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英Roberts社製Revival 200ラジオのFMバンド変更 [ラジオ]

2014年5月10日の日記

R200 exterior.jpg Roberts revival 200 radio

嫁さんがラジオを聞きたい,というので実家においてあった英Roberts社のラジオを持って帰ってきました。このラジオ,20年ほど前に最初にロンドンへ行ったとき,トッテナムコートロードの電器屋で買ってきた記憶があります。

ラジオが好きなので,海外へ行ったとき,電器屋へ行って,ラジオを買ってくることがあります。海外のラジオはデザインがいいですからね。もっとも,実際に日本に持って帰って使えるかどうか,というのは大きな問題で,FMはまず無理です。というのも世界的にFMのバンドは88~108MHzであり,日本の76~90MHzというバンドと異なるためです。ちょっと前までならアナログTVの1ch.~3ch.を聞くことができましたが,今ではこれすらできませんね。 それに,一応,88MHz~90MHzの範囲なら日本のFMバンドと重なっているのでこのあたりにある局なら聞くことができますが,FMのIFが10.7MHzなので,特にTVの1ch.があったところではIFによるイメージ妨害が出る関係でこれくらいの周波数にFM局があるところはほとんどないと思います。これを避けるため,日本ではFMラジオは下側ヘテロダインになっているのですが,まあ,日本のFMは全然多局化してなかったので,無理に問題が出そうな周波数を選ばなくても,ということもあったのだと思います。

また,海外のラジオの場合,AMも問題があり,欧州は日本と同じ9kHzステップなので問題ないですが,北米地域は10kHzステップなのでPLLシンセサイザ(いわゆるボタン式)のものは日本では微妙に周波数がずれて聞きにくいです。 

ということでアナログ式のものならなんとかAMだけは日本では聞くことができます。もちろん,電源がAC電源の場合は電圧の変換やプラグの変換が必要となります。

さて,このRobertsのラジオは,という次第でもちろんアナログチューニングのもので,デザインもいいので買ってきました。

Robertsという会社は1932年創業の英国のポータブルラジオの名門で,現在でも存続しています。ホームページをみると今でもたくさんのラジオを作っています。ラジオ専業でありながらいまも存続しているということはそれなりに利益を上げているわけですし,欧州ではまだラジオの存在感が高いのでしょう。また,今ではデジタルラジオ(DAB)のラジオをも作っています。日本ではデジタルラジオの将来は混沌としており,いまだに本放送の時期は未定です。自作派としてはアナログのFMが存続してくれないと困るので都合がよいのですが,高音質のデジタルラジオがスタートしないのはちょっと残念な気がします。もっとも,英国の場合も2015年に完全にデジタル放送に移行する予定でしたが,業界の反対もあり,2018年に延期されたようです。

このラジオはrevival 200という型名で,もとは同社が戦後発売した2バンド(中波,長波)トランジスタラジオR200の復刻版です。さらにさかのぼると同様のデザインで真空管式のものがあります。オリジナルのR200は1961年に発売されていて,MullardのゲルマニウムTrOC44OC45を使っています。出力はOC78のプッシュプルです。 これらのMullardの初期のTrはガラス封じの頭が丸いTrで,とてもかっこうよいものです。以前,これらを使って6石のスーパーラジオを作りました。また,後期のものはシリコン化され,AF115AC127といったTrが使われています。よほどこのラジオは人気があったのか,ICを使って復刻版が出て,今ではDABのバンドをつけて4バンドラジオになってR250という型番で売られているようです。私が買ったのはまだデジタルラジオなんて影も形もなかった頃のものなので,FM付の3バンドラジオ(中波,長波,FM)となっています。中は日本製のケミコンが使われていたり,基板は日本製かもしれません。ICを使っていて,ラジオICは東芝のTA8117Nを使っていました。残念ながら,TA8122類似のAM/FMチューナICということがわかりますが,規格表を見つけることができませんでした。

こういう古いデザインを大事にするのはイギリスだな~と感心します。今でも人気があるからなのでしょうが,こういった古いデザインのラジオを復刻するあたり,古いものを大事にする国民性には敬意を払いたいと思います。 

