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Lepai社製LP-2020A+,LP-2024A+専用電源の製作 [オーディオ]

2015年7月12日の日記

電源+アンプ.jpg 新たに電源を作りました。

さて今週は,ここのところずっと改造して遊んでいる中国Lepai社(米国でのブランドはLepyになったようです)のデジタルアンプLP-2020A+LP-2024A+の電源を作ってみたいと思います。

ACアダプタが嫌いなのでいずれ専用電源を作るつもりで,これらのアンプを買うときはACアダプタなしのものを買って,しばらくの間,使っていないルータの電源を使うことにしました。

ただ,さすがに容量も12V 1Aのものだし,いつまでもこのままではかわいそうなのでちゃんとした電源を作ることにしました。いい音を出すし,デザインもよい上,お値段も非常に安く, 使いやすくてなかなかの働きものなのでこの子たちにいいお弁当(電源)を,と思っていました。

そういえば,iruchanはこのところ,職場へ自分で作ったお弁当を持って行っていますしね。お弁当を作るのは手慣れたものです。嫁はんはいつもぎりぎりまで寝ているし,たまに作ってくれてもイライラして子供に当たり散らす始末なので......orz。

さて,いいお弁当をと思いましたが,毎回,これで悩んじゃいますけど,なかなかいい弁当箱(ケース)がありません。どれもこれも大きいし,なかなかいい大きさのものがありません。デザインもどれもいまいちですしね。特に,Lepaiのアンプはとても小さいので,電源の方が大きい,というのはできれば避けたいと思っていました。

と言う次第で,本末転倒ですけど,まずケースを先に決めてしまいました.......。

使ったのはタカチのHIT9-4-13というケースです。その型番が示すように,サイズは130(W)×90(D)×40(H) mmというものです。Lepaiのアンプが140(W)×90(D)×40(H) mmですからほぼ同じ大きさです。

でも,これはやり過ぎ。そもそもこの大きさで電源を作ろう,なんて無謀です......。

まず考えたのがACアダプタと同じスイッチング電源。容量的に12V 3Aくらいあれば十分です。でも,市販されているもののサイズは幅はいいけど,どうしても長辺を切らないとこのケースに収まりません。家で余っている電源もあったので有効活用したかったんですけどね。

で,というより最初からこの計画だったんですが,アナログ電源を検討します。アナログ電源というのは正式な名前じゃありません。本当はシリーズレギュレータです。でも,最近じゃ,アナログ電源という方が通りがよいかもしれません。

スイッチング電源は簡単に大容量のものが作れるのはいいのですが, 高周波でスイッチングしていますからどうしても出力にノイズが乗ります。その点,アナログ電源は60HzのACを整流し,コンデンサで平滑化したあと,制御Trで定電圧に制御します。ノイズはほとんどありません。HiFi機器としてはこちらの方が好ましいので,可能ならこちらにしよう,と思っていました。

ただ,これだと問題になるのはトランス。合計出力で40Wなのですから,最低でも2Aクラスのトランスが必要ですが,普通のEIコアのものだととても収まりません。

ところが,最近,ネット上ではどこ製だかわかりませんが,小型のトロイダルトランスが売られています。品種も多く,値段も安いんですよね。その昔,DCアンプなどでタムラや山水のトロイダルが指定されていたりしましたが,高くて手が出ませんでした。ノイズも少ないし,レギュレーションもよいのでいいことはわかっているのですが普通のトランスの倍以上の値段でとても買えませんでした。今じゃこれらのトロイダルトランスは国産のEIコアやRコアのトランスより安いんですからね~。驚いちゃいます。このトランスも3,200円でした。

いくつか検討しましたが,このケースに収まるのはRSコンポーネンツが売っている,品番が#540-5185と言うものしかありません。1次は115V/230Vの切り替え式で,2次は15V×2という変わったトランスですが,外径はφ71mmで,わずか1mmの差でこのケースに収まることがわかりました。1次は巻線を直列,並列とつなぎ替えることで115Vと230Vに変更できます。日米が前者で,欧州や中国など諸外国が後者ですね。アメリカから技術導入した韓国は日本と同じ100Vグループでしたが220Vに移行し,もうほとんど使われていないと思います。

RS toroid transformer.jpg RSコンポーネンツのトロイダルトランス

と言う次第で,1次巻線の切り替えで世界中の電源に対応するようになっています。こういうトランスが増えてきているようです。

このトランスは容量30VAですが,Lepaiのアンプの出力は公称20W×2(4Ω)なので十分だと思います。 "トランジスタ技術" '03.8月号にデジタルアンプの電源容量についての設計法が出ており,所要電源容量Pps

            digital amp電源容量.jpg 

で計算できます。ここでPout はアンプの出力,はチャンネル数,η は効率です。要は総出力の1/3強あれば十分とのことです。

したがって,本機は出力合計が40Wで,効率80%と考えると,最大で17VAあればOK,と言うことになります。したがってこのトランスでいけそう,と言うことがわかります。それに,Lepaiの出力は誇大広告で,HiFiアンプなどでEIAJが規定している,20Hz~20kHz,両チャンネル駆動,歪率0.1%という規定だとせいぜい8W×2(8Ω)ですから,もっと容量は小さくてもよい,ということになります。

