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KATO D51北海道形ギースルエジェクター入線 [模型]

2016年4月19日の日記

D51 241.jpg 

一昨年11月にKATOからD51のシリーズがリニューアル発売されました。標準形,北海道形,東北形などあるうち1種がこの北海道形ギースルエジェクター装備車です。

ギースルエジェクターは煙突が進行方向に長くなっていて,断面は長円形になっているものです。横から見ると逆台形のようになっていて,とてもかっこよく,昔から九州の門デフ同様,大好きなやつでした。

wikipediaを見ると,オリジナルは1903年オーストリアに生まれたアドルフ・ギーズル=ギースリンゲン(Adolph Giesl-Gieslingen)が1951年に発明しました。煙突からの排気抵抗を抑えることによりボイラの通風が改善されるため,燃費は6~12%向上し,出力も20%増を期待できるとのことでした。彼はウィーン工科大で学んだあと,フローリッヅドルファー(Floridsdorfer Lokomotivfabrik)社に就職し,機関車の設計をしたようです。戦前,一時,米国に派遣されてニューヨーク・セントラル鉄道で働き,第2次世界大戦勃発前に帰国したのち,戦後は同社の技師長を務めたあと,母校で名誉教授を務めました。ニューヨークで結婚しているので,妻は米国人かもしれませんが,もしそうだとしたら大戦中は大変だったでしょう。ゲシュタポに監視されていたりしたんじゃないでしょうか。没年は1992年なので,つい最近まで生きていた人なんですね。

ギースルエジェクターは彼が発明した後,同国のシェーラー・ブレックマン(Schoeller-Bleckmann)社に独占使用権を与え,同社からライセンス供与されたようです。そのためか,オーストリア,東独,チェコスロヴァキアなど東欧圏ばかりじゃなく,英国やアフリカ,中国,日本などで使用されました。確か,ペンシルヴェニア鉄道とか米国でも使用例があったような気がしますが.....。

ただ,名称は日本ではごっちゃになっていて,ギーゼル,ギースル,ギーセル,ジーセル,ジーゼルなど,ごちゃごちゃです。Googleが賢いのでどれもうまく検索してくれるので助かりますけど.....。もとはドイツ語なのでギーズルが正しいかと思います。KATOはギースルと表記しています。 "s" はドイツ語では普通,ズと濁りますが,ミュンヘンなど南部ではスと濁らないらしいので,オーストリアも濁らないのでしょうか。電機メーカのSiemensも本来のドイツ語ならジーメンス(山本権兵衛が連座したジーメンス事件なんてありましたね)なのに本社がミュンヘンのせいか,それとも世界的には英語読みの方が通りがよいのか,シーメンスと名乗っています。

もっとも,英語圏ではジーズルと発音するんじゃないかと思います。dieselも英語ではディーズルと発音しますね。"きかんしゃトーマス" でも憎まれ役のdieselはディーズルと呼ばれていますね。 ただ,"きかんしゃトーマス" は最近,CGアニメになってからうちの子も見なくなっちゃいました。昔のストップモーションアニメの方がよかった。そういや最近は日本のD51みたいなヒロなんても出てますけどね。ミョーに口数が少なく,まじめなのはいいけどおとなしく目立たないのが気になりますけど......。まぁ,ちびで出っ歯で眼鏡かけていないだけマシ35かもしれませんけど.....(^^;)。

昔からとてもかっこよい煙突だし,好きな北海道の機関車なのでKATOから出ると聞いて速攻で予約しました。その割に1年も放っておいちゃったんですけどね~。ちょっと蒸機というといじるのが怖い,と言うのもありました。北海道の蒸機なので,キャブが密閉式になっていて,ちゃんと乗務員扉がついているのもかっこうよく,私は本州の機関車など,ここが扉がないのはかえって妙な感じがします。 

さて,例によって入線に伴い,わが機関車工場で整備します。

まずは停車中に前照灯が点灯しないのが気持ち悪いので常点灯のための改造をします。

まずは慎重にボディをばらしますが,本当に蒸機は繊細なので十分気をつけてやります。

分解.jpg デッキからばらします。

まずはキャブを外しちゃうのが簡単だと思います。キャブ部分を指で挟んで上に引っ張れば簡単に外れます。

次は,デッキ部分を挟んでゆっくりボディと走り装置を上下に離します。前位シリンダ部分に出っ張りがあって,そこにボディが引っかかっていますので,慎重にその引っかかりを外します。なお,▲の写真の反対側に逆転棒がキャブに差さっていますので,事前にピンセットで外しておいてください。

