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6G-A4シングルパワーアンプの製作~その6・改良編~整流管の共用回路について [オーディオ]

2016年7月2日の日記 
 

さて,なんとか前回で高周波の特性が改善されたので,お次の宿題はB電圧が低すぎるということです。

電源部は事前にSpiceでシミュレーションして設計し,B電圧は290~300Vくらいと見込んでいました。ところが実際に完成してみるとB電圧は275Vくらいです。

予想より低かったのは整流管に起用した6AX5GTの内部抵抗が大きすぎるため,と思われます。実際,タンゴ発表のPH-100の整流特性を見るとシリコン整流に比べて75Vも低下しています。普通の整流管だと30~50V程度です。

そこで,今回は5Y3GTを使用してみます。

5Y3は原型はST管の80ですから,非常に古く,高真空整流管の源流みたいな球です。それまでは82のような水銀入り整流管でした。水銀入り整流管は耐圧が高く,電流も多く取れるので整流管に適していますが,予熱する必要があり,ラジオのエリミネーター受信機に使用するくらいなら,ユーザが怒るくらいで済みますけど,軍用の機器では予熱している間に撃たれてしまう,という切実な要求があるわけですから,即動作する水銀蒸気の入っていない整流管が望まれたわけです。

このように805Y3は古い球ですから,内部の電圧降下が大きいのですが,それでも6AX5よりは小さいのです。古い割には最大で120~150mAも電流が取れ,サイズ的にも小型なので最後までよく使用されました。それなのに,6AX5は傍熱管だし新しい球なのに6AX5の電圧降下がなんでこんなに大きいのか,よくわかりません。

本来なら6AX5はヒータ電圧が6.3Vで5Y3は5Vですから,配線の変更が必要なのですが,いつも大変お世話になっている河童さんから配線変更なしで共用できる回路を教えていただきました。

 5Y3GT.jpg   6AX5GT.jpg  5AR4.jpg

    5Y3        6AX5        5AR4

実は,うまい具合に5Y36AX5はピンが配置されており,ヒータをそれぞれ配線したあと,高圧用に#3, #4ピンと#5, #6ピンをそれぞれ接続し,B電圧を#8ピンから取ることにすると共用できてしまうんです。 河童さん,どうもご教示ありがとうございました。

実を言うと,▲のピン配置を見ると5AR4も差し替えできちゃうんですね!!

回路としてはこうなります。 

5Y3, 6AX5共用回路.jpg 5Y3, 6AX5共用ソケット配線.jpg  5Y36AX5を共用するとき

   原理的な回路         ソケット配線図 

こんな風に配線しちゃうと何ら配線の変更をすることもなく,整流管が共用できます。スイッチを設ける必要もありません。 

東芝5Y3, 5AR4, Syl 5Y#WGTA, HP 6AX5.jpg 各社整流管 

左から東芝 5Y3GT,Sylvania 5Y3WGTA, 東芝5AR4,HP(RCA製) 6AX5GT

規格的には5AR4が最大で,250mAも取れます。今回のアンプにはちょっと容量的に大きすぎますが,サイズは6G-A4とぴったりです。

と言う次第でさっそく実験してみました。結果は次の通りとなります。

 管名 メーカ 出力電圧 6G-A4プレート電圧(対GND)

5Y3GT 東芝 287.8 280.5

5Y3WGTA SYLVANIA 285.4 278.3

5AR4 東芝 329.2 320.5

6AX5GT HP(RCA)  275.9 269.2

う~ん,まず驚いちゃうのは5AR4ですね~!! 電圧がほかの真空管とは40V以上違います。よほど内部抵抗が小さいんですね。5Y36AX5は米国生まれですけど,この球は欧州管名GZ34で,開発はPhilipsですので欧州生まれで性能が段違いです。真空管は欧州の方が技術的に上でした。日本ではPhilipsと提携した松下が大量生産しました。バカ売れしたと思います。自分のところの開発じゃない技術を導入して大量生産し,安売りして儲けるというのはこの会社の得意なところですね.....。

