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PWM式鉄道模型コントローラ(パワーパック)の製作 [模型]

2009年4月の日記

自動加減速コントローラのところで書いておきましたが,3年前に作った鉄道模型用のコントローラ(日本ではなぜかパワーパックといいますね。でも外国じゃそんな風には言わないようです。)について今ごろブログに書いておこうと思います。

当時,米BachmannのPennsylvania F7を買いました。ドッグノーズタイプと呼ばれる少々古くさい(実際に1950年代の開発)デザインがとても好きで,買いました。それと,娘が3歳になり,Nゲージで一緒に遊ぼうかと考えたのですが,肝心のコントローラは実家に置いてあるし,取りに行くのが面倒だから,じゃあ作っちゃおうか,と言うことで土曜の数時間ででっち上げてしまいました。

今は12Vで数Aの大容量のスイッチング電源がパソコンの普及で周辺機器用に作られて簡単に手に入るので,今回のコントローラもこれを使いました。下手にトランスを使うと大きくて重い上,例によって無負荷時は最大出力電圧が15V以上にもなって危険です。要は可変出力電圧の定電圧電源とする必要があるのですが,その点,スイッチング電源だと12Vで固定ですし,軽いし,アンペア数も1A以上もあって,Nゲージには十分です。

それにごく簡単な可変出力回路を作ってやれば1日もかからずにできてしまいます。

一番簡単にやるには直列にレオスタット(巻線式ボリウム)を入れてやればいいのですが,それだけで3,000円程度の出費を覚悟しないといけませんし,今どきレオスタット? と言う気もしますので,Trを使ってボリウムをポテンショメータ式に使って可変出力としてやりました。正転・逆転スイッチと保護回路を入れてやればOKです。 

パワーパック1.jpg 最初の回路 

制御Trは部品箱にあったMotorolaの2N6340を使いました。 hFEを稼ぐため,2SC945とダーリントン接続をしています。もし,東芝の2SD1415AなどのダーリントンTrが手に入れば,1個で済みます。0.47Ωが入った,2個目の2SC945は保護用のTrで,1A以上になるとこのTrがonして2N6340をカットオフし,電流を制限します。簡単にするなら,今はポリヒューズを入れておけばOKです。なお,この保護回路は電流制限型と言いますが,実を言うと,この電流制限型じゃ不十分で,過電流検出時は電流を0Aにするような,ホールドバック型保護回路にしないといけませんでした。この保護回路だとずっと1Aを流してしまいます。放っておくとモータが過熱しますので,ご注意下さい。作ってから気づきました。

ところが...これじゃあまりにも物足りない。すぐにできてしまっちゃうんですけどね。あまりに簡単すぎて面白くない。おまけにBachmannのF7の動力は日本製のNゲージで言えば30年くらい前の性能。相当大電流を食うようですし,電圧もかなりかけないと走り出しません。当然ラピッドスタートで,びゅっとばかりに走り出します。こりゃいかんわ,と言うわけで,やはりPWM式にしようかと考えました。

と言うことで翌日の日曜日に1日かけてPWM式に変更しました。

パワーパック3.jpg全回路図。クリックで拡大します。 

PWM式は101系運転台型鉄コレ式制御器や常点灯システムつきのパワーパックなどでも採用されているとおり,12Vの方形波を出力し,そのデューティ比を変化させてスピードをコントロールします。電機子チョッパがこれですね。サイリスタのon,offでスピードをコントロールするので非常に省エネです。おまけに平滑用のリアクトルのインダクタンス分を利用して,昇圧チョッパを構成できるので,ブレーキ時には回生ブレーキが可能となります。201系がそうですね。

ところが半導体の回路が非常に高く,結局,私鉄は回生ブレーキのみできればいいや,ってな感じで複巻電動機を使って分巻界磁だけチョッパを入れて回生ブレーキを可能とした界磁チョッパに移行します。201系で懲りた国鉄はそれすらいやがって(界磁コイルが2系統必要なのでモータが高くなるわけですね),211系などの界磁添加励磁に移行するのはよくご承知の通りです。ただ,界磁チョッパ同様,界磁添加励磁は,弱め界磁のときだけ半導体で制御するので,それまでは抵抗制御なのでカクカクと加速します。特に並列段に入るとユニット前後の車両で交互に進段するので,ショックが大きく,嫌いです。"旧型国電" 211系なんてモハには乗らないことにしています。