内部.jpg ようやくここまでばらせました。ホッ。

煙突部分のウェイトが前後ありますので,再組み立て時にはご注意ください。この写真の向きが正しいです。

前照灯基板'.jpg 前照灯基板です。

停車中に前照灯が点灯しないのは,前照灯のLEDにパラに入っているコンデンサが電流制限抵抗(KATOの場合は560Ω)とローパスフィルタを形成し,PWM式コントローラのパルス出力を平滑化してしまうのと,モータの性能が向上し,LEDの順方向電圧(3V程度)より低い電圧で起動してしまうからです。そのため,このコンデンサを撤去します。これを撤去するとPWMのパルスが瞬間的に12VフルにかかるのでLEDが点灯します。前照灯には透明な導光材が入っていますので,なくさないようにしてください。

なお,ここでいつもだとスナバ回路を挿入するのですが,さすがに基板が小さく,しかもフライホイールが邪魔するので基板を外しにくく,無理に外すとほかの部分を壊してしまいそうなのであきらめました。今回は炭水車にスナバ回路を組み込みます。 

点灯テスト.jpg 点灯テスト

さて,コンデンサを撤去したらボディを外した状態でレールに載せて点灯テストをします。ここで前照灯が点灯しないようならやり直しです。

さて,この次は炭水車を改造します。これにスナバ回路を組み込みますが,ついでに,炭水車側の前照灯を点灯させたいと思います。昔,やマイクロエースのC11E10でやっています。KATOのC11はもとから後位側の前照灯が点灯しますのでいいのですがマイクロエースは点灯しないので改造しています。

もっとも,C11やE10は後ろ向きに走ることが多いわけですし,E10なんて,そもそも石炭庫側が前位なので石炭庫側の前照灯が点灯しないのはおかしいくらいですが,D51だと入換時くらいしか点灯しないので必要はないと思います。

と言う次第ですが,一応,スナバ回路組み込みついでにやっちゃいます。普通だと簡単なんですが......。 

端梁.jpg 台車端梁から外します

結構,このD51の炭水車のばらしは大変です。うっかり,台車を思い切り引っ張って外す,と言うことをしないようにしてください。床下はATS車上子まで表現されていて驚きます。

KATOの説明書を見ると,台車前後の端梁を先に外すと,台車を前後方向にずらして外せるようになっているようです。

と言う次第で,先に▲の写真のように台車端梁をピンセットで外したあと,台車を前後にずらして外します。

ナックルカプラー.jpg ナックルカプラーをつけました。

こうしてようやくナックルカプラーに交換できます。結構ここまで来るのに苦労します。台枠部分を外すと集電板が見えます。

炭水車前照灯.jpg  スナバ回路とLEDを組み込みます。

炭水車内部のスペースは結構ありますので,アキシャルリードタイプの部品でOKです。ボディにある梁の部分にφ0.8mmのドリルで穴を開け,そこからリード線を通して集電板にはんだづけしました。回路は▼の通りとなります。ウェイトが導体なのでショートしないよう,絶縁テープを貼っておきました。

kato D51 ギースルエジェクター炭水車回路.jpg炭水車の回路です。

なお,実は非常にうっかりして,LEDの保護用のシリコンDiを入れ忘れてしまいました。本当は入れておかないとヤバいです。ただ,こんなこと設計者が言ってはいけませんが,実を言うと,なくても大体問題ありません。ただ,LEDの逆耐圧をオーバーしちゃっていますので,出力電圧が12Vを超える昔のパワーパックなどをお使いの場合は必ず入れてください。私のはスイッチング電源使用なので12Vを超えることはありませんが,昔のはトランス式で非安定化電源となっていると無負荷時は15V以上となっていますのでご注意ください。

さて,あとはナンバーを入れて完成です。 

ギースルエジェクタの装備車の車番についてはsuzuran6さんのブログを参考にさせていただきました。さすが北海道ご出身なだけあって,とても詳細な記録があります。モノクロームのすごい写真もあります。ぜひご覧ください。