ただ,今回のアンプにはB電圧が高すぎます。300Vが最大ですので,5AR4を使う場合はトランスの250V巻線を使うか,リップルフィルタのベース抵抗値を大きくして電圧を下げないといけません。

一方,6AX5は電圧が低すぎます。5Y3と比較しても10Vくらい電圧が低いです。もっとも,6G-A4から見たら電圧が低い方が楽ですので,長寿命を考えると6AX5もよいと思います。

東芝5Y3GT, 6G-A4.jpg 東芝5Y3GT6G-A4

東芝5Y3GT.jpg 東芝5Y3GT

通信用で,箱に42.2と書いてありました。昭和42年2月にどこかの会社の納品検査に合格したようです。

今回,河童さんから東芝の5Y3GTもいただきました。5Y3GTは歴史の長い球で,ステムもST管同様のバンタム(つまみ)ステムのものや今回いただいたもののようにボタンステムのものもあります。6G-A4はボタンステムのみですので,整流管もボタンステムの方が身長がそろっていいでしょう。5Y3のバンタムステムのものだと,ステム部分が長く,ちょっと身長が高いです。iruchanも5Y3GTは何本か持っていますが,ボタンステムのは初めて見ました。バンタムステムだと電極から下が長いので,そこにゲッターを飛ばすことが多いですが,ボタンステムだとそのスペースが小さいため,サイドゲッターとなっています。

と言う次第で,整流管を5Y3GTにして完成,と言うことにしたいと思います。

なお,直熱整流管を使うとB電圧の立ち上がりが早く,フィルタの電解コンデンサや出力管の寿命を縮める,と言う話がありますが,本機はリップルフィルタを使っていて立ち上がりが遅く,最大電圧まで10秒以上かかるので問題ありません。 

さて,お楽しみ......。またCDを聴いてみます。

Corboz Faure.jpg フォーレのレクイエム

前回,エミール・マルタン指揮サン・トゥスタッシュ管弦楽団&合唱団のシャルランレーベルのCDを聴きましたが,今回はミシェル・コルボ盤(ワーナー WPCS-21095)です。

コルボは4回録音しているようですが,その最初のもので,録音は1972年です。音のよいことでも知られていますが,美しい名演奏として有名な名盤ですね! この盤をフォーレのレクイエムのベスト,と思う人も多いようです。

出だしは何枚も持っているこのCDの中で一番ゆっくり,という感じです。オケの響きが美しいのにも驚きますが,合唱もとてもきれいです。

それと,聴いてみてびっくり。

  これ,おばはんの声やあらへんな.......。 

と思いました.....(^^;)。

どうにもソプラノが音が少し低いし,何かあどけない感じがします。もしかして.....。

そう,じつはこれ,ソプラノは女声ではなく,ボーイソプラノなんですね!!

そんなの知らんのか! としかられちゃいそうですけど,iruchanは知りませんでした。あわててネットで調べました。アラン・クレマンという少年が歌っているんですね(もういいおっさんでしょうけど)。どおりで少し声が変わってる,と思いました。

でも第5曲 "アニュス・デイ" の純粋無垢な声は素晴らしい! この曲だけでも一聴の価値ありです。

やはり3極管のアンプはフォーレのレクイエムを聴くのにぴったりだと思いました。

さて,次はこれ。

コバケン ショスタ5.jpg ショスタコービチ交響曲第5番

先日,すみだトリフォニーホールでの小林研一郎指揮フィルハーモニックアンサンブル管弦楽団のショスタ5を聴いて感動しました。

iruchanは反体制派なのでこの曲,大好きでよく聴いています。 もっとも,ショスタコービチ自身,この曲はスターリンに脅されて書いた,と言うことを戦後になって告白しているのは有名な話なんですけど.....。

同じオケじゃないですが,名フィルとの1999年2月のライブ録音です(オクタヴィア・レコード EXTON AVCL-84025)。

すみだトリフォニーホールでも感動しましたけど,終楽章の盛り上がりは圧巻! 特にティンパニ連打のコーダは最高です。

今回のアンプは高NFアンプなのでダンピングファクタも高く,非常に重低音が響きます。ティンパニの連打も大迫力で,とても最大2.5Wのアンプとは思えない重低音を聴かせてくれました。 

