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マーカー回路の製作 [電子工作]

2015年10月6日の日記

マーカー本体.jpg

なんか急に寒くなってきました。皆さんもお身体ご自愛ください。

さて,今日は頼まれ物です。

某メーカーに勤める友人からの依頼で,マーカーを作ってほしいとのこと。マーカーというのは自動車や電車などの走行試験をする際に,試験区間に入ったとか出たときの目印となる信号のことで,さらに1kmごととか,500mごととかの位置の目印としても使う,とのことです。信号はTTLレベル(5V)くらいあればよいとのことですが,1kmは1パルス,500mは2パルスとしてほしいとのことです。

う~ん,実を言うと,1パルスだと単安定マルチを使えばよいので簡単ですが,2パルスとなると厄介です。1回じゃなく,一定の回数だけパルスを出す回路,というのは案外難しいです。

もちろん,カウンタ回路を使えば簡単ですが,一定の回数をカウントした後,パルスの発振を止めることが必要となります。

今回,2回と言うことなので,バイナリカウンタを使えば,2回のパルスをカウントした後に桁上げ? 用にカウンタICがパルスを出力するのでそれをリセット信号としてパルスの発振を止めればよい訳ですが,発振回路の制御にR-Sフリップフロップなどが必要で,ICが3個ほどいりそうです。

まあ,電子回路の設計者としてはできるだけ回路はシンプルに,使用する素子はできるだけ少なく,と考えちゃうので,今回,単安定マルチと非安定マルチを2個組み合わせた回路にしました。

単安定(モノステーブル)マルチバイブレータは74LS123が有名ですね。ボタンを押すと1回だけ,所定のパルス幅のパルスを1発出力する回路となります。どうしてもボタンを押すと信号が出る回路というのは問題があり,特にデジタル回路には適していません。チャタリングと言って接点が何回もバウンドして一瞬にしてたくさんのパルスを出してしまうからです。こんなのをカウンタ回路に組み込むと,ボタンは1回押しただけなのにカウンタは一瞬にして何十回も進んでしまう,と言うことになります。

これを防ぐために単安定マルチが使われます。接点がチャタリングを起こしても出てくるパルスは1回だけです。

1パルスの方はこれで十分で,パルス幅250msで回路を設計しました。

では,2パルスの方ですが,こちらはまず,ボタンを押すと1sec.の幅のパルスを出す単安定マルチを使います。

次はこの1sec.の幅のパルスを電源として,2Hzのパルスを出力する非安定(ノンステーブル)マルチバイブレータを動作させます。非安定マルチというのは電源が入ると,無限にパルス列を出力する回路のことです。発振回路と同じです。今回,電源が1sec.の間だけなので,結局,2回だけパルスを出力するだけで終わってしまいます。リセット回路はいりません。

と言うことで,設計した回路は次の通りとなりました。単安定マルチも結局,タイマIC 555を使って,合計3個使いました。 

マーカ回路.jpg回路です。

1km(1パルス)の出力に入っている赤色のLEDは信号の合成用と電圧調整を兼ねています。500m用(2パルス)とピーク電圧がそろうように調整しています。 

マーカー基板.jpg プリント基板です。50×70mmにしました。

電解コンとTrがイナバウアー(古ッ!)しちゃってるのはケースのふたにぶつからないようにするためです。 

ボタンスイッチは12mm角のタクトスイッチを使いました。あとでボタンは丸に変えちゃいましたし,LEDも赤→緑にしてしまいました。ところが緑色のLEDは輝度が高すぎ,電流制限抵抗を大きくしました。青色LEDが最後の開発で,一番新しいので輝度も高いのですが,他の色のLEDも最近は輝度が高く,今回使用した緑色は非常に輝度が高かったです。φ3mmのLEDでもまぶしすぎるくらいになってしまいました。

2pulse初期状態.jpg あれれ.....。

ところが,パルス1発の方は計算通りの出力になりましたが,2発の方がどうもおかしく,なぜか最初の1発目が幅が広いです。まあ,単に目印と言うだけならこれでもいいのかもしれませんが,きれいじゃないですよね。ちゃんときれいな幅のパルスにしたいところです。

ルネサス新日本無線555の規格表を見てもこんなことは書いていません。どうもおかしいです。

シミュレーション回路.jpgLTSpiceのシミュレーション回路

困ったときのSpice頼みで調べてみますと,ある程度,予想はついていたのですが,非安定マルチの555のNo.6ピンに入っているコンデンサ充電電圧が1発目のパルスは0Vから立ち上がるのに,2発目以降は最初のパルスで充電されているため,もっと高いところから充電されているせい,とわかりました。

これなら,最初からあらかじめこのコンデンサを充電しておけばよいわけで,Vccから100kΩで充電してみました。555の規格表にはない抵抗ですが,うまくいきました。

Rなし.jpg Rなしのとき。

        青線がコンデンサの充電電圧です。 

R100kΩ.jpg R=100kΩのとき。

ただ,Spiceのシミュレーション上は75kΩがよかったのですが,実際に回路を組んでみるとうまくいかず,パルスが1発しか出なくなりました。やはりシミュレーションはシミュレーションでしかありません。必ず実際の回路で実験してみる必要があります。 

ようやくうまくいくようになりました。友人も喜んでくれました。


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