このトランスは2次巻線も2組あり,15V 1Aのものですが,並列にして2Aとして使用します。1次側に100Vを印加した場合,出力電圧は12Vくらいとなります。Spiceでシミュレーションしたところ,コンデンサで平滑化して3Aでも13Vくらいは確保できそうです。シリーズレギュレータは制御TrのVCEを変化させて定電圧出力の電圧より高い部分はスライスする形で一定電圧に制御するので,出力電圧との差が重要です。最低でも1V以上確保しないといけませんが,この点は大丈夫のようです。 なお,フィルタのケミコンは10,000μF以上ないと最大負荷時にリップルが漏れてきますが,この容量でないとケースに収まりませんのでご注意ください。

と言う次第で,このトランスが使えることがわかったので,あとはシリーズレギュレータの回路と基板を設計します。

ケース検討.jpg 部品の配置を検討中。

タカチのケースはDXF形式で図面データがダウンロードできますので,花子で部品配置を検討しました。花子はDXFが読めるので便利です。図を描いて検討してみると,トランスさえ収まればあとは何とかなりそうです。と言うことでこのトロイダルトランスをRSコンポーネンツに発注しました。RSコンポーネンツも最近は個人のお客さんも対応するようになりました。

内部.jpg 内部

実際,何とかなりました。ケミコンはギリギリです。トランスの取付ねじ(M5)は長さ36mm以下にしないとフタにぶつかりますので,金切鋸で切りました。なお,トロイダルトランスはこのように中央のボルトで固定する場合が多いですが,このとき,上下のシャシーにボルトが触れないようにしてください。ちょうどボルトとシャシーがトランスの1巻線のようになってシャシーとボルト間に誘導電流が流れて危険です。やっぱり狂気の沙汰だな~..........(^^;)。 

さて,次は回路です。

12V定電圧電源回路.jpg

         回路図です。クリックすると拡大します。 

出力が12VなのでLM350などの3端子レギュレータを使うことも考えましたが,やはりディスクリート構成にしました。LM350だと保護回路は完璧で,温度保護もついているんですけどね。設計した回路はごく基本的なTr1石の誤差増幅器を用いた,シリーズレギュレータです。誤差増幅器の負荷は抵抗ではなく,定電流Diとしました。電流制限型の保護回路も搭載しました。Spiceでも実際にシミュレーションを行い,無事に動作することを確認しました。

整流DiにはいつもファーストリカバリDiを使うことにしています。最近はショットキーDiが幅をきかせていますが,高圧のものはファーストリカバリしかないので,いつもファーストリカバリDiにしています。

使ったのは日本インターの31DF2です。名石として知られる30DF2の後継品です。定格は200V,3Aで,逆回復時間trr=30nsのものです。 最近はウルトラファーストリカバリとかショットキーとか,もっと高速なものが増えてきているのですが,日本インターのファーストリカバリを愛用しています。

制御TrはTO-220クラスで十分ですが,TO-3型のNECの2SD469(VCEO=110V,IC=10A)を使いました。完全にオーバースペックなんですが,やはりTO-3型のTrが大好きなので部品箱を探して出てきたNECのTrを使いました。東芝の2SD797(VCEO=80V,IC=8A)も出てきましたが,例によって東芝の石は傷だらけであまり外観がきれいじゃないのでパス。もとから東芝の出力Trは音が悪いとあまりオーディオマニアの間で評判もよくないですしね。

もちろん,こんな大きな石を使う必要はありません。NPNのTO-220型で,Ic>5Aくらいのやつなら何でも使えます。 

プリント基板は▼の通りです。サイズは72×30mmです。 このサイズの通りOHPシートに印刷すれば感光基板を使ってプリント基板が作れます。

基板パターン.jpg プリントパターン

基板部品配置'.jpg 部品配置(銅箔面から見た図)

基板.jpg  プリント基板が完成しました。

制御TrとしてTO-220タイプのものが使えるよう,パターンを作ってあります。TO-220であれば基板上に制御Trを載せるこことができます。その場合,放熱器をつけるか,Trをシャシーに固定する必要があります。 

電源本体1'.jpg 完成しました。

パイロットランプはマルツで売っているいつものピンク色(LLED-F301)にしました。おしゃれで気に入っています。 なお,このLEDは交流点火しています。

電源装置なんだから,LEDの電源は出力の直流から取ってくればいいんですが,この場合,フィルタコンデンサにたまっている電荷のせいで,スイッチを切ってもすぐに消えてくれません。ボゥ~ッと消えていくのは嫌いで,スパッと消えてほしいのでトランス直後の整流前の交流で点火しています。こうするとスイッチを切ると同時にスパッと消えます。

