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KATO ED70入線 [模型]

2017年5月21日の日記

kato ED70-2.jpg KATOのED70です[晴れ][晴れ]

まさか,こんな日が来るとは思ってもみませんでした。

昨年の秋,KATOのホームページにED70の生産予告が出ていました。

北陸在住のiruchanはとてもED70が好きなので,以前,マイクロエースのものを買っていますけど,まさか,そのときにはKATOから将来,出るとは思いもしませんでした。とてもマイナーな機関車ですしね。北陸でしか走っていませんでしたし,わずかに19両製造されただけですから。

北陸本線の田村~敦賀間の電化完成は1957年10月1日ですが,先に田村~木ノ本間が完成し,そこで訓練運転する目的があったため,実車はひと足早く,1957年6月に試運転を開始することとなっていました。設計開始は前年の5月で,1年という期間しかなく,かなりの機器は仙山線で実験していた,ED45 1の機器と共通です。設計期間も短かったし,信頼性の低い水銀整流器を使っていたので,実際の運用は苦労があったと思いますが,交流機関車のパイオニアとして,大変貴重な機関車だと思います。

さて,KATOのED70が発売されたのは今年2月23日です。同時に買う予定だったトラ90000が発売延期で,送ってきたのは先月末です。

本当に待ち遠しい機関車でした。KATOらしく,非常に精密にしっかりとした出来ですし,動力の性能も素晴らしいです。

今日は,さっそく整備します。

まずはいつもどおり,スナバ回路の装備です。

PWM式などのパルス式コントローラを使って,機関車が停車していても前照灯を点灯させた状態で停車する,いわゆる常点灯に対応させるための工事で,iruchanが考案したスナバ回路を装着して反対側の前照灯が点灯しないようにします。

別にスナバ回路がなくても常点灯には対応するのですが,これがないと反対側の前照灯が点灯しちゃいます。

と言う次第で,とりあえずボディをばらします。

kato ED70内部.jpg ボディ内部です。

乗務員室あたりの窓ガラス部品にツメがありますので,これをうまく外してボディを外します。

kato ED70 基板.jpg スナバ回路の挿入状態です。

左側のLEDのすぐ右にコンデンサがありますので,これを撤去します。こうするだけで常点灯に対応しますが,これだけだと右側のLEDも点灯しちゃうので,スナバ回路を挿入します。

表面実装の部品なので非常にはんだづけがやりにくいですが,フラックスを塗ってはんだづけするとうまくいきます。むしろ,フラックスを塗るので,普通の電子工作で使う,ヤニ入りハンダじゃないほうがうまくいくかもしれません。

コンデンサや抵抗は最近は非常に小さくなり,▲のように途中を電線で結ばないといけません。絶縁した方がよいので,ロジックICの配線などに用いられるラッピングワイヤを使っています。

kato ED70&PFM.jpg 最新鋭のPFMコントローラでテスト中。

最近,試作したばかりのPFM式コントローラを使ってテスト中です。これは非常に高性能で,きわめてゆっくり起動しますし,▲の写真のようにつまみを一番左に回して絞った状態で常点灯という状態になります。通常のPWM式だと,前照灯は点灯するけど,機関車は動かない,という微妙な位置につまみを止めておく必要がありますが,PFM式は非常に常点灯の範囲が広く,単にボリウムを一番絞っておくだけで常点灯にできます!!

右側のLEDが点灯しないのはスナバ回路のせいです。これがないと右側のLEDも点灯しちゃいます。

kato ED70 特高圧配線オリジナル.jpg オリジナルの状態

knuckle coupler.jpg ナックルカプラーへの交換

KATOのナックルカプラーに交換するのは非常に面倒で,なかなか排障器が外れないし,外れたと思ったら金属の板バネがどっか行っちゃったりして大変ですが,このようにボディを外しちゃったらついでにカプラーセットごと外してからやると簡単です。

ナンバーはマイクロエースのが2号と14号なので,7号機にしました。

さて,ここまで来たら試運転,と行きたいのですが......。

どうしても気になるところがあることに気づいちゃいました。

特高圧配線の一部が金属線じゃなく,プラの一体成形ものになっています。

kato ED70 特高圧配線オリジナル1.jpg オリジナルの状況

    空気遮断器(ABB)と特高圧引込み碍子周辺がプラです。

以前,KATOのEF81でこうなっていて,どうしても気になって金属線に交換していますが,今回も交換しました。最近のEF70では全部,金属線になっていましたので残念ですがコストの問題もあるのでしょう。

まずは寸法を調べておきます。といって,ノギスでいきなり調べてもうまくいかないので,スキャナで部品を読み込んで,"花子" で採寸します。

もちろん,写っているスケールは"花子" での採寸用の基準寸法となります。"花子" で,スケールを任意の縮尺にして,このスケールの20mmが画面上で20mmとなるように設定すれば,寸法が原寸で表示できます。

ED70特高圧配線図面.jpg 図面作成中。

KATOのED70の高圧配線の金属線はφ0.4mmのようでしたが,この特高圧碍子に穴を開けないといけないので,一回り細く,φ0.3mmの洋白線を使いました。

ED70特高圧配線固定中.jpg ただいま固定中。


kato ED70 特高圧配線洋白線化.jpg こんな感じです


kato ED70.jpg  とても美しいフォルムです。

こういう具合にうまく配線の改良もできました。

色合いも非常によく,実車の雰囲気をうまくとらえています。スムーズで静かな動力に感激しました。本当にどうもKATOさん,ありがとうございました。これから先日,入線したばかりのEF70 1000番台と一緒に試運転をしませう。


コアレスモータ対応鉄道模型用コントローラの開発~その9・PFM式~ [模型]

2017年5月20日の日記

先週,PFM式の鉄道模型コントローラを試運転しました。

残念ながら,かすかですが音がして,かなり甲高い音を出しますし,当然ですが,つまみを回していくとどんどん周波数が高くなります。チョッパ電車なら一定の音なのでそれほど気になりませんが,初期のインバータ電車みたいに音の周波数が変わるので非常に感じが悪いです。まぁ,機関車が走り出すと気にならないレベルですけど。

すっかり泥沼にはまってしまいました。これじゃ,ウクライナの湿地帯にはまってしまって身動きが取れなくなったドイツ軍,という感じです......orz。

しかたないので,なんとか冬将軍が来る前に無事撤退,という具合に行きたいものです。

先週は,スタート時点のスイッチング周波数を500Hzと想定して設計しました。やはりこれはダメで,もっと高い周波数にしておかないと耳に聞こえてします。

ただ,そうしなかったのは,先週も書いておきましたが,PFM式は当然,周波数がどんどん変わるので,最終的にはかなり高い周波数になってしまいます。実際,先週の測定では610Hz~63kHzというものでした。つまり,大体100倍くらいの周波数になります。

こうなってくると,仮に20kHzでスタートすると最終的に2MHzにもなることが予想されます。

そうなると使用しているタイマIC555の発振可能周波数がいくらまでか,と言うのが問題になります。

555の発振可能周波数は大体,500kHzというのが相場です。iruchanもそう思っていました。

でも,テキサスインスツルメンツが出しているNE555の規格表を見ると,もっと上まで出そうです。

NE555 free running frequency.jpg TI社NE555データシートから

たしかに,100kHzまでしか表示されていませんが,RA+2RB=1kΩの線を伸ばすと1MHz以上は出そうです。

ということで,C,Rをまた変更してテストしてみることにします。

まずはSpiceでのシミュレーションから。LTspiceは幸いなことに,NE555のモデルが標準でついています。

PFM controller (20kHz) simulation schematic.jpgシミュレーション回路

PFM controller (20kHz) waveform.jpg スタート時点の最低デューティ。

最低デューティは約1%で,周波数もほぼ20kHzとなっています。

PFM controller (20kHz) waveform-2.jpg 最終段階です。

最終的にはデューティ100%となる直前の状態です。初段の非安定マルチの出力は1.6MHzで,波形も崩れてきていますが,まだちゃんと出力しています。

ということで何とかなりそう.....,という雰囲気です。

それに,波形が崩れてきていますが,そもそもデューティが90%以上になっている段階でのことなので,ここで波形が崩れても,単にデューティが90何%かから100%に飛ぶだけのことで,問題ありませんね。

PWM式の場合,波形が崩れるのは第4回にも書いておきましたとおり,デューティが低いときです。

ここで波形が崩れてしまうと,低いデューティのパルスが出てこなくなり,ラピッドスタートになっちゃうので大問題ですが,PFM式は低デューティは大得意ですから,問題ありません。

ということで,ここまで来たら基板上の部品を取り替えてテストしてみます。

今回,555の発振周波数を決めるCとRのほか,2段目の単安定マルチの555の充放電コンデンサの放電用の2SA1015を1ランク上の2SA1020に取り替えました。Spiceのシミュレーションで120mAくらい流れることがわかったためです。

PFMコントローラ2.jpg 一応,現時点での回路図です。

基板(20kHz).jpg 最終的な基板です。

最低デューティ(10kHz).jpg 出力波形です。

▲のオシロの波形は最低デューティの時です。残念ながら周波数は11.5kHzと予想より低めですし,最低デューティも6.6%になっています。さんざん原因を考えたのですがよくわかりません。初段に使っている555のコンデンサが150pFと異常に小さいですし,セラミックコンデンサなので誤差も大きいからか,と考えていますがよくわかりません。まあ,これで動かなければOKなので,とりあえずテストしてみます。

最大デューティ(改良後)1.jpg ちなみに,最大デューティ時です。

試運転.jpg ただいまテスト中。

やはり驚き.......。

     [晴れ][晴れ] ものすごくスローで動くんです [晴れ][晴れ]

もちろん,常点灯にも対応し,停止した状態で前照灯が明るく点きます。6%くらいのデューティだと機関車は動き出しちゃうんですが,動かずに停止しています。ちょっとなんでだか説明できないんですけど。

それに,PFM式のよいところは最低デューティでも必ずパルスが出ているので,ボリウムを一杯に絞っても必ず前照灯が点灯します。

これはいいことなのか,悪いことなのか,どちらにも解釈できちゃうんですが,いい方としては,いちいち,今回作ったKC-1改PIC式のもののように,調光用のボリウムを調節しなくても前照灯が点灯するし,また,TL494を使った従来のPWM式のようにつまみが1個しかないタイプのものは機関車は動かないけど,前照灯は点灯する,という位置につまみを止めておかないといけませんが,コアレスモータ機はLEDが点灯するデューティと機関車が動き出すデューティの範囲が狭く,そういう状態で止めておくのはなかなか厳しいですが,今回のPFM式だと楽勝でした。それも単につまみを一番絞っておくだけでOK,というのは楽です。