最後はこれ。ポップスも聴いてみます。

cherish you.jpg 松たか子 "Cherish You"

いつも聴いている松たか子さんの "Cherish You" を聴いてみます。やはり美しい歌声に魅了されちゃいます。

聴いてびっくり。やはりドラムスがとてもいい感じで,ドス,ドスと真空管アンプらしからぬ重低音がします。広帯域なf特がよいのか,ストリングスの音も美しいです。何より定位がいいのも驚きで,ヴォーカルが左右のSPの中心から聞こえるのはいい感じです。 

さて,このCD,7曲目の "きみの笑顔 きみの涙" と言う曲が気になります。自分の赤ちゃんのことを歌っているのですが,彼女が女の子を出産したのは今年のことですから,この曲は10年前なのに,予想していたんでしょうか。

ただ,それにしても

  ♪きみのことまぶしく 見上げる日まで~ きみを見上げること うれしく思う日まで~

と歌っているのは一応,私も2児の父なのですごく共感しちゃいます......(^^;)。 

娘(中2)は50年前の真空管がちゃんと動いているのを知ってすごくビビっています。 

all 東芝.jpg オール東芝でそろいました。

河童さんからマツダの6SJ7GTもいただきました。これで初段がマツダでそろいました。今回,整流も東芝の5Y3GTにしたので,オール東芝でそろいました。

思わず.....,これが歌えるのは相当なおっさんですけど....,

♪ まわ~る,回る東芝,はし~る,走る東芝,うた~う,歌う東芝.....

♪ みん~な,みんな 美的美的(Midea) ~のマ~クっと!!

と歌っちゃいました。三洋はハイアールになっちゃうし,シャープは鴻海だし,な~んか,いつの間にかこ~なんだよな~。次はどこかな?

ん,やっぱりこうかな? iruchanはいずれこうなると思っています.........(^^;)。

samsonic.jpg

では。 


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みつお

ずいぶん遅れたコメントですが、貴ブログにお世話になり、LP-2020A+を改造し、おかげさまで25年使ってきた2A3PPとトントン?の音質になりました。夏期用のつもりでしたがこのまま常用でOKかも。お礼もうしあげます。
最後の電源の話が特に有用でした。といっても、スキルと知識がなくとても自作できないので、ダイヤモンドのトランス式安定化電源GSS500を調達し、その固定電圧13.8Vを内部の半固定抵抗を廻して13.5Vに近づけMaxで13.57Vまで変動しますがスイッチングアダプタでのうるささが消えおおいに満足しています。左右モノ使いのアンプの内部では平滑2200μFを日本製に交換、その足にOSコン類似の180μF×2をパラり、信号が通る4個のコンデンサをスピーカーネットワーク用に変更。3.3μF(ムンドルフ4.7μFを使いたかったのですが大き過ぎました)とスチコン3個を積層セラミックに追加(スチコンの試行錯誤でどうやら愛用のLP、舟木一夫のじいさん声が慣れ親しんだ往年の甘い美声になりました。器楽曲ではわからなかったのです)、2.2μFを 2.7μFプラススチコン1万pFに交換。
あとLPF用のコンデンサも用意しましたが、不使用。ただCD0の0.1μFにはさわらず1万pFのスチコンをスピーカー端子にハンダ付けしましたが効果があったかどうか?無意味、有害だったかもしれず、ご教示いただけると幸甚です。
それと、この最新ブログまでたどる途中、コンデンサの長年使用による劣化の
ことが述べられていますが、2A3PPアンプもそろそろ電解を交換しなければ、と思っていたところ、カップリングコンも危ないとは・・・ペーパーコンは使っていないと思いますがナンギなことです。


by みつお (2016-07-27 12:33) 

iruchan

みつおさん,どうもコメントをありがとうございます。

2A3ppと同等とは驚きです。でも,それくらいの音質だと思います。ただ,それにしても2A3ppをお使いとは.....私も計画していて球も持っていますが,未組立です。