番号は追分機関区の241号にしました。追分機関区だから室蘭本線や夕張線の運用が主体だったでしょう。 本当はたまねぎ列車を追いかけているので,常紋越えのD51にしたかったですが,石北本線での運用があったかどうだか.....。旭川機関区や遠軽機関区にギースル機はいなかったようです。 

D51 241-1.jpg  無事に完成しました。

なお,補助灯まで点灯させることは可能ですが,補助灯は通常は点灯しないのが正規なので放置プレイです。交流電化区間では前照灯の電球が切れたとき,乗務員が架線下で電球を交換するのは危険なため,そのときは補助灯をつけて運転することになっています。だから両方とも点灯させるのはおかしいのです。とはいえ,私も補助灯は北海道では吹雪のため前が見にくいのでついているのだとずっと思っていました。そういえば,常磐線のC62など,北海道以外でも補助灯のついている蒸機は多いですね。 

D51 241-3.jpg 炭水車側も点灯します......(^^)。

ただ,それにしても今回のD51に採用されたコアレスモータはすごい!!!

普通のモータ(有鉄芯モータとかコアモータと言いますが,昔はこんなこと言わなかったと思います。そもそもこれしかなかったので)は断面が星形になった鉄芯の凸部に電線を巻いてコイルにするのですが,コアがあるとコアの間の溝(スロットと言います)はトルクを生じないので,どうしてもトルクにムラができます。鉄道模型用には3スロットや5スロットのものが使われ,KATOのも昔は3スロットでしたが,ずいぶん前に5スロットになっています。スロットが多いほど低回転となり,安定して走行します。トルクムラを減らすため,スロットを若干,ねじって斜めにしてあるものもあり,スキュー巻きと言いますが,スロットがある以上,トルクムラは避けられません。これを改良したのが,スロットレスモータと呼ばれるもので,これは鉄芯の断面が円形になっていてその上にコイルを巻いてあります。

ただ,これでもどうしても鉄芯の慣性モーメントが残り,応答性が悪いのでさらに改良して鉄芯がなく,単にコイルのみとしてしまったのがコアレスモータです。さすがにコイルは宙を浮いているわけにはいかないので,コイル自体はカップみたいな形状になっていて,樹脂で固められ,シャフトに固定されています。界磁となる磁石は普通は回転子の外に取りつけられていますが,コアレスモータの場合,内側にある場合が多く,モータを小型にできます。もっとも,サイズに限度があるため,サマリウムコバルトやネオジムなど希土類磁石を使うことが多いです。そのため,トルクもとても強力です。

コアレスモータ.jpg 評判のコアレスモータです。他にも使用されるといいですね! 

詳しい内部構造はシチズンマイクロさんのWEBがわかりやすいと思います。 HOゲージなどでは12V用のを購入して載せ替えている人もいらっしゃるかと思いますが,何せコスト高なのでメーカ製品,特にNゲージでは採用は難しかったのだと思います。 HOだと多少高くても売れますからね~。

もっとも,携帯電話のバイブレータ用に大量に生産されるようになり,量産効果で安くなってきているようです。そういえば,トロイダルトランスなんて昔は手が出ませんでしたが,最近はEIコアやRコアのものより安いくらいで,私もよく使います。エアコンや冷蔵庫もインバータ式になって久しいですが,これも従来のコンデンサ始動式のON-OFF制御のタイプより安く作れるからのようです。 

それに,コアレスモータは鉄芯がない分,当然のことながら小型にできるので,普通,Nゲージの蒸機と言えば,キャブからモータがはみ出しておしりが見えている,と言うのが普通でしたが,KATOのこのコアレスモータはボディ内部に収まり,圧力計や焚火口などもちゃんと表現されています。 

焚火口.jpg運転台です。すごい!! 