まあ,逆に,前照灯を消したいときはコントローラをoffするしかない,と言う欠点もあるのですが.....。

また,前回,テストしたときに気づいたのと同様,PFM式は非常にスローで動きます。これはKC-1も真っ青と言っていいくらいです。なにより,さっきも書きましたとおり,常点灯する範囲が非常に広く,時計で言うと10時くらいまでは前照灯のみが点灯して,それ以後は機関車がゆっくり動き出す,という感じで,非常に鉄道模型のコントローラとして優秀だと思います。PWM式の場合,今回製作したものも含め,常点灯する範囲というのは非常に狭く,特に,コアレス機は厳しいのですが,今回,製作した一連のものでも常点灯の状態を保つのは非常にクリティカルなのに,PFM式は本当に楽勝,という感じです。

常点灯(20kHz).jpg もちろん,停車中です。

マニアの皆さんを機関区に集めて撮影会するにも楽で,これだと皆さんに喜んでいただけますね......(^^)。

と言う次第で,PFM式は大いに将来有望で,今後,研究していきたいと思います。

ソ連に侵攻したドイツ軍は1815年のナポレオン軍同様,冬将軍に負けちゃうわけですが,こうして無事にiruchanは泥沼から脱出し,キスカ奇跡の撤退ができました。


2017年5月23日追記

どうもパルスが太く,デューティが高めなのは使用している,HA17555の応答速度がやはり低いためのようです。実際,実機(最後の回路図をご参照ください)ではSpiceのシミュレーションとはかなり違うCとRの値になってしまっています。

と言う次第で,もし,本機を製作しよう,と言う方はより高速なC-MOSタイプの555をおすすめします。ナショセミのLMC555だと3MHzまで動作保証されていますので,特に2段目の単安定マルチにはこれを使った方がよいと思います。LMC555は最大電圧が15Vまでですので,そのまま差し替えができます。

コアレスモータ対応鉄道模型用コントローラの開発~その8・PFM式~  [模型]

2017年5月15日の日記

先週,コアレスモータ車両にはPFM方式がよいのではないかと考え,基板を作ってテストしてみました。

ところが,大チョンボをしてしまい,ドツボにはまってしまいました.......[雨]

一杯にボリウムを絞ってもLEDが点灯するのはいいのですが,1秒ごとにパッ,パッと点滅する有様で,常点灯とは言えますが,これじゃお客さんから苦情が来るってば!!

ちゃんと停車中もずっと灯りが点滅せずに点いてなきゃいけませんね......orz。

PFMは低デューティのパルスを出力するのに優れた方法で,最近はスイッチング電源が負荷が小さいときに従来のPWMより損失が少ないので用いられています。KATOのKC-1はスイッチング電源用のNECのμPC494Cを使っていますが,これは古いICなのでPWMのみですが,最近のものは負荷に応じてPFM⇔PWMのモード切替をするものが増えてきています。

鉄道模型用のコントローラとしては,PFMは安定して低デューティのパルスを作れる,と言うメリットがあると思います。

それに対し,iruchanも昔から作っているPWM式はあまり低いデューティのパルスを出力できません。

というのはPWM式はパルスの幅,言い換えるとon時間を可変するため,パルス幅が狭くなってくるとスイッチングする素子の速度が問題になってくるためで,特に,鉄道模型だとスイッチングによる電磁音が聞こえないよう,20kHz以上のパルスを出力しますが,それで低デューティとなるとパルスの幅が狭くなって余計にスピードが問題になり,パルスが出力できなくなってしまうからです。

一方,コアレスモータは起動時のトルクが大きく,また,機械的抵抗が小さいため,非常に低いデューティで回転してしまいます。

iruchanが実測したところ,最低で4%くらいのデューティで起動してしまうようです。

常点灯に対応させるためには,さらにこのデューティより小さいパルスを出力させないと,前照灯,室内灯のLEDが点灯しないため,目標として1%のデューティが出力できるコントローラを開発しています。

ところが,仮にスイッチング周波数を20kHzとし,デューティ1%とすると,パルス幅はわずかに0.5μsとなります。

第3回に書きましたが,これだとバイポーラTrはダメで,MOS-FETじゃないと出力できません。

じゃ,MOS-FETでいいじゃん,と思っちゃいますが,今度はゲートの入力容量が問題となり,その容量の充放電を速くするため,ドライブ回路が必要となりました。

と言う次第で,結構,PWM式で高速コントローラを作る,というのは面倒なことになります。

一方でPFM式はと言うと....,

安定したパルスが出力できる周波数で一定幅のパルスを作り,off期間を可変してデューティを変化させるので,無限に0%に近いデューティのパルスを出力できます。PWMだと,on期間を可変するので,どうしてもパルスの最小幅には限界があり,あるところでパルスが出力されなくなってしまって最低デューティは数%となってしまいます。

そこで,前回,PFM式を試作してみたのですが,大チョンボをしてしまい,ボリウムを一杯に絞ったら前照灯&室内灯が点滅してしまう,という不具合を生じてしまいました。

off期間を無限に延ばせばデューティを限りなく0にできる,と思ったのは間違いで,確かにそうだけれど,鉄道模型の常点灯に応用する場合はoff期間には自ずと限度があるのです。

こんなの,ちょっと考えりゃ,気がつくんですけど,iruchanは基板をテストして基板上に取り付けたLEDが点滅していても気がつきませんでした.....orz。

そこで,今回はまず,off期間が最大どこまで延ばせるか検討してみます。

PWMもPFMも同じで,どちらも常にLEDは点滅しているので,要は人間の目に点滅しているとは気がつかないくらいまでは伸ばせるわけです。

とりあえず,500回と決めました。実際,目に感じられる回数としては映画が24回,TVが30回ですから,これくらいで十分な気がしますが,あまり低いスイッチング周波数は損失も増えるので,高めにしました。

となると,toffは最大でも1/500sec.で,2msec.と求められます。デューティはton/(ton+toff)ですから,1%のデューティのパルスを生じさせるためには,tonはさらに1/100で,約20μsです。

PFM controller duty settings.jpgデューティの決定

これならなんとかバイポーラTrでも十分出力可能です。前回,出力に東芝のダーリントンTr2SD686を起用したので,できればこれをそのまま使いたいのですが,何とかなりそうです。

前回も書きましたとおり,回路は非安定マルチバイブレータでトリガ信号を作り,それをもとにして単安定マルチバイブレータで一定幅のパルスを作らせようとしていますので,前段の非安定マルチは500Hz,次段の単安定マルチは1/20μsで50kHzで動作させればよいのです。

タイマIC555の規格表には上記の周波数で発振させる場合のC,Rの計算式が載っていますので,それに基づいて再計算しました。iruchanはいつも新日本無線(JRC)のNJM555の規格表を見ています。ご参照ください。

といって,今回使用したのは部品箱から出てきた日立のHA17555なんですけど.......(^^;)。

日本ではJRCのほか,NEC,東芝,日立など主だった半導体メーカが555を作っていました。今でも世界中で大量に作られていますが,DIPタイプを生産してくれているのはもう日本ではJRCさんだけのようです。HA17555もルネサスのwebを見たら新規採用非推奨となっています。

なお,555を2個内蔵した,556と言うICもあります(スプレー式の潤滑油じゃありませんけど。もちろん,豚まんじゃないってば。ちなみに551というICはありません)。これを使うとICは1個で済みますが,あまり556は見かけたことがありません。もちろん,556をご使用になってもOKです。

以上の計算からC,R類の定数を変更して,検証のため,LTspiceでシミュレーションをしました。

PFMコントローラsimulation schematic.jpgシミュレーション回路です。

PFM simulation 波形(16.5us).jpg 最低デューティの状態です。

━ が初段の非安定マルチの出力で,その立ち下がりに同期して2個目の単安定マルチが出力します( 線)。ただ,どうしても2個目の単安定マルチのパルス幅が広く,最低デューティが大きくなってしまったので,1個目の非安定マルチの出力を利用して2個目の555の充電用コンデンサ0.1μFを放電させています。実は2SA1015は結構,重要な役割を果たしているのです。

PFM simulation 波形(16.5us)2.jpg 途中の状態です。

徐々にパルスの数が増えていき,パルスの間隔が狭くなっていきます。最後は100%となって,完全な直流となります。

PFM simulation 波形(16.5us)3.jpg 拡大

パルスの周波数としては,最低が610Hzで,最高がなんと63kHzにもなります。ただ,最高の状態でもパルスはきれいな方形波を保っており,PFM式としては成功のようです。555はなかなか優秀なICですが,最高で500kHzくらい,と考えていたので,もう少しよいようです。


さて,これでうまくいくはずです。抵抗とコンデンサを取りかえてテストしてみます。

基板(改良後,最低デューティ).jpg なかなかいい具合です[晴れ]

▲の写真はボリウムを一番絞った状態ですが,モニター用の青色LEDは明るく光っていますし,肉眼で見て点滅しているとは全く見えないのでOKです。もっとも,初段の555の発振出力でパイロット用のピンクのLEDよりは暗いので,やはり停車中は少し暗くなると思います。でも,最近のLEDは輝度が高いので,全開にしたらもうまぶしいくらいでした。これでも電流制限抵抗を10kΩにもしているんですけどね。昔だったら12Vの電圧をかけるんだったら電流制限抵抗はせいぜい1kΩでしたけどね.....。  

オシロで波形を確認してみます。

最低デューティ(改良後).jpg 最低デューティ。0.78%でした。

中間デューティ(改良後).jpg 途中の状態です。

  こうやって徐々にパルスが増えていきます。

PWMだと,パルスの数は一定で,徐々にパルスの幅が広くなっていくのが観測できますが,やはりPFMだとすこし状況が変わります。

最大デューティ(改良後).jpg 最大状態です。デューティ100%となります。

また,off期間中も2V前後の電圧が出ていて,ノーカットオフ回路がうまく動作していることがわかります。モータに使用すると,off期間中でもわずかに電流が流れていますので,騒音が小さくなると思います。

PWM式だと何も工夫せずに作っちゃうと最低デューティは数%だし,最高デューティもKATOのKC-1もそうですが,完全に100%とならないものが多いので,PFM式はどちらも容易に達成でき,いいシステムだと思います。


と言う次第で,試運転です。

しかし.......。

コントローラのつまみを回していくと,やはりピーッと言う音がします。しかも,機関車が動くまで,どんどん周波数が上がっていき,ピ~~~~~~ッという感じでどんどん音が甲高くなり,非常に感じが悪いです。

PWM式でもスイッチング周波数が低いと音が聞こえますし,実際,iruchanは300Hzでスイッチングできるようにして201系そっくりな音を出して喜んでいたりするんですけど(変態!!),PWM式では音の周波数は変わらず,いつも一定の周波数の音なので,それほど違和感はありません。ところが,こういう風にどんどん周波数が変わっていく,というのは非常に気持ち悪いです。