なお,LEDの交流点火の場合,LEDの逆耐圧が数Vと低いので,必ず本回路図のように逆耐圧保護用のシリコンDiを入れてください。このとき,保護用のDiはLEDとは逆向きにパラ接続します。間違いやすいですが,シリーズじゃありません。シリーズ接続だと保護になりませんのでご注意ください。

LED.jpg パネルの裏側。

この方法だとAC100Vから直接点火もできます。この場合,電流制限抵抗は100kΩ以上としてください。 また,逆耐圧保護用のシリコンDiは耐圧400V以上(1N4007など)のものが必要です。

電源本体1.jpg 背面です。 

出力端子は何でもいいんですが,Lepaiのものと同じDCジャックを使いました。なお,このタイプのものは2種類あり,内部のピン径がφ2.1mmのものとφ2.5mmのものがありますのでご注意ください。Lepaiのはピン径φ2.1mmです。ちなみに外径はφ5.5mmで共通です。極性は中心のピンが+となっています。 

さて,土,日2日間で完成。電源を投入する前に一通りチェックして,スライダックを使って加圧していきます。問題なさそうなので100Vをフルに印加します。

出力電圧は半固定抵抗で調整できるようになっていますが,全部回してもどうしても12Vに到達しなかったので,最後の分圧回路の定数を少しいじって12Vちょうどに出力できるようにしました。▲の回路図は変更後のものです。

さて,完成後,調整が終わったらしばらく通電しっぱなしにして発熱や発煙などの異常現象がないことを確認して,いよいよアンプにつないでみます。

LP-2020A+で聴いてみます。LP-2020A+はアイドル電流は110mAくらいのようですので,2SD469はちっとも熱くなりませんでした。

制御Tr.jpg TO-3型のNEC 2SD469

   ♪すこ~しも熱くないわ~! (松たか子さんの声で!)

まずはこのところずっと聴いているラフマニノフのピアノ協奏曲第2番から(Pf アシュケナージ,cond. プレヴィン ロンドン444-839-2) 。アナログ録音最後の頃の名演奏です。

ravhmaninov piano concerto 1-4s.jpg 

聴いてみてびっくり。やっぱり音に深みが出て,ピアノの音がとても繊細に聞こえます。静寂さはやはりアナログ電源ならではのものでしょう。いいお弁当を作ってやることができました。

次はやはりアナ雪ですね~。まだはまっちゃってます。やっぱ,CD買っちゃいました。初版限定でポスターとスリーブがついていました。

"パーフェクト・デイ" を聴いてみます。松たか子さんの高く澄んだ声に魅了されます。風邪引いたらしく,どんどん悪化して崩れていくところ? が笑えます。神田沙也加さんの歌のうまさにも感心しますね。

アナ雪の続編が楽しみですが, "エルサのサプライズ" もおもしろかったですね。特に後半,エルサが吹いた角笛から雪玉が飛んでいって,海を越えて強制収容所? で労働中のハンスを直撃するところなんか,アメリカンギャグ満載ですね~。大陸間弾道雪玉(ICBSB; InterConntinental Ballistic SnowBall)かよって!? ついでに,ハンスが牢獄暮らしでデブデブに太って,坊ちゃん刈りに頭を刈り上げられているともっとおもしろかったと思います.......(^^;)。


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fujigen

自分はまだ電子工作は初心者ですが、今LP-2024A+をいろいろいじってみたり、NFJさんのDAC/DDC/HPA自作キットを作成したりと50歳を前にして精力的に勉強して頑張っているおじさんです。僕もいつかは専用電源を作ってみたいなあと思っていたところにこの記事だったのでとても楽しく読ませていただきました。金銭的問題が解決したら個々の記事を参考に同じものを作ってみたいなと思っています。またわからないことがありましたら申し訳ありませんがどんどん質問させていたきます。宜しくお願いいたします。
by fujigen (2017-03-19 13:19) 

iruchan

どうもコメントをありがとうございます。

一昨日の件ですが,出力のLPFなどのコンデンサは基板上に部品番号が書いてありますので,本ブログの番号を参照して交換してみてください。たぶん,番号は世代によっても変わらないと思います。

なお,出力のLPFはブログにも書いておきましたが,デジタルアンプのキャリア(周波数1MHzくらい)を除去するためのもので,確かにf特に影響が出ますが,いずれも可聴帯域外(20kHz以上)のところでコンマ数dBが変化するだけです。耳で聴いてもわからないと思います。

もし,難しいようにお感じでしたら放置でいいと思います。

それよりは低周波のカップリングコン2箇所(ステレオなので両ch.で4箇所)の交換の方が効果大です。

では,またよろしくお願いします。
by iruchan (2017-03-19 17:39) 

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