それだけでも驚きなんですが,もっと驚きなのはやはりその性能!! 噂は聞いていましたが,あまりにも低速からスムーズに動くのと,低いデューティから発進するのにびっくりです。なんと,常点灯にすら対応しないのです。コントローラのツマミをほんのちょっと動かしただけで機関車が動いちゃいますから。まあ,常点灯対応の回路にしたので起動と同時に前照灯も点灯するので買ったままの状態に比べればずいぶんとましなのですが....。

とはいえ,やはり停車中に前照灯が点灯しないと写真が撮れないし,駅に停まっているときに前照灯が消えているのは嫌なので,デューティの低い部分だけ微妙に変化できるようなコントローラに改造しようかなとか思ったらいるちゃん現用のTomix5001パワーユニット改PWM式コントローラには大好きな201系運転用に300Hzに変更できるようにしてありますので,300Hzにしたら見事に停止しました。普段は20kHzで運転してます。どうも何でかよくわかりませんが,スイッチング周波数が低い方がよいようです。

ただ,やはりきわめて低いデューティでの状態なので,プーッと猛烈にモータがうなります。おまえはチョッパ式機関車かよって......(^^;)。 

もちろん,デューティが上がってきてモータが回転するとこの音は小さくなりますけどね。 

それにしても動力性能はもちろんですが,ボディのディテールもすごい!。まるで工芸品のような出来で,お世辞じゃなくNゲージの最高傑作だと思います。 


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トータン

この記事はキープですね~(^^
by トータン (2016-04-19 07:40) 

Vivid

こんばんは

久々に訪問させていただきました。
KATOのD51良さそうですね。
最近はNゲージの車両を購入することはありませんが、昔と比較してもずいぶんと性能が良くなった様ですね。(そそられます)(笑)

それから、PICを始められたとのことですが、もう既に、PICを採用されていると思っていました。
PICっていいですよね、はまります。
私は、16F8XXシリーズしか使用したことがありません。
ノーマルIOポートとPWM、i2c、RS232を勉強しました。
始めた頃(2006年ころ)はアセンブラ一本だったのですが、どうにもプログラミング効率が悪く(自分の力不足なんですが)2年前からXC8を使用しています。
C言語はとっつきにくいですが、「作法」を覚えてしまうと、BASICより使いやすいのではないかと思います。
また、機会がありましたら、PICの作品をご紹介頂ければ幸いです。

by Vivid (2016-04-19 22:39) 

iruchan

Vividさん,どうもコメントありがとうございます。

ちょっと今回のD51はびっくりしました。C62で評判がよかったのは知っていましたが,C62はあまり好きじゃないので買わなくて今ごろ知った,と言うところです。

PICは結構いいですね。ハードじゃできないことができますし。

ただまだ始めたばかりで試行錯誤中です。仕事の方は一応,1個片付きました。もう一つに取り組んでいます。

PWMを使ったコントローラを作るつもりです。

残念ながらCは学生時分やりましたが,どうにもポインタがわかりにくく,あきらめちゃいました。

またよろしくお願いします。
by iruchan (2016-04-20 07:46) 

suzuran6

お邪魔するのがとても遅れました・・・
いま、加工中のD51が2両、バラバラの状態でかれこれ1年間放置中です。ちゃんと仕上げてあげなければ・・・
で、ついでにテンダー側も点灯する様にしようかな・・・

紹介ありがとうございました。
by suzuran6 (2016-04-28 12:25) 

iruchan

suzuran6さん,どうもコメントありがとうございます。また,今回はギースル機のデータと写真を参考にさせていただきました。重ねてお礼申し上げます。

そうでしたか,D51を加工中でしたか。頑張ってください。

なお,本文に書き忘れてしまったのですが,テンダの前照灯は下部に小さな隙間があり,光線が漏れてしまいますのでご注意ください。エポキシで隙間を埋めて,裏から黒く塗った方がよいと思います。

まあ,D51だと後ろ向きに走ることはないので放ってあります。
by iruchan (2016-04-28 20:30) 

Manic

iruchan様 失礼致します。
当方鉄道模型が趣味で貴ブログを楽しみに拝見させてもらっております。ただ、当方電気の方はさっぱりチンプンカンプンでして…。そこで不躾なお願いなのですが電気素人のつまらない疑問・質問を時間が許す時にでもお聞きいただけませんでしょうか?本当に突然コメントしてきて何言ってるのだ?と言う話でございますが鉄道模型も趣味で電気に詳しくブログを書いているお方にお話を聞く事で鉄道模型の電気に関する疑問等を無くしたく思いまして失礼ではございますがお願いします次第です。どうかよろしくお願い致します。

by Manic (2016-10-07 07:47) 

iruchan

Manicさん,どうもいつもご覧いただきありがとうございます。

ご質問はコメントでご入力ください。もし,個人的な内容で公開は困る,ということでしたら当ブログのコメントは管理人承認後掲載ですので,大丈夫です。その場合は非承認にしておきます。