一応,ノーカットオフ回路を構成してあって,モータには常に電流が流れているので非常に音は小さいのですが,やはり近くで聞くと耳障りです。

と言う次第で,結局,今回もボツ。

やはり,スイッチング周波数は20kHzくらいから上になるようにしないとダメなようです......orz。


でも,かすかな希望が.....。

試運転して気がついたのですが,非常にスローで動きます。自作したKC-1改も非常にスローで動きましたけど,これもなかなかのもの。いや,それ以上という感じです。実際,測定してみると1cm/sくらいのスピードで動きます。KC-1改でも2.6cm/sでしたから,非常に優秀だと思います。

Nゲージに限らず,鉄道模型はスローで走ることが求められるわけですけど,このPFM式はその点,非常に優れているのではないかと考えています。

次回,周波数を向上して音の問題を解決したいと思います。


コアレスモータ対応鉄道模型用コントローラの開発~その7・PFM式~ [模型]

2017年5月8日の日記

GWを利用して基板を3枚作りました。そのうちのひとつをご紹介します。ただ,今日は失敗でした。それはまた後ほど。

このところ,KATOが蒸機のリニューアルに際して採用しているコアレスモータに対応したコントローラを作っています。

どうにもこのコアレスモータというのは何より小型で,世界的にも細くて小さな日本の蒸機のボイラーにも収まるし,また,性能面でも非常に低速でもスムーズに動くので大変な優れものです。

ただ,少々扱いにくい面があり,市販されているPWM式コントローラを使っても停車中に前照灯を点灯させておく,いわゆる常点灯に対応しないばかりか,少しラピッドスタート気味で,つまみを回していくと突然走り出す,という現象があるようです。

iruchanはずっと昔からコントローラは自作しているので,市販品で調べたことはないのですが,皆さん,ネットに書いておられるのを見ると市販のコントローラもこのような現象があるようです。

といってえらそうなことを書いていますけど,iruchanが自作したコントローラも全く同じ現象で,どうにも突然走り出す,という感じがします。

ということで,コアレスモータ対応のコントローラを開発するべく,このところ研究をしていました。

ラピッドスタートの原因についてはほぼ特定できました。

原因はPWM式コントローラが実は,非常に低いデューティ(パルス幅)の出力が苦手で,特に,PWM式は電車で言えば電機子チョッパ制御なのでどうしてもモータから音がしちゃうので,それが聞こえないよう,20kHz以上の周波数のパルスを出すように設計するのが普通ですが,こうすると低いデューティのパルスが出力できなくなります。

iruchanが従来,使っていたコントローラも最低デューティは5~8%くらいです。一方,第4回に書きましたが,コアレスモータ車の起動時のデューティは4~8%くらいでしたから,これじゃラピッドスタートするのは当たり前,という気がします。

そこで,これまでのところ,最低デューティを1%程度としたPWM式コントローラを作ってきました。これなら無事に常点灯にも対応しますし,機関車も超低速からスムーズに起動します。

ただ,通常,PWM式のコントローラはモータが音を出すため,人間の耳に聞こえないよう,20kHz以上の周波数でスイッチングするのが普通です。こうするとスイッチング損失が減り,教科書でもPWM制御をする場合には高周波が有利,と書いてあります。

コアレスモータの大手マクソンモータのwebにもそう書いてあり,周波数は39~60kHzなんて書いてあります。100kHz以上でスイッチングすることも多いようです。

ところが,20kHz以上の周波数でスイッチングすると,高速なMOS-FETを使っても1%のデューティのパルスを出力するのは困難であることがわかりました。そこで,前回までは出力のMOS-FETの前段にドライブ回路を挿入し,MOS-FETのスイッチング速度を向上させました。

あるいは,低いデューティのパルスを出力するにはスイッチング周波数を下げる,という方法も考えられ,やはり鉄道模型には低周波のPWMが有利です。仮にスイッチング周波数を300Hzとすると,1%のデューティのパルス幅は33μsですから,スイッチングの遅いバイポーラTrを使っても余裕で出力できます。

ところが,これには大きな問題があり,ひとつは騒音です。

モータが瞬間的に最大トルクと0を繰り返すため,モータが振動して音を出します。これは普通の電車も同じで,201系は300Hzでチョッピングしながら走行していましたから,プーッと言う音を出していましたし,インバータ電車は周波数可変ですから音の調子も変わりながら音を出していますね。

と言う次第で,iruchanはスイッチング周波数を300Hzにしたコントローラを作り,201系のチョッパ音を楽しんだりしているんですけどね.....。

一方,KATOのKC-1は前照灯&室内灯用に24kHzの高周波パルスを併用していて,機関車が動き出さない程度に高周波パルスを出しておくと停車中にも照明がつくようになっています。

この方法はもう一つ,大きなメリットがあり,低周波の大きなパルスの間に高周波の幅の狭いパルスが埋めることになり,モータにはフリーホイーリングDiを介してoffの期間中も循環電流が流れて騒音が出ません。

この辺は第2回で解析しましたので,ご興味がある方はご覧ください。

と言う次第で,今回は再び低周波PWMに取り組みたいと思います。

ただ,今回は単純な低周波PWMではなく,PFMにしたいと思います。

PFMってなんや? ってお思いの方も多いと思います。

PWMとの違いは,PWMはPulse Width Modulation の略で,パルス幅変調と訳されますが,周波数は一定で,パルスの幅,すなわちon時間を変化させるのに対し,PFMはPulse Frequency Modulation でパルス周波数変調の意味ですが,パルスの幅は一定で,off時間を変化させます。1秒あたりのパルスの数,つまり周波数が変わるのでPFMと呼ばれます。

PWM原理.jpg   PFM原理.jpg             

                  PWM                  PFM


詳しくは第1回に書いておりますのでご参考になさってください。

こうすると低デューティ時の効率が向上し,最近ではスイッチング電源の制御に用いられているようです。理由は効率にあり,スイッチング電源用のICもデューティが低いときは通常のPWMからPFMに制御を変更し,効率の向上を図ったものが増えてきています。

鉄道模型用としては,低いデューティが容易に得られる,と言うことでしょうか。off時間を無限に延ばせば,デューティは限りなく0に近づきますからね。PWMだと,素子のスイッチング速度の関係で,限りなく0に近づけることができません。あるところで突然0になります。もっとも,スイッチング周波数が300Hzとか,50Hzとか,低かったらほとんど問題ないんですけどね.....。

さて,と言う次第で,PFM式のコントローラを開発したいと思います。

PWMで言えば,スイッチング周波数300Hzにしよう,と思いました。201系と同じ周波数ですし,コアレスモータとの相性もよいようで,Tomixの5001PWM改造コントローラでも300Hzだとコアレス機がうまく動きましたので。

そこで,パルス幅は1/300sec.ということで3.3msec.とします。また,最低周波数は1秒とします。そのときのデューティは1%となるように設計します。でも,ここに落とし穴がありましたが,iruchanは基板を作るまで気がつきませんでした......orz。

PFMコントローラsimulation schematic.jpg

                PFMコントローラシミュレーション回路

最初,回路としてはPWM式の基本回路である,三角波発振回路とコンパレータを組み合わせたもので考えたのですが,どうしても低いデューティにならないし,また,よく考えてみると,発振周波数を変えると同時にパルス幅も変わっちゃうのであきらめました。

と言うことであきらめて基本に立ち返って,可変周波数のパルス発振回路でパルスの間隔を決め,それをトリガにして一定幅のパルスを発生させる回路の組み合わせ,と言うことにしました。具体的には,非安定マルチバイブレータと単安定マルチバイブレータの組み合わせ,と言うことになります。

非安定マルチと単安定マルチ,ということなので簡単にタイマIC555を使いました。PICを使う,と言うことも考えられるのですが,周波数が低いのでハードウェアPWMが使えず,ソフトウェアに頼るところが大きいのでやめました。

ただ,いつも思うんですけど,なんで電子工学の世界でバイブレータなんて言葉を使うんでしょうね~。それに,非安定とか単安定とか,双安定とかやたらたくさんバイブレータがあります。iruchanは普通にオシレータと言えばいいんじゃない,と思います。電子工学を学び始めたとき,なんてなんだと思いましたけど。覚えるのも大変なんですけどね.......(^^;)。


なお,詳しくはLTspiceでシミュレーションしながら設計しましたが,難しいのはこの回路でもやはり低デューティで,単純に555を2個組み合わせた回路ではダメでした。どうしても10%くらいから下のデューティにできません。

原因は2個目の単安定マルチのパルスが大きいことで,どうも発振の時間を決めるコンデンサC3をうまく放電できていないようです。

しかたないので,これを高速で放電させるべく,初段の555の出力を利用してPNP Tr Q3を使ってそのコンデンサを放電させることにしました。2SA1015がそれです。これがないと幅の狭いパルスが出せません。

ただ,これでいいかというと,低いデューティの時はPWMと同じでモータには循環電流が流れませんので,大きな騒音を出すと思います。

これじゃ意味ありませんね~。やはり高周波PWMか,KATOのKC-1みたいに低周波&高周波PWMの混合タイプにしないといけません。

と言うことでiruchanもPFM方式は一度,あきらめちゃったのですが......。

いいことを思いつきました[ひらめき]

出力の制御素子を完全にカットオフするのじゃなく,あらかじめアイドリング電流を流しておけばカットオフ寸前でしないようにできますね!。

これって,1970年代のノー・カットオフパワーアンプじゃない?

って思う人は相当な爺さんです(失礼)。iruchanももちろん,その一人です......(^^;)。

半導体アンプの最大の欠点はB級出力段によるスイッチングひずみでした。原因はプッシュプルになっている出力段が信号の正負に応じてカットオフするためで,これを回避するため,普通だったらA級アンプにすればいいのですけど,これじゃアンプがあっちっちになっちゃうし,出力もロクに取れないので,回路を工夫してB級のまま,上下のTrがカットオフしないようにしたのがノー・カットオフアンプでした。

iruchanも中学3年の時,苦労してA級アンプを作りましたけど,あまりに熱いので夏は大変でした。それに懲りて,いままでA級アンプは作ったことがありません.........(^^;)。

こういった欠点を改良したのがノー・カットオフアンプで,最初に開発したのはパイオニアじゃなかったか,と思いますが,ソニーやテクニクス,Lo-Dなど,ほとんどのメーカが新しい回路を考案して採用していました。当時,"無線と実験" とか,"ラジオ技術" によく解説が載っていましたし,NHK出版が出していた今はなき "電波科学" (懐かし~~)が熱心に解説記事や製作記事を載せていました。

iruchanは熱心にこういった記事を読んでいたので,今回,それを思い出して,PFM式コントローラに応用することにしました。

回路は簡単で,PFM用のパルスとは別に,出力の制御素子にバイアスを加えてカットオフしないようにしています。

定電流Diを使ってバイアス電圧を作ります。完成後,出力端子が0Vとならないように調整すれば,制御素子はカットオフせず,モータに常に少し電流が流れてモータ電流が途切れないようにして音が出ないようにします。実際,LTspiceでも確認できました。

