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英Mullard社製ゲルマニウムトランジスタを使った6石スーパーラジオの製作~つづき~ [ラジオ]

2012年6月17日の日記

1950年代の半ばに英国で製造されたMullard社の初期のTrを使った6石スーパーを作っています。黒い砲弾型のTrはとてもかっこよく,以前からラジオを作ってみたいと思っていました。昨日までは局発のトラブルで終わってしまいました。

原因がわかりました。どうもAGCのラインに使っていたケミコンのハンダ付け不良のようで,再度やり直したらバリコンの全周に渡って雑音が聞こえるようになりましたので,局発はきちんと発振しているようです。

となると次は,局発の周波数を中波帯のプラス450kHz分だけ,高い周波数レンジにしてやればOKです。私は半導体のラジオはAMステレオのデコーダをつなげるよう,IFは450kHzで作ることにしています。もちろん,455kHzで構いません。

ところが,オシロをつなぐと波形が観測できません。どうやらプローブをつないだだけで,局発が停止してしまうようです。どうしてもプローブ自身が容量を持っていますので,局発回路に影響を与えるのは避けられませんが,停止してしまう,というのはひどいです。やはり初期の高周波用Trなので,性能が低く,ちょっとした条件変更で発振が停止してしまうようです。

プローブに直列に数pFのセラミックコンデンサを入れてみますが,これでもだめ。何とか,局発の波形は観測できますが,40kHz台の数値を示します。これじゃ通常の1/10の周波数ですね。それに,周波数を変えようと,OSCコイルのコアに調整用のドライバを近づけただけで発振が停止するようです。

といって,プローブやドライバを外すとAMラジオ特有のガー,ガー言う雑音が聞こえますし,NHKや近隣の民放が受信できます。と言うことは正常に局発は動作しているようです。

しかたないので,結局,できるだけ離れた放送局2局を使ってトラッキング調整をしました。低い方の局をダイヤルの大体近い周波数で受信できるよう,OSCコイルのコアを回し,今度は高い方の局がダイヤルの指定された周波数で受信できるよう,バリコン背面のOSCトリマを回します。何とか,こうやって低い方と高い方の周波数を合わせました。

このあと,シグナルジェネレータから450kHzを発振させ,アンテナコイルに近づけて,各IFTのコアを回し,出力が最大になるようにすればOKです。

これで調整は終わりです。あとはケースに入れてやりましょう。せっかくですから,黒い砲弾型のTrが見えるよう,シースルーのケースにしてやろうと思います。

ダイソーで売っている,コレクションケースのミニというのを使いました。外寸で93(W)×93(H)×87(D)mmです。残念ながら,基板上に電池ケースをハンダ付けしていましたが,これは撤去し,基板をカットしました。もともと,電池ケースは基板のスペースが余ったのでつけただけで,やっぱりカットしてしまいました。ケースの穴明けは大変。1日かかってしまいました。猛烈にバリが出ますが,大きめのドリルの歯を使って取り除きました。

正面1.jpg 完成しました。

内部が暗くなるので,パイロットランプ代わりに電球色LEDを入れました。もともとこのケースは立方体に近いので,行灯みたいだな,と思ったのでLEDを入れてみました。もっとも,ラジオの回路と別にLEDを入れるとLEDの消費電流がもったいないので,ラジオの動作電流そのものをLEDの電流にしました。といって,直接,006Pの電池と基板の間に入れると出力段の電流が大きいし,B級出力段なので変動も大きいので,適していません。途中に,デカップリング用に200Ωが入っていますが,これの代わりにLEDを入れました。ここの部分の電流は2.4mAだったので,LEDにもぴったりです。デカップリング抵抗より先のIF段や局発はA級なので,電流も一定です。ついでに,LEDのおかげで2V程度電圧が低下します。デカップリング用の200Ωの抵抗の電圧降下もほぼ同じです。

Mullard Tr6石スーパー2.jpg 最終的な回路です。

局発部の定数を英Bush社のTR82Bと同じにしています。OC44が未入手のため,OC45で代用していますが,いずれOC44に差し替えたいと思います。どうもOC44はエフェクタに使われていたので,ギターアンプマニアが捜しているようですし,欧米のラジオマニアも昔を懐かしがって捜しているようです。

側面.jpg 側面。光っているのはLEDです。

スピーカはやっぱアルニコでしょ,というわけでアルニコにしました。予想通り,音がよいです。

Black bulletと呼ばれる砲弾型の黒いTrがかっこよいです。電球色LEDもどこか真空管ラジオみたいな雰囲気を醸し出しています。

60年も前に英国で製造されたトランジスタを使ったラジオが完成しました。長い間倉庫で眠っていて,このまま捨てられる運命だったかもしれないトランジスタたち。はるか異国で働く場を得て喜んでいるでしょう。もっとも,変な東洋人のおっさんにつかまって,「こんなはずじゃなかった....」と思っているかもしれませんね。

 

2012年6月19日追記

英国の石屋? さんからOC44が届きました。1個£7もしました。900円近くしますね。これはギターアンプのエフェクタ用として有名で,特に品薄のようです。といって,ギターマニアの方を敵視したりなんかしていません。私も必要なのは2,3個ですから手に入ればいいですし,こういった需要があるからどこかの倉庫から世の中に出てきたりするんですからね。真空管に至ってはギターマニアの皆さんのおかげで今も作られているくらいです。

さっそく,OC45と差し替えてみました。やはりさすがです。発振は安定しています。ついでに,同調がシビアで,少しでもずれるとビートが出るので,アンテナコイルとバリコンの間に10Ωを入れて,Qをダンプしました。この方が高音が出て音がよくなりますしね。

無事にMullard製Trを使った6石スーパーが完成してよかったです。

それにしてもこのラジオは感度もよく,前回の国産Trを使った6石スーパーよりずっと感度がよいです。また雑音が非常に少なく,音もよいです。音についてはスピーカによる違いが大きいと思いますので,できるだけスピーカは大きくてよいものを使おうと思っていますが,今回はφ57mmのアルニコを使いました。φ70mmでもよかったと思います。音がよいのと雑音が少ないのはTrがMullard製というのも関係しているでしょう。また,5球スーパーなどはどれだけ大型のいいスピーカを使ってもどうしても音が歪んでいて,いかにも真空管,という感じの音がしますが,これはそんなことがありません。どうも6AV6の2極管検波はひずみが多そうです。高一HiFiチューナなどはゲルマニウムDiを使うことが多かったのですが,この点を考慮したのでしょうか。6AR530A5などの5極管シングルの出力段というのもひずみが多く,真空管ラジオの音に影響している感じです。TrによるB級PPの出力段の方がひずみは少ないです。米国では出力段が6V6のプッシュプルになっているものがありますが,出力だけじゃなく,音の点もあるのかもしれません。

という感じで,今回のラジオは今まで作ったどのトランジスタラジオはもちろん,真空管式のラジオより音がよいと思いました。

 


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