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LH0032が届きました [オーディオ]

2011年8月21日の日記

香港の業者に頼んでいた,ナショセミのLH0032Gが届きました。このIC,実はオーディオマニアの間で,音がよい,と評判になっています。

ハイブリッドICの先駆けのひとつで,通常のモノリシックICと違って,抵抗やトランジスタなどの1個1個の部品をメタルキャンのケースに収めています。

ICは2種類あり,主流はモールドのパッケージに入ったモノリシックタイプです。シリコンウエハー上に写真製版の技術やエピタキシャル技術を用いてトランジスタを作り,回路を作っていきます。プレーナTrの製造技術が基本となっていて,インテルの創業者の1人である,ロバート・ノイスが発明しました。

一方,ICの特許というと,テキサス・インスツルメンツにいたジャック・キルビーが取得した特許が有名ですね。キルビー特許と言われるものです。単に,ゲルマニウムの基盤上に,TrやCRを貼りつけてマルチバイブレータの回路を作っただけの,いまで言えばハイブリッドICの特許なのですが,ICの発明として有名です。

技術的には断然,モノリシックICの技術の方が上だと思いますが,ICの概念を発明した,と言う意味でキルビーの特許が有名となっています。

LH0032はハイブリッドICで,内部は2段差動アンプを用いた,いまのDCアンプの基本構成みたいなアンプになっています。金田式アンプで有名な金田明彦氏のアイデアの基本となった,と言われるくらい,回路は似ています。初段はFET入力差動アンプで,定電流回路を負荷にしています。2段目はカレントミラーのついたカスコードPNP Tr差動アンプ,終段はPPエミッタフォロアという構成で,やはりよく似ていると思います。OPアンプはPNPトランジスタを作りにくく,2段目はNPNトランジスタでごまかして? いるものが多いのですが,これだとどんどん電位が上がってしまうので,レベルシフト用のTrがいたるところに入っていて,回路が複雑になっています。その点,LH0032はハイブリッド構成と言うことで,2段目にPNP Trを使い,回路は非常にシンプルになっています。その他,ハイブリッド構造のICというと,東芝や三洋が作っていた,オーディオのパワーアンプICがありますね。Hi PcのパワーTrがICでは作りにくかったことから,ハイブリッド構造としていましたが,今じゃカーステのICなど,ほとんどがモノリシック構造となっています。

LH0032はもとは映像回路増幅用の高速OPアンプで,帯域幅は70MHzもあります。普通のOPアンプは100kHzくらいからせいぜい1MHzと言ったところですから大変なものです。ビデオ信号増幅用のほか,軍用や宇宙用といった用途もあったと思います。でなきゃ今でも残っていないと思います。

LH0032に最初にさわったのは会社に入って,やはり映像信号を用いた測定器が壊れたときで,中に入っていました。壊れたのはこれだろう,と思い,秋葉原に買いに行ってびっくりしました。普通のOPアンプなら100円くらいなのですが,これは3,500円とかの値段になっていました。「何でこんなに高いの?」 と思いました。まだ,ハイブリッドOPアンプというのを知らなかったのです。いまはどこも在庫がなくなった上,オーディオ用として変なプレミアがついたらしく,もし残っていても5,000円以上すると思います。

Googleで検索してみると,いろいろとパワーアンプやプリアンプ,D/Aコンバータなどに使うと非常に音がよい,などと書いてあり,私もほしくなりました。と言って,いま,日本で探すと本当にないようですし,あってもかなりの出費を覚悟しないといけないようです。

と言う次第で,結局,eBayのお世話になりました。香港の業者が$16で売っていました。Buy it now! のオプション付きだったので,即落札でした。さすがに,eBayだと英語でやりとりしないといけないし,決裁もPayPalを使うことが多いので,結構敷居が高いですが,半導体など,安く手に入ります。ただ,カメラやオーディオ機器など,大部分のものは日本で買う方が断然安いと思います。

LH0032に限らず,入手難の半導体をネットで検索すると,いろんな業者がヒットしますが,ほとんどがいまは中国の業者です。一昔前だと米国の業者が多かったのですがね....。情報や金など,その時代の最強国に集まるものですが,半導体もそうだと思います。ただ,中国の業者から買うというのはリスクがありますね。ちょっと私も中国の業者から買う勇気はありません。それに,そもそも,半導体の商社は個人客は相手にしないところがほとんどで,問い合わせても返事が来ない,と言うのが普通だと思います。

eBay経由なら,事故の場合,eBayが補償に応じてくれますし,個人相手がもともとの仕組みなので大丈夫でしょう。feedbackもあり,過去の評判もわかります。それに,香港だとやはりかつては英国の植民地だったこともあり,商業の中心地でもあるので,信頼性は高いと思います。この業者もすぐに送ってくれ,安心できました。

入手したLH0032LH0032Gという型番になっています。最後はCGになっていたりするものがあります。何か,特殊な仕様があるようです。

さて,これからどう使うか,ですね。やっぱり,10W弱のパワーアンプ,と言うのが無難なところでしょう。10Wもなくて大丈夫か,と思う人も多いと思いますが,家庭用なら十分です。往年の名石2SA6272SD188なんかと組み合わせてHiFiアンプを作りましょう。

LH0032G.jpg 入手したLH0032G

デートコードはH9724などになっています。1997年の第24週の製造という意味でしょうか。ナショセミのロゴも最新のものになっていますし,製造は比較的最近のもののようです。

 


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通りすがり

刻印見る限り偽物の可能性高いですよ。
刻印されているロゴの形状が正規のロゴと大分違いますね。
あと正規品は97年産ならH97の左側にロゴが来ます。
正規品はこんな感じです。
http://www.k-ns.jp/products/lh0032_11.jpg
ロゴの細く伸びている先端部分が内側のラインに繋がる感じになっています。

by 通りすがり (2012-11-20 18:00) 

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