PFMコントローラmin.デューティ時波形.jpg シミュレーション結果です。

パルスがoffとなっている期間に注目していただきたいのですが,普通のPWM式のコントローラの場合はここは電流,電圧ともに0ですが,本機は0.8Vくらいを出力させ,40mAくらいの電流をモータに流しています。こうすると音が小さくなる......はず.....です??? もちろん,こんな電圧ではモータは回転しませんし,LEDも順方向電圧以下なので,点灯しません。

▲の図は最低デューティの時を示していますが,最低デューティは約0.4%です。

第4回に書きましたけど,前照灯が点灯するのが約3%,コアレスモータが回転するのは最小で約4%くらいですから,十分低い値です。シミュレーションどおりだとうまく常点灯もできますし,非常にスムーズに機関車が起動するはずです。

PWM式だとほぼこれが限界のデューティとなりますが,PFM式だといくらでも小さくできます。しかし,あまり最低デューティを小さくすると,どこまでつまみを回してもなかなか起動しない,と言うことになりますので,これくらいが最低デューティとして適当ではないかと思います。実際には,模型を運転してみて,多少,変更しないといけないと思います。

最後に,出力はバイポーラTrを使うことにします。高周波PWMだと高速なMOS-FETの採用が必要ですが,今回は300HzなのでバイポーラTrで十分です。今じゃ,はるかに高性能なMOS-FETがたくさん出ていますので,MOS-FETでもいいんですけどね.......。
なお,バイポーラTrにする場合,hFEの大きなものが必要なのでダーリントンTrにしました。起用したのは東芝の2SD686です。NECの2SD560同様,鉄道模型のコントローラによく使われましたね。懐かし~~。
 
もちろん,まだこれらのTrは入手可能ですが,高いのでこういう古いTrを使う必要は全くありません。同じTO-220タイプの2SD1415A(東芝),2SD2014(サンケン)などでOKです。でも,iruchanは古い素子は大好きなんですよね~(^^;)。

さて,ここまで来たらプリント基板を作ってテストしてみます。

PFMコントローラ基板1.jpg 基板が完成しました。 

ピンクのLEDは最初の非安定マルチの出力のモニターです。これが点灯していれば,非安定マルチは動作していることがわかります。あとでこれはパイロットランプにしてしまう予定です。 

2つめのブルーのLEDは出力のモニタ用です。これを同じ基板に作っておくとテストの時に便利です。 

可変抵抗は左一杯に絞った状態でもパルスが1秒ごとに出て,ブルーのLEDが瞬間的に1秒に1回点灯します。その後,可変抵抗を回していくと徐々にパルスの間隔が狭まり,最終的に完全な直流となってLEDがずっと点灯したままになるとOKです。

PFM controller wave.jpg 出力波形です。 

オシロで観測すると,計画通り,1秒ごとにパルスが出て,最低デューティは0.7%でした。また,最大デューティは100%で,うまくいきました。また,パルスがoffの期間でも0.8V程度の電圧が出ていて,バイアス電流がうまく流れていることがわかります。

ところが.......。

ここまで来て,大変なことに気がつきました。

そもそもパルス幅を0.3msec.としてしまったので,1秒ごとに瞬間的にLEDが点灯するのが目で確認できちゃいます。

ってゆ~ことは......,

前照灯や室内灯が1秒ごとに瞬間的に点灯する.......わけです。

こんなおかしいことはありません。確かに,モータは起動しないので停車中にも点灯するわけですが,これじゃ,点滅しているだけで,お客様から "新聞が読めへんやないか!!" と苦情が来ることは必至です......orz。

考えてみれば当たり前なんですけど,iruchanはアホですね。できあがってみるまで気がつきませんでした。

と言う次第で,今回は失敗です。やはりスイッチング周波数を向上させて,再挑戦してみます。


続きはこちらで。


再び鳩時計の夜鳴きを止めた話 [電子工作]

2017年5月6日の日記
 
鳩時計1.jpg
 
2年前に家で使っている鳩時計が照度スイッチがないため,暗くなっても鳩が鳴くので照度スイッチを作って夜は自動的に止めるようにした,と言う記事を書きました。
 
ところが,せっかく作ったのに,電池の寿命が短く,せいぜいひと月くらいでスイッチが応答しなくなってしまいました。
 
原因はやはりCdSを使ったアナログ回路じゃ消費電流が大きく,電池の持ちが悪いのです。
 
と言う次第で,今回,PICを使った回路にしたいと思います。
 
PICは非常に消費電流が少なく,単4電池2本を使ったりすると半年以上,電池が持ちますので,こういう風にしたいと思います。
 
と言う次第で,前回同様,フォトMOSリレーを使って,鳩時計のモータ回路をon/offするような回路にしました。もともと,手動でon/offするスイッチがついているので,その接点を自動的にon/offするようにしたのです。
 
使ったPICはA/Dコンバータのついている12F1822です。
 
回路は次のようにしました。
 
光スイッチ回路3.jpg最初の回路です。これはボツ。
 
普通なら,フォトTrの電源は電池から直接取りますが,そうすると常時,フォトTrに電流が流れて電池がもったいないので,測定するときだけ,#2ピンに瞬間的(20ms)に電圧を出力することにします。その間にフォトTrNJL7502Lが動作するので,エミッタにつないだ抵抗に生じる電圧を測定します。こういう芸当はPICじゃなきゃできませんね。
 
測定した電圧がしきい値を超えていれば出力#5ピンのポートをonにして,フォトMOSリレーを動作させます。
 
また,照度センサは前回同様,応答速度は速くなくてもよいのでCdSでもよいのですが.....。
 
ただ,iruchanはちょっとフォトTrがCdSよりは応答速度が速いけど,フォトDiより遅いのであまり好きではありません。また,フォトTrは赤外線に反応するものばかりで,人間の目の特性に合っていない,と言うのもあまり好きじゃない理由です。ところが,この新日本無線のNJL7502Lはほぼ,人間の目にあった特性になっていて,しかも感度が高く,コレクタ電流も大きいのでとても使いやすいのです。
NJL7502L特性.jpgNJL7502Lの特性です。
NJL7502L感度特性.jpg 感度も高いです。
                    いずれも新日本無線のNJL7502L規格表から。
 
大体,100lxで回路が動作するように回路&ソフトを設計しました。
 
と言うことでプリント基板を作ってテストしてみました。
 
ところが......。
 
明るくなって,テスト用にPICにつないだLEDが消えても鳩時計のモータが動作しません[雨]
 
う~~ん,なんでかな,と改めて使っている東芝のフォトMOSリレーTLP222Aの規格表を見て気づきました。
 
トリガLED電流が3mA(最大)と書かれています。これは,つまり,入力側のLEDに最大で3mA流すと出力のMOS-FETがonしますよ,ということです。
 
と言う次第で,最大で3mAも流せば十分ですよ,と読めるのですが,じゃ,最低は何mAだよ? っと思っても書いていません。
 
最初,1mA程度流すようにしていたのですが,やはりこれじゃ全然,MOS-FETはonしないようです。
しかたなく,フォトMOSリレーの入力に入れていた抵抗を1kΩから470Ωにしたら鳩時計のモータが動作するようになりました。
 
電流を測ってみるとほぼ3mAで,結局,TLP222Aは3mAくらいは流さないとリレーとして動作しない,と言うことがわかりました。
 
残念ながらこれじゃ,電流大きすぎ。
 
単4電池は大体,900mAHくらいの容量なので,おおざっぱな計算ですけど,3mAも流すと300時間くらいですから,ほぼひと月で電池がなくなっちゃいます。まあ,夜は動作しないので,夜間はほぼ消費電流は0といっていいくらい小さいですが,昼間はほぼこの電流を消費します。
 
と言う次第で,結局,フォトMOSリレーをあきらめ,単純にMOS-FETでon/offするようにしました。
 
MOS-FETだったら電圧動作ですから,ゲートをonするのに電流はいりません。フォトMOSリレーは入力がLEDなので,どうしても電流を消費してしまいます。これなら最初からMOS-FETでドライブすりゃよかった。
 
使ったのはルネサスの2SK975。ID=1.5AでTO-92パッケージですから小さいです。
 
光スイッチ回路4.jpgこの回路でOKです[晴れ]
 
ついでに,モニタ用の赤色LEDをつけました。これも消費電流が大きいとバカにならないので,高輝度のものにして,電流は0.1mAくらいにしました。また,常時点灯だともったいないので,10秒ごとに瞬間的(20ms)に点灯するようにしています。
 
PIC基板1.jpg PICを使った基板です。
 
鳩時計内部.jpg こんな風に設置しました。
 
PIC基板.jpg 振り子の隣にLEDとフォトTrが顔を出します。
 
これでも瞬間的にパッと赤く光るので,今,照度スイッチがonしているな,とわかって便利です。
 
ようやくこれで実用化です。夜は鳩ぽっぽもお休みです.....。
 
 
おまけ
 
駅弁が大好きなiruchanのけふの昼ご飯は横浜・崎陽軒のシウマイ弁当。いつも東京へ出張したときは帰りに買って帰ります。東京駅ではいつもこれか,JREのチキン弁当と決めています......(^^:)。
 
崎陽軒復刻シウマイ弁当.jpg 微妙におかずも違います。
 
ただ,今回は復刻驛辨。見たこともない,緑色の掛け紙にびっくり! こういう古いの,iruchan大好きなんですよね~。そういえば,しらさぎに乗って名古屋へ行った時も,いつも松浦商店の復刻駅弁を買っています。これもとても美味です。
 
今回のシウマイ辨當はなぜかエビフリャアが入っているし,魚がブリの照り焼きなのもいつもと違います。フキの煮物か? と思ったらそれはセロリだったりして,とてもまたこれも美味なお弁当でした。

PICでTVリモコンを模擬した話 [電子工作]

2017年4月17日の日記

TVリモコン.jpg ダイソーのコレクションケースに入れました。

   TVの近くに置いておいてこれをタイマーにしてon/offします。 

このところ,PICで遊んでいます。道具をそろえるのが非常に面倒だし,また,ソフトを組むのもデバッグするのも本当に大変なんですが,自分でマイコンを使った機器を作れるようになるとなかなか便利です。

先日,子供用にタイマーつきのあんどんを作りました。今日はTVのリモコンを模擬したものを作ります。

そもそも,ちゃんとTVにはリモコンがついているのに,なんでわざわざPICでリモコンを作らなきゃなんないのか? って実はiruchanもそう思います。

ところが,こうしないといけなくなっちゃったんです。

実は,半年ほど前,某関西に本社があるP社(もちろん,"開拓者" のP社じゃありません)の大型液晶TVを職場で買いました。

といって,職場でTVを見るわけじゃなく,単にパソコンのモニター用として購入し,特定の画面を表示させておくためのものでした。

ところが.....。

ここに落とし穴がありました。パソコン専用のモニターとして使うなら,ちゃんとモニターを買うべきだったんです。

今は液晶TVはかならずHDMI端子がついていますから,そこにパソコンをつなげば大型モニタになるし,DVDやブルーレイも再生できる,プレゼンもできるので便利です。アナログのビデオ信号と違って1本のケーブルで音も出せるのは便利です。普段はTVとして使っていて,たまにパソコンからDVDを再生する,と言うこともできますね。

ただ,今回のように,パソコン接続専用,ということならちゃんとしたモニターを買うべきです。

なにがまずかったか,というと.....。

実はそのP社製の液晶TVは信号がoffの時は一応,省エネで電源をoffにできるのですが,次回,信号がonになっても起動しないんです!!!!