回答はまたコメントか,後日,ブログで記事にしてご回答申し上げます。
by iruchan (2016-10-07 07:58) 

Manic

失礼致します。

お言葉に甘えまして電気素人のつまらない質問お願いします。一応ネットで見たりもしてお手数かけないように、とはしたのですがいろいろな見解が有ってどうなのか分からない始末で…。

①PWM方式のパワーパックの原理はなんとなく分かっているつもりですがKATOのパワーパックだと電圧が最大14~17V出ているなんて書いてある物が有ってそうすると12V仕様のモーターに良くない気がするのですがどうなのでしょうか?また、PWMパワーパックとコアレスモーターの相性が良くないとの書き込みもあってこれも実際どうなのでしょうか?(自分は低速の具合が良いと言う話らしいのでKC-1を使っていますがKATOのコアレスモーター使用蒸機はKC-1発売されて大分経ってからの発売なので具合が特に心配でして)

②漠然とした話なのですがモーターが高性能なら電源に左右されず高性能で在るべきだと思いますでしょうか?(昔のTOMIXの5001やその辺りの時期前後に販売された他社のパワーパックでもちゃんとした走行が出来る)、また現在新発売される動力車も同様に同様に昔のパワーパックでもちゃんとした走行が出来るべきとお考えになりますか?鉄道模型で流れる電流の質ってやはりあるとお考えでしょうか?多分流す電流の制御の質って事だと思うのですが

すいません、漠然とした話ばかりで…当方文章能力が足りなくて判りづらかったらすいません。また、自分の文章に失礼・ご不快に思われたところが有りましたら謝りますと同時にそういう意図は無いとご理解いただきたくお願いします。それではもし宜しければ見解お聞かせいただければ幸いです。よろしくお願い致します。
by Manic (2016-10-30 08:15) 

iruchan

Manicさん,失礼なんてとんでもありません。どうぞ自由にご質問ください。

PWMというのはパルス幅変調(Pulse width modulation)の略で,DCモータの制御法のひとつです。DCモータは大まかに電圧制御とPWMの2種類制御法があります。

従来のパワーパックは電圧制御で,トランジスタコントローラというのがそれですし,大昔のカツミのトランスにタップがついているやつもそれです。レオスタット式も広義の電圧制御です。

詳しくは拙ブログをご覧ください。

http://iruchan.blog.so-net.ne.jp/2014-11-25

なお,PWM式については,電圧制御をするわけじゃなく,最大電圧12Vが常に出ていて,そのon,offでモータをコントロールします。実車では営団地下鉄6000系や国鉄201系がそうです。電機子チョッパと言われる電車がそうです。プーッと言う音を出して走っていましたが,その音は電流をちょん切っているときに発生しています。

ちなみに模型では耳障りなので,私は20kHzにして,人間の耳に聞こえないようにしています。

http://iruchan.blog.so-net.ne.jp/2009-04-19

昔,エアコンや冷蔵庫など,ACモータ(誘導モータ)を使用した機械はモータの回転数が制御できないので,常にフル回転で,時折,停止して温度制御を行っていました。これをON-OFF制御と言いますが,PWMはこれを猛烈なスピードでやっているんです。

このように,ACモータの場合は簡単に回転数が制御できなかったので,ON-OFF制御しかなく,電車のようにスムーズに回転数を制御するにはインバータが必要で,なかなか実現できませんでしたが,パワー半導体が進歩して電車がインバータ制御のACモータになったのはご存じの通りです。

ちなみにインバータもPWM式ですが,DCモータと異なり,ACモータなのでフィルタを通すと正弦波状になるようにスイッチングしています。

PWM式は瞬間的に12Vが出ているため,モータが瞬間的に高トルクになりますし,電圧が高いので多少の接触不良など,線路の抵抗が大きくなっていても電流が流れるので鉄道模型に適しています。

