものです。
 
ミューティング回路1.jpg アンプのミューティング回路 
 
CとRの時定数回路が入っていて,この場合,コンデンサの端子電圧は最初は当然0Vですけど,徐々に充電されて電圧が立ち上がっていきます。よく言われるんですが,C×Rが物理的に時間(sec.)の次元となり,おおよそ t=C(F)×R(Ω) のとき,電源電圧の6割くらいの電圧になります。このC×Rの値を時定数と言います。
 
▲の回路ではコンデンサの端子電圧が大体,0.6VになるとTrがONし,リレーを動作させるようになっています。
 
Lepyのアンプのミューティング回路はこの通りとなっています。ついでに,ヘッドホン周辺の回路も一緒に示します。─ 部分が今回の追加部分です。 
 
LP-2024A+スピーカーoff&ミューティング回路.jpg 今回の回路
 
やはり,普通のミューティング回路同様,CとRの時定数でTrをONさせることによってリレーを動作させています。なお,リレーの駆動Tr Q4, Q5はダーリントン接続となっています。
 
ほかに,LepyのアンプはQ1とQ3が付加されています。
 
まず, Q1は過電圧保護で,入力のDC電圧が何Vかわかりませんが,限界を超えるとQ1がONしてアンプ全体をミューティングさせるようになっています。 

Tripathの規格表を見ると,TA2024の#12ピンはミューティングとなっていて,このピンが high の場合はアンプが動作せず,low になるとアンプがONするようになっています。 
 
また,リレーの後ろにQ3がついていますが,これのコレクタ電位は通常は high で,アンプの電源が入ると,ミューティング回路と同じ電圧でQ3がONし,#12ピンを low にするようになっています。
 
なんか,スピーカのミューティング回路と二重になっていてムダな気もするのですが,こうしないとポップ音がひどいのでしょう。初期のLP-2020アンプなんかはこの対策がしていないのではないかと思います。
 
さて,今回,ちょっとこのせいで困った問題が出てしまいます。
 
普通だったら▲の回路でC15をショートしておけば(=Q5のベースを接地する),ミューティング回路が動作せず,リレーが動かないのでスピーカはOFFにできます。
 
ところが,このやりかただと,スピーカはOFFにできるんですが,Q3もONしないのでいつまで経ってもアンプがミューティング状態となってしまい,ヘッドホンから音が出ません。
 
と言う次第で,この方法は使えません。
 
次の手で,Q4が動作してもリレーが動作しないようにします。Q4のコレクタとリレーのコイルの間にパターンを切ってスイッチを挿入します。場所は▼の写真の 部分です。
 
実は実装上はこの方法の方が簡単でした。それに安全です。うっかり,Q5のベースを接地するべく,スイッチを配線しようとしてはんだがブリッジしてしまってQ4やQ5を壊しちゃうこともあり得ますので。小さな表面実装のTrなので,配線をはんだづけするだけでも大変です。
 
SP OFFスイッチ挿入部.jpg ルーターでパターンを切ります。
 
一度,ルーターを持ち出してパターンを切らないといけませんし,切った端の部分の塗装をはがしておかないと配線をはんだづけできないんですが,こちらの方が楽だと思います。
 
また,スイッチは単極単投(SPST)のものがつかえるので配線も簡単です。
 
SP OFFスイッチテスト中.jpg ただいまテスト中。
 
使用したスイッチは6Pのどこ製だかわからないものですが,Lepyのアンプで使われているのとほぼ同じものだと思います。いつもお世話になっているサトー電気さんで見つけました。単極単投でよいので2Pのスイッチでいいのですけど,普通は3Pか6Pのものだと思います。
 
ただ,残念ながら,適当なキャップがありません。一般に売られているものはΦ8mmくらいのものです。LepyのアンプのはΦ7mmなので大きいのです。また,色もシルバーというのはありません。グレーでもいいかとは思ったのですが.....。
 
このスイッチを押すとリレーの接点が外れ,スピーカがOFFとなります。 
 
結局,Ali Expressで割に似たのを見つけたので注文しました。届くのに2週間くらいかかると思いますが届いたら取り付けてみます。
 
さて,実際の工事の様子です。
 
SP OFFスイッチ部.jpg パネルに穴を開けました。
 
ちなみに,ご覧の通り音量調節のボリウムの照明はオリジナルは品の悪そうな? 青色LEDを使っていますが,iruchanはいつも電球色LEDに換装しています。こっちの方がずっと品がいいと思います。 
 