そんなの,パソコンの液晶モニターだったらそれこそWindows95の頃から,無信号時にはoffになり,パソコンをつけると自動的にモニターもonになる機能がついていて,わざわざ液晶モニター自身のスイッチをいじる必要はなかったのに,と思います。

ところが,あろうことか,そのP社の液晶TVはそんな簡単なことすらできないんです。

だから,夕方になって,退社するときにパソコンの電源を切るとか,スリープにすると,自動的に液晶TVもoffになるかスリープモードになって消費電力を減らし,朝,みんなが出勤する頃にパソコンが起動するかスリープから復帰すると自動的に液晶TVがonになって画面を表示させたいのですが,これができません。

まあ,一応は無信号時になるとoffにする機能はありますので,それを使えば,朝,誰かが液晶TVの電源を入れればいいだけの話なんですけど.....。

また,オンタイマーの機能はありますので,それを使おうと思いましたが,今度は肝心の時間情報がないのでこれすらできません。

と言う次第で,結局,どうしても地デジ放送をつながない限り,オンタイマーすら使えません。

どうせHDMIが着いているんだからパソコンから時間情報を取り込めばいいじゃん,と思うんですけどね....。あるいは初期設定画面で時刻を設定できればいいんですけど......。

とはいえ,そもそも無信号状態になったら自動的にoffにする機能くらい,簡単じゃないのか,と思います。 

一応,そのP社になんとか時刻設定ができないのか,webから問い合わせしました。

ところが....。

すぐに返事が返ってくるかと思ったら返事が来たのはなんと1週間も経ってからでした.....orz。おそらく,自社の製品に都合が悪いことだから,と放っておかれたのか,それとも上司の許可を待っていたのか,それにしてもお客様からの問い合わせに1週間もかかる,というのはいただけません。また,回答も,時刻の設定画面はないし,地デジに接続しないと時刻設定できない,と言うものでした。

もうおっ~~~~!!!!!!

とうとう頭にきたiruchanは本件,ネットにさらしておくことにしました。もとからこのP社のTVやレコーダは番組表に広告が出て見にくいったらありゃしないってんで頭にきてるんですけど,この対応もいただけません。もうP社の製品は買いません!!

という次第ですが,別件で同じ頃,親に掃除機を買ってあげようと,某H社に掃除機について同じくwebから問い合わせをしたことがありますが,返事は翌日かな,と思っていたらなんと,10分もかからずに届きました。実は,そのとき,P社のとどっちにしようか迷っていたんですけど,もちろん,買ったのはH社です。

さて,とうとう,ここまで来るとPICでリモコンを模擬してTVの近くに置いておき,一定の時間になると電源on/offの信号を出させるしかない,と思いました。ただ,さすがにPICは時間情報はもっていないので,○○○○にon/offする,というプログラムを作るには時計モジュールからI2Cバス経由で時間情報を取り込む必要がありますが,まあ,そこまでしなくても,という気がするので,単純に12時間ごとにon/offする,と言うプログラムにします。

一応,iruchanはPICが使えるようになったし,TVなどのリモコンは赤外線LEDを決められたコードに基づいて点滅させているだけなので,なんとかPICでできるはず,と思いました。すでに,ネットを見るといろんな方が試しておられますね。

今回はリモコンと言っても,電源スイッチの入切だけなので,電源ボタンを押したときの信号でLEDを点滅させればよいわけです。

一応,今回,いろいろと調べてみました。

TVなど,赤外線LEDを使ったリモコンは国内の電機メーカだと下記の3通りがあるようです。

☆家電協方式‥‥(財)家電製品協会に属する会社が使っているもの。P社,最近台湾系になったS社など。

☆NEC方式‥‥‥N社,H社,もうじきTV部門も売却のT社など

☆ソニー方式‥‥品川に本社があるS社

いずれもコード体系が異なるだけですからPICで作成可能だと思います。ここではP社が採用している家電協方式について説明します。

家電協リモコンのコードは次のようになっています。 クリックすると拡大します。

リモコン信号.jpg リモコンフォーマット

ややこしいのは,LEDが点滅してコードをTVに伝えますが,単純に1のときだけ点灯し,0のときは点灯しない,と言うようなパターンではありませんし,かつ,点灯しているときは連続点灯しているわけではなく,38kHzで点滅しています。

ビットが0の時にはずっと点灯しない,というパターンじゃないのは理由があり,CDの信号でもそうですけど,こうしちゃうとどこがビットの切れ目かわからなくなっちゃうからです。だから,0の時も1の時も必ずhighになる部分があり,そのあとのlowの時間の長さで0か1かを区別します。

CDの信号も同じで,ずっと0が続くとピックアップの信号がずっと0となるため,サーボ回路が働かなくなってしまうためです。 

家電協方式のリモコンの場合はかならず,0.4msのhighとなる部分があり,その後,lowの部分が0.4msだと0,1.2msだと1を表すようになっています。 

また,信号の始まりを表すリード部分があり,その後,4バイトのカスタムコードおよび2バイトのデータコードがあり,最後にストップビットがあります。NEC方式だと信号の訂正のため,反転ビットを続けたりしていますが,家電協方式はありません。

カスタムコードは早い話,メーカの識別番号で,各メーカにより異なります。

データコードは電源やch.ボタン,ボリウムボタンなど,各種のボタンごとのコードです。

実際に,リモコンの出力波形をオシロで調べてみました。 

リモコン信号.jpg こんな信号です。

   信号全体を示しています。先頭の太い部分はリーダーコードです。 

リモコン信号1.jpg 拡大するとこんなです。

   やはり38kHzでスイッチングしていることがわかります。 

と,ここまで来たらあとはそのカスタムコードと,電源ボタンのデータコードがわかればいい,と言うことになります。

といって,こういうことを一般消費者がメーカに尋ねると今の時代,何の目的に使うのかと根掘り葉掘り聞かれたりして,結構,面倒なことになりそうです。 でも,技術者は必要な情報ですし,メーカごとにマニュアルがあり,サービス会社や販売店などには開示されているはずです。

幸いにも,秋月電子のPICマイコン赤外線リモコン学習キットの取説にP社のコードがでていました。

ということで,P社のTVリモコンの電源ボタンのコードは次の通りです。

40, 04, 01, 00, BC, BD  (16進)

最初の4つがカスタムコードで,あとの2つが電源ボタン操作時のコードです。メーカが異なる場合,同じ家電協のリモコンならカスタムコードが違うだけです。 

これが2進法だと

0100 0000 0000 0100 0000 0001 0000 0000 1011 1100 1011 1101

となるわけで,これの0と1を上記のパターンで38kHzで変調してLEDを点滅させればOKです。 

PICのプログラムは例によってGreat Cow Basicで作りました。

使用したPICはいつもの12F1822です。なんでか,というと12F1822はハードウェアPWMの機能がついていて,便利なんです。今回,38kHzでLEDを点滅させることが必要ですが,ハードウェアPWMの機能がついているとそのPWMの制御コマンドが1行で済んじゃうので簡単です。Great Cow Basicだと,単にHPWMというコマンドを使うだけです。

HPWM ch. freq duty

です。ch. は12F1822のPWM出力チャンネル(1822は1チャンネルのみなので1しかありません),freq は周波数(今回は38kHzなので38),duty はデューティです。Great Cow Basicは8ビットで表すので,最大は255です。

ソースファイルは次のようなものです。

TV power off(UTF8).txt

回路は簡単なもので,前回のあんどんみたいに単にタクトスイッチとLEDをつけただけ,という感じです。配線も万能基板です。タクトスイッチを軽く1回押すと信号がでます。3秒以上,長押しするとタイマーが起動し,12時間ごとに信号を出すようにしました。

TVリモコン回路.jpg回路です。 

LEDは赤色のものと赤外線の2つ使っています。

なんでか,というと単に赤外LEDだけにしちゃうと肉眼では見えないので,テストがやりにくいんです。そこで,普通の赤色LEDを使ってモニターします。

もっとも,赤外LEDは目に見えないと言っても,CCDには見えちゃうので,デジカメで見れば薄紫色に見えますので,点灯しているかどうか確認できます。

というのは前から知っていて,それを利用していましたが,スマホの一部では赤外線に反応しないものもあるようで,スマホのカメラだとこのように見えないものがあるのでご注意ください。

なお,さすがにメーカさんも単純な赤外LEDだと見えないので何かと不便,ということで可視領域にも若干,感度を残しておいて,赤く薄く光る赤外LEDというのもあります。こういうのを使うと便利だと思います。

TVリモコン模擬基板.jpg 基板です

  デジカメでは赤外LEDはうすく青 or 紫色に写りますが,肉眼では見えません。

ただ,最初,赤外LEDも,テスト用の赤色LED同様,PICの出力ポートに単純に100Ωの抵抗を介して取り付けたところ,やはり光量が不足なのか,TVの反応はいまいちでした。かなり近づかないとTVが反応しませんし,少しでもLEDを首を振ると反応しません。

実際,LEDに流れる電流を測定してみたら2.5mAでした。最近のLEDは高輝度なので,これくらいの電流でもものすごく明るいんですが,iruchanが使った赤外LEDは中古品だし,古いものなのでどうも光量が足りなかったようです。

それで,その電流制限抵抗を100Ωから33Ωにしたらおかしな現象が.....。

今度は赤色LEDも点灯しなくなってしまいました......orz。

てっきり,抵抗を替えたときにはんだづけをミスったか,といろいろ回路を調べてみますがダメ。

改めて12F1822の規格表を見てみると,出力電流は25mAまで,と言う記載があります。

でも,そこから先は何も書いてないんですが,それ以上の電流を取ろうとするとどうもPICが動作しないようです。ちゃんと保護機能が働くんですね。

しかたないので,1個,Trを使って電流を増幅することとしました。2SC1815のベースをon,offしてそのコレクタ電流で赤外LEDを点灯させることにしました。

これで75mAも流しました。さすがにかなりの大電流ですが,φ5mmのLEDは100mAくらいまでは流せるので大丈夫です。φ3mmのものだと25mAくらいまでですので,ご注意ください。やはり,LEDの電流制限抵抗を10Ωにしたのは小さすぎるようです。100Ωくらいがよいかと思っています。

こうやって結構,うまくいくようになりました。 3mくらい離れていてもP社のTVは無事にon/offできました。これで,12時間ごとに液晶TVをon/offできて省エネになりますね!!