何よりデザインもいいですが,音がよく,AMはとてもAMとは思えないいい音がします。実は,米国製もそうですが,海外のラジオはとても音がよいです。日本はアジア近隣の強力局の妨害を避けるため,極端に狭帯域になったラジオが多く,音が悪くて困ります。それにスピーカも小さく,これじゃニュースを聞くのがやっと,という音質のラジオが多いのは残念です。Robertsのラジオは筐体も大きいし,スピーカはアルニコをおごっていて,とても音がよいです。ただ,残念ながら上記のような理由でFMが聞けません。また,長波はアジア地域では放送されていないので,これも聞くことができません。ただ,ロシア語の放送が入りますので,調べてみるとハバロフスクあたりに長波局があるようです。

欧米のラジオは音もよく,また,欧州のものはこのRobertsのラジオのように筐体が大きく,据置型というような感じのものも多いです。日本は小さくしすぎた,という感じがします。これじゃあまり大きなスピーカが使えないし,音もキャン,キャンと低音が出ず,いい音がしませんね。これはどう言ったところからくるのでしょうか。

日本では所詮ラジオ,という考え方があるようで,ラジオは小型で持ち運びができればよい,ということなんでしょうね。おそらく日本はラジオデイズだった時代が短く,おまけに戦前は官製メディアしかなく,ウソの情報を流したり,政府のプロパガンダに利用されたり,戦後はしばらくしてTV放送が始まったのでラジオが国民の友という意識が低かったためではないか,という気がします。欧米では国王や大統領が直接メディアを通じて国民に話しかけたりすることが多く,ラジオというメディアの地位も非常に高かったので,リスナーのラジオの品質に対する要求が厳しいのだと思います。 ルーズベルト大統領の "Fireside chat" は有名ですし,最近,BSでやっていましたが,映画 "英国王のスピーチ" で,吃音障害のあった英国のジョージ6世が1939年9月3日,対独開戦に際して国民に団結を呼びかけたラジオ放送はとても感動的でした。おそらくたくさんの人がRobertsのラジオでこの放送を聞いたことと思います。

R200 dial.jpg 長波のバンドがあります 

ということで,ちょっと脱線してしまいましたが,やっぱりFMが聞けないのは残念なので,バンド変更を試みます。

R200 inside.jpg 中身です。SPはアルニコです。

電池交換が容易になるよう,裏ぶたが簡単に開く構造になっています。これはオリジナルがバッテリー式の真空管ラジオだったため,A電池やB電池が必要で,その交換が頻繁だったためのようです。基板は裏側になっているので詳しい状況がわかりません....。

ちなみに本機は9Vの電池仕様ですが,英国はPP9という巨大な9Vの電池があり,買ってきたときについていた電池にはびっくりさせられました。スーパーで売っているような小型の豆腐くらいのサイズがあります。今でも売っているようで,また買ってみたいと思います。 日本では売っていないので,006P用に改造してあります。

ただ,残念ながら基板を引っ張り出そうとするとダイヤルの糸が切れそうで,うっかり切ってしまうと後が大変ですから,無理せず,このままの状態でバンド変更できないかと考えました。幸い,▲のように,基板のハンダ面が見えていますので何とかなりそうです。 

国外バンドのFMを変更するにはもちろん,FMの局発のトラッキング調整をすればよいのですが,かなり面倒です。特にFMの場合は空芯コイルになっているので,ドライバーで広げたりして調整しないといけませんし,うっかり変な調整をしてしまうともう元に戻せなくなります。

という次第で,簡単にやる方法として,バリコンの局発側にパラに小さなセラミックコンデンサを配線する方法をとっています。詳しくは私のブログをご覧ください。

ちょっと面倒でしたが,多バンド用バリコンのFM局発用端子を見つけたので,パラに15pFをハンダ付けしました。

capacitor.jpg こんな感じです

無事にNHK FMが入りました。近隣の民放FMも全部入りましたのでOKとしました。本当ならアンテナ入力側の同調回路を調整しないといけませんが,FM帯ではQが低く,特に調整しなくてもよいと思います。また,アンテナ入力回路にバンドパスフィルタが入っていることが多く,本機も松下のPFW84を使っていました。本来ならこれの交換が必要ですが,残念ながら部品屋さんで売っていないのでこれもしてません。あと,米国の場合,プリエンファシスの時定数75μsecなので異なりますが,欧州は日本と同じ50μsecなので問題ありません。米国製のもHiFiのステレオチューナでもなければしなくても,いいでしょう。とても音がよく,デザインもいいので嫁さんも気に入ってくれました。


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