なお,電源はやはりトランス式の方がよいと思います。スイッチング電源はどうしてもノイズが出ます。

また,LPFは某掲示板でも話題になっていますが,そこをいじっても大して変わりはしないと思います。むしろ,入力のカップリングコンデンサやOPアンプを交換する方が効果大だと思います。

最後になりましたが,真空管アンプのカップリングにオイルコンやペーパーコンはたとえ日本製のものでも危険です。

一方,電解コンデンサというのはもとから漏れが大きいものですし,回路的にも漏れ電流がGNDに流れる位置で使われることが多いので,それほど漏れ電流や経年劣化を気にしなくてもよいと思います。容量抜けでハムが出たり,明らかに液漏れして下にたまっている,と言うような場合以外は交換しなくてもよいと思います。国産のものなら安心してよいと思います。

急いでデジタルテスターで出力管のカソードに黒,グリッドに赤のリードを当ててバイアス電圧を測定してください。きちんと-20Vとか-40Vとか,規定の電圧が出ていることを確認してください。

ここでデジタルテスター,と書いたのは理由があります。アナログだとインピーダンスが低いため,きちんとバイアスが出ているように測定してしまうことがあるためです。

可能でしたらついでにフィルムコンに交換をお勧めします。

追伸

これから出張に出ますのであまりコメントが書けません。よろしくお願いします。
by iruchan (2016-07-27 13:22) 

みつお

iruchanさん
お忙しいところ早速のアドバイスありがとうございます。
2A3PPは当時まだ50代だった信頼できるかたにお願いしてつくってもらったものです。私は回路図があっても、かえって間違ってしまう程度のレベルで、せっかくカソード、グリッドと教えていただいたので、ネット検索して2A3の足、足側からみて時計まわりで太いほうがNo.1と4でこれが(たぶん)どちらでもカソードと考えてOKかなぁ、グリッドはNo.3。1、3にテスターあてるとしてバイアス電圧の既定値は如何とググリましたが、武末アンプPPでー63Vというのを見つけただけでした。
そんなわけで役たたずですみません。足の見方、ぜんたいがかんちがいかも。
いままで異常なく使ってきたので、私が丈夫なあいだたぶん大丈夫だろう、がんばってくれよ。最後まで使い切ってあげたい、と思っています。(代替にLP-2020A+がある)とは聴こえたら具合が悪いので言いません。
by みつお (2016-07-28 22:45) 

iruchan

みつおさん、2A3は直熱管なので、太い足どちらもカソードです。そこと#3pinとの間の電圧を計ってください。

カップリングがリークしていると-63Vじゃありません。
by iruchan (2016-07-29 02:13) 

みつお

iruchanさん
ありがとうございます。なんどもお手数をおかけします。
2A3PPはモノラルアンプで、ある程度安定したところでバイアス電圧は
左チャンネルはー54.5V前後、右チャンネルはー57.0V前後です。
でもこのアンプのそれぞれのバイアス電圧設定値が不明です。結果的に異なった初期設定値になって製作されているのかも?
それとも武末2A3PPのー63Vが標準なのでしょうか・・・・
そういえば、左は整流管5Z3と2A3を間違えてさし、2A3は昇天しましたが
さいわいアンプは壊れなかった過去があります。
中をのぞくとダイダイ色(たぶんオレンジドロップ)のフィルム?に箔を巻きつけ
発振対策? ほかは大型の平滑コンデンサはある程度わかりますが、あとは
安物のちっちゃい電解その他何がなにやら。素人がさわらぬ神にたたりなし、と観念していますが、なにかアドバイスいただけましたらありがたいです。

by みつお (2016-07-30 19:05) 

iruchan

みつおさん、真空管の差し間違いはいただけませんね~。

オレンジドロップはカップリングです。フィルムコンなので、大丈夫です。

バイアスも正常だと思います。ppのアンプの場合、バイアスはシングルのように厳密じゃありませんので。
by iruchan (2016-08-01 18:01) 

みつお

iruchanさん
ありがとうございます。ホッとしました。
こんごは音楽いがいのことにわずらわされることがないといいのですが。
なかなか達観できないものです。

by みつお (2016-08-02 21:07) 

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