コアレスモータ対応鉄道模型用コントローラの開発~その6・TL494を用いた単一周波数PWM式~ [模型]

2017年4月9日の日記

先月,PICを使用したPWM式鉄道模型コントローラの基板を作りましたが,ついでにもう1枚,TL494を使ったPWM式コントローラの基板も作りました。これは,KATOのKC-1型コントローラで使われているNECのμPC494Cのオリジナルです。iruchanもKC-1を現代によみがえらせるべく,自作しています。詳しくは,iruchan版KC-1改をご覧ください。

ただ,やはり,PICは嫌だ,と言う方もおられると思います。なによりソフトの組み込みが必要ですし,いろいろと道具も必要ですから。こちらはハードウェア方式なので,そういう方におすすめします。もちろん,コアレスモータにも対応するべく,高速応答タイプにして低デューティのパルスが出力できるようにしています。

TL494は米Texas Instruments社が開発したスイッチング電源用ICのひとつですが,おそらくそれらの最初のものだと思います。よほど売れたのか,日本でもセカンドソースとして,NECや富士通,東芝が作ったようです。そのひとつがKATOのKC-1で使われていたμPC494Cです。富士通のはMB3759,東芝のはTA76494と言う型番のようです。ほかにも,Fairchildやオンセミなども作っているようです。

まあ,NECや東芝などはすでに製造中止で入手は難しいですが,オリジナルのテキサスがまだ現行品ですので,入手は容易です。ちょっと東芝のTA76494は入手して使ってみたい気がしますけどね。

内部は鋸歯状波を発生する発振器と,コンパレータです。iruchanがいつも作っているPWM式コントローラはタイマIC555と,コンパレータLM393を使ったもので,別々のICとなっていますが,TL494を使うと1個で済んじゃいます。

また,コアレスモータに対応するためには回路を高速化する必要がありますが,TL494で使用されているコンパレータは高速で,20kHzでデューティ1%という非常に狭いパルスも容易に出力できます。残念ながら,iruchanが使っていたLM393は鈍足で,コアレスモータ用には適してない,と言うことがわかりました。

なお,TL494は少し残念ですが,本来はスイッチング電源用のICのため,2個の出力のTrが同時にonしないよう,デッドタイムコントロール機能がついていて,最低5%のデッドタイムが設けられるようになっています。そのため,デューティ100%にすることができません。KATOのKC-1も同様で,最大デューティは90%くらいのようです。

今回は回路を簡単にするため,KC-1改では調光用と走行用で別々のつまみを設け,またスイッチング周波数も調光用は高周波,走行用は低周波と分けていましたが,今回は周波数は20kHz固定で,つまみも1個にしました。

さて,まずは回路です。

PWM式コントローラ(TL494).jpg全回路図

KC-1改同様,高周波の低デューティパルスを出力するため,出力のMOS-FETにドライバ回路を追加しています。2SA10201SS133がそれです。また,出力のMOS-FETにはCissの小さなNECの2SK2412を使います。

ドライバ回路はTL494のソース(吐き出し)電流がmax.250mAもあるため,本来ならNPNのTrを使うところをDi(1SS133)で代用しています。 シンク(吸込み)側のみ,PNP Tr(2SA1020)を使って,これでMOS-FETのゲートに溜まった電荷をGNDに高速で逃がします。 

保護回路は電流制限型で,出力の2SK2412のソースに入っている0.56Ωと2SC1815がそれです。これで最大1A程度となるようにしています。面倒でしたら,0.56Ωの代わりにポリヒューズでも構いません。その場合,2SC1815は不要です。

また,出力にはスナバ回路(100Ω+0.01μF)とモニタ用のLEDがつけられていますが,特にこれも不要です。ただ,フリーホイーリングDiの11EQS06は必須ですので,つけてください。

回路は複雑に見えますが,TL494のピンはVccかGNDにつなぐ配線が多く,また,ピン配置が非常に合理的にできていて,プリント基板の設計は容易でした。やはりTL494は名石だな~と思いました。末永く作ってくれることを願います。

半固定抵抗1kΩはKC-1にもあるもので,パルスの出力開始位置を調整できます。ボリウムを回し始めてしばらくはパルスが出力されない,いわゆる "遊び" の調整です。 

プリント基板2.jpg 製作したプリント基板

プリント基板図をupしておきます。これを 34mm×50mmで感光基板に焼き付けるとプリント基板ができます。

プリント基板.jpg プリント基板図(銅箔面から見た図)

PWMコントローラ(TL494)基板部品配置.jpg 部品配置図(部品面から見た図) 

なお,ピンク色の部品はプッシュプルドライバを実験しようと準備工事したものです。今回,変形プッシュプルドライバとしましたので,不要です。 

最低デューティ1.jpg 最低デューティです。

最低デューティは0.89%で1%以下にすることができました! この状態ではモニター用LEDは点灯しません。 

ただ,TL494は先ほども書きましたように,最大デューティは95%くらいです。FBとDTCを接続すると,ほぼ100%にでき,iruchanもKC-1改でそのように配線してほぼデューティは100%にできましたが,どうしても本機は95%どまりでした。いろいろ調べているのですが,原因がわかりません。

最大デューティ.jpg 最大デューティです。 

従来型との比較1.jpg 従来型との比較

従来型はタイマIC555とコンパレータNJM2903Dを組み合わせたものです。 LEDの調光器に使っているものですが,鉄道模型のコントローラとしても使えます。それほど基板の大きさは変わりません。

TL494+KATO D51.jpg ただいまテスト中。

KATO D51 241.jpg 無事に常点灯にも対応します。ただいま停車中。 

やはりコアレスモータ搭載機は第4回にも書いておきましたが,LEDの点灯デューティが3%くらいで,モータの起動開始デューティが5%くらいなのであまり余裕がなく,点灯させた状態で停めておくことは難しいですが,本機は対応可能でした。 


キャンドルICの使い方~PIC編~ [電子工作]

2017年4月8日の日記

6年前,キャンドルICを使ってあんどんを作りました。当時はタイマIC555を使って数分後に切れる,と言う風にしました。

そろそろうちの子(11歳♂)も1人で寝るようになり,親としてはひと安心ですけど,やはり夜寝られない,というので,またそのあんどんを持ち出してきて,夜寝るときに点けておくように,と言おうと思いました。

ところが,久しぶりに取り出してみると故障中。なぜかLEDが点灯しません。ありゃ。

面倒だな~,と思っていたんですが,PICでタイマを構成して作り直そう,と思いつきました。PICだと何より回路が簡単,と言うこともありますが,きわめて消費電力が小さいので,LEDを点灯するくらいなら半年くらいは電池を交換しなくても済みそうです。

ということで,PIC式に作り替えることにしました。

キャンドル回路(PIC).jpg 回路です。

単にタクトスイッチとLED,キャンドルICをつけただけの簡単なものです。555を使うと,やはり回路は面倒です。パスコンの10μFと0.1μFはなくてもOKです。

タクトスイッチを押すと,#6ピンをプルダウンします。PICは普通,弱いプルアップというんですが,基本的にプルアップされているので,最初,33kΩは入れなかったのですが,これはダメらしく,電池をつないだとたん,LEDが点灯してしまいました。テスターで電圧を測って原因がわかりました。#6ピンは0.6Vくらいで,これじゃプルアップされていません。最初からスタートする状態ですね。しかたないので33kΩを入れて明示的にプルアップしたら無事に動作しました。

使ったLEDは秋月で売っている,φ5mmの電球色のものです。台湾OptoSupply社のもので,OSM54K5111Aといいます。If=20mAで35cdという明るいものです。 

前回同様,常時点灯するLEDと,キャンドルICを使ってLEDがろうそくみたいにチラチラと点滅するものの2個を使いました。こちらの方が実感的だと思います。

PICは12F629を使います。定番のPICですね!

ソフトは簡単なもので,コメント行はありますが,実質8行です。これをhexファイルにコンパイルして12F629に書き込めば完了です。タクトスイッチで#6ピンをプルダウン(low)にすると,GPIOポートの4番(#3ピン)がonして3Vを出力します。これでLEDをドライブするだけです。

15分たったら自動的にそのポートをoffにするようにしました。 

candle software.jpg ソフト

いつもどおり,PIC用のフリーのGreat Cow BASICを使いました。 ソフトは▼です。これを全部コピーしてメモ帳に貼りつけ,それを.hexという拡張子で保存して書き込めばOKです。

candle.txt  

PIC版基板.jpg 基板です。

   簡単な回路なので万能基板で作りました。 

あんどん(PIC).jpg こんな感じです。 

さて,これを愚息にあげたら結構,喜びました。夜,寝る前にスイッチを押して,あんどんを点灯させ,それで寝ているようです。"寝られない" とか言っていましたけど,割にこれをあげたらよく眠れるようです。

とはいえ,昔から,意外に,寝る,と言うことに関しては手のかからない子でした。赤ん坊の頃,夜泣きをしたことはほとんどなく,朝まで寝ているし,風呂上がりにとりあえず,おむつをはかせて掛け布団の上に寝かせておき,3歳上の姉ちゃんにパジャマを着せ,さて,次は坊主,と思って振り向いたらもうすやすやと寝ている,というような赤ん坊でした。 

34-1.jpg 

      なんで子供らだけで寝てんだ~!!

でも,大好きな "アナと雪の女王" (まだはまってます)の冒頭のエルサとアナの幼い姉妹が,彼らだけで寝ているシーンはかわいいけど,ちょっと違和感ありますね~。まあ,ディズニーだから,アメリカの価値観で描いているんでしょうけどね。

アメリカじゃ,子供が2歳くらいになると泣こうがわめこうが,何しようがテディベアでも与えておいて,子供部屋に閉じ込めて強制的に寝させる,なんてことは普通ですね。子供が寝たら大人の時間,というわけです。まあ,彼らにしてみれば,子供の自立心を養うため,なんて言うんですが,それはやはり親の勝手じゃない,と思います。

アナ雪はノルウェー? あたりの北欧が舞台なので,欧州の王侯貴族がこのような子育てをしていたのか,というのもよくわからないのですけど,少なくとも,皇后が一緒に寝られなくても乳母か,信頼する侍従が一緒に寝ていたでしょう。この点でも,なにか違うような気がします。 

さる高名な教育学者の先生が,米国で青少年の犯罪が多いのは子供の頃,一人で寝かせるのが原因とラジオで話しておられましたけど,同感です。やはり子供は日本人みたいに川の字になって寝るのがよいと思います。

まあ,とは言っても,そろそろ思春期だし,うちの坊主も一人で寝ないといけないので,自立したのが少し寂しい,オヤジではありますけど.....。 

故障箇所.jpg あ"っ~~!!