ただ,メーカ製のコントローラは買ったことがないので,最大電圧が15~17Vとなるものは多いです。電圧制御式ならごく普通のことです。

これは,制御回路に入る前のDC電源が非安定化電源になっているためだと思います。

電源というのは最大出力時に規定の電圧になるように設計します。

すなわち仮に12V,1Aという電源というのは1A流したときに12Vとなっているもののことを言います。

Nゲージのように軽い負荷だと12V以上出ているのは普通です。よく,昔の鉄道模型の本に, "HOゲージ用のパワーパックをNゲージ用として使用してはいけない" と書いてあるのはこのためです。

もっとも,安定化電源と言って,負荷が変化しても一定の電圧にする回路もあり,私が設計するコントローラはすべてこのようにしてあります。ちょっとKATOに限らず,鉄道模型のコントローラはこのような設計をしていないことが多く,困ったものだと思います。回路的には単にツェナーDiを1個,入れるだけで済んでしまうんですけどね。

もっとも,最近のコントローラはACアダプタ式のものが多いと思います。KATOのKC-1もそうですね。

こういったものの場合,ACアダプタはノートパソコン用などで大量に生産されるようになって安くなったため,スイッチング電源を使用しています。スイッチング電源は安定化電源で,内部に電圧制御回路が入っていますから,出力はきちんと12Vになるはずです。

ただ,KC-1もそうですが,専用の電源じゃなく,どこかで見つけたACアダプタや自作の電源などを使う場合は安定化電源となっていることを確認してください(最大出力電圧が12V)。PWM式コントローラの場合,電源の電圧が最大電圧となります。もし,17Vの非安定化電源を用いたらPWMコントローラの出力は17Vとなります(実際は多少の電圧降下がありますけど)。

また,ご指摘のようにコアレスモータはPWMとは相性が悪いようです。私もこのギースル機で経験しましたが,モータがハイトルクなため,低デューティでも機関車が発進してしまいます。

幸い,私は自作のPWM式コントローラはスイッチング周波数切替式なので低スイッチング周波数にして対処できましたが,ほかのメーカ製の場合は対処できないでしょう。

コアレスモータはまだ私も経験不足のため,詳しいことがわかりません。

次に,モータの性能とコントローラの関係ですが,ご指摘のようにモータの性能がよければコントローラは関係ないと思います。

ただ,Tomixの5001などのレオスタット式の場合は挿入する抵抗値により,運転したときの感覚が変わります。

5001などの古いコントローラは昔の性能の悪い(低トルク)のモータにあわせて,抵抗値が低くなっていて,最近の高性能のモータに使うとラピッドスタートになると思います。

それで私は5001のPWM版を作っています。とてもスムーズに動くので満足しています。

詳しくは下記をご覧ください。

http://iruchan.blog.so-net.ne.jp/2013-01-13

レオスタット式は使用するモータの性能にあわせて使用する可変抵抗を変更しないといけないと思います。

一応,レオスタット式も研究していますので,いずれブログで発表したいと思っています。
by iruchan (2016-10-30 21:23) 

Manic

iruchan様
 前につまらない質問に丁寧にお答えいただきましてありがとうございます。

 またまた関係のない話なのですがお尋ねしたい事がございましてコメントさせていただきました。
 昔、バンブー商会と言う会社からタイフォン等の音が出る製品が有りました事はご存知でしょうか?たまたま中古店でジャンク品にこれを装備しているのが有りまして購入・点検したら壊れてなかったので移植を試みた際、床下から出ているリードスイッチを破損してしまいました。このリードスイッチ近くに有るマルツに行ったら幾つか種類が有ったのですがどれを選んだら良いか皆目見当つきません。今は無い会社の製品で回路図も無くどうしたら良いか困っています。判断しようが無いかと思われますが何か助言出来ましたらお願いしたく存じます、ご迷惑おかけしますがどうかよろしくお願い致します。
by Manic (2017-02-01 08:07) 

iruchan

Manicさん,どうも質問ありがとうございます。

さて,さあ,困りましたね。かすかにバンブー商会と言う名前はかすかに記憶しておりますが.....。

これでしょうか。

http://www5a.biglobe.ne.jp/~toyoyasu/m090806.htm

おそらく,12V,0.1Aくらいのもので,とにかくサイズが同じものを探して使ってみてください。アンペア的にはもっと大きい方が安全ですが,サイズが大きくなります。マルツにたくさん出ていますね。
by iruchan (2017-02-01 08:38) 

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