201系なんてGTOじゃない,普通のサイリスタを使っていて,ゲートを制御して主電流を切れないので,転流回路が必要で,結局,従来の抵抗制御式より重くなってしまったりしてそれほど省エネにならなかった,と言う話を聞きます。

ちょっと脱線しましたが,鉄道模型のPWM式(パルス式)も原理的には同じです。さすがに回生ブレーキなんてやりませんが...。

学生時代にタイマIC 555を使って1台作っていますが,回路が複雑だったので,同じ回路では作りたくありません。幸い,555とコンパレータICを使うとうまく行くことがわかったので,それを使います。

555のICは非常に便利なICで,タイマICは今,いろいろ出ていますが,やはり555が一番便利なようです。ただ,どのタイマICもそうですが,デューティ比を0~100%で連続して可変することができません。鉄道模型の場合,どうしても0%と100%の間でスムーズに変化させたいのですが,555のIC単独ではできません。

幸い,555のICには #6ピンにコンデンサのディスチャージ電圧が出ています。この波形は発振周波数に同期して,三角波に近くVccの1/3~2/3の間の電圧がP-P(山と谷)電圧になっています。これと,コンパレータを組み合わせると,基準電圧より三角波の方が高い時間だけコンパレータの出力がHiになります。こうしてやれば0~100%の可変デューティPWM波ができるんですね。ちなみに電機子チョッパやVVVFのインバータもこうやって制御しています。

PWM2.jpg  PWM3.jpg

 555の三角波出力。これと100k(B)のVRの電圧を基準電圧としてコンパレータに入力します。

ICが2個必要ですが,簡単にPWMコントローラができます。保護回路は一応,昔ながらの直列抵抗による電圧検知で電流を制限する回路にしました。スイッチング電源に保護回路がついていますので,いらないかもしれませんが,念のため,入れておく方が無難でしょう。最近はポリヒューズ(PTCサーミスタとも言うらしい)がよく使われています。パソコン内部にもたくさん使われています。鉄道模型用としてもたとえば鉄コレ式制御器にも使われているのですが,本機のようなシリーズレギュレータ式の電源回路にこれを使ってちゃんとTrが保護できるかどうか,不安だったのでやめました。金属製の昔ながらのヒューズではTrは保護できませんからね。でも,どうもポリヒューズでも大丈夫らしいのですが,やめました。先に述べたとおり,2SC945と0.47Ωの回路が保護回路です。ホールドバック型でなく,単なる電流制限型なので,ショートした状態で放置してはいけません。

制御Trは例によってTO-3型のTrを使いました。部品箱をひっくり返してMotorolaの2N6340を引っ張り出しました。MotorolaのTrは薄くてかっこいいんですよね。小型のTO-3Pどころか,もっと小さい,TO-220などの小型Trでいいんですが,やっぱ模型のコントローラというとTO-3というイメージがあってそれを使いました。

PWM powe pack1.jpg

内部。ちょっと複雑に見えますが,ほとんどスイッチング電源。作ったのは左上の万能基板だけです。

PWM powe pack2.jpg

非常に軽くて小型のコントローラができました。これで1.3Aの容量があります。緑のLEDは555の発振出力につないでいます。555の出力モニタです。

PWM powe pack3.jpg

裏側。どうしてもTO-3型のTrを使いたくなっちゃうんですよね....。

発振周波数は10kHzにしたので,やっぱ耳に聞こえます。16kHzくらいより上にすれば聞こえませんが,車両をレールに載せるとピーと音が聞こえるので,レールの導通チェックにも使えるかと,放置しています。300Hzくらいにすると201系みたいな音になるはずです。

それと,VRの可変電圧を0~Vccの間にしてしまったので,速度の可変範囲が狭いです。1/3Vcc~2/3Vcc の間にするとフルに使えますが,抵抗制御(?)モードもつけたので,そのままにしてしまいました。

こんな小さなコントローラがあるととても便利です。

 

2017年4月9日追記

テキサスインスツルメンツのスイッチング電源用IC TL494を使ったPWM式コントローラを作りました。プリント基板図も載せていますので,こちらもご参考にしてください。

 


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