もとの基板を調べていて,気がつきました。なんと,電池のホルダの端子部分が折れて外れています。これじゃ,点灯せんわけだな~。簡単な故障でした......orz。 

修理後.jpg 修理完了。中国製の006Pで動かしてます。

スナップ端子を交換して無事に修理完了。また何かで使うことにします。 


宇高連絡船の思い出 [紀行]

2017年4月5日の日記

先週,四国へ行ってきました。私はほぼ1年ぶりですが,29年前,宇高連絡船に乗りに行きました。廃止になる直前,1988年3月末のことです。廃止は4月9日でした。なんか,本当にギリギリに行っているんだな~と思いました。

以前,青函連絡船の思い出を書きましたが,今日は宇高連絡船の思い出について書きたいと思います。 

さよなら連絡船土佐丸.jpg

青函連絡船は何度も乗っているのですが,どうもiruchanは寒いところが大好きなようで,温暖な四国へ渡ったのもこれが最初です。宇高連絡船もこれが最初で最後でした。ちょっと残念に思っています。

宇野線クモハ84.jpg 宇野線クモハ84

宇野線にはすでに快速マリンライナー用の213系が走っていましたが,ローカルにクモニ83改造のクモハ84形がいました。72系が原型ですが,96年に用途廃止になっているようです。 

土佐丸1.jpg 土佐丸

うどん屋さんは後部デッキにあったと思うのですが.....。すくなくとも,今の高松駅では昔の連絡船のうどん,なんて言っていますけど,こんなに油揚げは大きくなかったと思います。でも,1時間ほどの航海の最中,潮風を浴びながら食べるうどんはおいしかった......。 

伊予丸.jpg 伊予丸

宇高連絡線は青函連絡船と違い,貨車は前部から出し入れするようになっていました。 

阿波丸,讃岐丸1.jpg 阿波丸(左)と讃岐丸(右)

港の反対側からこのようにきれいな写真が撮れました。

讃岐丸だけ,船齢が若いため,連絡船廃止後も少し残り,クルーズ船として活躍しました。 今はインドネシアにいるようです。

船内.jpg 客室(阿波丸)

ブリッジ.jpg ブリッジにて(阿波丸)

当時,廃止間近と言うことでブリッジが開放されていて,見学ができるようになっていました。

JRとびうお.jpg ホーバークラフト便もありました

急行として運転されていた,JRの "とびうお" 号です。1986年から運航されていましたが,連絡船と同時に廃止となりました。 

四国へ渡って,高松~高知間の夜行普通列車に乗って坪尻,新改のスイッチバックを経験できたのもいい思い出です。残念ながら,すでに旧客は廃止になっていて,50系客車でしたけど。その後,京都発のムーンライト高知がその流れをくんでいましたが,それも2008年に廃止になりました。今もあったら夏なんか,結構,人気が出ると思うのですけどね。四国では松山へも夜行の普通列車がありました。

松山行きの夜行普通列車は,すぐにバスに移管され,しばらく夜行バスが走っていました。今,ミッドナイトEXPとして伊予三島まで夜中に特急が走っていますが,一度,乗ってみたいと思います。

特急しおかぜ(海岸寺).jpg 海岸寺~詫間にて

急行いよ.jpg 急行 "いよ" かな

有名な海岸寺駅で降りて,海岸沿いを走る列車を鉄しました。まだ特急が少なく,キハ58系の急行が間合いに走っていましたが,昔は四国は特急なんてなくて,優等列車は全部急行でしたよね.....。

ただ,四国の急行は▼みたいに丸い小さなヘッドマークで列車名を表示していました。▲の写真はつけていないのでどの列車かわかりません。 間合いの普通列車かもしれません。

急行あしずり.jpg 急行 "あしずり" (高松) 

特急しおかぜ.jpg キハ181系の "しおかぜ" 

それに,民営化間近でも四国は全線非電化単線だし,まくらぎも全部木製で近代化が遅れている,と民営化前に新聞で指摘されていました。国鉄は本当に最後まで四国に設備投資をしませんでした。なんとか,瀬戸大橋が開通する前になって,申し訳程度にキハ185系と121系が投入され,複線化と電化が進むようになりました。まだこのときは宇多津駅は地平の駅で,木造の古い駅舎でした。古いもの大好きなiruchanは写真を撮っておけばよかったと後悔しています。

とはいえ,民営化前に投入されたキハ185系は電車の185系同様,快速列車としても使うことが前提,というコストダウン車で,結局,いまいち特急用としてはアコモも性能も不足だし,快速用としてはオールクロスシートで扉が2扉じゃ使いにくい,ということで九州に売却されたりしていますね。どうも国鉄時代,特急と快速を共通運用にしてコストダウンを図る,ということを考えていたようで,"踊り子" 用の電車の185系もそうでしたが,さすがに通勤時間帯には使用しない,と言っていた割には夕方の通勤時間帯に堂々東京駅に通勤列車として乗り入れてくるのには驚きましたけど。どうやら中京地区のキハ80系もこの考えで新型車にするつもりだった,という話を聞きました。やらなくてよかったです。

121系.jpg 121系

121系は当初はこういう水色の帯ではなく,赤色でした。まだ赤い帯の車両があったような気がしますが,iruchanが撮ったのは全部水色でした。民営化後に水色に塗り替えられました。と言って,実際は樹脂製のシール帯なのですが,はがすのが大変なため,そのまま上に水色の帯を貼ったようです。

今は121系もワンマン化改造され,スカートを履いていますし,側面にLED式の行先表示器が取り付けられています。中も製造時は4人掛けのボックスシートが並んでいたのに,一部ロングシートになっているのを見たときは驚きましたけど。

さらに,今後は例の川崎重工製のFRP製efWING台車を履き,制御器もインバータ式になって,形式も7200系と改められるようです。先日,琴平まで乗ってみましたが,空気ばねになり,インバータ制御なのでスムーズに加速し,乗心地も大幅に改善されていました。 

7200系.jpg 

    琴平行き1225M 7200系('17.3.30 高松)

さきほどの急行 "あしずり" が停まっているホームと同じホームだと思います。 屋根も替わっているんですね。

efWing台車.jpg efWING台車

時代も変わりましたね......。


旧海軍兵学校を訪ねて [紀行]

2017年4月1日の日記

旧海軍兵学校.jpg 旧海軍兵学校 

春休みですね~。全然春らしくなくて,結構寒い春休みですが,体調を崩されませんよう,ご注意ください。

さて,わが家では子供たち(♀,♂)が春休みでいつまでも朝は寝ているし,ついでにわが家では母親まで春休みに入ってしまっていていつまでも寝ているので,いつもiruchanは朝早く起きてゴミ出し,洗濯をして自分の朝めしを作って出勤しています......orz。

せっかくの春休みなので今日は愚息を連れて旅行に行きます。残念ながら娘はそろそろ受験生なので連れて行きません。

どこへ行こうか,と言うことになりますが,鉄ちゃんのiruchanはいつもだったら絶対,北海道なんですけどね.....。といって, "北斗星" が廃止になっちゃって,どうしても魅力半減,と言うところです。 

と言うことで,唯一残った夜行寝台特急 ”サンライズ瀬戸” で四国へ行くことにしました。四国だと金比羅さんへ行って,道後温泉に行って,さらに対岸にフェリーで渡って,呉の大和ミュージアムを見学すれば,なかなか子供にもいい体験をさせられそうです。フェリーもなかなか子供で体験することはないでしょうしね。

ついでに,iruchanは一度,行ってみたいところがありました。

やはり,一度は江田島へ行ってみたいと思っていました。呉からはフェリーで20分ほどと近いですしね!

ということで,東京駅22:00発の "サンライズ瀬戸" に乗りました。

サンライズ瀬戸発車標.jpg いよいよ出発です。

サンライズは3回目ですが,完全に個室だからとても静かだし,中はとても清潔できれいなのもいいです。子供には夜行列車というのはとてもいい体験ですしね!

それにしてもなんでシングルツインなんて名前なの~~!?

それって,C形4動軸蒸気機関車とか,赤い青信号なんてのと同じじゃないかと思います。  

サンライズ切符1.jpg

ひと晩寝たら異国じゃないけど,遠く離れた異境の地,と言うのもいいです。 "北斗星" や "日本海" だとひと晩寝たらあたりは雪景色......なんて最高でしたけどね......。

そういう意味で,七つ星とかトワイライトエクスプレス瑞風とか四季島だとか,なんだかわけのわからない豪華列車には全く興味ありません。ひと晩寝て着いてみたら隣の県の温泉かよって感じですね........(^^;)。

"サンライズ瀬戸" の魅力はやっぱり朝の瀬戸大橋。前回はいい天気でしたけど,今回は曇り気味でいまいちでした。でも,愚息も大喜びでした。

サンライズ瀬戸(高松).jpg 高松駅に着きました。

連絡船のうどんを再現したお店が営業していますので,朝食です。宇高連絡船は青函連絡船と違って時間が短かったのですが,海を見ながらうどんを食べる,というのがとてもよかったです。 

きつねうどん.jpg でっかい油揚げのきつねうどん。

本当は坂出で降りて,伊予三島行きのEF65牽引の3071レを撮りたかったのですが,なぜか "サンライズ瀬戸" は1時間遅れで,撮影できませんでした。どうも小田原駅で線路上に人が立ち入ったらしく,そんなところから遅れてしまったようです。 

さて,20年ぶりに琴平駅に着きました。駅もレトロ調にきれいに改装されていました。

琴平駅.jpg 琴平駅

ここから,例の膨大な参道の階段をどんどん上って金比羅さんにお参りします。やはり四国へ来たらここは逃せませんね。

でも,実は,ここはiruchanはリベンジ。前回は本宮をお参りしただけでしたので。今回はさらに奥にある奥社を制覇したいと思います。

しかし.....。

これは本当にきついです。本宮からさらに30分,階段と坂道が続きます。つづら折りになっていて,その折り返し地点ごとに小さな社が出てくるので,もう終わりか? と思うとそこからさらにきつい階段が延々と続いていたりして,本当に大変です。

奥社.jpg ようやく奥社に着きました。

ここでありがたいお守りを買って帰ります。

ちょうど昼なので麓の参道にある田中屋さんで,骨付き鶏セットを食べました。いつも,四国へ来ると夜は骨付き鶏で一杯,というところですが,今回はランチです。子供はさすがに堅いので鶏唐揚げ定食にしましたけど,子供のげんこつくらいある大きな唐揚げに愚息も大満足でした。

ここからは2000系振子気動車と8000系振子電車を乗り継いで松山へ。2000系は登場時に乗りましたけど,そろそろ30年近い車齢なので次の置き換えが検討されているようです。

3079レ(多度津).jpg 3079レ(高松タ~伊予三島)

なんとか,多度津駅で長時間停車中の伊予三島の大王製紙へ行く3079レは撮影できました。残念ながら牽機がEF210なんですけどね。

8000系は初めて。内装も改装されてとてもきれいでした。130km/h運転しているので本当に速いです。カーブも振子電車なので,非常に快適です。子供は見てると気持ち悪い~~と言ってましたけど。

ただ,いくら速いと言っても多度津からほぼ2時間かかるのはしんどい。今治経由で海岸を通るので,松山まで遠いんですね。これじゃ伊予西条から松山へ直行する高速バスの方が30分ほど余計にかかるけど揺れないし,2,400円も安いので快適です。どうしても北海道や四国,九州とかだと,鉄道の方が設備が古く,路線も時代に合わなかったりして高速バスの方が安くて快適なんてところが多いので困ります。本州だと渋滞にはまって全然速くないし,バスも古いのが多いので,まだ鉄道の方が競争力がありますけどね。

ただ,わが北陸でもいずれ,新幹線が敦賀まで伸びますが,大阪や名古屋から北陸に行くのに敦賀で乗り換え,ということだったらバスか自分の車の方がいいや,という人が大部分でしょう。JRはどうするんでしょ? 