Lepy LP-2024A+フロントパネル加工図.jpg パネル加工図です。
 
ヘッドホン端子はそれほどじゃないですけど,SP OFFスイッチは基板にはりつけるので,慎重に検討しないとうまく基板に載せてパネルから顔を出すようにできないので一度, "花子" で図面を描いて検討しました。が今回の穴開け位置です。 
 
 
ヘッドホン基板.jpg ヘッドホン基板
 
前回は万能基板を使いましたが,今回は基板はきちんとエッチングで作りました。ヘッドホンジャックはICピッチじゃないので万能基板を使っても結局,穴開けをやり直さないといけませんでしたので。
 
回路は▲の図の通りです。今回,ストッピングコンデンサはELNAのシルミック220μF 25Vを使いました。あまりに大きいのに驚き。同じ容量,耐圧のものの倍はあります。でも,音は非常にいい感じです。もう1枚作りました。こちらはニチコンMUSEにしました。
 
 
Lepyアンプヘッドホンジャック基板1.jpg プリント基板 
 
 
プリント基板用ヘッドホンジャックは配線が面倒なのでプリント基板図を示します。これを50mm×15.3mmで感光基板に焼き付けると基板を作ることができます。 
 
本当言うとiruchanはお気に入りのサンヨーのOSコンを使いたいのですが,OSコンは導電性高分子アルミ固体電解コンデンサで,内部に電解液が使われておらず,直接,電子で電荷をチャージする仕組みになっています。電荷を運ぶ素子が普通の電解コンデンサだとイオンですけど,OSコンは電子のため,非常に軽く,そのため高周波特性がよいので音もよいのですが,残念ながら普通の電解コンデンサと違って電解液を使わないので故障時にショートモードで故障するくせがあります。そのため,故障すると直流が漏れてヘッドホンが壊れる可能性があるため,使用は避けました。この故障モードはタンタルコンデンサも同じで,iruchanはタンタルは使わないことにしています。
 
ヘッドホン&スピーカOFF回路配線.jpg 
    
   ヘッドホン基板とスピーカOFFスイッチの取り付け 
 
ヘッドホンの配線はスピーカ端子に行います。前回はスピーカ端子を外さないと配線できませんでしたが,今回は基板の裏にはんだづけするだけなので楽です。
 
ヘッドホン配線はんだづけ1.jpg 2芯シールド線を使いました。
 
前回,ヘッドホンのGNDは電源のフィルタコンデンサを使いましたが,今回はSP端子近くのGNDプレーンに直接ハンダづけしました。ただ,このあたりにある,はんだ部分はとても小さいので,スピーカOFF回路同様,ルーターで塗装をはがしてそこにはんだづけしました。
 
これだと簡単です。
 
ようやくこれでヘッドホンが使えるようになりました。いい音で聴くことができますね。
 
では,今年も皆様,どうもご愛読ありがとうございました。また来年もどうぞよろしくお願いします。よいお年を。 
 
 
 
2017年1月15日追記
 
年末にAli Expressに注文していた,プッシュSWのキャップが届きました。どうしても日本で入手できるプッシュSWはキャップがなかったり,あっても色がシルバーなんてのはなくて,結局,中国から取り寄せました。このキャップは "つば" 部分がΦ9mmで,円筒形の部分がΦ5mmでした。もう少し円筒部分は太くて長い方がいいんですけどね。
 
push switch.jpg 20個で$8.16でした。
 
さっそく,使用しているプッシュSWに取り付けます。残念ながら,このキャップにセットになっているプッシュSWは入手できなかったので,今使っているやつにははまりません。
 
軸をルーターでΦ3mmに削って差し込みました。
 
push switch1.jpg 上面にプラ板を貼りました。
 
普通は端子部を下にしてはんだづけするんですけど,さすがに今のプリント基板に穴を開けて差し込もうとは思いません。危険ですよね~。
 
と言う次第で,普通はあり得ないんですけど,上面を下にして,プリント基板にエポキシ接着剤で貼りつけちゃいました。もちろんこの場合でも絶縁しておかないと危ないので,t1.0mmのプラ板を貼りつけてから接着しました。
 
LP-2024A+ head phone2.jpg こんな感じです。
 
出っ張った部分はΦ5mmなので,もとのフロントパネルに開けた穴が少し大きすぎますけど,まあ,違和感ないと思います。ついでに,インレタで表示を追加しました。
 
これで,無事に正面でスピーカのon/offができるようになりました。非常に便利です。これでLepyのデジタルアンプもヘッドホンで聴くことができるようになりました。
 

 
 

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