泊まりはやはり道後温泉。"千と千尋の神隠し" に出てくる温泉宿みたいな道後温泉本館は見逃せませんね。ここで温泉に浸かってとてもよかったです。

道後温泉本館.jpg 道後温泉本館

前回,来たときは学生でしたけど......。たくさんの外国のお客様が来ていました。 

道後温泉駅.jpg 夜の道後温泉駅 

本当は翌日,松山城へ行くつもりでしたけど,あいにくの雨。しかたないので,朝早めに琴電とフェリーを乗り継いで呉に行くことにしました。

瀬戸内海フェリーに乗ります。船中2時間ほどあるので,食事をしようかと松山駅の駅弁をゲットしました。今回の旅の目的のひとつです。

鈴木弁当店(松山駅).jpg 鈴木弁当屋さんの売店

松山駅にはユニークな駅弁があり,ぜひ一度,食べてみたいと思っていました。ただ,割に早く売り切れてしまうみたいなので,早めに買っておきます。親切なおばさんにお願いして写真を撮らせていただきました。 

醤油ごはん.jpg 醤油ごはん1.jpg

       前から食べてみたかった松山駅の醤油めし

今どき珍しい掛け紙のついたおいしいお弁当でした。愚息にはおむすび弁当を買いましたが,とてもおいしかったと言ってました。う~ん,あとから思えばあな子寿司もよかったな~。今度,買ってみよ~。

少し歩いて大手町の駅から伊予鉄の郊外線に乗ります。それにしてもいつも思うんですが,どうして高浜駅からもう少し,港まで線路を伸ばしてくれなかったかと。連絡バスが出ていますけど,乗り換えはやはり面倒です。

松山観光港はとてもきれいで,待合所やお土産売り場もあり,お弁当も買えます。空港同様,みんなが待つ場所なので,とてもよいですね。また,空港みたいにゲートが伸びていますが,ドアで密閉されていて空調も効いているので寒い思いをしなくてよかったです。でも,さすがに船に乗るときは寒いですけどね.....。

残念ながら今朝から冷たい雨が降っているし,航路は最初のうちはとても静かでしたけど,途中は結構揺れて,客船の窓にも波しぶきがかかる有様で,愚息はグロッキー。オヤジは全然平気でしたけど,さすがにトイレに行こうとしたら満足に廊下も歩けないし,トイレも何かにつかまっていないと用を足せないくらいで,意外に荒れていました。

iruchanはフェリーが結構好きで,海を見ながらのんびりと昼寝もできるし,実際,絨毯敷きの部屋もあったりしてフェリーはいいですよね。子供に体験させたかったのですが,船酔いでまいったようです。 

と言う次第で,今日は予定変更。大和ミュージアムを今日,見学します。港のターミナルすぐだし,見学も便利です。ターミナルは2Fに無料の休憩所もあり,机もあるので,皆さんお弁当でお昼でした。

松山~呉・広島航路.jpg 

  瀬戸内海フェリーの広島~松山航路。2Fには売店と座席,絨毯敷きの部屋があります。

残念ながらフェリーの中には食堂がありません。食事時なら弁当を持参した方がよいです。

さて,呉港に着いたらターミナルビルのすぐ隣にある,大和ミュージアムへ。エントランスにある1/10の巨大な戦艦・大和の模型に驚かされます。映画のセットに使われたのを譲り受けたのはよく知られていますが,それにしても巨大で,かつ精巧にできています。

戦艦大和.jpg 巨大な戦艦大和

やはり大きすぎて普通のカメラじゃ収まりません。しかたないのでスマホで撮りました。 

翔鶴.jpg 空母 "翔鶴"

iruchanは空母が好きで,中学時代,よく空母のプラモを作りました。お気に入りは翔鶴でした......。 

中は数々の戦争に関する資料が展示されていて,iruchanは映像がとてもよかったと思います。特に,呉周辺の映像などはTVでは見ることがないですし,とても貴重でした。 多くの子供たちが来ていましたが,明治から太平洋戦争終戦までの貴重な記録や資料はいい勉強になると思います。

翌日は朝早くホテルを出て,8:35発の江田島小用(こよう)港行きに乗ります。今日は一転,快晴のよい天気です。20分で小用港に着きます。そこからバスで5分の術科学校で降ります。今日は土曜なので,見学開始は10:00です(平日は10:30)。 

旧海軍兵学校1.jpg 旧海軍兵学校生徒館

1888年に東京・築地にあった兵学校を移設したものです。ちなみに今話題? の築地市場はその跡地に建っています。レンガ造りの生徒館は1893年に建てられたものです。江田島の1期生には軍神・広瀬中佐がいます(海軍兵学校としては15期)。ちなみに秋山真之は海兵17期です。現在は海上自衛隊・第1術科学校となっています。バス停も術科学校です。 

大和砲弾.jpg 巨大な大和の砲弾

膨大な資料を保管した教育参考館(中は撮影禁止)の脇に巨大な砲弾が展示されています。手前は三景艦用と書いてありましたから,松島型防護艦用で,口径32cm砲です。これで独クルップ製の30.5cm砲を搭載した清国艦隊の定遠,鎮遠を圧倒したわけですね。 

奥はもちろん,戦艦大和の46cm砲。射程は42kmです。さすがに目視で弾着を確認できませんから,艦に搭載した零式水上観測機と呼ばれた水上機で確認します。

なんか,正直言ってすこし間の抜けた話,という気がします。当然,敵艦や敵戦闘機はその水上機を標的にしますし,こちらはいくら零戦の仲間と言ってもフロートがついて邪魔なので速力が大きく劣りますしね。無線で連絡すると言っても日本の無線はAM(振幅変調)なのでノイズが大きく,うまく艦に連絡できたのでしょうか。

残念ながら,大和はこの巨大な砲弾を敵艦に発射することはありませんでした。一発でもお見舞いしてやればひと泡吹かせてやれたのに,という気がします。

奥の潜水艦は特殊潜航艇 甲標的です。目的を秘匿するため,わざとこんな名前にしてあるようです。魚雷2本を搭載し,本来は特攻兵器ではないのですが,速力が劣るため,実際には決死の攻撃兵器です。本来は偵察,通商破壊用の潜水艦を通常の水上艦艇と同じ,攻撃兵器として用いたのが日本海軍の特徴ですが,大型の潜水艦も速力が遅く,魚雷を放ったら海底近くで隠れているしかない,と言う作戦では敵に見つかりやすく,潜水艦乗員の損失は激しいものがありました。

教育参考館の中は日本海軍の歴史的資料を保存していますが,特攻隊の隊員の皆さんの遺書も多数展示されています。漢字仮名交じり文でとても子供には読めませんが,愚息は熱心に見ていました。両親について感謝の気持ちを書いたものが多い中に,"遺言ナシ" と書いたものがあり,愚息にも読めたらしいのですが,強く印象に残ったのか,しきりに話をしていました。本当は書きたいことがたくさんあったのに,何も書かず,死に臨んだ隊員のお気持ちを考えると涙なしには読めません。

特攻隊員の殉職年齢は平均,19.2歳だそうです。当日,高校生が研修のためか来館しておられましたけど,17歳とのこと。"皆さん,あと2年で死ななきゃならんのですよ" とのガイドの方の言葉に神妙にしてました。我々は多くの人命の犠牲のあとに生まれていることを忘れてはなりません。

見学は1時間半ほどで終わります。あっという間でした。校内はさすがにかつて世界の3大兵学校(あとは英ダートマス,米アナポリス)のひとつと呼ばれただけあって,とても広いです。

iruchanは反体制派? で,会社じゃ冷や飯食ってますけど.......(^^;),海軍の井上成美をとても尊敬しているので一度,兵学校へ行ってみたいと思っていました。最後の海軍大将として有名ですね。

井上は海軍三羽烏の1人で,戦前,三国同盟や対米英開戦に強硬に反対しました。米内光政や山本五十六と同様,海外経験があり,英米の底力をよく知っていて,必敗だと考えていました。結局,主戦派が勝ち,海軍次官の山本は連合艦隊司令長官,井上も第四艦隊司令長官に異動させられます。正しいことを言う人は邪魔なやつとして,中央から外して現場に飛ばしてしまえ,と言うわけですね。陸軍でもたとえば,硫黄島守備隊の栗林中将もワシントンに駐在した知米派と言うことから最前線に異動させられています。自分たちにとって不都合なことには目をつむり,正論を言う人を排除する,日本の社会は今も昔も同じ,という気がしますね。また,よく,陸軍=悪者,海軍=いい子というイメージで語られますし,事実,A級戦犯で処刑されたのは陸軍関係者ですが,実際,石油が半年しか持たないからと開戦を急がせたのは海軍です。

その後,井上は海軍兵学校長に転じますが,日本の敗戦を見越し,優秀な生徒たちが戦後日本の復興に役立つはずと考え,英語教育に力を入れたのはよく知られています。戦前,海軍兵学校と言えばエリート中のエリート養成校でしたからね。実際,多くの海兵卒の人が戦後の日本を支えました。iruchanの周辺にも戦時中最後の海兵卒,という先生などがいらっしゃいました。

井上成美は戦後,多くの生徒を失ったことや開戦の責任を感じているかのごとく,横須賀の山中に逼塞して暮らしていました。iruchanは尊敬している人物が関与したところへ訪問できてよかったと思います。

江田島桜.jpg 桜はまだつぼみでした。 

帰る前にちょうど昼時なので江田島クラブで食事をして帰ります。昔なら水交社ですね......(^^)。もちろん,カレーを食べて帰ります。 

カツカレー.jpg やっぱ,カツカレーですね!!

少し甘め(海軍のカレーは実は甘かったらしいです)でかなりのボリュームですが,カツも熱々で,とてもおいしかったです。カレー大好きな愚息はぺろりと平らげました。

帰りはさすがにバスがない時間(12時台はありません)なのでタクシーで小用港へ行きました。

呉からは広島空港までバスが出ています。

残念ながら,Googleのルート検索でもYahoo!路線情報でも呉~広島空港間のバスは検索しても出てきません。さすがに呉は大きな街だし,連絡バスがあるはず,と思ったんですけどね。結局,ホテルのフロントにパンフレットがあり,それで時刻がわかりました。案外,Googleも頼りになりません。こちらに時刻が出ています。


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